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安藤忠雄の建築を被写体とし、写真家フィリップ・セクリエが撮り下ろした写真作品の展覧会が開催。USMの丸の内のショールームを会場に、作家が9年間にわたって探求した資料やコレクションも展示
安藤忠雄の建築を被写体とし、写真家フィリップ・セクリエが撮り下ろした写真作品の展覧会が開催。USMの丸の内のショールームを会場に、作家が9年間にわたって探求した資料やコレクションも展示写真集『Atlas Tadao Ando』(Atelier EXB/Prestel)

安藤忠雄の建築を被写体とし、フランス人写真家フィリップ・セクリエが撮り下ろした写真作品の展覧会が開催されます。USMの東京都千代田区丸の内のショールームを会場に、作家が9年間にわたって探求した資料やコレクションも展示されます。会期は2022年11月1日~11月15日です。会場の場所はこちら(Google Map)。【ap・ad】

2021年に刊行された写真集『Atlas Tadao Ando』(Atelier EXB/Prestel)は、元ジャーナリストであるフィリップ・セクリエが、建築と写真への情熱から、建築家安藤忠雄が手掛けた日本はじめ世界中の公共および民間の建造物を9年間にわたって探求し記録した作品集です。

フィリップは、最も象徴的でありながらもなかなか目に触れることができない120棟の安藤忠雄建築をセレクションし、2000枚以上ものモノクロ写真を集成しました。コンクリートとガラスの構造を通して、日本を代表する著名な建築家の卓越した熟考的側面と鋭い美的感覚をとらえたアプローチは、これまでにない独創性を示しています。

丸の内直営ショールームで開催する今回の展覧会では、フィリップの長年に渡る旅の記録を垣間見ることができます。旅に携行した地図や書籍、安藤忠雄に関する書物の個人コレクション、写真集に掲載されている写真の原板など、フィリップが収集した貴重な資料を展示します。

USM ハラーが、建築家フリッツ・ハラーと事業家ポール・シェアラー(USM 三代目経営者)の建築とデザインに対する共通の情熱の産物であるように、この展示では、特別に設計されたハラーのユニットが、フィリップによって選ばれた希少なさまざまな資料を美しく引き立てます。

以下に、パリで行われた際の、同展覧会の会場写真を掲載します。

鈴木雅也建築設計事務所による、東京・目黒区の住戸改修「自由が丘の家」。華道が趣味の施主の為に計画。新旧の良さを引立たせた融合を求め、和室新設以外に既存の間取りを変えずに“内装仕上の変更”で空間を構築。自然素材の採用と既存の取捨選択で豊かな表情を作る
鈴木雅也建築設計事務所による、東京・目黒区の住戸改修「自由が丘の家」。華道が趣味の施主の為に計画。新旧の良さを引立たせた融合を求め、和室新設以外に既存の間取りを変えずに“内装仕上の変更”で空間を構築。自然素材の採用と既存の取捨選択で豊かな表情を作る photo©鈴木研一
鈴木雅也建築設計事務所による、東京・目黒区の住戸改修「自由が丘の家」。華道が趣味の施主の為に計画。新旧の良さを引立たせた融合を求め、和室新設以外に既存の間取りを変えずに“内装仕上の変更”で空間を構築。自然素材の採用と既存の取捨選択で豊かな表情を作る photo©鈴木研一
鈴木雅也建築設計事務所による、東京・目黒区の住戸改修「自由が丘の家」。華道が趣味の施主の為に計画。新旧の良さを引立たせた融合を求め、和室新設以外に既存の間取りを変えずに“内装仕上の変更”で空間を構築。自然素材の採用と既存の取捨選択で豊かな表情を作る photo©鈴木研一

鈴木雅也建築設計事務所が設計した、東京・目黒区の住戸改修「自由が丘の家」です。
華道が趣味の施主の為に計画されました。建築家は、新旧の良さを引立たせた融合を求め、和室新設以外に既存の間取りを変えずに“内装仕上の変更”で空間を構築しました。また、自然素材の採用と既存の取捨選択で豊かな表情を作る事も意図されました。

都内の閑静な住宅街にある低層マンション住戸のリノベーションである。

建築家によるテキストより

華道を趣味とするクライアントの為に4.5畳の床の間のある和室を設えている。和室は天井高を1,950mmと抑え、障子の横桟を下げて空間の重心を低くし、座位で過ごした時に丁度良い落ち着きになるように計画している。床柱は香節丸太の原木、天井材をはじめとした和室廻りの木材は赤身の杉板を選定し、小さな空間の中で素材の美しさを肌身に感じる事ができる。

建築家によるテキストより

このリノベーションは小さな和室を新設しただけで、既存の間取りからの変更はほとんど無い。既存壁床天井はできるだけ壊さず、上から新たな造作をおこない、内観のプロポーションを整え、内装仕上の変更が主だった計画となっている。シンプルな空間構成ではあるが、和室をはじめ、居間食堂の砂壁や籐貼建具などの自然素材が空間に豊かな表情を生み出してくれた。

