



後藤周平建築設計事務所が設計した、東京・大田区の店舗「loose」です。
木造住宅の和室をセレクトショップへと転用する計画。建築家は、空間と庭の“街への開放”も意図し、掃出し窓を出入口として道路から庭を通り抜ける50mのアプローチを整備しました。そして、新旧要素と環境を呼応させて“場所の固有性”も創り出しています。店舗の場所はこちら(Google Map)。
閑静な住宅街に位置し、施主の実家である既存木造住宅内の8畳の和室と庭を街に開くプロジェクト。
子どもの独立後、両親2人暮らしの実家の和室(客間)を、店舗に改修した。来客は庭から直接アクセスすることとし、前面道路から50mの長さになるアプローチを整備、店とともに街に開く計画とした。
既存の和室8畳の床と天井を撤去し、天井高を確保、極小の床面積を補うために高さ方向に空間を広げ、床レベル差がある立体的な構成とした。エントランスでは店舗全体を一望できる床高さ(既存和室床レベル)となり、メイン空間では500mm床が下がり、同じ商品でも視点が変わることで、見え方が変わることを意図している。
既存障子部分2箇所には大きなミラーを設置した。和室8畳が持つ正方形平面を生かし、映り込みの映り込みが等間隔で連続していくことで、床面積を超えた広がりを感じられる。
店舗の出入口は住宅部と動線を分けて南庭からとした。南庭に連続するように既存西庭のアプローチを延長し、庭の整備をすることで、歩いて楽しく、専用の庭があること自体が店舗の豊かさとして感じられるように計画した。
南庭は天気の良い日に商品を外に出したり、イベントに利用したりと、店舗空間を拡張するような使い方がされている。前面道路からショップまで約50mの長さとなるアプローチの細い小径、既存の植物や和室の意匠など、この場所に存在する要素を丁寧に読み解き、遠回りするRC平板のアプローチや、庭の緑をモノクローム化するライムグリーンのガラス、小さな部屋に比して大きなミラー、艶消しウレタンクリアのドット柄、それを展開した掛け軸など、建築と物の境界を超えて追加された大小の要素が、環境と呼応してこの場所の固有性を生み出す。
既存と新規の木部塗装には希釈した墨汁を使い、部位ごとに濃度を変えて染め、年代を超えて古さと新しさを同時に感じられる仕上げとしている。










