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最も注目を集めたトピックス [期間:2021/9/20-9/26]
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/9/20-9/26]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/9/20-9/26)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 石上純也のチームが「徳島文化芸術ホール(仮称)」設計プロポで、優先交渉権者に選定。技術提案書や公開プレゼンテーションの動画も公開
  2. 藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、兵庫・西宮市の住宅「夙川の家」。厳しい法規条件の敷地に、スキップフロア形式に合わせて周辺の様々な景色を取り込む開口を持った建築を計画
  3. SDレビュー2021の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  4. 杉下均建築工房による、岐阜・関市の「後藤昭夫藝術館」。約15mの砂利敷の光を抑えた“羨道”のような土間を通り抜け、自然光での作品鑑賞がなされる展示部にいたる空間を構成
  5. SDレビュー2021の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  6. 須藤剛建築設計事務所による、埼玉・川口市の、木造3階建ての住宅を改修した「ガイアノーツオフィス」。住宅街という立地を考慮し、1階に滞在時間の長い執務室を配置して、街に働く風景が現れることで“顔の見えるオフィス”となることを意図
  7. 木村日出夫+木村淳子 / STUDIO RAKKORA ARCHITECTSによる、京都市の「原谷の公民館」。地域の多様で自由な活動を包含し、内外の連続性を持つ木質空間が、地域の景観に新たな印象をもたらす
  8. 田邉雄之建築設計事務所よる、長野・軽井沢町の住宅「ナガナガレの家」。施主の要望であった安眠と朝陽の享受を叶える、森の中に佇む船のような建築
  9. OMA / 重松象平による、ロサンゼルスの「オードリー・イルマス・パヴィリオン」。構内の歴史的な既存寺院への敬意を形態で表現しつつ、新たなコミュニティの場として都市に寄与する3つの集いの空間を持つ建築を計画
  10. ファラによる、ポルトガル・ポルトの住宅「house in fontaínhas」。庭側ファサードの不必要な要素を用いた独特の構図と、内部の拮抗した空間構造が特徴的な建築
  11. OMA / イヤド・アルサカの設計で着工した、インド・ムンバイの複合施設「Prestige Liberty Towers」。二つの高層オフィスタワーと基壇部の商業施設で構成され、2025年の完成を予定
  12. ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの、工場を転用した集合住宅「reasonable housing」。既存の柱位置を起点とし、“規則”、“例外”、“アンバランスな対称性”によって平面に幾何学的な秩序をつくりだす
  13. 町秋人建築設計事務所による、静岡・焼津市の、作業場・店舗「松葉畳店」
  14. 吉岡徳仁による、クリスチャン・ディオールのためにデザインした椅子「Medallion of Light」。364の透明なプレートを積層した輝きを放つ椅子
  15. ヘレスバック・メラニー+ルノー・セバスチャン / 2m26による、京都の築約100年の長屋を改修した「2m26 Kyoto House」
  16. クリスト&ジャンヌ=クロードによる、パリの凱旋門を包むアート「L’Arc de Triomphe, Wrapped」が公開。亡くなった作家の意思を継ぎ政府機関等の協力もあり実現された作品を、製作段階の様子を含め紹介
  17. 世界的に著名な建築家 BIGのビャルケ・インゲルスが、日本滞在中に撮影した、日本の風景
  18. 小松隼人建築設計事務所による、広島市の、設計者の自邸「江波の家」。遠景の緑に“接庭”と定義した植栽で満たされた半外の場を重ねることで、建築・周辺環境・庭が渾然一体と繋がる関係を設計
  19. 石本建築事務所・石上純也JVが、神奈川の「厚木市複合施設基本設計」プロポで受注候補者に選定。提案書も公開
  20. 藤原・室 建築設計事務所による、奈良市の住宅「学園前の家」

田邉雄之建築設計事務所よる、長野・軽井沢町の住宅「ナガナガレの家」。施主の要望であった安眠と朝陽の享受を叶える、森の中に佇む船のような建築
田邉雄之建築設計事務所よる、長野・軽井沢町の住宅「ナガナガレの家」。施主の要望であった安眠と朝陽の享受を叶える、森の中に佇む船のような建築 photo©田邉雄之
田邉雄之建築設計事務所よる、長野・軽井沢町の住宅「ナガナガレの家」。施主の要望であった安眠と朝陽の享受を叶える、森の中に佇む船のような建築 photo©田邉雄之
田邉雄之建築設計事務所よる、長野・軽井沢町の住宅「ナガナガレの家」。施主の要望であった安眠と朝陽の享受を叶える、森の中に佇む船のような建築 photo©田邉雄之

田邉雄之建築設計事務所が設計した、長野・軽井沢町の住宅「ナガナガレの家」です。施主の要望であった安眠と朝陽の享受を叶える、森の中に佇む船のような建築です。

長野県軽井沢の森の中に佇む住宅。敷地は浅間山を背に南側へ緩やかに傾斜している。約900年前の浅間山の噴火によって火砕流の被害があったとされるエリアであり、敷地内を掘ればすぐに浅間石と呼ばれる溶岩石が現れる。よって水捌けは良く、軽井沢の中でも比較的湿気の少ないエリアである。

