今津康夫 / ninkipen!が設計した、大阪・八尾市の住宅「A」です。
道を挟み小学校の校庭がある敷地に計画されました。建築家は、正対するように“1.5階建”の切妻屋根を掛け、“街の余白”に向け軒を伸ばして“縁側”を配置しました。また、内部を特徴づける“大垂木の架構”が規則的なリズムを刻んで空間全体を包み込みます。
大阪府東部、八尾市に建つ住宅である。
敷地は小学校の通学路に面し、校庭の向こう側には生駒山系高安山を望む。
その路に沿うように1.5階建ての切妻の屋根を掛け、東側の中央部をそのまま伸ばして軒を大きく作った。
軒下は貴重な縁側となり、軒先は校庭という街の余白への矢印となる。
内部は吹き抜けを介して一体的に繋がり、規則的なリズムを刻む大垂木の架構は間仕切られることなく、完全に自由になって家全体を包み込む。北側の階段には隣家の生垣を借景とした窓を穿ち、日々の昇り降りに彩りを添えた。
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以下、建築家によるテキストです。
大阪府東部、八尾市に建つ住宅である。
敷地は小学校の通学路に面し、校庭の向こう側には生駒山系高安山を望む。
その路に沿うように1.5階建ての切妻の屋根を掛け、東側の中央部をそのまま伸ばして軒を大きく作った。
軒下は貴重な縁側となり、軒先は校庭という街の余白への矢印となる。
内部は吹き抜けを介して一体的に繋がり、規則的なリズムを刻む大垂木の架構は間仕切られることなく、完全に自由になって家全体を包み込む。北側の階段には隣家の生垣を借景とした窓を穿ち、日々の昇り降りに彩りを添えた。
天然乾燥による吉野杉の軸組は、濃く艶やかに光沢を帯びて生命力を湛えている。
建設中に生まれた赤ん坊が目の前の小学校に通い始め、友だちが縁側に腰掛けて並ぶ風景が待ち遠しい。
■建築概要
題名:A
場所:八尾市
用途:住宅
設計:今津康夫、藤井健大 / ninkipen!
構造:安江一平 / ワークショップ
施工:沖本雅章、村田晃二 / 㐂三郎
庭:三宅洋平 / 庭づくり三宅
延床面積:85.31㎡
竣工:2023年7月
撮影:河田弘樹