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COLORFULL YUJING DESIGNによる、中国・北京の、中国・北京の、既存商業ビルの低層部リノベーション「越都薈(Inspace)」
photo©He lian

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店舗リノベーション中国北京図面あり建材(外装・壁)建材(外装・建具)建材(外装・その他)He lianCOLORFULL YUJING DESIGN
COLORFULL YUJING DESIGNによる、中国・北京の、中国・北京の、既存商業ビルの低層部リノベーション「越都薈(Inspace)」 photo©He lian
COLORFULL YUJING DESIGNによる、中国・北京の、中国・北京の、既存商業ビルの低層部リノベーション「越都薈(Inspace)」 photo©He lian
COLORFULL YUJING DESIGNによる、中国・北京の、中国・北京の、既存商業ビルの低層部リノベーション「越都薈(Inspace)」 photo©He lian

COLORFULL YUJING DESIGNが設計した、中国・北京の、既存商業ビルの低層部リノベーション「越都薈(Inspace)」です。

北京広安門地区にある中国新紀元ビルの低層部のリノベーションです。
既存建築の低層部は三階建ての商業ビルで、90年代初期に建設された曲線が特徴のファサードでした。建設から年月が過ぎ、建物の老朽化と、無秩序に設置されたテナントの看板や開口によって、当初の建築に存在していた規律が無残にも崩されていました。
私達は既存建築の不要に追加された看板や開口などを整理し、商業的に機能するように入口の位置や内部動線を整えることで、この商業部分の立面が建物全体の顔として強調されるように設計しました。

建築家によるテキストより

プロジェクトの位置する広安門外街の周辺はオフィス地区ということもあり、規模の大きな建物が連続した街区で、全体としても重厚感のある直線的で暗い建物が多く存在していました。今回の建物はその街区の中でも、唯一大きな曲線で構成されたファサードを持っていた為、この既存の状態をできるだけ尊重し、建物全体を大きなカーブで包み込むようなデザインとしました。そうすることで、建物全体が柔らかい布に覆われたような表情となり、周囲の重たい直線的な街区の中でより際立った存在となることを期待しました。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

COLORFULL YUJING DESIGNによる、中国・北京の、中国・北京の、既存商業ビルの低層部リノベーション「越都薈(Inspace)」 photo©He lian
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以下、建築家によるテキストです。


01. プロジェクト概要
北京広安門地区にある中国新紀元ビルの低層部のリノベーションです。
既存建築の低層部は三階建ての商業ビルで、90年代初期に建設された曲線が特徴のファサードでした。建設から年月が過ぎ、建物の老朽化と、無秩序に設置されたテナントの看板や開口によって、当初の建築に存在していた規律が無残にも崩されていました。
私達は既存建築の不要に追加された看板や開口などを整理し、商業的に機能するように入口の位置や内部動線を整えることで、この商業部分の立面が建物全体の顔として強調されるように設計しました。

02. プロジェクト設計理念
プロジェクトの位置する広安門外街の周辺はオフィス地区ということもあり、規模の大きな建物が連続した街区で、全体としても重厚感のある直線的で暗い建物が多く存在していました。今回の建物はその街区の中でも、唯一大きな曲線で構成されたファサードを持っていた為、この既存の状態をできるだけ尊重し、建物全体を大きなカーブで包み込むようなデザインとしました。そうすることで、建物全体が柔らかい布に覆われたような表情となり、周囲の重たい直線的な街区の中でより際立った存在となることを期待しました。

03. 各部分の詳細説明
ファサード全体が単調にならないためにも、アルミニウム管の縦ルーバーと白のアルミパネルのダブルスキンとし、ディテールを工夫することで表情に変化を与えました。
アルミニウム管は既存の曲率に合わせて外周部に設置し、六つの管径と管の位置を調整しながらその管の疎密によって表情に変化と立体感を生じさせます。また、それらダブルスキンの帯も、各階の機能や窓の位置によって高さの異なる横積層の帯として構成することで、立面に繊細なリズム感を与えました。
これらのスキンは、全て建物のエネルギー消費と廃棄物を減らすことを考慮して、既存の外壁である石材を保存し、その上からアルミパネルを施工しています。

04. まとめ
大きなカーブとダブルスキンによって構成されたファサードは、アルミニウム管の隙間にに照明をいれることで光源を隠し、ファサード全体を間接光としました。夜になるとそれらの光が積層されたアルミニウム管のシルエット効果によって建築全体が灯籠のように柔らかな光を放ちます。
ファサードの光は車や街を行き交う人々の見る位置によって様々に表情を変え、街区の風景に賑わいや情景を与えます。

