BIGとへザウィック・スタジオが設計して建設が進められている、アメリカ・カリフォルニアの、グーグル社新社屋の新しい現場写真がinstagramに投稿されていました。2019年9月には屋根部分の完成した写真がレポートされていました。
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KIAS イシダアーキテクツスタジオの、業務拡大のため建築設計監理の実務経験のある設計スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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【イシダアーキテクツスタジオが業務拡大のため、建築設計監理の実務経験のある設計スタッフを募集】
KIAS イシダアーキテクツスタジオで建築設計スタッフを募集します。
イシダアーキテクツスタジオ(KIAS)は、建築家石田建太朗の主宰する建築設計事務所です。これまでに那須の森に建つ美術館N’s YARDをはじめ日本橋の三越コンテンポラリーギャラリーなど数多くの美術空間のデザインに携わってきました。2020年には軽井沢の別荘「積葉の家」がイギリスの建築誌Architectural Review が主催するAR House Award 2020を受賞するなど海外メディアからも高い評価を受けています。
現在、ヴィラタイプのホテルのほか美術館や都内の文化複合施設などのクオリティの高いプロジェクトが進行中です。スタッフ全員がRhinocerosなどの3Dソフトを使用してデザインスタディを進めていくので、CG制作などのスキルを習得しながら設計業務に取り組むことができます。
新しいものを一緒に創造していく熱意のある方、建築設計から監理まで責任を持って誠実に取り組んでいける方、明るくコミュニケーション能力に長けている方のご応募をお待ちしております。
応募希望者の事務所の見学も可能ですので、お気軽にご連絡ください。
【掲載記事】
Four Leaves Villa – AR House Award 2020
Four Leaves in Karuizawa by Kentaro Ishida Architects Studio – Architectural Review (architectural-review.com)石田建太朗 / AGC Glass Plazaインタビュー Vol.21
Vol.21 完全ではないものがもたらす空間のおおらかさ |新しい建築のおおらかさを求めて|AGC Glass Plaza (asahiglassplaza.net)
MADの設計で近く着工する、中国・海口市の「海南科学技術博物館」です。自然と対話する雲のような形の建物内部は螺旋状の展示空間となり、屋外は自然を楽しむための空間として構想されました。2021年8月下旬に着工し、2024年に完成し一般公開される予定です。
こちらは建築家によるテキストの翻訳です
MAD、海南科学技術博物館のデザインを発表
自然とテクノロジーが出会う場所
マ・ヤンソン率いるMADアーキテクツは、海南省海口市にある海南科学技術博物館のデザインを発表しました。スポーツスタジアムや国立湿地公園に囲まれた海口の西海岸に位置するこの博物館は、2021年4月にオープンした「Cloudscape of Haikou」に続く、MADの海南における2つ目の大きな公共プロジェクトです。重要な科学の場であり、自由貿易港である海南の主要な観光地でもある海南科学技術博物館は、2021年8月下旬に着工し、2024年に完成して一般公開される予定です。
MADのデザインは、「熱帯雨林の原生林と未来のテクノロジーが出会う」という、この地の都市と自然の両方のコンテクストに基づいています。豊かな熱帯雨林を背景にした博物館のメインパヴィリオンは、自然と対話する雲のような形をしています。遠くから見ると、都市の中に浮かび上がるような未来的な建物であり、館内に入ると、ジャングルの中に浮かんでいるように見えます。博物館のファサードには繊維強化プラスチックが使用されており、銀色に反射する外観と先見性のある美学によって、近くからも遠くからも特徴的な建物となっています。
総面積は46,528㎡、地上施設は27,782㎡で、常設展示室、プラネタリウム、巨大スクリーンシアター、フライングシアターなどが設置されています。博物館の内部構造は、床から天井までの3つのコア、湾曲したトラス、螺旋状のランプ、そして屋根で構成されており、これらすべてが露出していることで、建築の形態と構造システムの調和が図られています。博物館のドームに設置されたトップライトからは、広々としたアトリウムに自然光が降り注ぎ、明るく透明感のある空間となっています。螺旋状に傾斜した展示空間は、中央ホールから5階にわたって上昇し、博物館全体で来館者をつなぎます。
東京R不動産も手掛ける、建築設計・都市戦略・地域計画等の会社「SPEAC」の、建築設計のスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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スタッフ募集(企画設計アソシエート)
SPEACの仕事は「社会と事業の課題を、空間と仕組みのデザインで解決すること」です。
建築の企画・設計(リノベーション、新築)、都市戦略・地域計画、「東京R不動産」を中心とした不動産の仕事、そしてイベントスペースや宿の運営など幅広い仕事を展開しています。今回は建築設計のスタッフを募集します。
建築が好き
社会課題の解決のために建築的思考を用いたい
古いものの良さを説明できる
人と話すことが好きこれらに当てはまる人、待ってます!
