SHARE 吉田裕一 / 吉田裕一建築設計事務所による「駒場・ROOM・S」
以下、建築家によるテキストです。
駒場・ROOM・S
築40年のマンション1室を単身男性の住まいとしてリノベーションしました。
ここでは既存構造躯体のグレーの色に新設した壁や木製家具、床の色を合わせています。
それによって室内に持ち込まれる日用品や家電、雑貨など、さまざまなモノたちさえもデザインの対象にしようとしました。
たとえば玄関側から見ると逆光でモノたちの色が飛び、シルエットだけが浮かび上がるため、モノはあるのだけれど気にならないくらいグレーだけに覆われた空間に見えます。
逆にバルコニー側から見るとグレーがモノたちの後ろに滑り込んでモノたちの色が生き生きと前面に出てきます。
モノの種類がどんどん増えている現代生活において、モノがない、もしくはモノを片付けないときれいに見えないのではなく、モノがたくさんあって多少散らかっていてもきれいに見えるような、日常の生々しさを受け入れてその変化に順応していけるような、そんな生活の背景となれる場所を作ろうとしました。
■計画概要
所在地:東京都台東区
延べ床面積:60.16㎡
設計期間:2012年6月〜10月
竣工:2012年12月
プロデュース:スマサガ不動産
設計者:吉田裕一/吉田裕一建築設計事務所
施工:TANK