建築家によるテキストより
大野力 / sinatoによる、東京・港区の、ワークプレイス「DENTSU DIGITAL」。約2,000人が時間や場所を自由に選び働く場。“特定多数のコモン”の均衡を目指し、多様な行動を促進する“道”を作りタスクに応じ占有できる“拠点”を配置。個人の自由と集団の生産性を両立
大野力 / sinatoによる、東京・港区の、ワークプレイス「DENTSU DIGITAL」。約2,000人が時間や場所を自由に選び働く場。“特定多数のコモン”の均衡を目指し、多様な行動を促進する“道”を作りタスクに応じ占有できる“拠点”を配置。個人の自由と集団の生産性を両立 photo©太田拓実
大野力 / sinatoによる、東京・港区の、ワークプレイス「DENTSU DIGITAL」。約2,000人が時間や場所を自由に選び働く場。“特定多数のコモン”の均衡を目指し、多様な行動を促進する“道”を作りタスクに応じ占有できる“拠点”を配置。個人の自由と集団の生産性を両立 photo©太田拓実
大野力 / sinatoによる、東京・港区の、ワークプレイス「DENTSU DIGITAL」。約2,000人が時間や場所を自由に選び働く場。“特定多数のコモン”の均衡を目指し、多様な行動を促進する“道”を作りタスクに応じ占有できる“拠点”を配置。個人の自由と集団の生産性を両立 photo©太田拓実
大野力 / sinatoによる、東京・港区の、ワークプレイス「DENTSU DIGITAL」。約2,000人が時間や場所を自由に選び働く場。“特定多数のコモン”の均衡を目指し、多様な行動を促進する“道”を作りタスクに応じ占有できる“拠点”を配置。個人の自由と集団の生産性を両立 photo©太田拓実

大野力 / sinatoが設計した、東京・港区の、ワークプレイス「DENTSU DIGITAL」です。
約2,000人が時間や場所を自由に選び働く場です。建築家は、“特定多数のコモン”の均衡を目指し、多様な行動を促進する“道”を作りタスクに応じ占有できる“拠点”を配置しました。そして、個人の自由と集団の生産性を両立する事が意図されました。

東京・汐留に建つ電通本社ビル内の2フロア、約2000人が働く電通デジタルのワークプレイス。

建築家によるテキストより

来客フロアでは、同ビルの特徴的な外壁形状を踏襲したガラスやスチールパイプによるパーテションを入れ子状に配置し、建築と一体となったシンボリックで大きな風景をつくりながら、分節感のある様々な居場所を設けた。それらは周囲に立つ壁の量や透明度によってスケールや見え隠れが異なり、社内外のコミュニケーションを混ぜながらシームレスに連続する環境を生み出している。

執務フロアでは、ワーカーの多様な動きを助長する道づくりに注力した。建築形状に呼応する様々な角度の道がフロア全体を繋ぎ、ワーカーはその時々のモードに合わせて最適な設えを選択しながら移動する。

建築家によるテキストより

また「ビレッジ」と呼ばれる「部署単位で長期間占有する拠点」を交通量の多くなる道の交差点に、「ハックルーム」と呼ばれる「プロジェクト単位で数日~数ヶ月の期間占有する拠点」を道の間の空地に複数配置した。これらの拠点は、その部署やプロジェクトに所属するメンバーしか使えず、「ここに居る必要はないがここに来ればチームと出会える可能性が高い」という場所で、ABWという働き方が当たり前となった同社において、ワーカー個人の自由度やフレキシビリティとチームの生産性や文脈共有を両立させる為の装置として機能している。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 “あたらしい暮らし”の実現をビジョンに掲げる「NOT A HOTEL株式会社」が、リモート勤務での 建築デザイナー・プロジェクトマネージャー・ライフサイクルマネジメントを募集中
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“あたらしい暮らし”の実現をビジョンに掲げる「NOT A HOTEL株式会社」の、リモート勤務での 建築デザイナー・プロジェクトマネージャー・ライフサイクルマネジメント募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

NOT A HOTELは、「世界をもっと楽しく」をビジョンに、スマホひとつで好きなときに好きな場所で自由に住むことができる「あたらしい暮らし」を世界中の人に提供することを目指しています。

「あたらしい暮らし」を一人でも多くの人に提供するために、既存の枠にとらわれない建築、金融、ソフトウェアをゼロから開発しています。オーナー向けのアプリから、住宅をスマートにコントロールするハードウェア、ホテル運営者のオペレーションシステムなどを統合的に開発し、これまでにないワクワクするような体験を生み出していきます。

社内には設計事務所やゼネコン出身である建築のプロの他に、ソフトウェアエンジニアや不動産販売、さらに食やホテルのプロフェッショナルが集まっています。

「すべての常識を“超えて”いく。」をVALUEに掲げたチームで、建築の垣根を超えて挑戦をしたい方をお待ちしています。

清水建設による、茨城・つくば市の「ゼロエミッション国際共同研究センター」。既存建物を国際共同研究の場とする計画。持続可能社会を構築する次世代型改修を目指し、廃棄物削減や省エネ等を考慮した設計を志向。キャノピーの“有機的な樹状デザイン”で施設の役割を象徴
清水建設による、茨城・つくば市の「ゼロエミッション国際共同研究センター」。既存建物を国際共同研究の場とする計画。持続可能社会を構築する次世代型改修を目指し、廃棄物削減や省エネ等を考慮した設計を志向。キャノピーの“有機的な樹状デザイン”で施設の役割を象徴本館車寄せまわり外観 photo©新建築社写真部
清水建設による、茨城・つくば市の「ゼロエミッション国際共同研究センター」。既存建物を国際共同研究の場とする計画。持続可能社会を構築する次世代型改修を目指し、廃棄物削減や省エネ等を考慮した設計を志向。キャノピーの“有機的な樹状デザイン”で施設の役割を象徴ゼロエミの木(庇-1)見上げ。 ガラス屋根の太陽光セルを樹木の葉に見立て、架構の間から木漏れ日のような光を演出。 photo©新建築社写真部
清水建設による、茨城・つくば市の「ゼロエミッション国際共同研究センター」。既存建物を国際共同研究の場とする計画。持続可能社会を構築する次世代型改修を目指し、廃棄物削減や省エネ等を考慮した設計を志向。キャノピーの“有機的な樹状デザイン”で施設の役割を象徴本館エントランスポーチ。 軒天井は、再塗装した既存金属パネルと照明内臓の新設アルミパネルの市松天井とした。ポーチ床は再生木デッキをオーバーレイすることで段差解消を図り、バリアフリーと廃棄物削減を両立した。 photo©新建築社写真部