最近のプロジェクトは川崎駅前再開発エリアに計画しているイベントホール、エリア再生の構想づくり、遊休公共建築の活用計画、賃貸住宅の再生、ビルの再生、不動産事業としてのオフィスビルや集合住宅の企画設計、保育園やインターナショナルスクールの教育プログラム開発に合わせた空間提案、某私鉄駅周辺のエリア戦略と多岐に渡っています。一見バラバラに見えますが、都市戦略や地域再生に必要とされるストーリーやコンテンツを含んだものばかりです。
GROUPが設計した、東京・新宿区のアートスペース「新宿ホワイトハウスの庭」。様々な変遷を経た磯崎新による初めての建築物の外部空間をバー・カフェ・アートスペースのための庭に作り直しました。施設の場所はこちら。
60年以上の年月のなかで所有者が幾度も変わり、増改築を繰り返してきた「新宿ホワイトハウス」。
そもそもは美術家・吉村益信の住居件アトリエとして建設された住居であり、建築家・磯崎新による初めての建築物でもあった。
2021年、Chim↑Pomの卯城竜太、アーティストの涌井智仁、ナオ ナカムラの中村奈央が運営する会員制のアートスペース「WHITEHOUSE」として新たにオープンするにあたって、GROUPが改修を担当することになった。
改修内容は、建物と塀の間の幅1.5mほどの細長い外部空間を、バー・カフェ・アートスペースのための庭として作り直すことだった。建物を調査してみると、三間立方の吹抜けという磯崎のコンセプトに追従するように架構が最小限の部材でグリッド状に組まれていて開口部の脇に柱が通っていないなど、既存の構造体を過度に頼るのは難しい状況が判明した。
そこで私たちは、「状況に応じた自立性の調整」という方針を選択した。
開口部にはめ込んだ門型フレームにより構造的に独立したチケットカウンター。壁の中に内側から差し込んだ梁と、郵便ポストの角にぴたりと接する1本の柱で支え、住居の物干しも兼ねた半円屋根。同じく既存躯体とすれ違うかたちで壁内にフレームを挿入することで成立している真鍮エントランス扉。老朽化したブロック塀の鉄筋を補強する役割を持つ塀カウンター。既存の樹木によってその場に留まっている、建物と少しだけ距離を開けて浮かぶ床。外部空間を「庭」として運用していくための必要最低限の諸要素は、時に周囲を頼りながら、時に自立的に、既存環境に介入している。
茶室・神社仏閣・能舞台等の日本建築を専門とする「田野倉建築事務所」の、設計スタッフ(正社員)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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◆代表メッセージ
弊社は、茶室・数寄屋造や神社仏閣、能舞台や文楽舞台など、現在動いている全てのプロジェクトが日本建築という設計事務所です。最近では、漫画家・山下和美「世田谷イチ古い洋館の家主になる」で話題になった旧尾崎邸の保存をきっかけに、洋館を扱った仕事も増えています。文化財を保存するというよりは、将来、文化財になる建築を新築、あるいは、文化財になるよう価値を高めていく改築を目指しています。
日本建築の設計には、一般的なデザインの感覚や木造の技術に加え、茶湯や仏教、伝統芸能や銘木の知識といった、幅広い教養を必要とします。また、現代人の生活スタイルや社会のニーズに対応させるため、基本的な性能設計は勿論、S造やRC造を組み込んだ技術、法規の知識も求められます。
歴史的・文化的な視点から現代の建築を俯瞰できる仕事です。真に建築が好きな方の募集をお待ちしております。◆業務について
日常業務ではスタッフが担当を持ち、代表である田野倉と密にコミュニケーションを取ることでプロジェクトを進めていきます。数寄屋や堂宮に慣れた、材木屋さん、大工を中心とする職人さんたちと打合せを重ね、伝統的な日本建築の設計を習得できます。構造からインテリアまで一貫して考えるので、主体性をもって取り組める人材を求めます。
現場監督としてのスキルも求められるため、日本建築の設計と現場とのコミュニケーションは現代建築以上かもしれません。また、実測作業が日常的に必要となるため、足繁に現場に通い、材料や古建築と触れる機会も多いです。新しい世界に挑戦する気持ちで飛び込んで頂ければ幸いです。
