SHARE 松島潤平建築設計事務所による、東京のワンルームSOHOのリノベーション・デザイン「CLASS」
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松島潤平建築設計事務所が設計した、東京のワンルームSOHOのリノベーション・デザイン「CLASS」です。
事務所兼、寝泊りもできるワンルームSOHOのリノベーション・デザイン。
ほぼ正方形のプランをシンメトリーに分け、・ワークスペース側はグロス(ツヤあり)
・フリースペース側はマット(ツヤなし)という表面処理の違いのみで領域をつくった。
容易に往来・浸透できるが、明確な境界線が空間に走る、些細ながら決定的な性格分けである。
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以下、建築家によるテキストです。
CLASS
事務所兼、寝泊りもできるワンルームSOHOのリノベーション・デザイン。
ほぼ正方形のプランをシンメトリーに分け、
・ワークスペース側はグロス(ツヤあり)
・フリースペース側はマット(ツヤなし)
という表面処理の違いのみで領域をつくった。
容易に往来・浸透できるが、明確な境界線が空間に走る、些細ながら決定的な性格分けである。
日中はワークスペース側の南東窓から入る光が強烈な反射光線をつくり、一筋の巨大な光の筆跡が室内を舐めるように移動していく。フリースペース側へ運ばれた光線は鏡面反射されず、波紋を描きながらそこに留まる。何かに衝突することで初めて認識できる光というものが、ここでは具体的な存在感を持って、まるで生き物のように豊かな挙動を見せてくれる。夜間になると光沢の境界は眠るように薄まり、部屋全体の一体感が浮かび上がってくる。
フリースペースは多目的な使い方ができるよう、ベンチ、テーブル、ソファベッドはすべてハッチ開閉式とした。必要に応じた数だけ出せば、ワンルームでも驚くほどにバリエーション豊かなシーンを展開することができる。
光沢は「濡れ色」と表現される湿度感覚、ひいては「色気」なる抽象感覚を、色彩、素材、空間、あらゆるフェイズのものへ“加算的に”与えることができる。雨があらゆるものを塗らして風景と心象を変えていくように、些細ながら決定的な変化をもたらす、膨大な情報量を持った空間の重要なエレメントとして扱っていきたい。
松島潤平/松島潤平建築設計事務所
■建築概要
所在地:東京都
主要用途:SOHO
工事種別:改修
施工面積:41.83㎡
設計監理:松島潤平建築設計事務所 (担当:松島潤平)
コンサルティング:株式会社リビタ
内装工事:ヨシナガ工業
家具製作:イノウエインダストリィズ
設計期間:2016.05. – 2016.08.
施工期間:2016.09. – 2016.10.