清水建設が設計した、茨城・つくば市の「産業技術総合研究所 ゼロエミッション国際共同研究センター」です。
既存建物を国際共同研究の場とする計画です。建築家は、持続可能社会を構築する次世代型改修を目指し、廃棄物削減や省エネ等を考慮した設計を志向しました。また、キャノピーの“有機的な樹状デザイン”で施設の役割を象徴する事も意図されました。

本プロジェクトは、世界の叡智を結集し国際共同研究を実施する場として、2019年「グリーンイノベーション・サミット」において提案された「ゼロエミッション国際共同研究センター(研究センター長:吉野彰博士)」を産業技術総合研究所(以下,産総研)つくば西事業所に整備するものである。つくば西事業所の中央に位置する本館と別棟群(1976〜80年竣工)および本館車寄せ回りの改修・更新が整備対象である。

建築家によるテキストより

本館エントランスキャノピーは、産総研の歴史を物語る敷地内の豊饒な樹々をモチーフに得た有機的な樹状デザインとし、研究成果の成長発展や技術融合のシンボルとした。柱と梁がシームレスに連続するフラットバー鋼材の幹と枝はガラス屋根を支え、葉に見立てた発電セルと樹状架構により、光が木漏れ日のように入る明るく開放的なエントランスキャノピーとした。この複雑な形態の実現にあたって、設計から施工まで一貫したデジタル活用により高い建物品質を確保した。

建築家によるテキストより

ゼロエミッション志向のリノベーションにおいて、CO2排出と廃棄物削減を図るため、既存躯体と仕上げを活かしながら、老朽化した空間を再生した。また、更新する仕上げ材には木材を積極的に利用し、炭素固定による新たな価値を付加した。設計プロセスでは、複数の検討案を同時にシミュレーション・評価ができる当社開発の検証システムを用い、最適な省エネルギー提案を行った。

建築家によるテキストより
中村竜治建築設計事務所による、京都市の、デザイン展の会場構成「FormSWISS展示設計」。ビジュアル作品等を展示。限られたスペースを活かす為に、壁と床を“画鋲”を用いた“200mmグリッド”で覆って磁石で固定する仕組みを考案。均質な空間に不均質な作品群が重なり合う場を作る
中村竜治建築設計事務所による、京都市の、デザイン展の会場構成「FormSWISS展示設計」。ビジュアル作品等を展示。限られたスペースを活かす為に、壁と床を“画鋲”を用いた“200mmグリッド”で覆って磁石で固定する仕組みを考案。均質な空間に不均質な作品群が重なり合う場を作る photo©中村竜治
中村竜治建築設計事務所による、京都市の、デザイン展の会場構成「FormSWISS展示設計」。ビジュアル作品等を展示。限られたスペースを活かす為に、壁と床を“画鋲”を用いた“200mmグリッド”で覆って磁石で固定する仕組みを考案。均質な空間に不均質な作品群が重なり合う場を作る photo©中村竜治
中村竜治建築設計事務所による、京都市の、デザイン展の会場構成「FormSWISS展示設計」。ビジュアル作品等を展示。限られたスペースを活かす為に、壁と床を“画鋲”を用いた“200mmグリッド”で覆って磁石で固定する仕組みを考案。均質な空間に不均質な作品群が重なり合う場を作る photo©中村竜治

中村竜治建築設計事務所が設計した、京都市の、デザイン展の会場構成「FormSWISS展示設計」です。
ビジュアル作品等を展示する計画です。建築家は、限られたスペースを活かす為に、壁と床を“画鋲”を用いた“200mmグリッド”で覆って磁石で固定する仕組みを考案しました。そして、均質な空間に不均質な作品群が重なり合う場を作る事が意図されました。
京都dddギャラリーで開催され、会期は2022年11月20日まで。東京で行われた展示の会場構成も中村竜治建築設計事務所が手掛けており、アーキテクチャーフォトでは、特集記事として紹介しています。展覧会の公式サイトはこちら

京都dddギャラリーでのFormSWISS展の展示設計です。
展示内容はスイスのビジュアルコミュニケーションデザインに関する作品群とFormSWISSの企画者である丸山新さんによるデザイナー達への取材記録です。

建築家によるテキストより

東京、神戸に続く3度目の展示となりますが、東京や神戸の会場とは異なり展示可能な壁面の割合が多くかつコンパクトな会場だったので、前回までの床のみを使ったコンクリートブロックによるグリッドではなく、壁と床の両方を使った画鋲+磁石によるグリッドを用意しました。95m2ほどの四角い部屋に画鋲を200mmピッチで壁と床に設置しグリッドをつくり、それを利用し磁石で展示物を固定するという仕組の空間となっています。

建築家によるテキストより

丸山さんによる展示物のレイアウトは、それらを3つの文化圏(ドイツ語圏、フランス語圏、イタリア語圏)に区分しつつ、グリッドとは対象的に地形のような不均質な輪郭を形成するように配置するというものです。作品はケースに入れられることなく裸で展示され、また、限られたスペースでより多くの作品を紹介するため床に重ねて置かれ途中何度か入替もされます。そのような作品に対するラフで流動的な扱いは、デザイナー達のアトリエでのふるまいを意識したものでもあります。

建築家によるテキストより
関西の建築界を牽引した石井修の、生誕100周年を記念した展覧会が開催。兵庫県立美術館のギャラリーを会場とし、倉方俊輔のキュレーションで、代表作品の図面・写真・模型を公開
関西の建築界を牽引した石井修の、生誕100周年を記念した展覧会が開催。兵庫県立美術館のギャラリーを会場とし、倉方俊輔のキュレーションで、代表作品の図面・写真・模型を公開

