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2025.12.22Mon
2025.12.20Sat
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる
photo©西川公朗

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architecture|feature
水雅建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・天井)住宅目黒区森田悠紀図面あり東京西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる外観、北側の緑道より見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階、キッチン側からダイニングを見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階、ダイニングからキッチンとリビングを見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階、キッチン側からリビングと階段室を見る。 photo©西川公朗

森田悠紀建築設計事務所が設計した、東京の「上目黒の家」です。
往来のある緑道に面した敷地での計画。建築家は、内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案しました。また、土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がりました。

木々への眺望がある候補地を建主と巡り、辿り着いたのが緑道に面したこの敷地だった。

川が暗渠化されてできた緑道は南北の台地に挟まれた谷地にあたり、敷地も道路から緑道へ向かって1mほど下がっている。敷地は袋小路の最奥にあるため付近に車の通過交通はなく、都市の喧騒から離れた静かな環境であった。

建築家によるテキストより

一方、緑道には歩行者の往来があり距離も近く、ただ開くのではなく適切な関係を築く必要があった。
そこで緑道に直交する壁柱の列柱を設け、壁柱に沿った視線の抜けを確保しつつ斜め方向の視線を遮ることで、守られながら開かれる空間を目指した。
同時に壁柱は構造上の要となり、半間間隔の柱割りは耐熱強化ガラスによる大きな開口を可能にしている。平面は不整形な敷地に沿うように雁行させ、敷地形状がもつ対角線方向の抜けを活かした。

建築家によるテキストより

断面計画では地形に呼応し、緑道へ視線を導く2枚の屋根を架け、厳しい斜線制限を躱しつつ、低い軒で北側建物からの視線を遮り、落ち着いたスケール感を実現した。また敷地は内水氾濫による浸水が想定されているため、高基礎にしながらも、量塊感のあるコンクリートで内部を囲い込むことによる安心感をもたらした。

敷地によるさまざまな条件に向き合った結果、建ち現れたのは雁行する列柱がつくる回廊のような空間であった。
回廊は古くから異なる領域を隔て繋ぐ役割を果たしてきたが、ここでは街や緑道と住宅が接するあわいの空間として存在する。

建主は、この家では時間の流れがゆっくりと感じられると語った。壁柱による奥行きのある開口は、緑道と室内という異なる領域を際立たせ、風に揺れる緑道の木々や人の動きを鮮明に切り取る。一方、内部の静けさはその対比によって引き立ち、洞窟の中から外界を眺めるような初源的な感覚と共に、意識は今という瞬間へ開かれていく。

建築家によるテキストより

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森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる外観、北側の道路より見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる外観、北側の緑道より見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる外観、南側の道路より見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる1階、エントランスホールから2階への階段側を見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる1階、エントランスホールから書斎側を見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる1階、書斎から開口部越しに外部を見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる1階、書斎から開口部越しに外部を見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる1階、書斎 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる1階、書斎から2階への階段側を見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる1階、書斎から2階への階段を見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる1階、書斎から2階への階段を見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる1階から2階への階段 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階、ダイニングからキッチンとリビングを見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階、キッチン側からダイニングを見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階、ダイニングからキッチンとリビングを見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階、キッチン側からリビングと階段室を見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階、リビングから吹抜を見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階、リビングからダイニングとキッチンを見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階、リビングからダイニング側を見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階、キッチン photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階、キッチンからダイニングを見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階、キッチン、開口部の詳細 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階、リビング、手摺 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる1階、寝室 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる1階、洗面から浴室を見る。 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる建具 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる外壁と基礎 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる床と外壁 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる外観、南側の道路より見る。夕景 photo©西川公朗
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる1階平面図 image©森田悠紀建築設計事務所
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる2階平面図 image©森田悠紀建築設計事務所
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がる断面図 image©森田悠紀建築設計事務所
森田悠紀建築設計事務所による、東京の「上目黒の家」。往来のある緑道に面した敷地。内外の“適切な関係”の構築を求め、壁柱を並べて“視線の抜けを確保”しつつ“外からの斜めの視線を遮る”建築を考案。土地の様々な条件に応えた末に“回廊の様な空間”が立上がるスケッチ image©森田悠紀建築設計事務所

以下、建築家によるテキストです。


守られながら開かれる、あわいの空間

木々への眺望がある候補地を建主と巡り、辿り着いたのが緑道に面したこの敷地だった。

川が暗渠化されてできた緑道は南北の台地に挟まれた谷地にあたり、敷地も道路から緑道へ向かって1mほど下がっている。敷地は袋小路の最奥にあるため付近に車の通過交通はなく、都市の喧騒から離れた静かな環境であった。

