藤本壮介へのインタビュー動画です。2023年7月にドイツのメディア「AW Architektur & Wohnen」が制作して公開したものです。
architecture archive
ノーマン・フォスターが、ポンピドゥー・センターでの自身の建築展「Norman Foster」を解説している動画です。2023年7月に公開されたもの。展覧会の会期は、2023年8月7日まで。展覧会の公式ページはこちら。
企画・設計・施工の3部門が連携し、古い建物や空間を再生させる「株式会社LOOPLACE」の、設計スタッフ(経験者・既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
株式会社LOOPLACE(ループレイス)は、古い建物や空間を活かす、不動産再生カンパニーです。
築古ビル再生のセットアップオフィス「gran+シリーズ」をはじめ、役目を終えた場を壊さず、次の使い方を見出し、再び人が集まる場や空間を創造しています
私たちのビジョン「既存の場を、おもしろくする。」
老朽化した建物を壊さず、新たな付加価値をつくること、時代に取り残されてしまった建物に、一つでも多くの灯りを灯し人が集まる「場」をつくること。
不動産企画、デザイン設計、施工の3つの部門が連携し、物件取得から商品企画・設計デザイン、施工管理、売却、管理までを自社で手掛けることで、築古ビルの収益再生を行っています。
入居テナントのインサイトに寄り添う「はたらく場」の提供を通じて、新たに事業性を持ち、サスティナブル社会へ貢献することを目指し、商品化、設計施工を行っています。この度、事業拡大のため、デザイン設計職を募集します。
大手デベロッパーや不動産会社からの依頼を受けて行うオフィスビルリノベーションや、収益向上に伴うバリューアップ設計並びに、自社で仕入・企画・販売を行う築古ビル再生事業gran+(グラン・プラス)の設計企画について、設計者という立場からプロジェクトを推進する仲間を募集します。
【仕事の内容】
収益ビル(オフィスビル中心)の付加価値向上のためのコンセプト立案、デザイン提案・設計業務・設計監理・品質管理・工事進捗確認等。付加価値を高めるための内装デザインはもちろんのこと、遵法性・老朽化部分の修繕・各種設備関連等の改善や適正化に考慮しながらデザイン設計を進めます。場合によってはマーケテイング調査も行いながら、テナントニーズや地域性・収益性を含めたビルのポテンシャルを最大限まで高めていく視点で設計を行っていきます。
各プロジェクトは不動産仕入販売運営を担う部門や、商品企画・施工部門と連携を取りながら進めていくことが多く、各部署との連携や調整も行っていきます。gran+の実績を活かし、ビルオーナー様へ向けた事業も新たに進めており、ブランディング・築古再生事業強化に向けたコンサルティング事業の取組みも進めています。
平手健一 / 寺田平手設計が設計した、東京・新宿区の「武蔵野美術大学 市ヶ谷キャンパス」です。
既存ビルを大学施設に改修する計画。建築家は、必須要件の耐震補強に起因する面積減少等に対し、ブレースを“天然木の棚”と一体化して収納や展示ができる“機能的”な存在に転換しました。また、地上階に入居する店舗でも展示棚として活用しています。
2019年より内装設計に取り組んできた武蔵野美術大学 市ヶ谷キャンパスが完工し、合わせて1階の産学共創店舗「MUJIcom 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス」がオープンしました。MUJI店舗も大学施設の一部としてデザイン・設計しています。
大学の授業と並行して工事を行う必要があったため、階ごとに耐震改修及び内装改修を段階的に行い、2021年3月に3・4階、2021年9月に5階、2022年5月に6・7階、B1・B2階、そして2022年12月に1・2階が完工しました。