関西の建築界を牽引した石井修の、生誕100周年を記念した展覧会が開催されます。兵庫県立美術館のギャラリーを会場とし、倉方俊輔のキュレーションで、代表作品の図面・写真・模型が公開されます。会期は、2022年11月3日~2022年11月27日会場は、兵庫県立美術館ギャラリー棟3ギャラリーです。【ap・ad】

2022年は、六甲山東端の甲山の南斜面に位置する目神山町に自邸を構え、関西の建築界を牽引してきた建築家・石井修の生誕100年となります。「建築に外観はいらない」と語った石井は、自然の地形を最大限に生かし、樹木や周辺環境と共存した建築を多く手がけました。今回、石井修の生誕100年を記念し、代表的な作品の図面・写真・模型を展示する展覧会を開催します。また、シンポジウムを開催するとともに、全作品をアーカイブした作品集の出版も行います。本展は、多様な展示資料を通して建築家・石井修の建築・理念・活動を多くの人々に知っていただくことを目的としています。

以下に、キュレーションを手掛けた倉方俊輔のテキストも掲載します。

吉野優輔 / YYAによる、和歌山・田辺市の「森の歯科」。歯科医の施主が第二の人生を送る為の併用住宅。患者が訪問し易くリラックスできる環境を目指し、治療空間を中心に検討して森を眺める個室郡を考案。経営理念と建築の解き方を合わせ本質を可視化
吉野優輔 / YYAによる、和歌山・田辺市の「森の歯科」。歯科医の施主が第二の人生を送る為の併用住宅。患者が訪問し易くリラックスできる環境を目指し、治療空間を中心に検討して森を眺める個室郡を考案。経営理念と建築の解き方を合わせ本質を可視化 photo©太田拓実
吉野優輔 / YYAによる、和歌山・田辺市の「森の歯科」。歯科医の施主が第二の人生を送る為の併用住宅。患者が訪問し易くリラックスできる環境を目指し、治療空間を中心に検討して森を眺める個室郡を考案。経営理念と建築の解き方を合わせ本質を可視化 photo©太田拓実
吉野優輔 / YYAによる、和歌山・田辺市の「森の歯科」。歯科医の施主が第二の人生を送る為の併用住宅。患者が訪問し易くリラックスできる環境を目指し、治療空間を中心に検討して森を眺める個室郡を考案。経営理念と建築の解き方を合わせ本質を可視化 photo©太田拓実

吉野優輔 / YYAが設計した、和歌山・田辺市の「森の歯科」です。
歯科医の施主が第二の人生を送る為の併用住宅です。建築家は、患者が訪問し易くリラックスできる環境を目指し、治療空間を中心に検討して森を眺める個室郡を考案しました。そして、経営理念と建築の解き方を合わせ本質を可視化する事も意図されました。

兵庫県芦屋で院長を勤めた歯科医が和歌山県白浜からほど近い田辺市に第二の人生を送る為の、歯科医院併設住宅の計画である。

建築家によるテキストより

まず考えたことは患者さんがこの歯科医院を初めて訪れたときに、どういう感じ方をされるかを考えた。患者さんが求めているのは怖くなく、リラックスできて、通いやすいそんなシンプルな環境を整えてあげることが一番ではないかと考えた。


一方施主は芦屋から田辺という環境が全くことなるエリアで一から歯科医院を開業することの意味を考え、患者さんが来やすい環境を整えること、シンプルに痛くない治療を行うなど、普段歯科医が当たり前にしていることを再定義し、それを経営の骨子とした。
また今計画ができることで、歯科医師として地域貢献をしていきたいという施主の思いもあるような計画である。

建築家によるテキストより

作りたい空間を優先し、その中に治療スペースを設けるような解き方ではなく、治療スペースから、その他のものを決めていく演繹法のような解き方をすることで、恣意的な操作を一切排除し、あくまでも患者さんの為の空間を最優先とした建築とすることで、患者さんが来やすく、何度でも通ってもらえるような歯科医院になるのではないかと考えた。

建築家によるテキストより
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、中国の「杭州国際スポーツセンター」。サッカー場・屋内アリーナ・プール等を収容。試合のない日にも活用される施設を目指し、プログラムの検討と共に敷地の約半分を公共空間として設計。換気や発電と排水に関しても環境への最適化を行う
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、中国の「杭州国際スポーツセンター」。サッカー場・屋内アリーナ・プール等を収容。試合のない日にも活用される施設を目指し、プログラムの検討と共に敷地の約半分を公共空間として設計。換気や発電と排水に関しても環境への最適化を行う image©Proloog
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、中国の「杭州国際スポーツセンター」。サッカー場・屋内アリーナ・プール等を収容。試合のない日にも活用される施設を目指し、プログラムの検討と共に敷地の約半分を公共空間として設計。換気や発電と排水に関しても環境への最適化を行う image©Proloog
ザハ・ハディド・アーキテクツによる、中国の「杭州国際スポーツセンター」。サッカー場・屋内アリーナ・プール等を収容。試合のない日にも活用される施設を目指し、プログラムの検討と共に敷地の約半分を公共空間として設計。換気や発電と排水に関しても環境への最適化を行う image©BrickVisual

ザハ・ハディド・アーキテクツによる、中国の「杭州国際スポーツセンター」です。
サッカー場・屋内アリーナ・プール等を収容する建築です。建築家は、試合のない日にも活用される施設を目指し、プログラムの検討と共に敷地の約半分を公共空間として設計しました。また、換気や発電と排水に関しても環境への最適化を行う事も計画されています。

こちらはリリーステキストの翻訳

ザハ・ハディド・アーキテクツが杭州国際スポーツセンター建設へ
中国・杭州

ザハ・ハディド・アーキテクツ(ZHA)は、新しい杭州国際スポーツセンターの設計コンペに勝利しました。

杭州国際スポーツセンターは、6万人収容のサッカースタジアムと練習場、1万9000人収容の屋内競技場、50mプール2面を備えたアクアティクスセンターを含む設計となっています。杭州市の未来科学技術文化地区内に位置するこのスポーツセンターには、新しいリバーフロントパークと公共広場が設けられ、拡大する市内の地下鉄網の3号線と5号線に直接アクセスできるようになっています。