一方、緑道には歩行者の往来があり距離も近く、ただ開くのではなく適切な関係を築く必要があった。
そこで緑道に直交する壁柱の列柱を設け、壁柱に沿った視線の抜けを確保しつつ斜め方向の視線を遮ることで、守られながら開かれる空間を目指した。
同時に壁柱は構造上の要となり、半間間隔の柱割りは耐熱強化ガラスによる大きな開口を可能にしている。平面は不整形な敷地に沿うように雁行させ、敷地形状がもつ対角線方向の抜けを活かした。

断面計画では地形に呼応し、緑道へ視線を導く2枚の屋根を架け、厳しい斜線制限を躱しつつ、低い軒で北側建物からの視線を遮り、落ち着いたスケール感を実現した。また敷地は内水氾濫による浸水が想定されているため、高基礎にしながらも、量塊感のあるコンクリートで内部を囲い込むことによる安心感をもたらした。

敷地によるさまざまな条件に向き合った結果、建ち現れたのは雁行する列柱がつくる回廊のような空間であった。
回廊は古くから異なる領域を隔て繋ぐ役割を果たしてきたが、ここでは街や緑道と住宅が接するあわいの空間として存在する。

建主は、この家では時間の流れがゆっくりと感じられると語った。壁柱による奥行きのある開口は、緑道と室内という異なる領域を際立たせ、風に揺れる緑道の木々や人の動きを鮮明に切り取る。一方、内部の静けさはその対比によって引き立ち、洞窟の中から外界を眺めるような初源的な感覚と共に、意識は今という瞬間へ開かれていく。

かつての川は人びとが行き交う緑道へと姿を変え、この家もまた庭木の成長と共に緑に包まれていく。こうした変化の中で、建築が変わらず人の感覚を「今」へと導く存在となることを目指した。

■建築概要

題名:上目黒の家
所在地:東京都
主用途:一戸建ての住宅
設計:株式会社森田悠紀建築設計事務所
施工:株式会社水雅
構造:木造
階数:地上2階
敷地面積:123.87㎡
建築面積:69.81㎡
延床面積:127.79㎡
設計:2023年11月~2024年4月
工事:2024年5月~2025年2月
竣工:2025年2月
写真:西川公朗

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・壁外壁

ジョリパット

外装・屋根屋根

ガルバリウム鋼板 縦ハゼ葺き

内装・床居室 床

ダグラスファーフローリング OS塗装

内装・壁居室 壁

マーブルフィール

内装・天井居室 天井

プラネットカラー

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※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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    2025.12.22 Mon 07:30
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    最も注目を集めたトピックス[期間:2025/12/15-12/21]

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    最も注目を集めたトピックス
    最も注目を集めたトピックス[期間:2025/12/15-12/21]

    アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2025/12/15-12/21)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