1973年竣工の古いビルを大学施設にするには、非常に大きな耐震ブレースで補強する必要がありました。しかしブレースで空間が分断され、室内の面積も失われてしまいます。
そこで大きなブレースに国産天然木の棚を一体化して構成し、そのまま間仕切りとすることで、機能的なスペースとしてブレースを活用しました。ブレース棚は学生作品の展示棚であり、教授の本棚や、事務室の書類棚としても機能します。また、無印の店舗や、2階の社会に開かれた共創スペースの展示棚としても展開され、今後学生と社会を繋げる接点として活用します。
JAMZA / 長谷川駿+猪又直己が設計した、東京・渋谷区の集合住宅「メトロステージ代々木上原」です。
鉄道会社である東京メトロの旧宿泊所を転用する計画です。建築家は、既存の大小の部屋が混在し躯体壁の多い状態を活かし、各住戸が公と私の“中間的領域”となる前室をもつ構成を考案しました。そして、余白としての空間が住人の“多様な活動の受け皿”として機能します。
築44年のRC二階建ての旧宿泊所を、5戸からなる共同住宅に改修したプロジェクトである。
鉄道保守部門の建物であったことから、駅徒歩2分の好立地に位置し、全体面積に対してゆとりのある階段室を中心に、RC躯体によって区画された大小異なる大きさの部屋が混じる構成となっていた。改修にあたり、躯体壁の多い既存構造を前提に、大きな間取り変更は避け、動線・避難上最も効果的な部分に開口を新設し、異なるプランの5つの住戸を計画した。
1階は共用トイレや休憩室だった小さな区画を活用するため、各住戸が前室のような小さな部屋を持つ構成とし、そこをパブリックとプライベートの中間的な領域「BUFFER」とすることで、仕事場や趣味の場など、入居者が思い思いに活用できる余白の空間とした。
BUFFERは、框戸を介して共用部から見通すことができ、活動が自然に外部へと表出する。内装仕上げを共用部から連続させ、躯体のムラのある雰囲気を残すことで、専有領域内でありながら共用部の一部のような中間的な設えとした。住室部分は、極力一体的な拡がりのある空間とし、仕上げ、照明、吊り収納、カーテンなどで段階的に領域を切り替え、奥へ行くに従って落ち着きを感じられる計画とした。
2階の住戸も同様に、BUFFERとなる土間空間を専有部に引き込み、道路やテラスに向けて開口を新設することで、外部を最大限取り込める計画としている。共用部の建具は前面道路からの視線の抜けを作るように新設し、日中はセキュリティを解除することで、来訪者が自由に共用部まで入ることができ、BUFFERの事務所・ギャラリー等での利用を促進している。
“地域密着×先端技術”で中規模建築を手掛け、労務環境の向上にも取り組む「矢野青山建築設計事務所」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2024年新卒)と 有給インターン等募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
矢野青山建築設計事務所では、設計スタッフを募集します。
私達は愛媛県松山市と東京を拠点とした設計事務所で、公共から民間まで様々なプロジェクトが現在進行しています。J.spot今治や愛媛県歯科医師会館(新建築2022.4掲載)などが代表作品です。アトリエとも、組織設計とも、建築への向き合い方が異なる、地方での設計事務所の新しいあり方を模索し様々なチャレンジを行っています。
プロポーザルで選定された愛媛県伊方町の健康交流施設、協働して取り組んでいる松山市庁舎・新居浜市市民文化会館・今治ネウボラ拠点の基本計画、今治造船丸亀事業所の工作新社屋などのプロジェクトが進行しています。2023年1月にオープンした「だんだんPARK」はカーディーラーの複合施設で、デザイン面とプログラム面の両方でのチャレンジが結実した建築です。利用のされ方の幅広さが面白いので、興味がある方はインスタグラムで検索してみてください。