建築家によるテキストより

建主からの要望は安心して眠れ、朝陽を気持ちよく享受できることであった。
森の中の敷地東側に建つ母屋(平家)の寝室は東側道路に近いことから、やや不安を感じながら寝ていたためである。

建築家によるテキストより

この建物は船のようでもある。船は甲板/デッキを境に水面と接する船体/ハルとその上の操舵室や船室/キャビンからなる。この建物のデッキは張り出しながら四周を巡っているため、下からよじ登ることは困難で、つまり外部においてはハルとキャビンに明確な境界をつくりだしている。
頑丈なハルはRC造、軽快なキャビンは木造(一部鉄骨造)でつくられ、この隆起する地面/サーフェイスに漂っている。

建築家によるテキストより
OMA / 重松象平による、ロサンゼルスの「オードリー・イルマス・パヴィリオン」。構内の歴史的な既存寺院への敬意を形態で表現しつつ、新たなコミュニティの場として都市に寄与する3つの集いの空間を持つ建築を計画
OMA / 重松象平による、ロサンゼルスの「オードリー・イルマス・パヴィリオン」。構内の歴史的な既存寺院への敬意を形態で表現しつつ、新たなコミュニティの場として都市に寄与する3つの集いの空間を持つ建築を計画 photo©Jason O_Rear
OMA / 重松象平による、ロサンゼルスの「オードリー・イルマス・パヴィリオン」。構内の歴史的な既存寺院への敬意を形態で表現しつつ、新たなコミュニティの場として都市に寄与する3つの集いの空間を持つ建築を計画 photo©Jason O_Rear
OMA / 重松象平による、ロサンゼルスの「オードリー・イルマス・パヴィリオン」。構内の歴史的な既存寺院への敬意を形態で表現しつつ、新たなコミュニティの場として都市に寄与する3つの集いの空間を持つ建築を計画 photo©Jason O_Rear
OMA / 重松象平による、ロサンゼルスの「オードリー・イルマス・パヴィリオン」。構内の歴史的な既存寺院への敬意を形態で表現しつつ、新たなコミュニティの場として都市に寄与する3つの集いの空間を持つ建築を計画 photo©Jason O_Rear
OMA / 重松象平による、ロサンゼルスの「オードリー・イルマス・パヴィリオン」。構内の歴史的な既存寺院への敬意を形態で表現しつつ、新たなコミュニティの場として都市に寄与する3つの集いの空間を持つ建築を計画 photo©Jason O_Rear

OMA / 重松象平が設計した、アメリカ・ロサンゼルスの「オードリー・イルマス・パヴィリオン」です。構内の歴史的な既存寺院への敬意を形態で表現しつつ、新たなコミュニティの場として都市に寄与する3つの集いの空間を持つ建築が計画されました。施設のオープンは2022年1月の予定とのこと。施設の名称となっているオードリー・イルマスは施設建設に大きな寄付をした人物の名前で、アートコレクターとしても知られています。

こちらはリリーステキストの翻訳です

OMA / 重松象平の設計によるウィルシャー・ブルバード寺院の「オードリー・イルマス・パヴィリオン(Audrey Irmas Pavilion)」が完成

2021年9月1日 – カリフォルニア州ロサンゼルス – OMAニューヨークが宗教団体から初めて依頼を受け、カリフォルニア州で初の文化的建築物となったオードリー・イルマス・パヴィリオンが重要な建設の節目を迎え、2022年1月にオープンする予定です。

オードリー・イルマス・パヴィリオンは、10年以上にわたるロサンゼルスでの建設努力の結果、OMAにとってロサンゼルスで初めての文化的建築物であり、宗教法人のための最初のプロジェクトとなりました。コリアタウン/ウィルシャーセンターの中心部、ウィルシャー大通りに位置する約5,100㎡のパヴィリオンは、ウィルシャー大通りにある寺院が必要としていた集いの場を作るという構内のヴィジョンに応えたものです。

オードリー・イルマス・パヴィリオンと名付けられたこのパヴィリオンは、2015年に3,000万ドルの寄付をしてキャピタルキャンペーンを開始した主な寄付者にちなんで名付けられたもので、米国の寺院への単独寄付としては最大規模のものです。オードリー・イルマスは、「生涯にわたる会衆の一員として、またオードリー・イルマス・パビリオンを支援する主な寄付者として、この建物が当初の構想よりもさらに素晴らしい形で完成するのを見ることができ、感激しています」と語りました。また、「この建物は、今後何年にもわたって広く地域の人々に親しまれる重要な集いの場となるでしょうし、私はその始まりの一端を担うことができてとても嬉しく思っています。」と語りました。

2015年に、コンペでOMAが選ばれ、建物の設計を担当しました。オードリー・イルマス・パヴィリオンは、既存の構内アクティビティとの新たなつながりを構築するとともに、都市空間を取り込み、新たな市民の拠り所となる集いのプラットフォームとなります。このパヴィリオンは、歴史的な伝統を尊重すると同時に、現代の市民のニーズを反映することで、人が集まることのエネルギーを利用することを目的としています。