■建築概要

プロジェクト名称:越都薈(Inspace)
設計:COLORFULL YUJING DESIGN
計画地:180 Guang’anmenwai Street, Xicheng District, Beijing
延床面積:12,000㎡
竣工:2019
———
担当
Design Direction:Sunny Zhao, Ryo Ono
Schematic Design:Hao Zhang, Abei Takashi
Design Development:Hao Zhang, Lily, Dodo Qian
———
撮影:He lian
施主:Golden Union錦和集団

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・壁外壁1

アルミニウム管

外装・壁外壁2

アルミパンチングメタル

外装・建具サッシ

強化ペアガラス

外装・その他庇

アルミパネル

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2021.02.04 Thu 16:42
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    ■受賞歴
    2020 AACA賞(日本建築美術工芸協会賞) 2020 優秀賞
    2020 日本空間デザイン賞 銅賞
    2020 グッドデザイン賞
    2020 キッズデザイン賞
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    2014 多世代交流モール整備工事設計競技 最優秀賞1等
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    “建築と今” / no.0007「西澤徹夫」

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    論考西澤徹夫建築と今

    「建築と今」は、2003年のはじまりから、常に建築の「今」に注目し続けてきたメディアarchitecturephoto®が考案したプロジェクトです。様々な分野の建築関係者の皆さんに、3つの「今」考えていることを伺いご紹介していきます。それは同時代を生きる我々にとって貴重な学びになるのは勿論、アーカイブされていく内容は歴史となりその時代性や社会性をも映す貴重な資料にもなるはずです。

    “建築と今” / no.0007「西澤徹夫」

    西澤徹夫(にしざわ てつお)
    1974年京都府生まれ。2000年東京芸術大学修士課程修了後、2000-2006年青木淳建築計画事務所勤務。ルイヴィトン銀座店、青森県立美術館 基本・実施設計・監理を担当し、2007年に西澤徹夫建築事務所開設。2011〜2013年東京芸術大学教育研究助手。東京芸術大学、日本女子大学非常勤講師。主な受賞歴:2020年京都建築賞、AACA賞、2021年毎日芸術賞。主な作品:東京国立近代美術館所蔵品ギャラリーリニューアル、京都市美術館(青木淳と協働)、八戸市新美術館(浅子佳英、森純平と協働)ほか、展覧会の会場デザイン多数。
    URL:https://tezzonishizawa.com/


    今、手掛けている「仕事」を通して考えていることを教えてください。

    昨年は京都市美術館が改修と増築を経てリニューアルオープンしました。

    本館は二軸対称、帝冠様式の重厚な建物で、およそ現代において美術館を新築しようとするときには決して採用しないような強い形式を持っています。まずはこの本館の保存修復が起点にはなるので、何を決めるにもまず本館の意匠ありきになるのですが、ではすべてが本館の意匠に沿わせられるかというとそうはなりません。

    例えば新しいエントランスであるガラスリボンは、プロポーションや大きさにおいて本館ファサードに(こう言ってよければ)調和するように腐心しましたが、そもそも本館が持っていた意匠ではないし、また、ガラスリボンのデザインがうまくいったからと言って中央ホールに新設した螺旋階段とは意匠的な繋がりは全くありません。

    螺旋階段は中央ホール(旧大陳列室)との調和を優先して考えてあるし、それでさえ本来なかった材料や納まりを採用せざるを得ません。ガラス屋根を掛けた北中庭のスチール部分は、白では強すぎるのでタイルに寄せてややグリーンを入れていますが、それが新館の東山キューブの塗装色と関連しているかと言えば、していません。
    しかし、厳密なデザインの繋がりはなくとも、どこかひとつを決めると常にそれとのバランスを考えて次の要素を抑えめにしたり太めにしたり、といったふうに決めていきました。

    この作業中、これはとてもニュートラルさに関わることだと思っていました。

    ひとつひとつの判断は、客観的な正解であるわけではなく、本館はもとより決定したデザインも無機質でも無彩色でも無個性でもないので、もちろん一般的な意味でのニュートラルではありません。むしろ出どころがバラバラな条件を、局所的に丁寧に解決しようとすれば当然の帰結として霧散してしまう各要素を、それらが独立しているとも言えるし全体としてバランスをとっているとも言えるような関係性のなかで成立させることが、手続きとしても出来上がったものとしても何かとても自然な状態に思えたのです。

    恣意性のカタマリのような部分が、全体としてみれば「まあそれはそうかもしれない」と思わせるような全体性のあり方、もしくは共同作業におけるこのバランスの共有の仕方、その結果、スタイルとしてのニュートラルではなく「つくること」と「つくられたもの」に共に内在するニュートラルさのようなものが、とても気になっています。

