妹島和世が設計した、岡山・玉野市の「Power Base モジュール工場」です。
自然エネルギーに関わる企業“Power X”の為に計画されました。施設は、約6300㎡の蓄電池モジュールの生産拠点施設です。また、快適な労働環境の構築も意図されました。施主企業の公式サイトはこちら。
レンダリングにある矩形の工場の周りの施設は今後の整備が予想されます。
本工場は、太陽光、風力といった自然エネルギー源による電力の安定的な供給を実現させる蓄電池製品を生産する拠点です。
工場としての機能だけでなく、周辺の自然や生態系と調和することで、従業員にとって快適な環境を提供しながら、好奇心を刺激し、地域との交流を促進させることを大切にしています。そのような思いを工場の建築設計に反映する妹島氏は、建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を日本人女性で唯一受賞しており、世界を舞台に活躍する建築家です。今回の「Power Base」プロジェクトの敷地は、本州と瀬戸内海の島々をつなぐ玄関口の一つである宇野港からほど近い、運河に面したところにあります。その特徴を活用し、敷地にある既存の建物と周囲のスケールに対応した大きな屋根から、新しい働く空間を作成いたします。この屋根は緩やかにカーブしながら周りに広がる色々なものと関係をもち、その下に点在する大小様々なサイズのオフィス、研究開発センター、会議室などを繋げます。少しレベルの上がった、みんなが使えるプレゼンテーションルームからは、瀬戸内の美しい海と島々が望めます。玉野市の緑や海に囲まれた豊かな環境で、敷地に元々建っていた建物を活かしながら 誰もが訪れたくなる、そして繋がれる「新しい働く場」を目指します。妹島氏の設計に加え、自動化生産ラインの導入などにより、環境負荷の少ない、かつ効率よい生産工程を実現させる、社会と共に持続的に発展する工場として、地域の生物多様性の保全に貢献してまいります。