OMAのパートナー・イン・プレジデントである重松象平は述べています。
「オードリー・イルマス・パヴィリオンの建設は、COVID-19パンデミックという、人と人との関わり方が問われた時代に、前進する勢いを維持するものでした。このパヴィリオンの完成は、私たちが再び集うことを望む時期であり、この建物は集い、交流し、共同体の精神の重要性を再認識するためのプラットフォームとなるでしょう。」

ファラによる、ポルトガル・ポルトの住宅「house in fontaínhas」。庭側ファサードの不必要な要素を用いた独特の構図と、内部の拮抗した空間構造が特徴的な建築
ファラによる、ポルトガル・ポルトの住宅「house in fontaínhas」。庭側ファサードの不必要な要素を用いた独特の構図と、内部の拮抗した空間構造が特徴的な建築 photo©ricardo loureiro
ファラによる、ポルトガル・ポルトの住宅「house in fontaínhas」。庭側ファサードの不必要な要素を用いた独特の構図と、内部の拮抗した空間構造が特徴的な建築 photo©ricardo loureiro
ファラによる、ポルトガル・ポルトの住宅「house in fontaínhas」。庭側ファサードの不必要な要素を用いた独特の構図と、内部の拮抗した空間構造が特徴的な建築 photo©ricardo loureiro

ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの住宅「house in fontaínhas」です。庭側ファサードの不必要な要素を用いた独特の構図と、内部の拮抗した空間構造が特徴的な建築です。

ファラは、フィリップ・マガリャインシュ(filipe magalhães)、アナ・ルイサ・ソアレス(ana luisa soares)、アーメッド・ベルホジャ(ahmed belkhodja)の3人が主宰する建築設計事務所で2013年に設立されました。それぞれ、SANAA、伊東豊雄、アトリエ・ワンという日本の設計事務所に勤務やインターンした経験をもつことも特徴です。またフィリップとアナは、日本滞在中は中銀カプセルタワーに居住していました。

こちらは、建築家によるテキストの翻訳

このプロジェクトは、重なり合う拮抗した空間構造の中で構成されています。

1階は、自由な曲線を描く壁によって定義された1つの途切れない空間として考えられています。鮮やかな庭に向かって開かれた2つの連続した白い面を持つ、1つの角をもった不安定な部屋です。その内側の高さは慎重に計算されています。逆に2階は、複雑な部屋と異なる幾何学的形状のリズミカルな衝突、不規則な空間の連続で構成されています。この複雑さは、敷地の狭い境界に合わせて、必要なプログラムをすべて収容するために導入されたものです。屋根を支える等間隔の木の梁が、不自由な交差点を作っています。

対立する空間秩序とは対照的に、物質性がこの家を支えています。流れるような白い壁は、ストライプの木の床とライトブルーの天井の間に挟まれていますが、フラットなブルーのドアや大理石のタッチ、ピンクのキッチンなどが、時折、それをかき乱します。

裏側のファサードは、3つの規則を効果的に反映しています。1階は庭に向かって完全に開かれていますが、2階には1つの窓があり、密集したコンテクストのある視点を縁取っています。縞模様のコンクリートコーニスを両側の立面に導入し、不必要なピンクの柱に合わせた青い円が、独特の構図を終わらせています。

庭に溶け込む1階部分、正確に分割されたピアノ・ノビーレ、強靭な屋根。

藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、兵庫・西宮市の住宅「夙川の家」。厳しい法規条件の敷地に、スキップフロア形式に合わせて周辺の様々な景色を取り込む開口を持った建築を計画
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、兵庫・西宮市の住宅「夙川の家」。厳しい法規条件の敷地に、スキップフロア形式に合わせて周辺の様々な景色を取り込む開口を持った建築を計画 photo©吉川直希(dig photograph)
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、兵庫・西宮市の住宅「夙川の家」。厳しい法規条件の敷地に、スキップフロア形式に合わせて周辺の様々な景色を取り込む開口を持った建築を計画 photo©吉川直希(dig photograph)

藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所が設計した、兵庫・西宮市の住宅「夙川の家」です。厳しい法規条件の敷地に、スキップフロア形式に合わせて周辺の様々な景色を取り込む開口を持った建築を計画しました。

兵庫県西宮市夙川エリアは、建蔽率40パーセント、容積率100パーセントという地域で、高さ制限もあり、実は大阪市内より法規が厳しく計画が難しいことになります。

建築家によるテキストより

また今回の敷地は、隣地境界から1メートル離して家をたてないといけない。これで旗竿の「竿」の部分では建物間口が狭くなりすぎてしまって、現実的には家を建てることが難しくなってきます。
しかし、旗竿敷地という悪条件でありながらも、この敷地で良かった点は、旗竿敷地の「旗」の部分で法規上床面積いっぱいに家を建てたときに納めることが出来る敷地形状であった点でした。

建築家によるテキストより

植栽が並ぶ、うねったアプローチを通り、少し敷地から入むように玄関に入ります。玄関土間を入ると、対面は視線が外部に抜け、左右に個室が分かれています。最上部フロアと、その一つ下のフロアがLDKです。
みんな個室に行かずに居間で過ごすことが多いというクライアントの生活をお聞きし、スキップフロアはお互いの視線がぶつからずに、程よい距離感を保ちやすいので適しているかと思い計画しました。

