西沢立衛のウェブサイトがリニューアルされています。過去の作品等がビルディングタイプで分類され、大きなサイズの写真で閲覧可能になっています。
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再生建築のリーディングカンパニー「青木茂建築工房」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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青木茂建築工房は、主に再生建築に取り組む建築設計事務所です。
国内でいち早く再生建築に取り組み始め、事務所開設から45年で100件以上の実作実績があり、建築学会賞(業績)、BCS賞、公共建築賞、BELCA賞など多数の受賞実績を持ちます。「リファイニング建築」と名付けた環境に優しく持続可能な建築再生手法を用いて、古い建物の構造躯体を再利用し、耐震補強や劣化部分の補修、違法部分の適法化などを行い、建物の安全性・遵法性を明確にします。さらに、建物が持っている可能性を提案によって新たな価値へと昇華させ、建物を長く使えるようにすることで循環型社会の実現に貢献しています。
現在、文化施設、教育施設、大規模店舗、病院、オフィスビル、集合住宅など30以上のプロジェクトが進行しており、企画から設計監理まで再生建築にまつわる全ての業務の流れを経験することができ、幅広く社会性のある実務経験を積むことができます。また、デザインだけではなく、建設技術、法律やファイナンスを含めた再生建築を取り巻く多様なアプローチを実践、習得することができます。
東京・福岡の2カ所に事務所を構え、約20名のスタッフが働いています。海外からの注目も高く、外国人スタッフも活躍する多国籍な職場環境で様々な経験を得ることができます。また、スタッフの中には働きながら博士課程を履修したり、大学の非常勤講師を務めるスタッフもおり、個人の力も養える事務所です。
再生建築のリーディングカンパニーとして確かな実績と経験を持ちながらも、常に次の時代を見据えた新しい建築に取り組むチームの一員となり、共に成長していく仲間をお待ちしています。興味のある方はぜひご応募ください。
石毛正弘建築事務所が設計した、神奈川・鎌倉市の「極楽寺の家」です。
山に近く鳥や虫の声が聞こえる敷地に計画されました。建築家は、自然と人間の営みにある“生活の呼吸”に呼応する建築を求め、空間の断片を組み合わせて内外に凹凸のある構成を考案しました。そして、意識の広がりを生み出し人と環境を近づける事が意図されました。
敷地は山の奥へと通じる生活道路から枝分かれする路地のその先にあり、車両の通行もほとんどなくなって、鳥や虫の声など自然の発する音しか聞こえない。住民に南北は隣家、東は山の擁壁に囲まれて、西の方角には近くの山が望める開けた眺望があった。敷地裏手のほど近くには手つかずに残っていると思わせる深い森があり、自然の存在を強く感じさせる。
こうした環境に対して、自然と人間の営み、その固有の距離感を生んでいる生活の呼吸のようなものに呼応する建築を模索していった。
唯一開けた西側の接道向かいには駐車場があり、将来建物が建つ可能性を考えて敷地西に空白をできるだけ設け、眺望が失われないよう備えた。最も眺望のよいところに居室群を配置し、玄関を敷地最奥に据えることで弧を描く長いアプローチとした―心を整える空間として機能する―。
外形から考えず、敷地の中に空間を置いていくように計画を進め、その空間の断片を緩やかに繋げながら、室と室の動線、庭との距離感、周辺環境と建築の適切な関係性を模索していった。そのようにして生まれた小さく分節された建物のボリュームは、環境に対して控えめで凡庸な外観を与え、凹凸のある平面計画は内部と外部を互いに滲ませる意識の広がりを感じさせ、人と環境を近づけることに寄与する。
梅岡恒治 / 梅岡設計事務所と山田美紀一級建築士事務所が設計した、東京・中央区の住戸改修「SLIT」です。
在宅勤務の多い単身の施主の為に計画されました。建築家は、約40㎡を広く使えて気分を切替られる空間の要望に、水廻りをコアする回遊性のある平面構成を考案しました。また、紙製間仕切りで連続性を操作できる機構も組み込まれました。
施主は、30代後半単身で、都内で40‐60㎡の規模の物件を探していた。立地の良さが持つ資産価値を重視して、40㎡という少し狭い物件を選択することになり、広く使えるようなプランが求められた。
生活のスタイルとしては、テレワークや出張が多いため、休みの日に友人を呼んだり、日々の仕事の気分の切り替えができるように、ホテルライクな空間が望まれた。
そこで、水回りを部屋の中心に配置し、1室空間とすることで、空間を広く使えるようにしつつ、回遊できるプランとした。また、使い方に応じて、空間の連続性を変えられるように、コア部分に間仕切りを収納できるSLITを設けた。
このSLITや開口部など部屋の境界には、真鍮塗装を施すことで、1室空間でありながら、空間の切り替えが感じられる要素を付加した。
間仕切りは、安価に取替えられるように、紙と汎用品を用いて、強度を出すための折りを加えて、自主製作した。紙の透過によって、人影が感じられる程度に柔らかく空間を間仕切っている。
OMA / 重松象平のデザインアーキテクトとNTTファシリティーズの建築設計による、東京・渋谷区の商業ビル「原宿クエスト」です。
原宿駅近くの敷地に計画されています。建築家は、表参道と奥原宿エリアの接続を意図し、“大通り”と“周辺のヴィレッジ”の二面性に応える建築形態を考案しました。また、商業的な顔を作ると同時に都市の新たなアクティビティの誘発も意図されています。竣工・開業は、2025年春を予定しています。