世界有数の電子商取引の中心地のひとつである杭州には、中国最大のテクノロジー企業が数多くあり、それらが、IT専門家や起業家を引き付け、全国から集まり、この街で生活や仕事をするようになりました。杭州の人口増加に対応するため、国際スポーツセンターは、草の根のプレーヤーからプロのアスリートまで、さまざまな施設を提供できるよう設計されています。各会場はコンパクトに設計され、その方向性や構成と共に、敷地のほぼ半分を街の新しい公共空間として生まれ変わらせることができます。街の都市計画や川沿いの自然景観と一体化したこのセンターには、イベントやレクリエーション、リラクゼーションのための新しい公園や集会場が組み込まれています。

センター内で最大の施設として、13万5,000㎡のサッカースタジアムが、新しい公園の東側に位置し、街に面しています。スタジアムの西側と南側には、インドアアリーナとアクアティクスセンターがあり、敷地内を縫うように配置された基壇によってスタジアムに接続されています。

杭州の丘陵地帯に広がる茶畑の段々畑をイメージした縞模様の45,000㎡の基壇には、トレーニング、フィットネスホール、ロッカールーム、オフィス、ショップ、レストラン、カフェなどのスポーツセンターの付帯設備があり、基壇の中庭とテラスを見渡すことができます。

多くのスタジアムの強固なファサードとは異なり、杭州国際スポーツセンターのスタジアムのファサードは、ルーバーで外部に開放されており、保護されたテラスには様々な飲食店が入っていて、街のパノラマビューを楽しむことができます。FFIFA規格に基づき設計されたスタジアムの客席は、観客がプレイフィールドとできるだけ近くなるように構成されており、どの席からも最高の眺望をもたらします。そして、スタジアム全体を通して、ピッチ上の選手とスタジアムの座席に座るファンのために、マッチデーの雰囲気を盛り上げます。これらのプログラム要件は、ルーバーのファサードの起伏として表現されるジオメトリを定義しています。

スタジアムのルーバーファサードは、内部と外部の境界を曖昧にしています。ルーバーの素材感やディテールは、近くから見ると、スタジアムが地層的な固まりであるかのように見えます。遠くから見ると、ルーバーのファサードは透明になり、スタジアムの客席の下にある公共空間と都市をつなぎます。

【ap job更新】 建築に加え家具製作やスクール運営も手掛け、地域の課題解決を目指す「ようび建築設計室」が、設計スタッフ(経験者・既卒)とサポートスタッフ(アルバイト)を募集中
【ap job更新】 建築に加え家具製作やスクール運営も手掛け、地域の課題解決を目指す「ようび建築設計室」が、設計スタッフ(経験者・既卒)とサポートスタッフ(アルバイト)を募集中
【ap job更新】 建築に加え家具製作やスクール運営も手掛け、地域の課題解決を目指す「ようび建築設計室」が、設計スタッフ(経験者・既卒)とサポートスタッフ(アルバイト)を募集中[ようび 本社]

建築に加え家具製作やスクール運営も手掛け、地域の課題解決を目指す「ようび建築設計室」の、設計スタッフ(経験者・既卒)とサポートスタッフ(アルバイト)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

岡山県・西粟倉村にある「ようび建築設計室」では、建築設計士(正社員)とサポートスタッフ(アルバイト)を募集しています。

私たちは、宿泊施設、店舗、学育施設、研究所、作業所、モバイルハウス、サウナ、Fab Lab や、古民家や廃校の再生、場づくり、まちづくりなど、新築・リノベーション双方で、多岐にわたる建築業務に携わっています。

社内に設計事務所や家具什器の工房もあり、クライアントのビジョンを、多種多様な専門性を持った人と協力して、より良いビジョンにしていく事を大切にしています。
ここでしか、出来ない可能性があります。

■ようび建築設計室の特徴
【企画から設計まで、幅広く業務に携わることができます】
企画営業、コンセプト、プラン、イメージパースの作成から、設計、施工に至るまで。その建物に必要な構造、工法、素材、設備、施工、企画、 運営方法など、ひとつひとつの建物に最適な答えを導き出します。

【コミュニケーション力とネットワーク力を活かします】
ようび建築設計室は、お客様とのコミュニケーションを何より大事にします。地域の住民の方々との対話やワークショップなども得意です。また、建築や他の様々な分野における、全国のスペシャリストや職人たちとのネットワークを生かし、事業者様とも協力しながら、お客様の家族、地域、組織の未来のために、設計致します。

【「地方」を熟知した設計室です】
岡山県西粟倉村という、人口およそ1400人、森林が95%という地方に実際に身を置き、地方での課題解決に関わっています。リアルな地方の生活で培った経験と「価値を生み出す場」を創り出すノウハウを基に、建築設計業務を行なっています。

