テキスタイルデザイナー森山茜の作品制作に密着したドキュメンタリー動画です。
ヴェネチアビエンナーレ国際建築展2023の日本館での作品制作のプロセスやコメントを収録しています。動画の制作は岩本健太映像制作事務所。アーキテクチャーフォトでは、日本館の様子を特集記事として掲載しています。
architecture archive


教育施設を主軸に、商業施設や住宅も手掛ける「ユニップデザイン」の、設計スタッフ(経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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ユニップデザイン株式会社一級建築士事務所が設計スタッフ(経験者・正社員)を募集します。(急募)
渋谷からほど近い目黒区大橋を拠点とし、保育所をはじめとした教育施設を主軸に、商業施設、住宅など、幅広く設計活動を行っています。建物単体のデザインにとどまらず、建物をとりまく外構や造園、インテリアや家具・備品などに至るまで、 建物をとりまく「環境」を一貫してデザインすることをこころがけています。
弊社の手がけた案件は3年連続グッドデザイン賞を獲得しました。
現在、幼稚園、保育所や認定こども園、住宅等を複数進行中のため、設計スタッフを募集します。設計から現場監理まで一連の設計プロセスが経験できる良い時期でもあります。
弊社の設計スタンスとしては物件ごとに担当を設定し、最後まで一貫性をもって設計監理業務に携わっていただきます。図面や模型の確認だけでなく3Dで作成した空間の中でVRにて疑似体験することも可能です。
コミュニケーション能力があり、柔軟な発想で精力的に設計に参加してくださる方、大歓迎です。応募のご連絡を心よりお待ちしております。



光浦高史 / DABURA.mが設計した、大分・豊後大野市の「鷹来屋ガーデンささら」です。
老舗造り酒屋が運営する体験型の施設です。建築家は豊かな自然を享受する“集いの場”を求め、RC壁とCLT折版構造屋根を組合わせて外部と繋がる開放的な空間を構築しました。また、素材は土地の時間や環境を“肌で感じられる”ものが選定されました。施設の公式サイトはこちら。
鷹来屋は明治22年創業の造り酒屋である。1979年以降17年間は委託醸造となり、自社の蔵での製造は完全に休止していたが、蔵から立ち上る白煙を見ながら育った現5代当主は、1996年に自らが杜氏として自社醸造を一から再開。
拠点とする地域は、日本ジオパークに登録されており、水の豊かな土地の恵みを受け、久住山系伏流水の軟水とその土壌が育んだ自家栽培の米を原料に、完全手作りにこだわって酒造りを行っている。
小規模ながらも種類豊富な商品を打ち出すことで酒蔵としての認知度を高めてきた鷹来屋は、新たな課題として、その歴史を次世代へ発展的に継承していくことを目指している。日本酒の醸造過程では、活用しなければ産業廃棄物になってしまう酒粕が生まれる。これまでも石鹸やプリンなどの商品を開発し、それを有効活用することで、酒以外の商品の可能性も拓いてきた。
その試みをさらに広げ、持続可能な食文化を推進するために、酒造り由来のノンアルコールメニューの提供や、料理教室、ジオパークの学習教室を開催する。そうした発信活動の拠点として、気軽に立ち寄ることができ、土地の豊かな自然を感じながらゆっくりと過ごせる集いの場が求められ、この新施設が誕生した。
井路や溶結凝灰岩の石垣、緑溢れる山々から成る集落の風景のなかにある新施設は、道路と水路を挟み、鷹来屋の酒蔵および直売店の真向かいに位置する。当初、建築物を道路沿いに配置して目立たせることも検討されたが、相対する新旧施設に挟まれた空間が豊かに繋がることを目指し、セットバックすることで庭を設けた。それは、新施設を既存の酒蔵や集落の環境へと繋ぐ緩衝地となり、酒蔵の、あるいは地域の余白となりうる。