私達は、建築の使われ方や維持のされ方にも責任をもち、設計の前段階から竣工後まで関わり続けることが重要だと考えています。扱う用途・規模・関わり方が幅広いのが特徴で、プロポーザル・VRアプリの作成・ワークショップの実施・プログラム提案など設計業務に関連する様々な経験もできるので、将来の独立に有意義なスキルが身につくと思います。
事務所のある和光会館は幼稚園だった建物がコンバージョンされた建物で、複数の設計事務所や小劇場の入った施設です。松山城のすぐ脇の活気のある場所に位置しており、様々なコミュニティに加わることができると思います。
愛媛県松山市は温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、適度に都市化されており、温泉が多いとても暮らしやすい地域です。瀬戸内海に面した人口50万人の都市で、飲食店も多くコンパクトな街であることが魅力です。空港や港に近く、東京やその他大都市からのアクセスも便利です。
少人数の事務所ですが、ワークライフバランスを重視し、デザインを探求しながらも、様々な合理化によって勤務時間短縮に取り組んでいます。
一緒に働くことで刺激を与いあえるような人を求めています。向上心をもって建築に誠実に取り組み成長し続けたい、日常生活の豊かさも重視したいという人に向いていると思います。地元の方も、遠方の方も等しく歓迎します。ZOOMまたは対面で面接を行います。遠方の方の試用期間中の滞在については、往復交通費として5万円を支給し、無料・格安の滞在場所を提供します。電話やメールでの質問や応募前の説明会希望も歓迎します。
今後も継続的に募集予定なので、現時点は在学(在職)中で将来的な選択肢として興味があるという方も気軽に連絡ください。オープンなスタンスの事務所なので、見学やVR体験希望も歓迎します。有給インターンも募集しています。
大嶋励+小阿瀬直+山田優 / SNARK Inc.が設計した、東京・墨田区の、映画館「Stranger」です。
カフェ併設型として計画された施設です。建築家は、“現代的にアップデートした鑑賞体験”を主題とし、動線上に境界線を無くした街を引き込む様な交流空間を考案しました。また、家具類の配置で“人だまり”を作り自然な歓談や情報交換も促します。施設の公式サイトはこちら。
東京都墨田区菊川に開業したカフェ併設型の映画館である。
「現代的にアップデートされた映画鑑賞体験を生み出すこと」をテーマに掲げ、作品を鑑賞するだけでなく気軽に意見を交わし合ったり、作品以外に関心のある情報をシェアし合ったり、集まる人たちが文脈や視点を共有してコミュニケーションできる空間を求められた。
専有面積の半分は劇場で使用することに加え、劇場に関する法規での制限もあり、カフェを含むコミュニケーション可能な空間は限られていた。そのため、前面道路と結び付けられた軒下空間、さらに劇場入口までの道筋を境界線を作らずに奥へと引き込みながら街の領域を拡張していくようなプランとした。その領域の中にポツポツと現れる家具の周りに人だまりを作るような配置計画とし、動線と交わりながら自然とコミュニケーションが生まれるような設計とした。
長坂常 / スキーマ建築計画が設計した、東京・世田谷区の店舗「TODAY’S SPECIAL 二子玉川」です。
商業施設の中の雑貨店の計画です。建築家は、期待感と“一期一会のワクワク感”を与える為に、変化のある什器群の使用に加え裏側の雑音を敢えて導入して“賑わい”と“活気”を創出しました。また、既存鉄骨の錆止塗装の色を基調として空間全体をまとめています。店舗の公式サイトはこちら。
「何かあそこに行ったら私が探しているものがあるんじゃないか?」という期待感をいく前に持たせ、さらに行くと今度は「もしかしたら、これが欲しかったんじゃないか?」と思わせる日常の少し先にある飾りすぎない、骨董屋のように一期一会のワクワク感を与えるお店がToday’s Specialである。