小松隼人建築設計事務所が設計した、広島市の、設計者の自邸「江波の家」です。遠景の緑に“接庭”と定義した植栽で満たされた半外の場を重ねることで、建築・周辺環境・庭が渾然一体と繋がる関係を設計しました。
広島市内に建つ設計者の自邸。
初めて敷地を訪れたとき、目の前の江波山を貫通するトンネルと擁壁によって敷地のほとんどが日影で覆われ、トンネルを抜けるとさまざまな企業の工場が建ち並ぶためか車の往来が多い。形も不整形であり、このネガティブな条件が先行する敷地は、周辺地域の中では扱いづらく、どこか取り残された場所のように見えたが、住宅やビルが混在する市街地とは思えない緑豊かな環境の広がりは、それらを上回る魅力に感じられた。
建物内から見える遠景を取り込むだけでなく、自らつくりだした近景を環境に重ね合わせることで建築、周辺環境、庭が渾然一体と繋がる関係を生み出したいと考えた。この敷地では地表面を建築の主体として考えたとき、擁壁と日影に向き合うばかりで建築と緑の地続きで豊かな関係は生まれそうもない。そこで高低差のある擁壁をそれぞれ計測したところ、緑豊かな景色が一望できる高さは地表面からおよそ4mから存在することがわかった。
2階を主体となる家族の集まる場とし、その内外の境界に植栽で満たされた半外の場を環境と建築をつなぐ「接庭(つぎにわ)」と定義して設えた。接庭は地表面からの高さを4mに近づけることで緑豊かな遠景と水平に重なり合い、奥行きのある風景が生み出された。また、接庭は樹木へ採光が行き渡るよう南東方向に伸ばすことで奥行きの異なる雁行形状となり、耐力壁も併行して配置することで日射しや隣地からの視線を緩やかに調整する。
桐圭佑 / KIRI ARCHITECTSが設計した、東京・西東京市の住宅「明るい階段室」。空間全体の3分の1を占める大きな階段室が様々な視点や風景を生み出すと共に、環境に対する緩衝空間としても機能する建築となっています。
夫婦と子供2人のための住宅。
この住宅は空間全体の3分の1を階段室が占めている。
敷地境界いっぱいまで東西方向に広げた階段室を敷地の真ん中に配置し、北側を居住空間、南側を陽当たりのよい庭とした。
階段室を大きく引き伸ばすことで、さまざまな視点や風景が生まれる。
ゆったりと庭を望められる広縁や、外の通りに視線が抜ける書斎。陽当たりがよい手摺りには洗濯物が並び、吹抜けに響くピアノの音に耳を傾けながら、最上段にそっと腰を下ろすことができる。風がよく抜ける明るい階段室である。
住宅のスケールに対して大きくつくられた階段室は、周辺環境や自然環境に対する緩衝空間にもなっている。林立して重なり合う柱によって、庭や近隣住人との関係を緩やかに繋ぎ、南面の大開口から差し込む自然光は、踏み板や手摺り、階段を支える柱やスチールの吊り材、柱に外付けされたアルミサッシのフレームなどの部材によって切り取られ、散り散りになって室内を照らす。
フォスター+パートナーズのアートディレクター ナリンダー・サグー(Narinder Sagoo)と、メイク・アーキテクツのケン・シャトルワース(Ken Shuttleworth)とジェイソン・パーカーが参加して行われた、オンラインでの建築ドローイングワークショップの動画です。
Watch Narinder, Ken and Jason as they share how they use drawing to “warm up” when designing, explore and share ideas and develop architectural concepts. As part of a discussion chaired by the World Architecture Festival’s Programme Director, Paul Finch, they also engage with the audience on how they have tackled particular aspects relating to presentation and how they see the future of visual communication.