成瀬・猪熊建築設計事務所による、岐阜の宿泊施設「お宿Onn 中津川」。木材の企業が地域活性の為に計画。地元の“素材”とエリアの“地形”を出発点に、様々な“ヒノキ”の要素を散りばめ山裾を再現した共用空間を考案。客室等でも異なる方法でヒノキの魅力を引き出す
成瀬・猪熊建築設計事務所による、岐阜の宿泊施設「お宿Onn 中津川」。木材の企業が地域活性の為に計画。地元の“素材”とエリアの“地形”を出発点に、様々な“ヒノキ”の要素を散りばめ山裾を再現した共用空間を考案。客室等でも異なる方法でヒノキの魅力を引き出す photo©西川公朗
成瀬・猪熊建築設計事務所による、岐阜の宿泊施設「お宿Onn 中津川」。木材の企業が地域活性の為に計画。地元の“素材”とエリアの“地形”を出発点に、様々な“ヒノキ”の要素を散りばめ山裾を再現した共用空間を考案。客室等でも異なる方法でヒノキの魅力を引き出す photo©西川公朗
成瀬・猪熊建築設計事務所による、岐阜の宿泊施設「お宿Onn 中津川」。木材の企業が地域活性の為に計画。地元の“素材”とエリアの“地形”を出発点に、様々な“ヒノキ”の要素を散りばめ山裾を再現した共用空間を考案。客室等でも異なる方法でヒノキの魅力を引き出す photo©西川公朗
成瀬・猪熊建築設計事務所による、岐阜の宿泊施設「お宿Onn 中津川」。木材の企業が地域活性の為に計画。地元の“素材”とエリアの“地形”を出発点に、様々な“ヒノキ”の要素を散りばめ山裾を再現した共用空間を考案。客室等でも異なる方法でヒノキの魅力を引き出す photo©西川公朗

成瀬・猪熊建築設計事務所が設計した、岐阜の宿泊施設「お宿Onn 中津川」です。
木材の企業が地域活性の為に計画しました。建築家は、地元の“素材”とエリアの“地形”を出発点に、様々な“ヒノキ”の要素を散りばめ山裾を再現した共用空間を考案しました。また、客室等でも異なる方法でヒノキの魅力を引き出す事が意図されました。施設の公式サイトはこちら

このホテルは、中津川で木材関係事業を中心に展開する丸山木材ホールディングス株式会社が、地域を盛り上げるべく計画した建築だ。

中津川は岐阜県東部に位置し、古くから信仰の対象であった恵那山の裾野の北側に、かつての中山道の宿場町中津川宿として栄えた地域である。古くから木曽檜の産地の一つでもあり、丸山木材ホールディングスもこの地で約100年、森林経営を行い続けてきた企業である。

建築家によるテキストより

敷地はこうした中津川の中心的な場所である、旧中山道沿いの一角にある。
残念ながら当時の宿場町の面影を残す場所は、敷地から少し離れており、周囲は昭和の商店街の空気感を漂わせている。一方で地形は恵那山にむけて緩やかな勾配となっており、この地が恵那山の裾野に発展してきた街であることを今に伝えている。

そこで今回私たちは、この地形とヒノキを設計の出発点とし、少し人通りが少なくなった旧中山道に新たな刺激を与える建築を作ることにした。

建築家によるテキストより

まず行ったのは、1階共用部を地形と連続させることである。1F部分を上層部よりインセットし、ピロティ状の空間を作り、さらにコンクリートの壁や格天井などのエレメントを、内外に貫通させ、連続感を高めた。内部では複数のレベルの床を地形に沿って階段やスロープで繋ぎ、恵那山へ登る地形を再現している。

ヒノキについては、鉄骨を支える木構造の柱(燃エンウッド)・前述の格天井・なぐり加工の床・飲食スペースの腰壁・レジンで固めた受付カウンター・製材所の雰囲気を再現したアートワーク・大浴場の衝立など、さまざまな要素をこの地形の中に散りばめ、山の斜面にヒノキを植林するようなイメージで空間を構成した。

建築家によるテキストより
OMA / AMOによる、アメリカ・シカゴの店舗「STONE ISLAND GLOBAL STORES」。企業のアイデンティティをコンセプト化した店。典型的素材を個性的に変える同社のアプローチを参照して、様々な素材を加工したコンクリートや石の様な建材を開発。空間を通して思想を地域社会に発信
OMA / AMOによる、アメリカ・シカゴの店舗「STONE ISLAND GLOBAL STORES」。企業のアイデンティティをコンセプト化した店。典型的素材を個性的に変える同社のアプローチを参照して、様々な素材を加工したコンクリートや石の様な建材を開発。空間を通して思想を地域社会に発信 Photograph by Marco Cappelletti, Courtesy of OMA / AMO and Stone Island
OMA / AMOによる、アメリカ・シカゴの店舗「STONE ISLAND GLOBAL STORES」。企業のアイデンティティをコンセプト化した店。典型的素材を個性的に変える同社のアプローチを参照して、様々な素材を加工したコンクリートや石の様な建材を開発。空間を通して思想を地域社会に発信 Photograph by Marco Cappelletti, Courtesy of OMA / AMO and Stone Island
OMA / AMOによる、アメリカ・シカゴの店舗「STONE ISLAND GLOBAL STORES」。企業のアイデンティティをコンセプト化した店。典型的素材を個性的に変える同社のアプローチを参照して、様々な素材を加工したコンクリートや石の様な建材を開発。空間を通して思想を地域社会に発信 Photograph by Marco Cappelletti, Courtesy of OMA / AMO and Stone Island

OMA / AMO サミール・バンタルが設計した、アメリカ・シカゴの店舗「STONE ISLAND GLOBAL STORES」です。
企業のアイデンティティをコンセプト化した店として計画。建築家は、典型的素材を個性的に変える同社のアプローチを参照して、様々な素材を加工したコンクリートや石の様な建材を開発しました。そして、空間を通して思想を地域社会に発信することが意図されました。企業の公式サイトはこちら

こちらはリリーステキストの翻訳です

OMA / AMO、ストーン・アイランドとのパートナーシップにより新しいリテール・アイデンティティを発表。シカゴに1号店をオープン

シカゴ、2022年10月24日 – OMA / AMOはストーン・アイランドと提携し、イタリアブランドの店舗の新しいアイデンティティをコンセプト化しました。ストーン・アイランドのデザインと製品操作に関する研究と実験が、新しい店舗を定義し、その豊かな経験をコミュニティと共有するスペースにもなっています。