我々はそこにそれぞれの什器に質感、高さ、広さなど変化を与え、回遊性をつくり、本来であれば、バックスペースで封じ込められるはずの雑音をあえて売り場側に持ち出すことで、動きや賑わいを生み、マルシェのような活気が生まれる。そして、どのお店も飾り気のなさや、生の素材感を感じさせるためにできるだけ薄っぺらいインフィルを解体し、スケルトン化を試みる。
この二子玉川店はすでにほぼほぼスケルトンで、そこに赤く錆止め塗装された耐震補強用の鉄骨があり、その赤が綺麗なことからその錆止め塗装の色を基調とした空間を作った。
牧戸奈須加+吾郷隆 / 牧戸建築環境設計事務所が設計した、島根・出雲市の「YT邸」です。
古くから葦が群落する小さな湖の近くの敷地に計画されました。建築家は、日本建築の与件と土地への応答を求め、イネ科植物が持つ固有の感覚を翻訳した“縦格子”で覆われた建築を考案しました。また、伝統民家を参照した高床は防湿等の機能的役割も果たします。
葦の群落する景観を残す小さな湖の南岸、稲穂の広がる土地の傍らに位置する住宅である。
平屋建日本建築であることが与件としてあり、どのようにすれば和を現代建築たらしめることができるか、それらをどのように周辺環境と接続するかを課題とした。
古より葦原であったとされるこの土地への応答として、葦 / 稲 / 竹等が持つイネ科植物特有のザワツキを汎用人口材で翻訳した縦格子をつくり、形式化した和要素を削いだ深い屋根軒影の中にその縦格子を切並べただけの外観を目標とした。
格子には経年灰色木材に似たシルバーグレー色の鋼板材を使用し不規則に取付け、見る角度や日影で変化する表情を持たせることを試みた。
伝統木造民家を参考に床を高さ調整することで屋内外の大きな収納確保、建屋周囲防湿、床下 / 設備メンテナンス、防災対策等の課題について対応した。
敷地境界は目隠し塀等で囲わず、積石と今後徐々に行われる植栽のみのゆるいものとし、格子材や沿道の竹垣越しに芝庭を介し東~北へ広がる田景に接続した。
柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsが設計した、福島・双葉郡の「楢葉町地域活動拠点施設『まざらっせ』」です。
元保育所の公民館を更に改修した施設です。建築家は、避難解除後の住民と移住者が共に活動する場として、新設建具がもたらす“開放性”と家具類がつくる多様な“居場所”を備えた空間を考案しました。そして、新たな交流を受入れ混ざり合う“舞台”を作る事も意図されました。施設の場所はこちら(Google Map)。
楢葉町地域活動拠点施設「まざらっせ」は、今までの公民館を改修した施設です。
もともとこの建物は保育所として使われていました。RCラーメン造の建築で、南側の園庭に対して、半透明の軒下空間を持った明るい建物でした。しかし町の人口が減る中で児童数も減り、この保育所が閉鎖され、震災前の2010年に公民館として用途変更が行われました。その後東日本大震災により、楢葉町が原発事故の影響で警戒区域に指定され、その間は人が立ち入れず、2015年に避難解除されるに至りました。
この施設のプロポーザルが行われるまでにも、ならはCANVAS、笑みふる商店街、災害公営住宅など、避難していた方が戻ってくるための拠点が整備されていき、現段階ではさらなる移住者を受け入れるフェーズです。その中で地域住民と移住者がともに活動していく拠点としてこの公民館の改修のプロポーザルが行われました。
この計画は建築確認を要しない範囲の工事で対応できる改修を前提としました。
RCラーメンの開放的な空間に大らかな木天井を設え、開口部を広くし、内部の建具を大きな引戸とし、居場所を作る様々な家具を提案しました。外からも活動が見えるようになり、外部から内部まで様々な居場所のグラデーションが生まれています。木天井は県産材の杉を斜めに貼り、照明と同じサイズの杉ルーバーで陰影をつけ、内外にまたがりながら建築全体を大らかに包んでいます。家具は内外にまたがるような小上がりや、テーブル、本棚、木のカウンターボックスを設け、それぞれに質感の異なる居場所としました。外部空間も、もともとあった大階段を延長したり、芝生をつけたり、デッキを設えたりと、庇の有無・内外の境界だけでなく、様々な質の違いを持つことで活動の違いを受け入れていく計画です。