吉田昌弘 / KAMITOPENが設計した、東京・新宿区の飲食店「ソロ山」です。
駅近の“一人でお酒を愉しめる”店の計画です。単独のお客のみを対象とし、“全席お一人様の席”と“セルフサービス”で滞在時間をひとりで楽しむ空間が構築されました。また、雫が一滴一滴広がっていくような平面構成は施主の企業名から着想されました。店舗の公式サイトはこちら。
場所は新宿駅西口から徒歩3分の立地である。
ここに、うどん屋と天ぷら屋とそば屋を運営している「一滴グループ」がある。
「一滴グループ」の呪文は「自分たちが行きたくなる店をつくる」である。そこで、クライアントは「大人が一人でお酒を愉しめる空間」を新宿に作ることが出来ないかと考え、出店を決意した。
実際にはインテリアは全席お一人様の席としてデザインし、お客様もお一人様のみを対象としている。
また、ドリンクやフードもセルフサービスになっており、滞在する時間はすべてお一人様を愉しめるオペレーションとなっている。デザインとしては、一滴グループの名前の由来である“一滴のつゆにもお代を頂戴しているのだと。その思いを心に刻むため”という言葉にインスピレーションを受け、雫が一滴一滴広がっていくようなデザインを試みた。



小林一行+樫村芙実 / テレインアーキテクツが設計した、神奈川・川崎市の「かしまだ保育園」です。
幹線道路と緑道に面する敷地に計画されました。建築家は、園の活動や子供の身体寸法から発想し、“8畳間”の空間を複数組み合わせ“風車状”にした保育室を持つ建築を考案しました。また、生活道路に開いた配置は“地域の人々の中で共に育つ”施設が意図されました。
本計画は、川崎市の公立保育園民営化事業である。車通りの多い府中街道と、緑豊かな平間緑道とに挟まれ、消防署や水道局、団地など公営の施設に隣接している。敷地はもともと配水所で、地中に円形の基礎が残置された調圧塔跡地を避け木造2階建てとした。
敷地北側に位置する地域の生活動線でもある平間緑道へは園庭からもアクセスでき、園児の散歩動線として日常的に使われる。大きな落葉樹やベンチのある平間緑道からは園庭で遊ぶ園児の様子や、テラスでの活動、登園降園時の親子の様子も感じられ、園内からは散歩中のお年寄りや他園の子どもの散歩の様子を感じることができる。これまでの歴史を引き継ぎつつ、地域の人々の中でともに育っていく保育園となるような配置計画を目指した。
保育園での活動を紐解く中で、私たちがウガンダの材料寸法から導き出した小さな柱割(3m,4.5m,5m)がここでも有効であると考えた。実際に小さな子どもと長時間対峙してみても、彼らの身体の大きさや床に限りなく近い動き、2間(3,640mm)という寸法が柱間に生み出す8畳間とよく合致していた。
ひとつの保育室は、中央の丸太柱に4つの8畳間が寄り添う32畳のまとまりとし、それらが2間ずつずれながら互いに接し、風車状の保育室をつくる。この緩やかな空間をつくる2間の連なりが、保育の現場の体感とも繋がる重要な寸法に感じられた。


別荘をメインとして、全国のリゾート建築を専門的に手掛ける「エムズ・アーキテクツ」の、設計スタッフ(2024年新卒・既卒・経験者)と秘書兼広報募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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私たちは、別荘をはじめとするリゾート建築を設計する設計事務所です。
リゾート建築は人生を豊かにする建築ですが、必要不可欠な建築ではありません。
だからこそ、夢のあるデザインが求められます。建築が好きで、夢や目標を共有できるスタッフを募集します。
好きな気持ちさえあれば、スキル、経験は仕事を通じて着実に身につくと考えます。
弊社の仕事を通じて、建築家、設計者としてのキャリアを育てたいと思います。①デザインを大切にしたリゾート建築
どういった案件で設計の仕事に携わるか、これは仕事の楽しさ、魅力につながると考えます。②1軒の別荘を設計できる能力を身につける
部分的な仕事をするのではなく、一通り全ての知識をつけてもらいたい。
キャリアを築く上で、一番大切で近道だと考えます。③スタッフそれぞれの個人の能力、経験、目標、希望に合わせて
意欲のある方にはチャンス、機会をつくります。
経験が少ない、若しくはまだ自身のない方には易しいところから無理せず、段階を踏んでスキルアップしていきます。④新しいツールの活用
最近導入したものとして、ドローンやVRを活用したプレゼン、3Dプリンタを活用した模型製作があります。
新しいツールはどんどん取り入れていきたいと考えております。⑤仕事を楽しむことが一番大切
弊社の設計している別荘とは、人生を楽しむためのもの。
夢のある作品づくりを、楽しんで仕事をしてもらいたいと思っています。