OMA / AMOによる新しいストアコンセプトは、ストーン・アイランドのテクノロジーと開発への献身を強調する祭壇のようなスペースが特徴で、フォロワーたちと共有することができます。ラヴァリーノ本社にあるストーン・アイランドのラボでの長年の実験の成果であるアーカイブ作品やプロトタイプのためのニッチは、プロダクトデザインに関する過去の思考と未来の野心を展示しています。

ショップの営業時間外には、パブリックプレゼンテーション、サロン、ワークショップ、プライベートイベントなどが開催されます。店舗は、ブランドのオンラインでのプレゼンスを補完し、既存および新規顧客のための拠点を形成しています。

ストーン・アイランドは、典型的な素材をユニークなものに変えるというアプローチで、OMA / AMOによる新店舗の建築にインスピレーションを与えています。

実際のコンクリートや石を使わず、特別に加工された既成の素材を使って、石のようなパレットを形成しています。シュレッダー紙と樹脂を高圧で圧縮し、耐久性のある「コンクリートパネル」に仕上げています。ストーンアイランドの店舗の中心的な素材であるコルクは、焼かれ、サンドブラストされ、コーティングされて、吸音性と調湿性を維持しながら、黒く質感のあるものに変化しています。コールゲートスチールパネルにサンドコートを施し、ソフトな表面を獲得しています。天井から吊り下げられた大きなデジタルシャンデリアは、ストーンアイランドの文化を地域コミュニティに発信しています。

小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、京都市の「領域の家」。江戸時代から住み継がれた敷地。時間を遡った“領域的”住宅を目指し、土間等の構成と断面等の形態操作で都市から住宅内部まで段階的に領域を構築。古典と現代の手法の混合でこの土地の建築を作る
小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、京都市の「領域の家」。江戸時代から住み継がれた敷地。時間を遡った“領域的”住宅を目指し、土間等の構成と断面等の形態操作で都市から住宅内部まで段階的に領域を構築。古典と現代の手法の混合でこの土地の建築を作る photo©吉田誠
小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、京都市の「領域の家」。江戸時代から住み継がれた敷地。時間を遡った“領域的”住宅を目指し、土間等の構成と断面等の形態操作で都市から住宅内部まで段階的に領域を構築。古典と現代の手法の混合でこの土地の建築を作る photo©吉田誠
小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、京都市の「領域の家」。江戸時代から住み継がれた敷地。時間を遡った“領域的”住宅を目指し、土間等の構成と断面等の形態操作で都市から住宅内部まで段階的に領域を構築。古典と現代の手法の混合でこの土地の建築を作る photo©吉田誠

小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOが設計した、京都市の「領域の家」です。
江戸時代から住み継がれた敷地に計画されました。建築家は、時間を遡った“領域的”住宅を目指し、土間等の構成と断面等の形態操作で都市から住宅内部まで段階的に領域を構築しました。また、古典と現代の手法の混合でこの土地の建築を作る事も意図されました。

京都市の洛北に江戸後期から代々住み継がれている土地があった。
まとまった土地には親族が各々の住宅や仕事場を建て、付かず離れずの生活をしていた。今でこそ制度に基づく所有の境界はあるが、ついこの間までは用事があれば土地の境界をまたいで互いに行き来していて、実態としては緩い境界であった。ここに持続する時間の長さでいえば、住宅は刹那的であり土地は永続的であるから、ここに住むときには住宅に住む感じはもとより土地に住む感じがするだろう。

建築家によるテキストより

この土地に建つ2棟の住宅と仕事場を取り払って1棟の住宅を建てることになった。ここに住宅をつくるとき、現代で量産されている住宅の形式は適当でないと思われた。というのも現代には近代法にもとづく私有財産制や個人主義が実装されているので、一家族の城となる住宅は、土地を塀と門扉で囲み、住空間を外壁と玄関扉で囲み、都市と住空間を遮断し、それぞれの家族に限定された世界を確保する形式となっている。

しかし、この土地には近代法以前の前近代の緩い境界の面影が残っているので、近現代よりも時代を少し遡って住宅形式を考え直したほうが良いように思われた。確固とした境界による遮断的な住宅ではなく、意識の広がりと世界への根ざしがある領域的な住宅ができないものか。

建築家によるテキストより

この住宅プロジェクトにはプライバシーと明るさが求められていた。
これらを空間に直訳するならば、現代の量産住宅の標準仕様のように、確固とした外壁と内壁を設け、適切な方位に適切な大きさの窓を設け、明度の高い内装を施すことになるだろう。
しかしここでは“プライバシーと明るさ”を“領域性と開放性”と読み替えたうえで、相反するこのふたつを均衡させることが望ましいように思われた。新しく開発された小さな土地ではなく、都市と親族の文脈がある大きな土地だからこそ、領域性と開放性で住宅をつくることに可能性がある。

建築家によるテキストより
建築家の山田誠一による書籍『Process of the Works 住宅の設計方法』を先行プレビュー。静岡を拠点に質の高い住宅をつくり続ける建築家による初の書籍。写真・ドローイング・設計図など多数収録
建築家の山田誠一による書籍『Process of the Works 住宅の設計方法』を先行プレビュー。静岡を拠点に質の高い住宅をつくり続ける建築家による初の書籍。写真・ドローイング・設計図など多数収録山田誠一による書籍『Process of the Works 住宅の設計方法』

建築家の山田誠一による書籍『Process of the Works 住宅の設計方法』を先行プレビューします。
オーム社より刊行。静岡を拠点に質の高い住宅をつくり続ける建築家による初の書籍です。また、写真・ドローイング・設計図なども多数収録されています。発売は2022年11月20日を予定しています。【ap・ad】