奥田晃輔+堀井達也+吉田裕樹 / OHArchitectureが設計した京都市の「大阪町の店舗」です。敷地を囲む町家のトタン壁の輪郭をオフセットした躯体を設計することで空間の履歴を継承しつつ、密集した旧市街地で豊かな空間の実現を意図しました。
敷地は京都市内、町家がまだ建ち並ぶ旧市街地に位置する。
間口約4m、奥行き約17m、俗にいう典型的なうなぎの寝床と呼ばれる場所に、アパレルショップとそのオフィス機能とストック機能を盛り込む事が求められた。
まず、はじめにこの敷地を訪れた時、トタンの壁に3方囲まれた異様な姿が目にとまった。これまで長年建っていたであろう町家の形が浮かび上がってくるような周辺環境だった。歴史から考えると100年前後の間、建っていた建物がある日突然このようなトタンに囲まれた場所になる事、連棟町家が多い京都市内では、建物が建て替わる数か月間よく目にする光景だと気づいた。
この町家の残像のような瞬間は、今まで長く建っていた建物が、新しく建て替わる建物への継承の瞬間なのかもしれない。
私はこの感覚をどうにか受け継ぐようなつくり方ができないかと考え、まずは3方のトタン壁を測量することにした。当然だが隣地に中庭があるところにはトタン壁がなく、建物があるところには切妻形状のトタン壁が存在し、北面と南面でも形にわずかな差があった。
普段設計する際、眺望や日当たり等の周辺環境を読み解くように、今回はこのトタン壁のアウトラインこそが周辺環境であり、そこに存在した町家の残像に従いながら、内部空間を設計してゆけばこの建物の移り変わりを継承していけるのではないかと考えた。手法はごく簡単で、トタン壁を敷地内にオフセットしたコンクリートの壁に、屋根を架け、床をはる。テラスや庭のボイドが隣地のヌケと連続し、そこから気持ちの良い光や風を内部空間に享受する。
乾久美子のウェブサイトがリニューアルされています。建築作品の写真だけでなく事務所全体の活動が包括的に伝えるつくり方が特徴的です。
「Inui Architects」は東京に拠点を構え、駅や学校などの公共建築、福祉施設、住宅、内装に加え、公共の広場なども含めたいろいろなジャンルを対象に設計を行っている設計事務所です。
近年は社会における「コモンズ(共有財)」が重要であると考え、コモンズをはぐくむ空間やきっかけづくりを大切にしています。また、「小さな風景からの学び」というリサーチの経験を生かしながら、コモンズの多様な可能性を探っています。
公共性の高いプロジェクトでは、地域のリサーチやヒアリングを大切にしています。いろいろな視点から調査研究しながら社会的意義を的確に捉え、プロジェクトの充実をはかることを大切にしています。
住宅のプロジェクトでは、長い目でみた資産づくりなどの基本的な住宅の課題を大切にしつつ、地域コミュニティの中で充実した暮らしを送ることのできるライフスタイルの提案を行っています。
川嶋洋平建築設計事務所が設計した、沖縄・宮古島市のテナントビル「M_building」です。深い梁のような構造体が分散配置された建物を繋ぎつつ、中庭に光と影を落とし時間の変化を取り込む。
沖縄県宮古島市に設計したテナントの計画です。
設計与件としては4区画を平屋で計画すること。加えて各テナントの面積も決められていました。ただ、求められているテナント面積に対し敷地面積はある程度余裕があったので、テナント以外の敷地をどのように計画するかを主に検討しました。
計画としては各テナントを分散配置し、各方向に風が抜け、視線が通るような配置としています。そしてそれらテナントをパーゴラのような、深い梁のような大きな構造体を架けて繋いでいます。それら構造体が架かった中庭を中心として各テナントへのアプローチを設け、開口を開いている計画です。
フリーダ・エスコベドのウェブサイトに、アメリカのカーネギー美術館での建築展「The Fabricated Landscape」へ出展したインスタレーションの写真が6枚掲載されています。会期は2022年1月17日まで。同展時には日本から長谷川豪も出展しています。こちらの公式ページには出展した10組の建築家によるオンライン討議の動画も掲載されています。
