SHARE 西沢大良による、母校の高校生に向けて自身の経験を綴ったテキスト「天職との出会い方」
西沢大良による、母校の高校生に向けて自身の経験を綴ったテキスト「天職との出会い方」がPDFで公開されています。2016年8月24日 に掲載されたものですが、非常に素晴らしい内容なのでご紹介いたします。
西沢大良による、母校の高校生に向けて自身の経験を綴ったテキスト「天職との出会い方」がPDFで公開されています。2016年8月24日 に掲載されたものですが、非常に素晴らしい内容なのでご紹介いたします。
ヘルツォーグ&ド・ムーロンが内外装を手掛けるユニクロの店舗が銀座に2020年5月オープンし、さらに藤本壮介のデザイン監修によるユニクロ店舗が2020年4月に横浜にオープンするそうです(ただし、コロナウイルスの影響で、各店舗のオープン日が変更になる可能性があるようです)。
5月15日には、日本を代表する繁華街である銀座のマロニエゲート銀座2に、新しいグローバル旗艦店「UNIQLO TOKYO」をオープンいたします。プリツカー賞や世界文化賞を受賞したスイスの建築ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロンに、内装および外装のデザインを依頼し、LifeWearを体現する店舗を作り上げました。再開発が進む銀座エリアのお客様の流れを変える、ユニクロの重要な店舗の一つになると考えています。
4月10日に、横浜ベイサイドにオープンする「UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店」は、ジーユーとの合同店舗です。日本を代表する建築家の一人である藤本壮介氏に、「ユニクロとジーユーの店舗でありながら、公園でもある」新しい店舗のコンセプトメイキング、およびデザイン監修をしていただきました。ファミリーでのご来店が多いユニクロやジーユーならではの発想で、お子様も安心して遊べる、地元のお客様の憩いの場となることを目指した店舗です。
小田真平建築設計事務所+アトリエロウエによる、大阪・高槻市の、百貨店内の生花店「フローリスト蘭蘭」です。小田は島田陽建築設計事務所 / タトアーキテクツ出身の建築家。
百貨店の一角に位置する生花店のインテリアデザインである。
百貨店では、他の店舗が営業しており、工事特有の騒音や臭い、搬出入に制限があり、長期にかけての工事も考えられず、短期間での施工が求められた。
ビニル床シートを採用するにあたり、ビニル床シートでしかできないこと、ビニル床シートだからこそ出来ることを考えた。
敷かれたビニル床シートが立ち上がり、床が隆起したように、そのまま繋がり作業台となる。
その天板は床材と同様、汚れに強くハードな作業を行うことができる。什器はホームセンターでも手に入るような物販棚の支柱と構造用合板を使い、搬入組立てが容易にできるようにボルトを使用、工期の短縮を試みている。
同質の素材がひしめいている百貨店の各店舗の中で、どこにでもあるような見慣れた材料を工夫して使うことで、百貨店らしくない異質の店舗となることを目指した。
2019年度のJIA日本建築大賞を、古澤大輔の自邸「古澤邸」が受賞しています。
古澤邸については、以下の動画で様子を詳しく見ることができます。
公開された結果は以下。
【優秀建築選2019 JIA日本建築大賞・JIA優秀建築賞】
2019年度のJIA日本建築大賞及びJIA優秀建築賞が、3月8日(日)に審査委員及び現地審査に選ばれた6作品の関係者によるプレゼンテーションと質疑を経て、下記の通り、決まりましたので、お知らせいたします。【JIA日本建築大賞】(1点)
「古澤邸」
設計者:
古澤大輔(リライト_D/日本大学理工学部建築学科)【JIA優秀建築賞】(3点)
「新潟の集合住宅Ⅲ/ザ・パーク一番堀」
設計者:
細海拓也(細海拓也一級建築士事務所)
江尻憲泰(江尻建築構造設計事務所)「コート・ハウス」
設計者:
松岡聡(一級建築士事務所松岡聡田村裕希)
田村裕希(一級建築士事務所松岡聡田村裕希)「須賀川市民交流センター tette」
