梅岡恒治 / 梅岡設計事務所が設計した、住戸改修「喜連団地リノベーション」。
若年世帯向けに2タイプ6戸を改修する計画です。建築家は、既存開口の採光の良さに魅力を見出し、機能を備えた厚みのある“窓辺空間”を作り回遊動線で全体と繋げる構成を考案しました。また、緩やかな仕切りで多様な使い方も許容する事も意図されました。
このプロジェクトは、2022年に大阪府住宅供給公社が開催した公開コンペにより選定された住戸改善事業である。
事業の趣旨として、築50年以上が経過した団地の住戸を、若年世帯をターゲットに設備更新をしながら団地暮らしの新たなスタンダードとなるような提案が求められた。
喜連団地の魅力は、南北に設けられた開口部がつくる日当たりの良い窓辺の空間だと感じた一方で、既存住戸では、各部屋同士が仕切られており、十分にその魅力を感じることができなかった。
そこで、今回の提案では、窓辺空間に厚みを持たせ、機能を持たせながら、回遊動線で繋げることで、それぞれの部屋が緩やかに仕切られながら、窓辺空間によって繋がる暮らし方を提案している。
浴槽設置タイプ
以下の写真はクリックで拡大します
シャワーブース設置タイプ
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
窓辺空間が繋ぐ多様な暮らし
このプロジェクトは、2022年に大阪府住宅供給公社が開催した公開コンペにより選定された住戸改善事業である。
事業の趣旨として、築50年以上が経過した団地の住戸を、若年世帯をターゲットに設備更新をしながら団地暮らしの新たなスタンダードとなるような提案が求められた。
喜連団地の魅力は、南北に設けられた開口部がつくる日当たりの良い窓辺の空間だと感じた一方で、既存住戸では、各部屋同士が仕切られており、十分にその魅力を感じることができなかった。
そこで、今回の提案では、窓辺空間に厚みを持たせ、機能を持たせながら、回遊動線で繋げることで、それぞれの部屋が緩やかに仕切られながら、窓辺空間によって繋がる暮らし方を提案している。
浴槽設置タイプ
このタイプでは、浴槽を設置しなおすことから、子供のいる若いファミリー世帯が借りることを想定し、子供室や寝室など部屋としての輪郭はつくりながらも、完全には閉じず、カーテンで緩やかに仕切ることで、リビングと寝室を一体的に使えるなど多様な使い方ができるプランとした。
シャワーブース設置タイプ
このタイプでは、シャワーブースを設置することから、単身世帯もしくは若いカップル世帯が借りることを想定し、入口に広い収納を設けて、ウォークインクローゼットのように使える空間を設けつつ、リモートワークでも働けるようなスペースとして、書斎スペースを設けることとした。
■建築概要
建物名称:喜連団地リノベーション
所在地:大阪府大阪市
主要用途:共同住宅の住戸
設計監理:梅岡設計事務所 梅岡恒治
施工:株式会社 未来想建
事業主:大阪府住宅供給公社
改修住戸:6戸(浴槽設置タイプ3戸、シャワーブース設置タイプ3戸)
階数:地上5階建て
構造:RC造
住戸面積:44.58m2
設計期間:2022年7月~2022年8月
工事期間:2022年9月~2022年12月
竣工:2022年12月
撮影:トロロスタジオ、天野せいら(共通写真 団地風景)、梅岡恒治(共通写真 改修前)