添田貴之 / 添田建築アトリエが設計した、栃木・宇都宮市の、テナント建築「CIEL」です。
住宅や店舗が混在する地域の三方を囲まれた敷地に計画、隣接住宅への配慮を意図して環境に馴染むよう軒高を抑えた四面が家型の立面を考案、周囲に閉じ様々な用途に使える共用テラスも設置されています。
敷地は栃木県宇都宮市の栃木街道(日光街道)沿い、住宅や低層の店舗が混在するエリアで、本敷地に関しては前面道路をのぞく3方が住宅に囲まれている。ここに50平米程のテナントスペース4室含む木造の建物と8台の駐車スペースを計画することを求められた。
テナントスペースはオフィスを想定して計画を進め、2台分の駐車場の屋根を兼ねる共用テラスを加えて全体ボリュームとした。途中1室を飲食店舗とすることとなり、空調換気設備等大幅な変更を行った。
住宅に囲まれた敷地において、不特定多数の人々が利用する建物を計画するにあたり、懸念するのは隣接する住宅への配慮である。日影規制の対象外となるよう建物高さを10m未満に抑え、周辺の環境に馴染ませる形態を模索した。結果、直方体上部の4つの頂点のレベルを下げることで4面を家型の立面とし、軒高さを周辺建物と揃え、住民に対してのインパクトを抑えることを意図した。
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以下、建築家によるテキストです。
敷地は栃木県宇都宮市の栃木街道(日光街道)沿い、住宅や低層の店舗が混在するエリアで、本敷地に関しては前面道路をのぞく3方が住宅に囲まれている。ここに50平米程のテナントスペース4室含む木造の建物と8台の駐車スペースを計画することを求められた。
テナントスペースはオフィスを想定して計画を進め、2台分の駐車場の屋根を兼ねる共用テラスを加えて全体ボリュームとした。途中1室を飲食店舗とすることとなり、空調換気設備等大幅な変更を行った。
住宅に囲まれた敷地において、不特定多数の人々が利用する建物を計画するにあたり、懸念するのは隣接する住宅への配慮である。日影規制の対象外となるよう建物高さを10m未満に抑え、周辺の環境に馴染ませる形態を模索した。結果、直方体上部の4つの頂点のレベルを下げることで4面を家型の立面とし、軒高さを周辺建物と揃え、住民に対してのインパクトを抑えることを意図した。
4面を家型とすることで、屋根はHPシェルの形状となる。HPシェルの曲面は幅60mmの垂木に厚み20mmの木材を捻るように設置し合板を湾曲させながら釘で留めて一体化させた。仕上げはガルバリウム鋼板を少しずつ湾曲させながらタテハゼ葺きで仕上げ、テラスの屋根には大きな開口を設け、周辺に対しては壁で閉じた状態としながら屋外スペースとして様々な使い方を想定した共用のフリースペースとした。
■建築概要
所在:栃木県宇都宮市
用途:事務所+飲食店舗
規模:木造地上2階建て
意匠設計・設備設計:添田建築アトリエ
構造設計:坂田涼太郎構造設計事務所
施工:成常建設
敷地面積:370.18㎡
建築面積:146.26㎡
延床面積:271.945㎡
最高高さ:8.583m
竣工年月:2021年3月
写真:太田拓実