今回はそのスキップフロア形状から、いろいろな場所で過ごしているときに、どのような景色が見えると良いかを考えながら計画していきました。

建築家によるテキストより
多雪地域にて、軒高6.8m スパン9mの2層吹き抜け空間を実現した大規模木造事務所の、オンライン構造現場見学会がNCNの主催で開催。
多雪地域にて、軒高6.8m スパン9mの2層吹き抜け空間を実現した大規模木造事務所の、オンライン構造現場見学会がNCNの主催で開催。

多雪地域にて、軒高6.8m スパン9mの2層吹き抜け空間を実現した大規模木造事務所の、オンライン構造現場見学会がエヌ・シー・エヌの主催で開催されます。開催日時は2021年9月29日(水)14:00~16:00参加費無料、要事前申込。参加者特典として、セミナー参加者に、最新の木造事例や、大規模木造にまつわるQ&A等を全60Pにまとめた『木構造ガイドブック』が進呈されます。

本建築の見所

・積雪1.3mの多雪地域ながら、軒高6.8m、スパン9mの2層吹き抜け空間を実現
・大空間を支える、700×150×9mの迫力の大断面材
・構造設計から材料調達・加工・施工までのワンストップサービスをエヌ・シー・エヌが提供

リリーステキストより

この度、有限会社山下機械店様及び関係者様のご協力により、『(有)山下機械店様事務所新築工事』オンライン構造現場見学会を開催することとなりました。

大規模木造計画に最適な、接合金物工法「SE構法」を最大限活用した、木造躯体を見ることができる機会となっております。

コロナ禍の中、どこからでもご参加いただけるオンラインセミナー形式となっておりますので、皆様お気軽にご参加ください。

リリーステキストより
OMA / イヤド・アルサカの設計で着工した、インド・ムンバイの複合施設「Prestige Liberty Towers」。二つの高層オフィスタワーと基壇部の商業施設で構成され、2025年の完成を予定
OMA / イヤド・アルサカの設計で着工した、インド・ムンバイの複合施設「Prestige Liberty Towers」。二つの高層オフィスタワーと基壇部の商業施設で構成され、2025年の完成を予定 image©OMA
OMA / イヤド・アルサカの設計で着工した、インド・ムンバイの複合施設「Prestige Liberty Towers」。二つの高層オフィスタワーと基壇部の商業施設で構成され、2025年の完成を予定 image©OMA
OMA / イヤド・アルサカの設計で着工した、インド・ムンバイの複合施設「Prestige Liberty Towers」。二つの高層オフィスタワーと基壇部の商業施設で構成され、2025年の完成を予定 image©OMA

OMA / イヤド・アルサカ(Iyad Alsaka)の設計で着工した、インド・ムンバイの複合施設「Prestige Liberty Towers」。二つの高層オフィスタワーと基壇部の商業施設で構成され、2025年の完成を予定しています。

こちらはリリーステキストの翻訳です

OMA / イヤド・アルサカのプレステージ・リバティ・タワーズ・ムンバイが着工

2021年9月21日、ムンバイ – OMAが手がけるムンバイの複合施設「プレステージ・リバティ・タワーズ(Prestige Liberty Towers)」の建設が始まりました。このプロジェクトは、OMAのインドにおける最初のプロジェクトであり、バンガロールを拠点とするプレステージ・グループに委託されています。プレステージ・リバティ・タワーズは、ムンバイの中心部に位置する歴史的な織物工場地帯であるマハーラクシュミにあります。現在、ムンバイは工業都市から世界的な金融センターへと急速に変貌を遂げており、新しい交通網、高層住宅、店舗、オフィススペースで賑わっています。

OMAのデザインは、歴史的なマハラクシュミ競馬場からアラビア海までを見渡せる景色を最大限に活かし、200mと290mの2つのタワーを交互に配置しています。柱のない直方体の床に、曲面ガラスのファサードを組み合わせることで、オフィスプランの効率性を高め、光あふれる高品質なワークスペースを実現しています。また、インド産黒玄武岩とガラスという控えめな素材を使用することで、都会的な環境に適合したデザインとなっています。

オフィスタワーの到着ロビーと一体化した5階建てのポディウム(基壇)には、36,000m²のリテールモールが入っています。この構造は、共有インフラを分散させるために高架構造になっており、建物の下には車の循環が可能で、完全に自動化された地下駐車場への入り口があります。2つのタワーの間には、コワーキングエリア、レストラン、ショッピングエリアから直接アクセスできるガーデン・ルーフテラスがあり、オフィス利用者や地元の人々が交流したり、リラックスしたりするのに必要なアメニティスペースとなっています。

ポディウムの各階には、オープンポディウム、フードコート、レストラン、映画館、劇場など、幅広いプログラムが用意されており、仕事が終わった後も建物が使われるような文化的なイベントが開催されています。

パートナー・イン・チャージのイヤド・アルサカは言います。
「プレステージ・リバティ・タワーズは、インドの金融・商業の中心地であるムンバイにおける高品質なオフィススペースの需要に応えるものです。それ以上に、このビルは就業時間を超えて生き生きと活動するためのスペースを提供しています。長い歴史があり、同時に新しいものへの強い欲求がある状況に携わることができて、とても興奮しています。」