書籍概要

心揺さぶる建築。
追い求め続けた、
その思考をたどる。

静岡を拠点に、質の高い住宅をつくり続けるひとりの建築家がいる――。
住宅や木造設計の経験もなく独立。
「建築家になるにはもう手遅れなのかもしれないと思っていた」と語る。

ここまであまり多くを語ってこなかった著者が、初めて自身の設計について書き下ろした。

手探りの日々から生み出された最初期の「富里の家」から自邸「西千代田町の家」までの全9軒。

写真、ドローイング、設計図など多数収録。

リリーステキストより

山田誠一によるコメント

この本では、いままでの建築思考の変遷を「空間・構築・中庸・意志」という4つのテーマでまとめている。
これらは時系列に考えてきたことではあるが、各テーマで取り上げている建築の完成時期とは必ずしも一致しない。それは各テーマが独立した建築への扉であると同時に、ひとつながりの螺旋の環と捉えているからである。

建築へ向かうプロセスは、ひとつではない。多様に開かれた可能性を見いだし、どれを選択するかは自分自身を掘り下げた先の覚悟と決断による。「良い問いは、最良の答えよりも常に偉大なものである。」とルイス・カーンはいった。

読者がこの本をひとつの問いと捉え、建築へ向かうそれぞれのプロセスを見いだしていく一助となれば幸いである。

リリーステキストより

以下に、プレビュー画像を掲載します。

【ap job更新】 住宅を中心に、リノベや街づくりにも取り組む「テレデザイン一級建築士事務所」が、スタッフ(経験者・既卒)とパートを募集中
【ap job更新】 住宅を中心に、リノベや街づくりにも取り組む「テレデザイン一級建築士事務所」が、スタッフ(経験者・既卒)とパートを募集中
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住宅を中心に、リノベや街づくりにも取り組む「テレデザイン一級建築士事務所」の、スタッフ(経験者・既卒)とパート募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

テレデザイン一級建築士事務所がスタッフを募集しています。
詳しい情報は以下でご確認ください。

テレデザイン一級建築士事務所は、住宅を中心として、リノベーションやまちづくりなど、様々なタイプのプロジェクトにチャレンジする設計事務所です。
http://www.tele-design.jp

以下の職種の方を募集しています。興味のある方は応募方法に従いご連絡下さい。

正社員/契約社員/パートタイム

現在、英語を必要としているプロジェクトが進行中。日常会話程度の英語ができれば尚うれしいです。

桔川卓也 / NASCAによる、千葉・柏市の「道の駅しょうなん てんと」。約4万㎡の敷地。公設民営として“地域のゲート”を目指し、農業ハウスを模る家型の連なりが複数のアクセスに対して正面性を持つ構成を考案。反復する構造体と強い色の天井で多様な活動を包み込む
桔川卓也 / NASCAによる、千葉・柏市の「道の駅しょうなん てんと」。約4万㎡の敷地。公設民営として“地域のゲート”を目指し、農業ハウスを模る家型の連なりが複数のアクセスに対して正面性を持つ構成を考案。反復する構造体と強い色の天井で多様な活動を包み込む photo©淺川敏
桔川卓也 / NASCAによる、千葉・柏市の「道の駅しょうなん てんと」。約4万㎡の敷地。公設民営として“地域のゲート”を目指し、農業ハウスを模る家型の連なりが複数のアクセスに対して正面性を持つ構成を考案。反復する構造体と強い色の天井で多様な活動を包み込む photo©淺川敏
桔川卓也 / NASCAによる、千葉・柏市の「道の駅しょうなん てんと」。約4万㎡の敷地。公設民営として“地域のゲート”を目指し、農業ハウスを模る家型の連なりが複数のアクセスに対して正面性を持つ構成を考案。反復する構造体と強い色の天井で多様な活動を包み込む photo©淺川敏
桔川卓也 / NASCAによる、千葉・柏市の「道の駅しょうなん てんと」。約4万㎡の敷地。公設民営として“地域のゲート”を目指し、農業ハウスを模る家型の連なりが複数のアクセスに対して正面性を持つ構成を考案。反復する構造体と強い色の天井で多様な活動を包み込む photo©淺川敏

桔川卓也 / NASCAが設計した、千葉・柏市の「道の駅しょうなん てんと」です。
約4万㎡の敷地に計画されました。建築家は、公設民営として“地域のゲート”を目指し、農業ハウスを模る家型の連なりが複数のアクセスに対して正面性を持つ構成を考案しました。また、反復する構造体と強い色の天井で多様な活動を包み込む事も意図されました。施設の公式サイトはこちら

千葉県柏市に建つ道の駅しょうなんの拡張計画である。
穏やかな水辺空間と豊かな自然環境や農地に恵まれている手賀沼の畔に建つ新しい道の駅は、農産物直売所と駐車場の拡張の他に,この地域の顔として、交流人口の増加を図る役割を期待されていた。

建築家によるテキストより

道の駅は、公共が施設を建設し、運営を民間事業者に委託する「公設民営」である。半分は商業施設で、半分は公共的な機能を持っていなければならい。つまり、単なる商業施設ではなく、手賀沼を回遊させるための拠点(ゲート)をつくる必要があった。地域のエントランスゲートとなるこの道の駅は、多くの人びとの通過動線・滞留空間となり、駅前広場や空港の発着ロビーのように来訪者と目的地を結ぶ場所として賑わう広場にしたいと考えた。

建築家によるテキストより

約40,000m2の広大な敷地に対し、建築はひと目で分かるシンボルになることが必要だったため、農業ハウスの屋根勾配を模った家型を連ね、農村地域の風景に溶け込むことを目指した。また、67.5m四方の矩形平面の角を45度でカットし、我孫子(南東)・柏(南西)・手賀沼(北西・北東)方面からのアプローチに対してそれぞれの正面性と誘引性をつくり、シンボルとしてふさわしい多面多臂像のような建築のあり方を考えた。

建築家によるテキストより

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