井上亮+吉村明 / Inoue Yoshimura studioが設計した、東京・世田谷区の「交錯線のワンルーム住宅」です。
住宅街の“鉄塔が食い込んだ”変形敷地での計画です。建築家は、状況を活かした建築を求め、“街区”と“送電線”の2つのグリッドを取込む設計を志向しました。そして、必然的に出来る“歪な空間”を援用して多様な質の居場所を住宅内に作り出しました。
都心の低層住宅街、夫婦と子供のための新築計画である。敷地は南側に広めの道路が接道している都心の立地としては良好な条件であったが、敷地北側の角に送電線の鉄塔がななめに振れながら食い込んでいて敷地の形状が変形していた。
夫妻の要望は、主人の在宅勤務が多いこともあり、ワークスペース、個室、広々としたLDKをつくるなどの基本的な要望の他に、鉄塔側に関しては、なるべく閉じる方がよいのではとの相談もあったが、鉄塔側は明るさを確保できる場所と捉えることもできるので、むしろ鉄塔が食い込んでいることも活かすことができる計画となるように進めていく方針となった。
鉄塔が斜めに食い込む他に、本立地には、計画に関わるいくつかの線があった。街区を規定する敷地の線、敷地に食い込む送電線の角度が振れた線、また目には見えないが、法規的に家の高さを決定する斜線制限の線だ。
特に送電線の鉄塔が食い込む斜めの窪みは影響が大きく、プラン的にも無視することは難しかったので、このななめの線もプラングリッドへと取込むことにした。
その歪な形状を活かして、リビングやワークスペース等の各部屋は、壁で仕切らずに、スキップフロア状に緩やかに分節し連ねる計画とした。天井の高さは、70cmから4m強まで、斜めに繋がる場所もあれば、フラットな天井もあり、歪な空間の連続が、日当たりのよい場所や暗い場所、狭い場所や広い場所など多様な場所を作り出し、四角い部屋の連続ではない、起伏あるワンルーム状の空間となった。
伊東豊雄が、NHKのテレビ番組「最後の講義」に出演します。リンク先の公式ページには予告動画も掲載されています。放送日時は2023年11月8日22時から。
人生最後なら何を語り残すか?伊東豊雄さん82歳。“建築界のノーベル賞”世界を圧倒する巨大洞窟のような建物?被災地に小さな家?「建築は社会を変える」その信念とは?
美しい曲線や光のデザイン、巨大洞窟のようなオペラハウス…長野・諏訪湖畔で育ち成績優秀、東京で建築家に。高度経済成長、キラ星の建築家が活躍の時代、大阪万博造営に参加も…チャンスが少ない中、初の大きな公共建築は50歳前、しかし… その後、仙台や岐阜で人々が愛する建物空間を次々。70代で“建築界のノーベル賞”受賞。環境を生かしたその地域でしかできない唯一無二の建物空間。「美しい建築」はどう生まれるのか?



伊瀬和裕 / テトラワークスが設計した、広島・三原市の「糸崎の家」です。
三方を道が囲む海を見下ろす敷地に計画されました。建築家は、外からの視線の遮断と存在する自然との接続を求め、敷地の形に沿った“くの字”形状で環境に応じて窓のサイズ等を調整した建築を考案しました。そして、リビングの大開口から瀬戸内の景色を取込みました。
瀬戸内海に面した斜面地の中腹辺りに位置する敷地。
わずかながら日々穏やかな水面を見せてくれる海と、敷地北側には緑豊かな山林。
設計を始めるために初めて敷地を訪れた時、自然を身近に感じられる敷地の中に立っていると、それらを生活の一部へと取り込むように計画をすることが必然のようにも感じられた。一方で生活道路が敷地の三方を囲むようにあるため、道路面からのプライバシーを確保することも必要となる。
それらを両立すべくすすめた設計は、道路面からの視線を遮りつつ自然に向けて開くため、敷地形状にあわせて「くの字」に折れ曲がった建物形状での計画となった。
一段下がったリビング空間からは中庭へとつながり、その先に見える景色は想い描いていたものとなった。