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    論考西澤徹夫建築と今
    2021.02.04 Thu 07:34
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    西沢立衛による、東京・大田区の「森山邸」の一部を、時間貸しするサービスが開始。2005年竣工で分棟形式が特徴的な建築

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    architecture|culture|remarkable
    西沢立衛
    西沢立衛による、東京・大田区の「森山邸」の一部を、時間貸しするサービスが開始しています
    moriyamatei-aitou.com

    西沢立衛が設計した、東京・大田区の「森山邸」の一部を、時間貸しするサービスが開始しています。2005年竣工で分棟形式が特徴的な建築です。こちらのページで図面や写真、西沢による解説を読むことができます。

    小さな人の居場所が集合した、さまざまな気配と営みのある「森山邸」(東京都大田区)
    生まれて15年、風景として育った「森山邸」のひとつの棟「もりやまていあいとう」の時間を開きます

    現在、「森山邸」にはオーナーとここに暮らす4組の住人がいます

    「もりやまていあいとう」で、ひとときこの場所の住人となり、「森山邸」に流れる時間を過ごしてみませんか

    「何もない時間」、「そこに何かある時間」、「使ってもらえる時間」、「特別な時間」

    私たちは「ひととき住人」のみなさんにこの場所を感じていただけるさまざまな時間を創出します
    また、この場所での時間を何かの「創造」につなげてくださるみなさんと一緒に、新たな発信を試みていきます

    「もりやまていあいとう」のこれからの時間づくりに、是非ご参加ください

    「もりやまていあいとう」のロゴは、西沢立衛さんにデザインしていただきました

    moriyamatei-aitou.com
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    西沢立衛
    2021.02.04 Thu 07:28
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    OMAがコンペで勝利した、中国・成都市の、未来科学技術都市のエリアマスタープランと建築デザイン。広大な敷地に自然形状に沿った建物等を設計
    image©OMA

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    都市計画中国OMA
    OMAがコンペで勝利した、中国・成都市の、未来科学技術都市のエリアマスタープランと建築デザイン。広大な敷地に自然形状に沿った建物等を設計 image©OMA
    OMAがコンペで勝利した、中国・成都市の、未来科学技術都市のエリアマスタープランと建築デザイン。広大な敷地に自然形状に沿った建物等を設計 image©OMA

    OMA / クリス・ヴァン・ドゥインがコンペで勝利した、中国・成都市の、未来科学技術都市のエリアマスタープランと建築デザインです。プロジェクトタイトルは「Chengdu Future Science and Technology City Launch Area Masterplan & Architecture Design」。広大な敷地に自然形状に沿った建物等を設計しています。

    以下は、リリーステキストの要約です

    OMA / クリス・ヴァン・ドゥインは、GMPと並んで、成都未来科学技術都市立ち上げエリアマスタープランと建築デザインコンペの優勝者に選ばれました。イノベーション産業のために新たに設計された4.6平方キロメートルのマスタープランは、成都東部の新空港周辺の都市開発を推進するためのパイロットプロジェクトとなります。

    このコンペで優勝したプラクティスは、西部に国際教育パーク、南東部にはGMPが主導するトランジット指向開発(TOD)を含む全体的なマスタープランの第一段階を開発することになっています。

    緑の丘陵地に位置する46万㎡の国際教育園区には、複数の大学の教育プログラムのほか、寮、公共プログラム、国立研究所、イノベーションオフィスなどが含まれます。マスタープランと建物は、敷地の地形と空間構造に沿って設計されています。建物は、景観の整ったテラスを特徴とし、敷地の自然な地形の延長線上に存在します。

    キャンパスの中心は谷が形成され、ランドマークとなる複合ビルを含みます。谷は国際教育園区と福田地下鉄駅、北西に航空大学をつなぎます。8万㎡の建物は教育生活の中心を形成し、大学図書館、学生センター、講堂、研究室、オフィスなどが含まれます。

    OMAのパートナーであるクリス・ヴァン・ドゥインは、以下のようにコメントしています。
    「このプロジェクトでは、従来の車中心の道路網をベースにした典型的なマスタープランに代わるものを提供したいと考えています。私たちはその土地の地理に根ざした建築とランドスケープをデザインするつもりです。私たちは、建築とランドスケープの間の接続が、革新的なアイデアを鼓舞する教育のための、ダイナミックな環境になることを願っています。」

    OMAの設計は、クリス・ヴァン・ドゥイン、アソシエイトのラヴィ・カミセッティ、プロジェクトアーキテクトのジョン・サートルが主導しています。

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