中村拓志 / NAP建築設計事務所の設計で2019年に完成を予定する、広島の斜面に建つ舟底屋根の宿泊施設の画像が、中村のウェブサイトに掲載されています
中村拓志 / NAP建築設計事務所の設計で2019年に完成を予定する、広島の斜面に建つ舟底屋根の宿泊施設の画像が、中村のウェブサイトに掲載されています。
広島県に位置するリゾートホテルが新たに予定している宿泊施設である。瀬戸内の島並みを望む約10,000㎡の傾斜地に、100㎡のスタンダードルーム11棟、200㎡のスイートルーム1棟を計画している。
このエリアは、かつて瀬戸内海を船で行き来した大名や商人達、朝鮮通信使、琉球使節、オランダ商館長の一行などが、連々たる航海の途中で心身を休ませた地である。ここは、あえて海を望む森の中に居を構えることで、海の上で長い時間を過ごしてきた隊商たちをもてなす、潮待ち、風待ちの宿である。建築はこの地域一帯を治めた村上水軍の造船技術を用いた舟底屋根とし、風呂小屋や離れの客室などを高床のデッキで木々の間を渡るようにつないでいる。内部では隊商たちの生活道具の詰まった行李(トランクボックス)を組み合わせた空間となっている。森の中の静かな場所から、木漏れ日や海のきらめきを眺めながら過ごすリゾートである。