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/10/23-10/29)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。
- BIGによる、ニューヨークの超高層ビル「ザ・スパイラル」。ハイラインパーク近くの高さ約300m越の建築。公園の緑との接続と垂直方向への拡張を意図し、緑化したテラスが階段状に連なる構成を考案。オフィスの一部として自然を統合した“現代的なワークプレイス”を作る
- MADによる、中国・上海の複合施設「The Ark」。70年代竣工の倉庫を複合施設に改修。新旧の構築物が並置される状況を求め、既存の壁の間に“金属製のヴォリューム”が浮遊する構成を考案。都市の記憶を未来に繋げると共に人々の為の新たな交流空間を創り出す
- ファラによる、ポルトガルの住宅「house for three generations」。小さな村の角地に建つ3世帯住宅。正方形平面の中に各世代ごとに異なる形の寝室を作り、残った“型破りな形”の空間を共通のリビングとして計画。天井の手前で止めた“柱”は活動の区切りとなり物理的統一性も示す
- 新居千秋都市建築設計による、千葉の「流山市立南流山地域図書館・児童センター」。約3000㎡の滞在型複合施設。様々な規制や厳しい与件の下でも、“身体性”を大切にした“五感”に訴えかける建築を志向。寸法と素材にこだわり設計と選定した家具を用いて限られた空間の中に様々な居場所を作る
- 藤原・室 建築設計事務所による、兵庫・神戸市の「岡本の家」。閑静な住宅街の三角形の敷地。“容積の確保”と“街並みとの調和”の両立を求め、二層分の外壁を分割して間に開口部を設けた“圧迫感を緩和”する建築を考案。視線と風が抜ける空間は“街との繋がり”も感じさせる
- 原広司による神奈川・多摩区の“粟津邸”で、Karimoku New Standardの展示「Encounters」が開催
- 吉祥寺の「武蔵野公会堂改修」設計プロポの、一次審査通過者が参加する公開プレゼンが開催。C+A、小堀哲夫、スターパイロッツ、日建設計、AS、青木茂が名を連ねる
- OMA / 重松象平の建築デザインによる、東京・港区の「虎ノ門ヒルズステーションタワー」。基部と頂部に公共性を持つ機能も入る複合ビル。街の構造とシームレスに繋げて、東京における生活の特徴である“多層的で立体的な空間体験”も創出。森ビルと久米設計がエグゼクティブアーキテクトを務める
- 北川原温建築都市研究所による、東京・豊島区の「豊昭学園6号館 ラーニングセンター」。キャンパス整備の一環で三角形の敷地に計画。敷地を超えた街との接続と学園の更なる成長の表現を意図し、無限に広がる“放物線”の形を用いた建築を考案。道路斜線で規定された量塊の中にホールや図書館等を収める
- ザハ・ハディド事務所による、中国の「成都SF博物館」。国内有数のSF作家の輩出都市に建設。“星雲”を模した流動的なフォルムの屋根を持つ建築で、湖面に浮かぶ様な配置と周辺との一体的な設計も特徴。様々な展示・会議・イベントに対応する柔軟性も備える
- 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
- 奈良祐希 / EARTHENによる、石川・金沢市の「Node Kanazawa」。カフェ等も内包する建築企業の新社屋。賑わいの創出等の地域社会への貢献も求め、周辺と繋がる“緑のミチ”と“街のミチ”が建築を貫通する構成を考案。“歴史や記憶”の現代への継承も意図し地元の古建築等も参照
- 隈研吾建築都市設計事務所による、東京・江戸川区の「魔法の文学館」。童話作家の角野栄子の名を関した児童文学館。花びらが広がるような屋根“フラワールーフ”を外観の特徴とし、景観との調和や内外の連続性も意図。くぼしまりおによる内装は角野の著作の世界観をイメージ
- 坂本拓也 / ATELIER WRITEによる、京都・下京区の店舗「HUNTING WORLD × DESCENTE.LAB」。老舗百貨店内の期間限定の店。ブランドの代名詞の“バッグ”から着想を得て、荷物を保護する“エアー緩衝材”を主要素材とした什器を考案。45°振ったラックの配置は滞留の促進と区画の内外の繋がりを意図
- 近代建築の巨匠“ライト”の建築展「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」が、豊田市美術館で開催中。“帝国ホテル”の設計でも知られる建築家の展覧会。緻密で繊細なドローイングや図面の数々を日本初公開。ライトが提唱した住宅形式の一部が実寸で再現され空間体験も可能
- 二俣公一 / ケース・リアルによる、兵庫の店舗「イソップ 神戸BAL店」。歴史ある和洋折衷建築が残る都市での計画。街の“バランス感覚”を取込んだ空間を求め、“日本古来の素材”と“西洋的な構成”を融合する設計を志向。近隣産で伝統的な“淡路瓦”を主要素材に選び様々な箇所に使用
- 小泉誠 / Koizumi Studioによる、大阪・三島郡の「sumitsubo house」。夫婦と猫の為の住宅。季節ごとに“遊牧民”の様に部屋を移動する生活の要望に、いくつかの居場所があるだけの“潔く住みこなす家”を志向。段差や開口の工夫で“曖昧に”仕切られた“回遊性”のある空間をつくる
- MVRDVによる、アルバニアの文化施設「The Pyramid of Tirana」。独裁者を称えた博物館を若者や市民の為の施設に改修。生き延びた人々の“記念碑”として、傾斜したファサードに階段を追加して誰もが上に登れる建築を考案。新たな機能はカラフルな箱に入れて構造体の内外に追加
- 戦後日本を代表する建築家の一人“丹下健三”による「国立代々木競技場」を主題とした国際シンポジウムが開催。隈研吾らが登壇し“構造・設備・意匠の視点”から本建築を解説。海外からも有識者が参加し“国際的な視点”からも紐解く
- 安藤祐介建築空間研究所による、東京の「エクスドリーム不動産サテライトオフィス神田錦町」。新築テナントビル内に計画。地域の歴史と“若く前向きな”社風の表現を求め、伝統的な内装要素を“現代的な素材とディティール”で再解釈する設計を志向。エキスパンドメタルとリブパネルを主要素材とし空間を構築

