細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 東京駅側外観、夜景 photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 売場 photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 商業施設の屋内通路からテキスタイルセラーを見る。 photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architecture が設計した、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」です。
商業施設内の“西陣織”を扱う店です。建築家は、“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案しました。また、“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す事が意図されました。店舗の公式ページはこちら 。
東京駅から徒歩一分の都心に位置する、西陣織を扱う店舗の計画である。
人体の立体的な形状に沿ってわたしたちが生地をまとうように、不規則な形状の区画外周に沿って、意匠を凝らした被覆を「生地」としてまとわせることによって、インテリアデザインであると同時に、建築の原点を指し示すような空間を意図している。
内部には間仕切壁を設けず、外周の「生地」を構成するそれぞれの部分に物質的な特徴=テクスチャーを与えることのみを通して、店舗の内外に空間の変化をつくり出している。
東京駅に面する側、及び商業施設のメインエントランスに面する側の「生地」は、西陣織のテキスタイルによって被覆された高さ4m、奥行き60cmの三角柱による、列柱の層によって構成されている。ファサードの開口率が50パーセントとなるよう三角柱には角度が与えられており、店舗の内側を外に垣間見せている。
また、商業施設の屋内通路に面する側の「生地」には、艶やかな焼付塗装を施した鉄板が表面に用いられ、商業施設の世俗的な賑わいをサングラスのように反射し、店舗の内部から遮断する役割を果たしている。
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細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 東京駅側外観、夜景 photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 商業施設の屋内通路側外観 photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 店舗出入口 photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 売場 photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 売場 photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 売場 photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 売場からテキスタイルセラーを見る。 photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 売場からテキスタイルセラーを見る。 photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す テキスタイルセラー photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す テキスタイルセラー photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す テキスタイルセラー photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 商業施設の屋内通路からテキスタイルセラーを見る。 photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 商業施設の屋内通路からテキスタイルセラーを見る。 photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 商業施設のメインエントランス側から店舗内を見る。 photo©繁田諭
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 平面図 image©HOSOO architecture
細尾直久 / HOSOO architectureによる、東京・中央区の店舗「HOSOO TOKYO」。商業施設内の“西陣織”を扱う店。“織物”を建築の原点とする思想に基づき、区画外周に西陣織を被覆した列柱を“生地をまとう”様に配置する空間を考案。“裏地”となる柱内側を鏡面とし様々な視覚効果も生み出す 店舗断面図 image©HOSOO architecture
以下、建築家によるテキストです。
東京駅から徒歩一分の都心に位置する、西陣織を扱う店舗の計画である。
人体の立体的な形状に沿ってわたしたちが生地をまとうように、不規則な形状の区画外周に沿って、意匠を凝らした被覆を「生地」としてまとわせることによって、インテリアデザインであると同時に、建築の原点を指し示すような空間を意図している。
内部には間仕切壁を設けず、外周の「生地」を構成するそれぞれの部分に物質的な特徴=テクスチャーを与えることのみを通して、店舗の内外に空間の変化をつくり出している。
東京駅に面する側、及び商業施設のメインエントランスに面する側の「生地」は、西陣織のテキスタイルによって被覆された高さ4m、奥行き60cmの三角柱による、列柱の層によって構成されている。ファサードの開口率が50パーセントとなるよう三角柱には角度が与えられており、店舗の内側を外に垣間見せている。
また、商業施設の屋内通路に面する側の「生地」には、艶やかな焼付塗装を施した鉄板が表面に用いられ、商業施設の世俗的な賑わいをサングラスのように反射し、店舗の内部から遮断する役割を果たしている。
一方で、「生地」の裏地にあたる室内側においては、鏡をふんだんに用いることで空間の拡がりが増幅され、白色の研ぎ出しで仕上げられた床は室内へ入射する自然光を照り返す。列柱の間から垣間見られる現実の眺めとそれらが混ざり合うことで、物質的には存在しない空間の錯覚は生み出される。
そして、テキスタイルを収蔵するテキスタイルセラーは、織物を扱う店舗にとって核心となる場所である。壁と床にはギリシャ産の大理石が全面に貼られ、天井のアルポリックミラーがそれらのテクスチャーの効果を増幅して見せている。
物の質感を意味する「テクスチャー」という言葉は「織物の織り方」という語源を有するが、ウィーンの建築家であるアドルフ・ロースは、建築の原点は堅牢な構造的骨組みではなく、人の身体に近しい絨毯=織物であると主張する。
「ところで建築家に与えられた課題とは、言ってみれば暖かな、居心地よい空間をつくり出すことである。そうだとして、この暖かく居心地よいものとなると、絨毯である。だから建築家は絨毯を床に敷き、また四枚の絨毯を四周に吊す。そしてこれが四周の壁となるわけである。しかしながら絨毯だけでは、とても一軒の家をつくることは出来ない。床に敷く絨毯にしても壁に掛ける絨毯にしても、そうした目的のためには構造的骨組が必要となる。だからそうした骨組を工夫するということは、建築家に与えられた第二の課題となる。」
『被覆の原則について』アドルフ・ロース
この店舗の設計は、人の身体に近しい織物=内部空間から建築は考えられなければならないとする、こうした考えに基づいている。
■建築概要
作品タイトル:HOSOO TOKYO
所在地:東京都中央区八重洲ニ丁目2番1号 東京ミッドタウン八重洲1F
主用途:店舗
設計:HOSOO architecture
担当:細尾直久
施工:エイムクリエイツ
延床面積:112.9㎡
設計:2021年12月〜2022年9月
工事:2022年10月〜2023年3月
竣工:2023年3月
写真:繁田諭
建材情報 種別 使用箇所 商品名(メーカー名) 外装・壁 外壁 鉄板 t=1.6 焼付塗装仕上げ
内装・床 店舗 床 現場テラゾー仕上げ t=35
内装・壁 店舗 壁 PB t=12.5のうえ AEP塗装仕上げ
内装・柱 店舗 柱 テキスタイル(HOSOO )
クリアミラー t=5 小口磨き
内装・天井 店舗 天井 PB t=9.5のうえ AEP塗装仕上げ
内装・床 テキスタイルセラー 床 大理石磨き仕上げ t=13(関ヶ原石材 )
内装・壁 テキスタイルセラー 壁 大理石磨き仕上げ t=13(関ヶ原石材 )
クリアミラー t=5 小口磨き
内装・天井 テキスタイルセラー 天井 アルポリックミラー仕上げ t=3(三菱ケミカルインフラテック )
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