ディレクター・イン・チャージのエイドリアン・フィッシャーは言います。
「急速に再定義されているエネルギーに満ちた都市に関わることができて光栄です。」

このプロジェクトは、イヤド・アルサカ、エイドリアン・フィッシャー、ワエル・スリーマンが担当しています。完成は2025年を予定しています。

【ap job更新】 建築家の須磨一清が主宰する、宿泊機能付きサテライトオフィスの設計から運営までを行う「Island and office株式会社」が、設計スタッフを募集中
【ap job更新】 建築家の須磨一清が主宰する、宿泊機能付きサテライトオフィスの設計から運営までを行う「Island and office株式会社」が、設計スタッフを募集中
【ap job更新】 建築家の須磨一清が主宰する、宿泊機能付きサテライトオフィスの設計から運営までを行う「Island and office株式会社」が、設計スタッフを募集中Island and office八丈島

建築家の須磨一清が主宰する、宿泊機能付きサテライトオフィスの設計から運営までを行う「Island and office株式会社」の、設計スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

Island and office 株式会社では、実務経験のある設計/施設運営スタッフを募集します。

当社は、「働く景色を、変えていく」をコンセプトに、「日本の離島」を舞台に、働き方の変革を共に起こしてくれる企業と島のサポートを経て、仕事と生き方の「新たな景色」をつくる挑戦をしています。

2021年7月、一店舗目となる「island and office八丈島」をオープンしました。
この場所は、企業向け、シェア型の「宿泊付きサテライトオフィス」で、会員企業はサブスクリプション制で国内(の島)数々のサテライト施設を通年利用することができます。
現在、熱海と奄美大島に 2号店、3号店のプロジェクトが進行しています。

現在の設計スタッフの仕事内容は、建物を設計、管理し、つくる、といった一般的な設計業務を越え、島の自然と現地の人々との調和やその魅力を踏まえた、施設のコンテンツ開発や、竣工後の施設運営まで、広域に渡っています。
このプロジェクトを一緒に、建築設計、管理、(時に施工)、コンテンツ開発、そして施設運営から、新規開拓にいたるまで、マルチに関わることのできるスタッフを募集しています。
意欲と情熱があり、人が好きで、建築を使った新しいライフスタイルの提案を共に築ける人材を探しています。

代表の須磨一清はコロンビア大学院卒業後、米国にてホテル/レストラン/集合住宅等の建築設計に従事し、帰国後、建築 ユニット BUS として徳島県神山町の地域再生に関わり、2016 年ヴェネチア・ビエンナーレ国際 建築展にて審査員特別賞を受賞しました。
これまで、インターナショナルスクール、オフィス内装、デイケア施設から住宅の設計、空き家再生、アパレルブランドの ショーの会場構成、プロダクトデザインなど、活動の幅は多岐に渡り、また、2015 年に設計した「JIKKA」は多くの国際メディアから注目され、英国BBCと米国Netflixの共同制作番組「世界の摩訶不思議な家」でも取り上げられました。

「設計はあくまで手段、これを使い、新しく刺激的な生き方の提案をすること」を理念に掲げて設計に取り組んでいます。

須藤剛建築設計事務所による、埼玉・川口市の、木造3階建ての住宅を改修した「ガイアノーツオフィス」。住宅街という立地を考慮し、1階に滞在時間の長い執務室を配置して、街に働く風景が現れることで“顔の見えるオフィス”となることを意図
須藤剛建築設計事務所による、埼玉・川口市の、木造3階建ての住宅を改修した「ガイアノーツオフィス」。住宅街という立地を考慮し、1階に滞在時間の長い執務室を配置して、街に働く風景が現れることで“顔の見えるオフィス”となることを意図 photo©長谷川健太
須藤剛建築設計事務所による、埼玉・川口市の、木造3階建ての住宅を改修した「ガイアノーツオフィス」。住宅街という立地を考慮し、1階に滞在時間の長い執務室を配置して、街に働く風景が現れることで“顔の見えるオフィス”となることを意図 photo©長谷川健太
須藤剛建築設計事務所による、埼玉・川口市の、木造3階建ての住宅を改修した「ガイアノーツオフィス」。住宅街という立地を考慮し、1階に滞在時間の長い執務室を配置して、街に働く風景が現れることで“顔の見えるオフィス”となることを意図 photo©長谷川健太

須藤剛建築設計事務所が設計した、埼玉・川口市の、木造3階建ての住宅を改修した「ガイアノーツオフィス」です。住宅街という立地を考慮し、1階に滞在時間の長い執務室を配置して、街に働く風景が現れることで“顔の見えるオフィス”となることが意図されました。クライアント企業の公式サイトはこちら

木造3階建ての住宅を模型用塗料メーカーのガイアノーツのオフィスへとコンバージョンした。

建築家によるテキストより

敷地は住宅街の小さな路地と幹線道路に面しており、住宅を改修してオフィスにすることに意義を感じた。従業員は皆近隣に居住しており、車や自転車で出社している。営業に出る際は最寄り駅まで徒歩で向かう、都内や地方の展示会などにもこのオフィスが起点になる。オフィスは働く人にとってのもう一つのイエのような場所であると感じた。

1階を従業員が一番滞在する時間が長い執務室にすることで街から働く風景が見える顔の見えるオフィスをめざした。街路樹の緑と隣接する2階を打ち合わせや休憩、応接に使用するスペースとし、グランドレベルから一番離れた3階をストックのスペースに改修した。

