


德野由美子建築設計事務所が設計した、西日本の「鳥の家」です。
三方を囲まれた間口4mの細長い敷地での計画です。建築家は、“狭小住宅”という前提に対し、限られた中でも“自分の居場所を発見できる‘余白’”を備えた建築を志向しました。また、住空間とテラス庭を混在させて“季節や時間”の感受も可能にしています。
近くに河川や大きな公園がある、文教地区の住宅地に建つ若い家族のための住宅である。
建主から依頼があった時、「狭小住宅をつくって欲しい」と嬉しそうにいわれたことが印象的だった。
それは、自身の土地が小さいことに対してとても前向きな発言だった。周辺三方を建物に囲まれている間口4.3m×奥行き14.3mの細長い敷地で、帰宅した時にほっと安心できるプライバシーが確保された家にしたいこと、食事やくつろぎの時隣に庭が欲しいこと、近隣との関係性を大切にしたいという要望があった。
小さい家というと、選ばれた好きなもの達に囲まれて暮らす生活で、家族や友達と寄り集まって賑やか。外観は、町に対して慎ましく、控えめで上品、かわいらしい、というような良いイメージもある一方で、狭小住宅の狭いという文字からは行動する場所や収納する場所がすでに最初からきっちりと決まっていて限定されているような気がして、それは少し息苦しいと思った。
限られた場所の中でも、住みながら使い方や家族や自分の居場所を日々自ら考えたいという意欲が湧き、発見できる余白を作れないだろうかと考えた。
1, 2階と3階で内外装をガラッと違うものにして、上下や内外の移動によって空間体験が大きく変わる構成とした。
3階は勾配屋根によって生まれる天井の高低差や、壁面の開口部からの光の入り方、それに伴って生まれる影によって、外部の環境と共にダイナミズムを感じる空間とし、建物短手いっぱいに動かせる大きな間仕切り引戸を作り、ワンルーム、2つ、または3つの部屋としても使える空間とした。家全体としては小さなテラス庭と住空間が立体的に入り混じり、隣の家々との合間を介して大小の外壁の開口部から季節や時間を感じる家とした。家にいるからこそ世界の変化が強く美しく感じられ、家と住み手が一緒に育てあって成長できることが楽しい住まいになればと願っている。







