


田野宏昌+友藤桂子 / 田野建築設計室が設計した、大阪・高槻市の住宅「高槻の家」です。
高台の住宅地に建つ木造住宅。敷地は擁壁の上にあり、北側に起伏のある公園、東側に大きな調整池を見下ろす場所にある。
周辺は60年代にニュータウンとして建てられ、塗壁の外観に出窓や袖壁などの設えをもった良質な住宅群で形成され、小さな前庭には植栽が育ち時間がもたらす豊かな街並みがうかがえた。外観はこの場所で生まれ育ったデザインを引き継ぐように、出窓や深い軒、色合いや塗壁といったデザインを参照している。
公園風景を中心に周辺環境とどのように向き合うかを検討するにあたり、窓について考えた。絶景となる対象のない住宅地において、窓によって排他的に切り取られた風景を愛でるのではなく、窓からの風景が日々変化するその場所の日常風景として室内に入り込むことで、その場所に暮らしていることに意識的になり、その場所に住むことへの愛着に繋がればと考えた。