建築家によるテキストより

敷地は住宅街の小さな路地と幹線道路に面しており、インターロッキングが敷き詰められた幹線道路の歩道を延長するように劣化した路地の舗装も大通りの歩道の舗装を延長するように自費でレンガ敷きとし、そのレンガを1階執務室まで敷き込み、前面道路に面して大きなFIX窓を設けることで、執務空間と周辺環境が緩やかにつながりマチにしみだしていくような場所を目指した。
サッシは住宅用のアルミサッシをつなげ大窓とし、オフィスビルの様でも住宅の様でもあるようなスケール感を意図した。

建築家によるテキストより
杉下均建築工房による、岐阜・関市の「後藤昭夫藝術館」。約15mの砂利敷の光を抑えた“羨道”のような土間を通り抜け、自然光での作品鑑賞がなされる展示部にいたる空間を構成
杉下均建築工房による、岐阜・関市の「後藤昭夫藝術館」。約15mの砂利敷の光を抑えた“羨道”のような土間を通り抜け、自然光での作品鑑賞がなされる展示部にいたる空間を構成南東歩道からの外観。 photo©杉下均建築工房
杉下均建築工房による、岐阜・関市の「後藤昭夫藝術館」。約15mの砂利敷の光を抑えた“羨道”のような土間を通り抜け、自然光での作品鑑賞がなされる展示部にいたる空間を構成 photo©杉下均建築工房
杉下均建築工房による、岐阜・関市の「後藤昭夫藝術館」。約15mの砂利敷の光を抑えた“羨道”のような土間を通り抜け、自然光での作品鑑賞がなされる展示部にいたる空間を構成展示中央部。ラウンジチェアは空間に合わせて設計したオリジナル。製作はfavor。 photo©杉下均建築工房
杉下均建築工房による、岐阜・関市の「後藤昭夫藝術館」。約15mの砂利敷の光を抑えた“羨道”のような土間を通り抜け、自然光での作品鑑賞がなされる展示部にいたる空間を構成 photo©杉下均建築工房

杉下均建築工房が設計した、岐阜・関市の「後藤昭夫藝術館」です。約15mの砂利敷の光を抑えた“羨道”のような土間を通り抜け、自然光での作品鑑賞がなされる展示部にいたる空間を構成しています。施設の公式サイトはこちら

元関市長で前衛美術家集団VAVA(*)創立メンバーの一人である後藤昭夫氏の作品を中心に企画展示する空間である。

米寿の個展を目前に急逝されるまで精力的に続けた作家活動と、VAVAの軌跡を発表し続ける場としてご家族が設立された。

建築家によるテキストより

展示空間は15m程の砂利敷の土間を進み、両袖をもつ展示部に向かう構成とした。
光を抑えた土間は横穴式石室の羨道のような場で、中央に杉箱を据えて後藤氏が生涯描き溜めたスケッチブックや、旅の写真帳を収めている。

建築家によるテキストより

展示部は自然光での鑑賞を主とするため、東庭からの反射光を室内に取り込むほか、南の窓からは直射光を抑えて拡散させるように衝立状の壁を配している。

建築家によるテキストより
木村日出夫+木村淳子 / STUDIO RAKKORA ARCHITECTSによる、京都市の「原谷の公民館」。地域の多様で自由な活動を包含し、内外の連続性を持つ木質空間が、地域の景観に新たな印象をもたらす
木村日出夫+木村淳子 / STUDIO RAKKORA ARCHITECTSによる、京都市の「原谷の公民館」。地域の多様で自由な活動を包含し、内外の連続性を持つ木質空間が、地域の景観に新たな印象をもたらす photo©林口哲也
木村日出夫+木村淳子 / STUDIO RAKKORA ARCHITECTSによる、京都市の「原谷の公民館」。地域の多様で自由な活動を包含し、内外の連続性を持つ木質空間が、地域の景観に新たな印象をもたらす photo©林口哲也
木村日出夫+木村淳子 / STUDIO RAKKORA ARCHITECTSによる、京都市の「原谷の公民館」。地域の多様で自由な活動を包含し、内外の連続性を持つ木質空間が、地域の景観に新たな印象をもたらす photo©林口哲也

木村日出夫+木村淳子 / STUDIO RAKKORA ARCHITECTSが設計した、京都市の「原谷の公民館」です。地域の多様で自由な活動を包含し、内外の連続性を持つ木質空間が、地域の景観に新たな印象をもたらすことが意図されました。

この建物は、京都市北区原谷地域の公民館である。

建築家によるテキストより

敷地は、原谷の中心部に位置し、西側に原谷中央公園やバス停、南側に保育園、北側に消防分団の施設などが隣接している。周囲を山々に囲まれて工業地域として発展してきた原谷地域に、杉板の外壁と矩勾配屋根による公民館を計画する事で、まちの新しい風景をつくり出すことを目指した。

建築家によるテキストより

計画にあたり、地域住民から「地域の集会の場」「交流の場」「教育の場」「文化振興の場」「スポーツを楽しむ場」そして「災害時の緊急避難場所」といった機能が要望され、それらを踏まえて、原谷の新しい地域活動の拠点として、地域の多様で自由な活動を包含するような木造平屋建の建物を計画した。