SHARE 坂茂のウェブサイトがリニューアル
坂茂のウェブサイトがリニューアルされています。作品が地域や年代でソートできるようになっています。
坂茂による、ハーバード大学での講演「Balancing Architectural Works and Social Contributions」の動画です。2023年9月に行われたものです。
(翻訳)
坂茂は1957年東京生まれる。アメリカで建築を学んだ後、1985年に東京で坂茂建築設計事務所を設立しました。現在、東京、パリ、ニューヨークに事務所を構えています。木、紙、竹を使った革新的な建築で知られる彼のデザインは、環境とエコロジカル・デザインへのこだわりと相まって、数々の賞を受賞し、世界中の著名な機関から常に高い評価を受けています。1995年、NGO VAN(Voluntary Architects Network)を設立。建築家が社会のために何ができるかを自問自答し、30年近く世界中の戦争難民や被災地への支援活動に取り組んできました。様々な活動を続ける建築家・坂茂の原点、原動力、そして願いについて語ります。
(翻訳)
Shigeru Ban was born in Tokyo in 1957. After studying architecture in the United States, he established Shigeru Ban Architects in Tokyo in 1985. He currently has offices in Tokyo, Paris, and New York. Known for his innovative architecture using wood, paper, and bamboo, his designs, coupled with his commitment to environmental and ecological design, have received numerous awards and constant recognition from prominent institutions around the world.In 1995, he founded the NGO VAN (Voluntary Architects Network). Asking himself what architects can do to benefit society, he has been working for nearly 30 years to provide assistance to war refugees and disaster-stricken areas around the world. He will talk about the beginnings, driving force, and wishes of Shigeru Ban, an architect who continues various activities.



藤原・室 建築設計事務所が設計した、兵庫・神戸市の「岡本の家」です。
閑静な住宅街の三角形の敷地に計画されました。建築家は、“容積の確保”と“街並みとの調和”の両立を求め、二層分の外壁を分割して間に開口部を設けた“圧迫感を緩和”する建築を考案しました。また、視線と風が抜ける空間は“街との繋がり”も感じさせます。
傾斜地の住宅街の中腹にある、細長い三角形の敷地に建つ、夫婦2人子供2人の為の住宅です。
敷地いっぱいに壁面を設けることは、小さな敷地における一般的な設計手法ですが、都会の狭小地ではなく閑静な住宅街の細長敷地である本プロジェクトでは、街並みに溶け込む外観も重要でした。施主からは、敷地の有効利用を最優先するという強い要望がありましたが、最大ボリュームの壁面を設けると通りに対して圧迫感が生じると考えました。
そこで、壁面を分割し、つなぎの部分を開口部とすることで、施主の希望する2階までのボリュームを確保しながらも、開口部によって圧迫感を緩和するとともに、開口部の前の三角形の残地に植物を植えることにしました。このような手法により、施主の希望と街並みへの配慮を両立させた建築を提案することができました。
壁面のずれにより、内外が繋がることで、住まい全体に視線や風の抜け、街とのつながりを感じさせながら広がりを感じさせる住まいとなっています。