“ワクワクする場所づくり”を掲げ、建築とインテリアを手掛ける「株式会社テントプラント」の、設計メンバー(経験者・既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
株式会社テントプラントでは、住宅、宿泊施設、店舗などの建築・インテリアの空間設計を手がけるクリエーション事業(tent architecs)と、展示ギャラリーや撮影スタジオなどのイベントスペース運営を手がけるオペレーション事業のふたつの軸で、“ワクワクする場所づくり”の実現に取り組んでいます。
今回は、クリエーション事業(tent architecs)での募集となり、国内外で進行中のプロジェクトの進行を支えてくれる「設計メンバー」を募集します。
様々な分野のクリエイターや技術者、多くのプロフェッショナルとパートナーシップを組み、プロジェクトごとに断的なチームを編成しながら構想の具現化に努めています。
柔軟な発想とポジティブな姿勢で、新しいチームワークを築くことができる仲間を募集します。
真泉洋介 / プラスマイズミアーキテクトが設計した、千葉・松戸市の集会所「紙敷あんど」です。
神社の境内に計画されました。建築家は、伝統的な社会の枠組から現代に即した“地域扶助”の創出を目指し、テレワーク等の“日常的利用”も想定した多様に使える“コミュニティー”の場を志向しました。また、各箇所に様々な使い方のアイデアを込められました。
千葉県松戸市紙敷。結び合わせる「&」、心安らぐ / 安心「安堵」、温かな「行灯」という三つの意味を込めて命名された、春日神社の境内に計画した、町会集会所。
神社、町内会といった伝統的な社会の枠組みの存続、という地域の課題に対して、地域の「あんど」の場所づくり、今の生活に即した地域扶助の形を創出する。
イベントでの利用だけでなく、テレワーク用のワークスペース、共有キッチン、子育て支援など、日常的な利用を想定した。
かつては当然のようにあった、困った時、有事の際に声をかけ合えるコミュニティーを、町内会や神社という伝統的な枠組みから、発信していくきっかけとなることを目指す。
長坂大 / Megaが設計した、神奈川・平塚市の「おざわ歯科 お口のサロン」です。
設計者が過去に増築した歯科医院を再増築する計画です。建築家は、不安を和らげる“ゆったりとした”空間を目指し、三角の敷地形状を活かして河川に向けて開く“放射状の診療室”を考案しました。また、新旧の建築の“造形原理”が共存する面白さも意図されました。また、2008年に既存建物に増築された「おざわ歯科」も併せて掲載します。
2008年に増改築工事を行った「おざわ歯科」の再増築計画です。
2008年の工事では、既存医院の大改修と大幅な増築によって診療チェアの数を5から10に増やし、手術室を新設し、ゆったりしたロビー、そしてスタッフルームを設けました。その後患者数は増え続け、再増築計画に踏み切ることになりました。今回は主にクリーニングのための「お口のサロン」を新設して、新たに5つの診療ブースを設けることになりました。
歯科医院では命に関わる治療はほとんどありません。医療施設として高度な先端治療機能を有していても、施設の空間的イメージとしてそれをアピールするのではなく、むしろ患者の不安を和らげるような、ゆったりとした滞在空間を目指すべきではないか、という基本理念は今回も同様です。
敷地はそれまで医院の駐車場として使われていた場所で、ほぼ直角二等辺三角形をしています。