建築家によるテキストより
石上純也のチームが「徳島文化芸術ホール(仮称)」設計プロポで、優先交渉権者に選定。技術提案書や公開プレゼンテーションの動画も公開

石上純也のチームが「徳島文化芸術ホール(仮称)」設計プロポーザルで、優先交渉権者に選定されています。技術提案書や公開プレゼンテーションの動画も公開されました。審査員には妹島和世や小泉雅生らが名を連ねていました。

優先交渉権者

共同企業体名:熊谷・石上純也・IAO竹田・アクト環境・ピーエス三菱・野村建設 拡大共同企業体

構成事業者名:(株)熊谷組四国支店、(株)石上純也建築設計事務所、(株)IAO竹田設計、(株)アクト環境計画、(株)ピーエス三菱大阪支店、野村建設工業(株)

次点交渉権者

共同企業体名:SALHAUS・安井・大林 共同企業体

構成事業者名:(株)SALHAUS、(株)安井建築設計事務所、(株)大林組四国支店、(株)亀井組、(株)北岡組、美土利建設工業(株)、藤崎建設(株)、丸浦工業(株)

二次審査に残っていたのは下記のチームでした。

最も注目を集めたトピックス [期間:2021/9/13-9/19]
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/9/13-9/19]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/9/13-9/19)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. SDレビュー2021の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  2. SDレビュー2021の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
  3. 浦木拓也+浦木建築設計事務所による、三重の二世帯住宅「菰野の家」。敷地に余裕がある郊外で、生活に求められる接道境界面の構成要素を建物の形により解決することで、景観の在り方を考慮
  4. 乾久美子への、中川エリカと浅子佳英が聞き手を務めたインタビュー「建築家として、生活者として───プログラムとパラダイムの先にあるもの」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信。コロナ過での生活と働き方の変化、建築家を目指した背景、90年代以降の建築家の役割の変化までが語られる
  5. 吉岡徳仁のデザインで完成した、京都市のイッセイミヤケの店舗「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / KYOTO」。町屋内部に配置された一体成型のアルミニウム什器によってブランドの制作プロセスを表現
  6. 川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「O_apartment」。積み上げられた住戸ヴォリュームのズレから生まれた隙間が、空だけが見える専用のテラスをつくり、時の移り変わりを顕著に感じさせる
  7. 今津康夫 / ninkipen!による、大阪・高槻市の二世帯住宅「㐂の家」。施工者自身の住宅であり、その哲学に共振した設計者は構造材に天然乾燥の吉野杉を用い、加工は全て手刻みで行われる
  8. 藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪市の住宅「上本町の家」。機能や採光のグラデーションを実現することで、この住まいの理想の距離感を生み出す
  9. 寺田尚樹+平手健一 / 寺田平手設計による、東京の、設計者の自邸「TERADA HOUSE」。60年代頃の家具類等を空間と一体となるよう扱うことで、設計者が魅了される“来るはずだったけど来なかった未来”の世界観を現代に提示
  10. 2021年のプリツカー賞を受賞した、ラカトン&ヴァッサルの受賞セレモニー動画が公開。彼らの代表作を紹介すると共に、世界各地から審査員の建築家らや、フランス大統領までがコメントを寄せる
  11. 太田健裕 / 太田設計舎と窪田建設による、長野・伊那市の医療施設「このはなクリニック」。木造トラスで構成された光天井は、内部に様相の変化を取り込むことで施設の医療理念を反映すると共に、構法と部材寸法の設計によって施工性も考慮
  12. 小俣裕亮 / new building officeによる、宮城・名取市の港湾地域に建つ「閖上のオフィス」。 震災後に建設された堤防の高さを越える高床式建築とすることで、海を見渡すことを可能とし、再び海辺で過ごすための場所をつくる
  13. 宮川清志 / SESNによる、東京・日本橋の、オフィスビル1棟のリニューアル「リスクモンスター株式会社 日本橋本社」。各フロア毎にテーマを設けると共に、働く人が課題や作業内容に応じ場所を選択し集中が高まる仕組みを構築
  14. 田邊渉 / WATARU TANABE STUDIOによる、静岡・伊東市のカフェ・ギャラリー「ETHICUS theleema」。空間内のオブジェクトからその時々に機能を見出し利用することで、限られた面積の中に機能の変更ができる可変性のある空間を構想
  15. デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツらが設計を進める、スコットランド・エディンバラの音楽と演劇のための施設「ダナード・センター」。都市の軸線を意識しその終着点となり、周辺建物の素材を参照し新古典主義建築の3層構成を取り入れた外観をつくる
  16. ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの、工場を転用した集合住宅「reasonable housing」。既存の柱位置を起点とし、“規則”、“例外”、“アンバランスな対称性”によって平面に幾何学的な秩序をつくりだす
  17. クリスト&ジャンヌ=クロードによる、パリの凱旋門を包むアート「L’Arc de Triomphe, Wrapped」が公開。亡くなった作家の意思を継ぎ政府機関等の協力もあり実現された作品を、製作段階の様子を含め紹介
  18. 2021年のプリツカー賞をラカトン&ヴァッサルが受賞。主要作品の写真等を紹介
  19. 海法圭が空間設計に加え運用にも参画した、秋田での展覧会「200年をたがやす」の会場写真。保存運動が起こった建築を舞台に、地域における新たな公共文化施設の在り方の態度表明を展覧会のかたちを借りて模索する試み
  20. 相坂研介設計アトリエによる、東京・葛飾区の「東立石保育園」。園児たちに“家”、“公園”、“学び舎”として使われる事に加え、災害時に地域の拠り所となる‟砦”の機能を備えた、子どもたちに愛され地域に頼られる園を構想。