戦後日本を代表する建築家の一人“丹下健三”による「国立代々木競技場」を主題とした国際シンポジウムが開催されます。
シンポジウムのタイトルは「国立代々木競技場世界遺産登録推進国際シンポジウム」です。主催は、一般社団法人国立代々木競技場世界遺産登録推進協議会。隈研吾らが登壇し“構造・設備・意匠の視点”から本建築を解説します。また、海外からも有識者が参加し“国際的な視点”からも紐解く内容となっています。開催日時は2023年11月19日(日)13:00~17:00(12:30開場)。会場は、東京大学 安田講堂です。参加費無料。こちらから、要事前申込です(定員700名)。【ap・ad】
ダイナミックな外観と壮大な内部空間を有する戦後建築の金字塔、国立屋内総合競技場(現在の国立代々木競技場)は1964年10月開催の第18回オリンピック東京大会水泳・バスケットボール競技会場として渋谷の高台に建設されました。かつてこの場所は陸軍練兵場で、戦後ワシントン・ハイツとして米軍に接収されましたが、オリンピック開催を機に日本側に返還されたことで知られます。
この競技場を設計したのが戦後日本を代表する建築家・丹下健三(1913-2005)です。丹下は広島平和記念公園、香川県庁舎、東京カテドラル聖マリア大聖堂、山梨文化会館、東京都庁舎など、数多くの建築・都市計画を手がけた建築家として知られます。
丹下は国立代々木競技場で吊り屋根構造を大胆に駆使し、大小二つの体育館とそれを結ぶプロムナードを巧みに配置しました。その際に渋谷・原宿間の高低差を活用することで、渋谷と原宿から訪れる一般客を体育館に円滑に導き入れることに成功しています。また、丹下はこの競技場を設計するにあたって構造の坪井善勝、空調衛生設備の井上宇市と協働し、近未来的なデザインを実現しました。一方、第一体育館の重厚で緩やかな吊り屋根は、奈良時代の寺社建築の大伽藍を彷彿させ、日本の伝統建築との連続性を強く感じさせます。
国立代々木競技場は幾度かの耐震改修工事を経て、竣工当時の姿を維持した結果、2021年に国の重要文化財に指定されました。また、2021年に第32回オリンピック・パラリンピック東京大会においてはハンドボール、パラリンピック車いすラグビー、バドミントン競技の会場として活用されたことは記憶に新しいところです。
東京において、国立西洋美術館に次ぐ世界遺産登録を目指し、このたびは海外からの有識者を交えてシンポジウムを開催いたします。
以下に、シンポジウムの詳細を掲載します。



二俣公一 / ケース・リアルが設計した、兵庫の店舗「イソップ 神戸BAL店」です。
歴史ある和洋折衷建築が残る都市での計画です。建築家は、街の“バランス感覚”を取込んだ空間を求め、“日本古来の素材”と“西洋的な構成”を融合する設計を志向しました。そして、近隣産で伝統的な“淡路瓦”を主要素材に選び様々な箇所に使用しました。店舗の公式ページはこちら。
計画地のある神戸は、明治維新以降の開港や居留地の完成に伴って貿易が盛んになり、海外のさまざまな文化を取り入れながら発展してきた。
そして、現在の神戸の街でもその歴史を感じられる要素があちこちに点在しており、18世紀末から19世紀前半に建てられた西洋風の建築もその一つ。 中には日本独自の文化と融合されて、和洋折衷の独特の雰囲気を持つものもあり、私たちは今回のストアにおいて、この神戸の歴史とリンクするバランス感覚そのものを、空間の要素として取り込みたいと考えた。
メインの素材に用いるのは、計画地の北西に位置する淡路島の土を原料とした淡路瓦である。
淡路島特有の良質な粘土質によって作られる淡路瓦には約400年以上の歴史があり、型を用いて様々な形状に成形できるほか、その火入れの温度によって「いぶし銀」と呼ばれる黒とシルバーがミックスしたような独特の表情が表れる。
私たちは、これを壁面の巾木やエンドパーツとして、またイソップのプロダクトを縁取る門型のフレーミングなどに使用。マテリアルとしては淡路瓦という日本古来の素材を用いながらも、様式としては西洋的な構成を取り入れ、神戸独自の素材や造形のバランスとイソップの空間との融合を試みた。