杉山幸一郎による連載エッセイの最新回「メルクリのペイント」が公開されています。
ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの、6住戸の集合住宅「six houses and a garden」です。部屋を構成する床・壁・天井等の素材感と開口部等の幾何学の組み合わせによって慣習に捉われないリビングルームを実現しています。
ファラは、フィリップ・マガリャインシュ(filipe magalhães)、アナ・ルイサ・ソアレス(ana luisa soares)、アーメッド・ベルホジャ(ahmed belkhodja)の3人が主宰する建築設計事務所で2013年に設立されました。それぞれ、SANAA、伊東豊雄、アトリエ・ワンという日本の設計事務所に勤務やインターンした経験をもつことも特徴です。またフィリップとアナは、日本滞在中は中銀カプセルタワーに居住していました。
こちらは、建築家によるテキストの翻訳
同じような外観を持つ2つの建物、1つはとても長く、もう1つはとても短い。同じものが4つ、例外的なものが2つの計6つの家が、1つの共通の庭を囲んで、街区の中に隠れています。細分化された現実を結びつける一つの建築。
それぞれの内部空間の構成は、直交線、対角線、曲線を組み合わせています。部屋のわずかに歪んだ外周がフレームを構成しています。
主要な空間は、副次的なプログラムを構成する相対する面々を引き算することで生まれます。細い金属製のポールは垂直方向の緊張感をもたらし、丸い開口部は不均等なプログラムをつなぎます。非常に小さなボリュームの中で、この両義的な幾何学の組み合わせは、非常に慣習に捉われないリビングルームを実現しています。
洗練されていないインテリアの素材感は、その複雑さに従ったものです。壁は単なる白、水平のスラブは無愛想なコンクリート、床は磨かれた青い大理石、傾いた天井はピンクに塗られています。木製のドア、誇張されたハンドル、そしてピンクの大理石の気配が、この表面のゲームに添えられています。
外側では、どこからどこまでが個々の家なのかわからないように連続して柱廊を形成し、共有の庭園を囲んでいます。ファサードは、細い金属製の柱、ストライプの入った青いドア、黒い箱状の天窓など、いくつかのリズミカルな列が重なっています。屋根は2層構造になっていて、金属板の下にピンク色の波状の平面を貼り付け、表面の薄さを強調しています。周りには、最も正直で美しい都市のシナリオがあり、このような建築的な試みのための理想的な背景となっています。
古谷デザイン建築設計事務所が設計した、神奈川・川崎市の、集合住宅とオフィス「スイシャハウス・スイシャオフィス」。敷地内に存在した土蔵の佇まいを頼りに、既存樹木のみどりを享受できる空間をもつ建築が設計されています。
神奈川県川崎市高津区。平瀬川の左右に展開する農園(生産緑地+宅地)の再編計画である。
農園内には樹齢100年を超える大きな庭園木に囲まれた明治・大正期の母屋と土蔵を中心に農作業小屋や温室などが散在する形であった。土地オーナーは数年前に生産緑地の有効利用のため平家の住まいを新築し、古い母屋と土蔵は長く形骸化している状態にあった。
我々は敷地のみどりに特別な思いを持つオーナーとその生活の支えになっている農作業と草花や樹木を景観とし、そのライフスタイルをお裾分けしてもらえるような賃貸住宅を作れないかと考え、収納性の劣化から形骸化し物置などの影に隠れていた置き屋根の土蔵に着目した。
1901年築の土蔵の佇まいを頼りに賃貸住宅4戸と農作業小屋が連結された建築を提案。
それぞれのボリュームの間にはみどりのお裾分けを享受できる空間を設えることとした。それはコンサバトリーであり、デッキテラス、ルーフテラスであり、パーゴラであり、それらが一体となったLDKである。蔵は水廻りを増築しオフィスとして賃貸。敷地内の樹木はおおよそ元のままであり新しい建築がお邪魔した格好になっている。オーナーのプライバシーと住まい手のプライバシーは既存樹木や新設した混ぜ垣によって緩やかに仕切られその気配や育った植物の佇まいを共有することができる。