その斜辺は河川敷に向かって視界が開け、背後には関東百名山のひとつとして知られる大山を望むことができます。1階は、エントランスと放射状のかたちをした5つの診療ブースを、2階には2つ目のスタッフルームを設けました。
患者数の増加に伴ってスタッフの数も大幅に増えたため、それにふさわしい更衣・休憩・ミーティング・ダイニングスペースが必要となっていました。窓際には内外ともにカウンターを設け、ランチタイムを楽しんでもらえるようになっています。
塩塚隆生アトリエの会場構成による、大分県美術館での展覧会「朝倉文夫生誕140周年記念 猫と巡る140年、そして現在」です。
近代彫刻家の作品を中心とする展示です。建築家は、作品を引立てる“デザインの一歩手前”の状態を求め、床パネルの割付に着目して個々が隆起し“台座”になる空間を考案しました。また、街並を想起させる台座の配置は地域の作品との連携も意図されました。
本展覧会では、朝倉文夫の作品と、大分を拠点とする安部泰輔とザ・キャビンカンパニーが競演しています。会期は、2023年6月9日~8月15日まで。展覧会の公式サイトはこちら。
彫刻家・朝倉文夫(大分県朝地町生まれ・1883-1964)は、自然主義的写実を貫き、日本の彫塑会をリードする中心的な存在として活躍し、大きな足跡を残した。一方で、無類の愛猫家としても知られ、数十体にのぼる猫の作品を残している。
本展は、朝倉文夫の創作を振り返るとともに、生誕から140年を経た今、大分を拠点に活動を展開する2組の美術家の視点で朝倉文夫を捉え直し、競演する。また、美術館での展示をひとつの「入口=プロローグ」と位置づけ、大分市内に点在する朝倉作品を、さらに朝地町の朝倉文夫記念館や台東区谷中の朝倉文夫彫塑館への循環と広がりを促す展示でもある。
坂茂氏設計の大分県立美術館には、独自のモデュールを床の割付にみることができる。
展示室は、空調の吹き出しスリットを兼ねた5mmの目地を介して470mmx470mmの可動式の床パネルが並ぶ均質な空間である。そこで、この床が1枚1枚持ち上がってそれがそのまま作品の台座にできないかと考えた。手数の少ない操作で、台座にも床にもみえるデザインの一歩手前のような展示空間にできれば、朝倉の強い作品がより際立つと考えた。
また、展示のコンセプトでもある美術館の外との循環や連携がこの展示空間からもみてとれるよう、庭園のような展示空間というのもテーマだった。これらの台座は、主に展示室の両壁際に配置し、街並みや地形を感じられるような位置や高さで構成した。そこに猫の作品を、時系列に関係なく時空を飛び越えて、それぞれのコンディションにあった居場所を探して置いていった。
アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/7/10-7/16)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。
- 佐藤可士和 / SAMURAIと竹中工務店による、神奈川の「GLP ALFALINK相模原」。総延床約67万㎡の物流拠点施設。存在意義の再定義と既存イメージの刷新を目指し、建物をブランディングの重要な“メディア”と捉えた設計を志向。情報や建築を開いて地域と企業に好循環を生む“共創”の場を作る
- 前田建設工業とツバメアーキテクツによる、茨城・取手市の「ICI STUDIO 甚吉邸」と「ICI STUDIO W-ANNEX」。歴史的洋館の移築復原と別館新築。復元では価値の維持と継承を目指し、“伝統”と“最新”の技術を併用し実践。別館では二棟が補完し合う関係を目指し、洋館と対比的な“がらんどう”で“透明性”のある空間を構築
- 神谷修平+カミヤアーキテクツによる、福岡市の「傀藝堂」。伝統ある人形師の為のギャラリー兼住宅。地域と歴史への繋がりを求め、周辺に多数ある“Y字路”を参照して“選択肢”と“回遊性”を生む構成を考案。外部の“左官擁壁”は地区に残る江戸時代の石垣との調和も意図
