



田邉雄之建築設計事務所が設計した、神奈川・鎌倉市の「桟敷の家」です。
擁壁の上を“江ノ電”が通る谷状の敷地での計画です。建築家は、景観や光の享受に加えて電車との関係も主題とし、上階を“パブリック”と捉えて“桟敷席の様なバルコニー”を持つ建築を考案しました。また、屋根形状や外壁の質感は町並みとの調和も意図されました。
谷戸の向こうに陽が隠れる夕暮れ時、バルコニーに腰を掛けて山と空を眺める。
単線の江ノ電が砂時計のように7分間隔で軋みながら目の前のカーブを通過する。鎌倉の谷戸、高さ3mの擁壁を挟んで江ノ電と隣接する夫婦のための住宅。
敷地は擁壁の基礎と風致条例によって建築可能範囲が限られている。谷戸越しの自然と山に切り取られた景色と陽の光の享受、趣味の工芸と江ノ電との関係性が主なテーマ。
1階をプライベート、2階をパブリックと捉えて、外部においては江ノ電に向けて劇場における桟敷席のようなバルコニーを設けた。構造は振動に強く防音性も高い壁式RC造で、基礎施工可能範囲と2台の駐車場を確保するため西側と南側に約2mずつ片持ちしており、約5mの支持層まで杭が伸びる。
型枠には少しザラザラとして柔らかな質感が感じられる普通合板を用いたことと、切妻屋根の形状を採用したことで、RC造でありながらも歴史ある鎌倉の町並みに馴染むことを目指した。