設計者:
佐藤維(株式会社石本建築事務所)
十河一樹(株式会社石本建築事務所)
畝森泰行(株式会社畝森泰行建築設計事務所)【JIA新人賞2019】
JIA新人賞2019が、1次審査、公開審査、現地審査を経て、3名の審査委員よる最終審査の結果、下記の方が受賞されましたので、お知らせいたします。審査委員:青木淳、宮本佳明、武井誠
【JIA新人賞2019】(1名)
中山英之(株式会社中山英之建築設計事務所)
「弦と弧」
山田紗子による東京・世田谷区の自宅兼事務所「daita2019」の、高野ユリカが撮影した写真が41枚、山田のサイトに掲載されています。高野ユリカは、ホンマタカシに師事した写真家です。
この家の設計をしながら、私は数年前に訪れたルワンダの森を思い出していた。それはルワンダ、コンゴ、ウガンダの三ヶ国の国境となるビルンガ火山群の森林で、そこには野生のマウンテンゴリラの群れが日々その広大な森の中を自由に移動しながら生活していた。地元の人の案内で、ある一つの群れに追いついた時、彼らはちょうど、森の中にぽっかりと空いた柔らかな茂みに腰を下ろし休憩していた。子供たちは木の上の方に上って遊んだり、大人たちの間を駆け回っていたが、大人たちは銘々に心地良さそうな草の中にすっぽりと納まり、毛づくろいをしたり草や木の皮をバリバリと食べていた。それはまるで家の風景だった。彼らは鬱蒼と茂る木々の中に居場所を見つけ、即興的に家を作っていた。壁や屋根があるわけではないが、木々や背の高い草、それらに絡まる蔦植物、地形の凹凸がつくる多くの線の重なりと見え掛りが、住人の存在を包み、家となりうる快適な密度を作っていた。これは、ゴリラの森のヴァナキュラー建築である。
東京の小さな住宅地の一角に、このような家があったらどうだろうか。むき出しの生活が、重層する線材とさまざまな奥行きをつくりだす物によって柔らかく包まれ、日差しや通りを行き交う人の視線から少し遠のくような家を作れないか。そのためにはまず、家の中も外も徹底的に線を多く浮き出させようと考えた。構造材は露出させ、材と材の接合部分や貼り合わせ部分も断面部に見えるようにした。家と庭の間には壁をつくらず、すべて窓サッシや建具で組み立てた。木の角材や鉄骨部材、単管パイプの柱や梁、筋交いなどのストラクチャーに加えて、階段のささらや手摺、窓のサッシ枠、家具やカーテン、本、衣服などの雑貨、樹木や植物の鉢植え、自転車、ジョウロ、ショベル、さらには住人の映像制作の仕事に関わる膨大な図書やビデオテープ、DVDなど、さまざまな生活の風景をつくるものを溢れ出させた。そうして建物の外から中に至るまで、多くの線材が織り込まれるように重層して、その中でそれぞれの住人が自由気ままに生活し、腰を落ち着ける環境を見つけられるようにした。
庭には果樹や香草、野菜など食用となる植物や、剪定の際に切り花として活用できるものを多く選んだ。鋼製パイプで構成されたフレームの中に、生活空間の延長であり、収穫のためのプラットフォームともなるテラスを広げ、定期的な枝葉の剪定を必要とする樹木の周りに階段を設け、道路沿いの蔓植物が伸びるフェンスに沿ってキャットウォークを走らせている。家の内部では構造体と物がお互いの存在を打ち消すことなく共存しているように、家の外部においても、構造体と植物が共に密度を作り上げていくように計画した。
構造はコストやメンテナンス性、また将来の増改築の可能性から、室内部分は木造、屋外部分は鉄骨造にしている。単管パイプはクランプによって簡単につけ外しが可能なため、出入口を変えたり、手摺にしたり、植物の支柱にしたり、物を干したり吊るしたり、と日々の生活の中の要求に合わせて形を変えていくことができる。建物と庭の境界面は、それぞれの部屋の要請によってアルミサッシ、木製サッシ、鋼製サッシを使い分け、さらに引き違い窓、滑り出し窓、片開き窓、ジャロジー窓など大小さまざまな開口が並ぶ。それらサッシの開閉によって、家が庭へ流れ出し、庭が家の中に入り込み、二つの風景が重なり合って、ゴリラの森のような心地よい住空間を作り出している。