中山英之が2021年9月に行った講演「,and then」の動画

中山英之が2021年9月11日に行った講演「,and then」の動画です。愛知淑徳大学での中山の展覧会に合わせて行われたものです。展覧会の会期は2021年9月19日まで。

日  時:2021年9月11日(土)
会  場:愛知淑徳大学 長久手キャンパス5号棟511教室
本講演会は「中山英之展 ,and then」愛知巡回展に際してご講演いただいた内容を収録したものです。

ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの、工場を転用した集合住宅「reasonable housing」。既存の柱位置を起点とし、“規則”、“例外”、“アンバランスな対称性”によって平面に幾何学的な秩序をつくりだす
ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの、工場を転用した集合住宅「reasonable housing」。既存の柱位置を起点とし、“規則”、“例外”、“アンバランスな対称性”によって平面に幾何学的な秩序をつくりだす photo©ricardo loureiro
ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの、工場を転用した集合住宅「reasonable housing」。既存の柱位置を起点とし、“規則”、“例外”、“アンバランスな対称性”によって平面に幾何学的な秩序をつくりだす photo©ricardo loureiro
ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの、工場を転用した集合住宅「reasonable housing」。既存の柱位置を起点とし、“規則”、“例外”、“アンバランスな対称性”によって平面に幾何学的な秩序をつくりだす photo©ricardo loureiro

ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの、工場を転用した集合住宅「reasonable housing」です。既存の柱位置を起点とし、“規則”、“例外”、“アンバランスな対称性”によって平面に幾何学的な秩序をつくりだすことが意図されました。

ファラは、フィリップ・マガリャインシュ(filipe magalhães)、アナ・ルイサ・ソアレス(ana luisa soares)、アーメッド・ベルホジャ(ahmed belkhodja)の3人が主宰する建築設計事務所で2013年に設立されました。それぞれ、SANAA、伊東豊雄、アトリエ・ワンという日本の設計事務所に勤務やインターンした経験をもつことも特徴です。またフィリップとアナは、日本滞在中は中銀カプセルタワーに居住していました。

こちらは、建築家によるテキストの翻訳

バナキュラーな戸建て住宅が並ぶ静かな郊外の村の中で、家のように振る舞っていた工場が、実現しなかった工場のような集合住宅へと姿を変えました。この建物は、原型的な風刺の中で生きています。

3階建ての各階は2つのアパートメントで構成されており、非常に低予算であったため、建設の基準も非常に低いものとなりました。それにもかかわらず、提案されたオープンプランは、すべてのアパートメントに広々としたスペースと様々な方向性を与え、課せられた手段の少なさとある種の空間的な贅沢さの間に空間的な緊張感を生み出しています。

平面の幾何学性は、既存の柱の配置から始まっています。もともとこのスペースにあった機械の大きさが異なるため、中心から外れた軸がグリッドとなり、そこから幾何学的に全体を配置していきました。6つの正方形の部屋、そのうちの1つは2つの三角形のスペースに分かれており、1つのカーブ、そして小さなねじれがあります。秩序を得るために、規則、例外、アンバランスな対称性が課せられました。等間隔に配置された青いドアのシークエンスは、既存のコンクリートの柱やブルータルな梁と整列し、連続性を感じさせます。

ファサードはシンプルで秩序があり、平面で決められたルールに従っています。一見すると規則的に配置された同一の窓は、白いボリュームの純粋さを強調していますが、雨水用のパイプは華麗な配置がされており、構成のバランスを崩しています。フェイクのコーニス、白のテクスチャーの荒々しさ、同じ開口部の繰り返し、そしてこの建物の共通の入り口を示すドメスティックなブルーのドアは、遊び心のある抑制された建築言語を持っています。

SDレビュー2021の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
SDレビュー2021の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる photo©architecturephoto
SDレビュー2021の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる photo©architecturephoto
SDレビュー2021の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる photo©architecturephoto

SDレビュー2021の入選作品の展覧会レポート(後編)です(前編はこちらからどうぞ)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られています。本記事では展覧会の様子を前編・後編に分けて紹介します。会期は2021年9月18日~26日(土日祝日はPeatixでの事前予約が必要です)。SDレビュー2021の審査を務めたのは古谷誠章、赤松佳珠子、小西泰孝、原田真宏でした。

SDレビューとは

SDレビューは、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというものです。
実現見込みのないイメージやアイデアではなく、実現作を募集します。
1982年、建築家・槇文彦氏の発案のもとに第1回目が開催され、以降毎年「建築・環境・インテリアのドローイングと模型」の展覧会とその誌上発表を行っております。

以下、入選作品を前編に続き展示順に掲載します。

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