    1. 妹島和世+西沢立衛 / SANAAによる、台湾・台中の「Taichung Green Museumbrary」。広大な公園内の美術館と図書館の複合施設。気軽に関われる“開かれた建築”として、メタルメッシュで覆われた量塊を持上げて地上レベルを開放した建築を考案。二つの用途を組合せて多面的な学びの空間の創出も意図
    2. ザハ・ハディド・アーキテクツによる、沖縄の宿泊施設。NOT A HOTELのホテルとして計画。砂浜と森林の間の急斜面の敷地において、日射量を分析して島の伝統的建築も参照した“キャノピー”を特徴とする建築を考案。ローカルアーキテクトとして久米設計が参画
    3. 妹島和世と西沢立衛へのインタビュー動画。台湾に完成した美術館と図書館の複合施設について語る内容。現地メディアの制作で2025年12月に公開されたもの(日本語で視聴可能)
    4. Eureka・早田大高事務所・佐野研究室による、さいたま市の「ブルー・ボックス・オフィス」。北向きで隣地と高低差もある敷地。“明るい空間”を求め、1階を“地域に開かれた空間”として全面開放すると共に2階の高窓からの光を内部で拡散させる建築を考案。極力壁を設けず“一体的な使用”も可能にする
    5. 中川宏文 / D.A.による、長崎市の「重像の家」。地形と歴史が“大らかさと緊張感”を生む地域。四方から視認される敷地に対し、強い幾何学で各立面を完結させ“視点の変化で表情が移ろう”建築を考案。“収束を拒む複雑性”と“建築としての完結性”も共存させる
    6. 御手洗龍建築設計事務所による、群馬・北軽井沢の「暖居」。篠原一男の“谷川さんの住宅”の離れ。身体を温めつつ自然と繋がる存在を求め、薪ストーブを中心に据え“周囲の多様な環境”と繋がる“4つの窓辺空間”のある建築を考案。環境を纏ったかの様な居心地の良さも意図
    7. MVRDVによる、中国・成都の「浦江プラットフォーム」。丘陵地に計画されたイベントも行える展望施設。かつて敷地が丘であった歴史から出発し、自然を保全し敬意を払うと共に景観への影響も抑える存在を志向。風景に溶け込むような“緑で覆われたアーチ状”の建築を考案
    8. 岩手の「新花巻図書館」設計プロポで、昭和設計・tデ・山田紗子建築設計事務所 JVが最優秀者に選定。提案書とプレゼン動画も公開。二次審査には、C+A・木村設計A・T JV、キッタン・スタジオ・ウエスト JV、マル・アーキテクチャ、FULL POWER STUDIO、西澤・畝森 JVが名を連ねる
    9. 妹島和世による、東京・銀座の店舗「ポーラ ギンザ」。化粧品メーカー“ポーラ”の旗艦店。1階の店舗フロアは、“花や植物”に包まれた“森のような新しい庭”として構想。地下1階のエステフロアは、自分を開放する深い旅へと導く“静謐な空間”とする
    10. フォスター+パートナーズによる、アラブ首長国連邦の「ザイード国立博物館」。国の人類居住跡から文明発展までの歴史を辿る施設。環境と調和する“砂の色”を反映した外観で、自然換気装置であり建国の父を象徴する“5つの翼”を持つ建築を考案。内部空間は光に満ちたアトリウムを中心に展開
    11. SANAAによる、台湾の「Taichung Green Museumbrary」が2025年12月にオープン。旧軍用空港跡地の公園内に計画された美術館と図書館を統合した施設。軽やかで開かれた存在を目指し、アルミとガラスの二重構造のファサードで地上レベルに全方向からアクセス可能な公共広場を備えた建築を考案
    12. 建築設計事務所 可児公一植美雪による、神奈川の海の近くに建つ、高さ15mのヴォリュームと周囲に巻き付く頭頂部まで登れるスロープが特徴的な住宅「KUGENUMA-Y」の写真
    13. 妹島和世の空間設計で完成した、東京・銀座の、化粧品メーカー“ポーラ”の旗艦店をレポート。1階の店舗フロアは、“花や植物”に包まれた“森のような新しい庭”として構想。地下のエステフロアは、自分を開放する深い旅へと導く“静謐な空間”とする
    14. 建築家たちの“突破の瞬間”に注目した書籍『建築のブレークスルー』をプレビュー。プレゼント企画も実施。西沢立衛、平田晃久、田根剛、小堀哲夫、中村拓志、畑友洋、武田清明、高野洋平+森田祥子による全16プロジェクトを収録。裏側の知られざるエピソードを豊富な図版とともに紹介
    15. 山口貴司による、東京・千代田区の飲食店「Restaurant Gallery K」。ギャラリーの機能も備えた蕎麦店。“感性が豊かになる”様な空間を求め、芸術鑑賞と飲食を同時に行う為の“設えのバランス”を模索。間仕切りのガラスブロック積みは皇居の石垣や東京駅の煉瓦などの“組石”を引用
    16. 建築家の内藤廣が審査員長を務める「仮囲いデザイン・アートコンテスト」が開催。群馬県の主催で高校生から大学院生まで対象に作品を募集。審査員は、青柳剛・木村雅彦・谷川じゅんじ・成瀬友梨。賞金総額は100万円
    17. 熊谷・石上純也・IAO竹田・アクト環境・ピーエス三菱・野村建設JVによる「徳島文化芸術ホール(仮称)」の基本設計概要が公開。花弁を想起させるテラスの連なりが特徴的な建築。テラスからの新しい鑑賞体験や壁面を活用した映像発信も計画。“ホールの新たなあり方”や街に開き人を引き込む事も追求
    18. ODS / 鬼木孝一郎による、東京・新宿区の「ABE galerie TOKYO」。建具等を手掛ける企業の本社1階での計画。自社製品とアーティストの絵画を展示する場として、“画廊”をコンセプトとした空間を志向。袖壁で視界に入る情報を制限して“1点1点に集中して鑑賞できる”状況を構築
    19. 今津康夫 / ninkipen!による、東京・日本橋の飲食店「IL POVERO DIAVOLO TOKYO」。夜は静かになるエリアでの計画。来訪時に“安心感と期待感”を提供する為、シェフ達の振舞を“型板ガラス”越しに伝える“行燈の様に光るファサード”を考案。内部では大きな“シェフズテーブル”が一体感を生む
    20. 石上純也建築設計事務所による、中国・山東省の「水の美術館」。湖の上の約“1km”の建築。中国の“茫漠とした風景”という前提に対して、環境と建築を近付け“対等な存在”となる設計を志向。湖の端から端まで延びる“新しい陸地”を“水面にそっと触れる”様にしてつくる

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    2025.12.19Fri
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