- 長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・狛江市の、銭湯「狛江湯」。周辺に緑や空き地が残る地域のバー等も備えた施設。環境を取り込んだ“心地よい”建築を求め、親和性も意図して“緑のオリジナルタイル”の空間を考案。寸法の異なる三種のタイルの貼り分けで視覚的体験も生み出す
- 長谷川欣則+堀越ふみ江 / UENOA architectsによる、東京・台東区の店舗「Triangle蔵前店」。約7㎡の持帰り専門のソフトクリーム店。既存窓が外観になる様な条件に、店名をイメージした“三角形の金属板”で“旗”等を想起させる図案を壁に施す計画を考案。内部は“銀色”で塗装して移ろう街の様子も映す
- 麻生征太郎建築設計による、東京・大田区の「K邸」。外階段の形が内側に現れる躯体形状の住戸での計画。階段の塊をポジティブな存在に転換すべく、曲面で覆うと共に“曲面”を全体の主題とする設計を志向。カーブを多数用いて階段部分が空間で役割を担える状況も作る
- 篠元貴之 / rhymedesignと酒井悠行 / PASSWORK DESIGNによる、愛知・春日井市の「BBQ SPOT KASUGAI」。鉄塔等に隣接する敷地のバーべキュウ場。世界観が作り難い郊外での“都市型BBQ”の成立を模索し、周囲からの自立を意図して“図式的な強い形”を用いた配置計画を考案。五角形の様な客席配置は視線の抜けも確保
- 井原正揮+井原佳代 / ihrmkによる、大阪・豊中市の集合住宅「GRID」。収益性と共に100年後も視野に入れて計画。敷地に愛着を持つ施主の“いつか戻りたい”との想いも汲み、RCのフレームに木架構を組み込んだ“変化に柔軟”な建築を考案。外壁にも木材を使用して街並みとの調和も意図
- 山本健悟建築設計室による、愛知・蒲郡市の住宅「I邸」。分譲地の旗竿敷地に計画。周辺の日照への配慮と断面のプロポーションを考慮し、環境の中に埋まる様に存在する“慎ましさ”と“安心感”を持つ建築を設計。内部の高低差のある勾配天井は空間に“奥行”も与える
- 空間構想による、香川・高松市の「四国村ミウゼアム『おやねさん』」。屋外博物館の入口に建つチケット売場等を備えた施設。場の“潜在的価値”の現前を目指し、周辺の“資源”を繋ぐ様に地形の改変と新築を行い関係性を“空間的に”調停。屋根は表と裏の環境と呼応して“有機的”形状を描く
- 吉村真基建築計画事務所|MYAOによる、愛知・名古屋市の、店舗「カレースパイス 八O吉」。SNSで集客する持帰り中心のカレー店への改修。写真1枚で行きたくなる存在を目指し、写真の面白さを“時間の凝縮”と解釈して設計方針を策定。既存の痕跡に新たなレイヤーを重ねて新旧の両義性を持つ建築を作る
- 建築家の木材活用の事例を紹介する、共栄木材の新サイト「Tsukuru Lab」が公開。樹種と加工の組合せから生まれる“木材”だからこその豊かさを紹介。事例として登場する建築家の手嶋保による社内施設(三秋ホール / 三秋アトリエ)は見学も可能
- 大滝雄二郎 / YUJIRO OTAKIによる、東京・原宿の、飲食店「DIG THE LINE DOORS」。商業施設の奥まった区画のクラフトビールを扱う店。通行人の足を止める“ひき”の創出を求め、白い内装に青緑色の“象徴的”な什器を中央配置した空間を考案。キーカラーはビールにとって大切な“水”をイメージ
- 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
- 篠原一男が1976年に完成させた「上原通りの住宅」の現在の様子と住み手のインタビューを収録した動画
- 川原達也+エレン・クリスティナ・クラウゼ / KAWAHARA KRAUSE ARCHITECTSによる、ドイツでの建築展の会場構成「The Entire City」。市主催の5年半200以上のコンペを扱う展示。応募作を“すべて”見せる方針を考案し、膨大な図面の中でアイデアを“身体的”に経験する空間を志向。浮遊する“アーカイブ”の間にテーマ展示も設けて議論を促す
