ターナー賞の受賞などで注目されるアッセンブルが、日本の資生堂ギャラリーでワークショップを開催

ターナー賞の受賞などで注目されるアッセンブルが、日本の資生堂ギャラリーでワークショップを開催するそうです。会期は2019年1月16日~3月17日。

資生堂ギャラリーでは、2018年10月19日(金)より開催中の「それを超えて美に参与する 福原信三の美学 Shinzo Fukuhara / ASSEMBLE, THE EUGENE Studio」展の2nd(第2弾)として、2019年1月16日(水)~3月17日(日)まで、「アートが日常を変える 福原信三の美学 Granby Workshop : The Rules of Production Shinzo Fukuhara/ASSEMBLE, THE EUGENE Studio Ⅱ」を開催します。

本展の1st(第1弾)では、THE EUGENE Studioの参加により、資生堂の初代社長である福原信三が企業の経営、あるいは写真家としての活動領域を超えて、社会創造的な活動に積極的に関わりつつ、彼が重視した出会いやさまざまな新しい価値観を現代に提示するスペース/プラットフォームをギャラリーの中に創りました。第2弾となる本展では、アート、デザイン、建築の領域で今日の社会創造的な活動と芸術の新しいあり様を提示するイギリスの建築家集団、ASSEMBLE(アッセンブル)のメンバーが来日し、彼らがイギリスのリバプールで地域住民と協同して実践しているグランビー・ワークショップ※を資生堂ギャラリーの中で展開します。

福原信三は、資生堂の中でアートやデザインを重視する経営を行うことにより、商品が顧客に届けられ、日々の生活で使用されるまでのすべての過程を美しく統一することを目指すと同時に、当時は未だ新しい芸術ジャンルであった写真の普及を通じて、アートによって人々が日常に美しさを取り込むことを世に伝えようとしました。本展への参加においてASSEMBLEは、社会、日常の中にある美や創造性を追求した福原信三の美学的な考えに共感を示し、「アートが日常を変える」というテーマを掲げます。
ASSEMBLEは、資生堂ギャラリーでグランビー・ワークショップを行うにあたり、日本の工芸品が日常に美しさを取り込む要素として、生活とともにあることに注目します。彼らはそうした関心のもとに日本の陶芸に対するリサーチを行い、土が陶器にもたらす個性に着目します。それは、彼らが日本の陶芸家との出会いから見出した、土はその土地の長い年月の中で生成されるものであり、それぞれの土がもつ特性との向き合い方が陶器がもつ個性にもつながるという発想です。本展においてASSEMBLEは、こうした日本の伝統的な陶芸のプロセスを彼らのグランビー・ワークショップの中に取り込み、日本の土(益子)を丹念に研究し、スリップキャスティング(鋳込み成形)という現代的な方法で日常づかいの陶器を制作します。

こうしたASSEMBLEのワークショップにおける日本の陶芸の融合には、実は資生堂ギャラリーともつながる歴史的ストーリーが埋め込まれています。それは、日本の陶芸家、濱田庄司とイギリスの陶芸家、バーナード・リーチによる1世紀前のコラボレーションです。柳宗悦や富本憲吉らとともに民芸運動に関わった濱田庄司は、1920年にバーナード・リーチの帰国にともないイギリスに移り、コーンウォール州セント・アイヴスに日本の伝統的な登り窯を築窯し共に活動します(濱田庄司は、帰国後に栃木県益子町で作陶を開始)。また同時期に資生堂ギャラリーでは、福原信三と交友のあったバーナード・リーチの紹介により、陶芸家、富本憲吉の個展が実現し、その後、富本は資生堂の購買顧客向けの記念品として陶芸作品を制作するなど資生堂との協力関係が続いていきます。

本展でASSEMBLEは、このような1世紀前のストーリーにヒントを得て、資生堂ギャラリー内のワークショップで制作された陶器を現代の日本の陶芸作家とのコラボレーションによって窯焼きし完成させます。時空を超えた出会いとコラボレーションにより実現する日本でのワークショップが、ASSEMBLEによる今日の社会価値創造を促す活動と魅力を紹介する貴重な機会となれば幸いです。

※リバプールのクランビー・フォー・ストリーツの人々とASSEMBLEが都市再生に取り組む長期的なヒューマンスケールの協力関係は、地域が直面する都市空間の荒廃という社会的課題に芸術的な側面からアプローチしてそこに住む人々の日々の生活を美しく活性化していく新たなモデルを示してくれます。その活動が評価され、2015年にイギリスの現代美術のアーティストに授与される権威ある「ターナー賞」を受賞しました。

最も注目を集めたトピックス [期間:2018/12/31-2019/1/6]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2018/12/31-2019/1/6)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページ右下の「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


1、2018年にアーキテクチャーフォトで注目された記事トップ100

2、MoMAに収蔵された事が話題となっている携帯電話の「絵文字」のデザインを手掛けたのは、建築家の青木淳だった

3、2018年にアーキテクチャーフォトで注目された作品トップ10

4、石上純也による、中国・上海のJINSメガネ店舗「JINS SWFC Shop(JINS上海環球金融中心店)」

5、Arup 東京 プロジェクトチームによる、東京・千代田区の「Arup 東京 新オフィス」

6、長坂常 / スキーマ建築計画による、名古屋の商業ビル内の店舗「DESCENTE BLANC 名古屋」

7、佐々木慧+佐々木翔 / INTERMEDIAによる、長崎県長崎市の「あたご保育園」

8、多様な活動で注目される落合陽一が、建築や都市のブランド化などを提唱している対談記事

9、レンゾ・ピアノが2018年4月にTEDで行ったトーク「世界有数の著名建築物を生んだ鬼才」の動画(日本語字幕付)

10、柿澤高子+下門英治 / カキノミファームアーキテクツによる、山口・長門市の住宅「3つの内倉と8つの屋根」

11、タトアーキテクツ / 島田陽建築設計事務所による、大阪の「宮本町の住居」

12、山﨑健太郎デザインワークショップによる、医療施設・神戸アイセンターのエントランスも兼ねた空間「ビジョンパーク」

13、石上純也が設計して建設が進められている、山口のレストラン兼住宅の写真

14、SANAAが「新香川県立体育館」設計プロポで最優秀者に。二次審査通過者には日建・タカネ、SUEP.、藤本、坂・松田平田が。

15、ツバメアーキテクツによる、ミナペルホネンの通販事業部配送センター兼オフィス「minä perhonen metsä office」

16、石上純也の講演会「建築:自作について」が京都で開催

17、リライトデベロップメントによる、東京都小金井市の「中央線高架下プロジェクト コミュニティステーション東小金井/モビリティステーション東小金井」

18、日建設計・山梨知彦が、ラッパーのZeebraの家庭教師をしていたことをtwitterで公開し、本人とのやりとりも発生し話題に

19、西澤俊理 / NISHIZAWAARCHITECTSによる、ベトナムの多世帯住宅「チャウドックの家」

20、SANAAによる、スイスの「ロレックス・ラーニング・センター」のコンペ時のプレゼンの様子や主催者の当時を回顧するコメントも収録した動画(日本語字幕付)


過去の「最も注目を集めたトピックス」はこちらでどうぞ

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