アーキテクチャーフォトではユウブックスから出版されたインタビュー集『“山”と“谷”を楽しむ建築家の人生(amazon)』を特集します。
それにあたり、岸和郎さん(WARO KISHI + K.ASSOCIATES ARCHITECTS)、三井祐介さん(日建設計)、富永大毅さん(TATTA ※旧富永大毅建築都市計画事務所)、橋本健史さん(403architecture [dajiba])にレビューを依頼しました。
異なる世代・立場・経験をもつレビュアーから生まれる言葉によって、本書に対する新たな見え方が明らかになると思います。
その視点を読者の皆様と共有したいと思います。
(アーキテクチャーフォト編集部)
選べない仕事の先に切り開かれる建築家の新しい作家性
建築家が憧れられない時代に教えること
大学の非常勤などで学生に建築の設計を教えるとき、さて、このうちの何人が建築の設計で生きていくことになるだろうかということがいつも頭をよぎる。
自分が大学生の頃の最初の授業で、この中で建築家になれるのは1人いればいい方ですと、いきなり釘を刺されたことを思い出すからかもしれない。
その時に僕はきっと、「それなら人より頑張るしかないか」と思ったはずで、だから先生のあの一言は正しかった、有難かったと今も思っているし、結果としてうちの学年からは建築の設計で独立をした人が4-5人出ることになった。就職氷河期世代だったせいもあったと思う。
話が逸れた。
フレッシュな学生たちを目の前にして僕は、全員を建築家に仕立てよう!などと思って教えているわけではない。かと言って正直そんなに建築家になられると小さいマーケットなんだから困る、という自分の小さな器が僕を抑制しているというワケでもない。建築家志望の学生が減った現状において、建築家として建築の設計を教えることの意味と、それをどう教えたら最終的に建築設計を目指さない学生にとっても実のあるものになるかについて、最近は常に戦っている。
せっかく建築学科に入ったのに、他の人と同じように大学4年の春になると黒いスーツを着て、小さな差異を比べられて病むこともある、あの恐るべき就職活動に流れていって欲しくない。もっと大げさな言い方をすれば、建築家という人種が失われるのを食い止めようとしている。
お会いしたことはないが本著編集の矢野さんも、インタビュアーの山﨑さん西田さん後藤さんもきっと同じ思いなのだろうと思う。
踏み出す力と諦める力
『“山”と”谷”を楽しむ建築家の人生』は7人の建築家が登場し人生の紆余曲折を語るインタビューを書籍化したものである。
この手の書籍は既にたくさんあるが、この本が他のそうした本と一線を画しているのは、全員がナチュラルに従来の古い“建築家”像から脱却したような活動、キャリアを持った人たちだというところにある。
正直に言うと、ロールモデルとするにはちょっととんでもない人たちばかりかもしれない(笑)。永山さんは子育てをしながらどんどん仕事受けちゃうスーパーウーマンだし、佐久間さんは営業を学ぶために保険マンについて行っちゃうし、谷尻さんは編集部に持ち込みに行っちゃうし、森田さんは左官の技術を学びにヨーロッパに行っちゃうし、みな型破り過ぎる。
詳細はぜひ読んで確かめて欲しいが、共通しているのはみんな全く失敗を恐れずに一歩踏み出す力が凄いのと、半ば諦め的に現状をポジティブに変換してしまうところである。端から、仕事がなくてもまあ仕方ないか、じゃあ海外へ旅に行けるな!みたいな感覚しかないことに驚く。
高野ユリカが、アルヴァ・シザの建築をテーマに撮影した一連の写真が、高野のウェブサイトに掲載されています。右スクロールで写真を」閲覧できます。
高野はホンマタカシに師事した経歴をもっています。こちらのページには高野のインタビューが掲載されていて、建築を撮影するときのスタンスについても語っています。
アーキテクチャーフォトで、先週(期間:【集計期間】)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。
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