- 田﨑敦士 / Atsushi Tasaki Architecture and Designによる、神奈川・藤沢市の美容室「NEON」。メーカー住宅の1階に計画。設計者自身の原風景でもある“工業化”に向き合い、スタッド製什器等の流通建材を“少しずれた”方法で用いる設計を志向。今ある風景に寄添いながらも“以前とは異なる風景”を生み出す
- スノヘッタによる、フランス・ドゥエーの、プラネタリウムと天文台「オリオニス」。街の中心から離れた自然にも恵まれた敷地。利用者にひらめきを与える存在を目指し、“星の楕円運動”から着想して連続的な形状と導線を持つ建築を考案。ドームと木素材が印象的な外観はアイコンと調和の両立を意図
- 山口誠デザインによる、東京・台東区の、オフィスビル「MONOSPINAL」。ゲーム制作会社の本社。従業員の“集中力”と“リラックス”のバランス確保を目指し、環境要素も向上をさせる“斜壁”を持つ建築を考案。小スケールの素材を集積をさせる仕上げで“あらたな風景”を作る
- 矢橋徹+上野拓美 / 矢橋徹建築設計事務所による、熊本市の、店舗兼住宅「江津ハウス」。様々な景色を見渡す場に建つ週末住宅。段階的に移住する施主の為に“変化に適応できる空間”を目指し、多彩な開口を持つ三層の“がらんどう”の建築を考案。窓の自由度を上げる為に軸組に外皮を巻く二重架構とする
ノーマン・フォスターへのインタビュー「災害にどう対処するか」の動画です。2023年7月にルイジアナ美術館の制作で公開されたものです。
(翻訳)
私たちは、世界的に有名な建築家ノーマン・フォスターにベニスで会いました。それは88歳の誕生日を数日前でした。フォスターは、例えば戦争、地震、飢饉、ホームレスなどの自然災害や人災による基本的なシェルターの必要性に取り組むプロジェクトを発表しました。「このプロジェクトは、何が一時的なものなのかを問うものです。そして何が恒久的なのでしょうか。テントは1年もつでしょう。洗練されたテントなら3年。この小さなパビリオンの寿命は最低でも20年で、間違いなくそれを超えるでしょう」
ノーマン・フォスター財団とホルシム社による「エッセンシャル・ホームズ・リサーチ・プロジェクト」が、2023年建築ビエンナーレのローンチに際してヴェネツィアで発足しました。このパートナーシップにおいて、ノーマン・フォスター財団は、人間の本質的なニーズを満たす住宅コンセプトを設計しました。それは、例えば難民キャンプなど、何十年にもわたって仮設住宅に住み続けることのできる避難民に、安全性、快適性、幸福感を提供します。持続可能な建材製造の世界的リーダーであるホルシムは、幅広いソリューションでこのプロジェクトに命を吹き込みました。そして、低炭素でエネルギー効率に優れ、循環型の建築を実現し、どのようにすれば持続可能な建築が可能になるかを実証しました。
ノーマン・フォスター財団のノーマン・フォスター会長は言います。
「このプロジェクトは、難民危機に関するワークショップから発展したものです。世界で最も弱い立場にある人々を含むすべての人々が、適切な生活環境を確保できるようにするにはどうすればいいのでしょうか。このプロジェクトはシェルターの基本に取り組んでいます。小さなパヴィリオンは、全くの未経験者でも建てられます。それは、即座に災害救援に応用できます。また、ホームレスのために。また、手が届かない建物の代わりを求める若い家族のために」エッセンシャル・ホームズ・リサーチ・プロジェクトは、人々と地球のために機能する未来を築くために、持続可能な建築をすべての人が利用できるようにするための基本的な対話を開くものです。それは、安全性、快適性、幸福感を提供します。この住宅は非常にサステイナブルで、従来の構造に比べてCO2排出量が70%削減されています。
「これは最終結果ではありません。旅の始まりなのです」