新生「原宿クエスト」は、表参道と奥原宿を繋げ一体化する初めての建築となリます。
表参道は、東京には珍しい軸線であり、けやき並木や歩道の広さなどによって都市的アイデンティティが確立された通りです。その大通りに面する建築は、ブランドの旗艦店が多いということもあって自ずと大きくなり、個々のアイデンティティが強調されるようになりました。
一方、参道の周辺には軸線とは対照的な、有機的でヒューマンスケールの街並みを持った「ヴィレッジ」が存在し、1970年代以降、実際にはそういった小さなストリートで日本の新しいファッションや自由な若者文化が生まれ培われてきました。つまりは、大通りとその周辺のヴィレッジ、そのデュアリティ(二面性)を等価と捉えて一体的に、そして面的に考えていくことがこのエリアの発展には欠かせないのです。
「原宿クエスト」は、明治神宮、代々木体育館、代々木公園、原宿駅に近く、表参道の中でも公共性の高いエリアにあリます。そして同時に、敷地の北側では竹下通りなどがある奥原宿にも面しています。まさに二面性のストーリーを持った建築を計画するには最適な場所です。表参道にしっかりとした商業的な顔を持ち、同時に奥原宿側へと人々を導き、そこで新たなアクティビティを誘発する。まさに表と奥を繋げて、デュアリティを体現する建築をめざしました。
藤井亮介建築研究所が設計した、東京・墨田区の集合住宅「プライムメゾン浅草イースト」です。
都心の賃貸ワンルームマンションの計画です。建築家は、住空間での滞在時間増加を踏まえ、キッチンの窓際配置と作業空間等の確保で“居場所を選択できる”構成を考案しました。そして、近接した街との関係は“ブリーズソレイユ”で調整する事が意図されました。
労働・居住に関わる環境の変化によって、住空間での滞在時間は増加した。
そこで本計画では従来のワンルーム型の居住空間に対して、
・滞在時間の重心が夜から昼に
・行為の軸が就寝から食事/執務に
とシフトした新たな環境下での住空間のあり方を考えた。
一般的なワンルームマンションは1Kという間取りに代表されるように、廊下と一体化したキッチン+居室という空間構成が多く、窓際の居室は異なる行為を一手に受け入れざるを得ない。
そこで本計画では、窓際にキッチンを配置し、バーチカルブラインドで間仕切られたベッドルームやワークスペースを別に設けることで、行為に応じて異なる居場所を選択できるようにしている。またこれら以外に断面的な操作も行い、スキップフロアやメゾネットなどの住戸プランも用意することで、より多くの行為と居場所の選択を行えるように計画した。
生活行為を窓際に寄せることは、街との関係も近くなることを意味する。ただし本計画では、バルコニーの面する前面道路の向かいに戸建て住宅や集合住宅があり、計画時より見合いの関係が懸念されていた。そのためファサードに斜め壁のブリーズソレイユを採用することで、開放性を確保しつつ視線の制御が行えるようにしている。
また日射の負荷の大きい夏季において住戸西側壁面の日射取得のシミュレーションを行った結果、斜め壁が南西方向でも北西方向でもほぼ同等に効果が期待できることが分かったため、奇数階と偶数階で斜め壁の向きを変え、近隣対策として視線が特定方向に向かないよう調整している。
アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2022/10/24-10/30)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。
- 成瀬・猪熊建築設計事務所による、岐阜の宿泊施設「お宿Onn 中津川」。木材の企業が地域活性の為に計画。地元の“素材”とエリアの“地形”を出発点に、様々な“ヒノキ”の要素を散りばめ山裾を再現した共用空間を考案。客室等でも異なる方法でヒノキの魅力を引き出す
- 桔川卓也 / NASCAによる、千葉・柏市の「道の駅しょうなん てんと」。約4万㎡の敷地。公設民営として“地域のゲート”を目指し、農業ハウスを模る家型の連なりが複数のアクセスに対して正面性を持つ構成を考案。反復する構造体と強い色の天井で多様な活動を包み込む
- 吉野優輔 / YYAによる、和歌山・田辺市の「森の歯科」。歯科医の施主が第二の人生を送る為の併用住宅。患者が訪問し易くリラックスできる環境を目指し、治療空間を中心に検討して森を眺める個室郡を考案。経営理念と建築の解き方を合わせ本質を可視化
- 関西の建築界を牽引した石井修の、生誕100周年を記念した展覧会が開催。兵庫県立美術館のギャラリーを会場とし、倉方俊輔のキュレーションで、代表作品の図面・写真・模型を公開
- 小笹泉+奥村直子 / IN STUDIOによる、京都市の「領域の家」。江戸時代から住み継がれた敷地。時間を遡った“領域的”住宅を目指し、土間等の構成と断面等の形態操作で都市から住宅内部まで段階的に領域を構築。古典と現代の手法の混合でこの土地の建築を作る
- 建築家の山田誠一による書籍『Process of the Works 住宅の設計方法』を先行プレビュー。静岡を拠点に質の高い住宅をつくり続ける建築家による初の書籍。写真・ドローイング・設計図など多数収録
- 川本達也建築設計事務所による、愛知・長久手市の住宅「丁子田の家」。造成された住宅地に計画。将来的に子供が受継げる普遍性を目指し、既存擁壁から跳ね出す“3枚の壁”で敷地全体を活かす為の“構え”を構築。ファサードのT型の梁で街との繋がりも操作
- 佐藤可士和 / SAMURAIによる、滋賀の日清食品関西工場の工場見学施設「NISSIN KANSAI FACTORY」
- 榊原節子建築研究所による、大阪市の、設計者の事務所兼自邸「大開のアトリエ住居」。商店街の建物を改修。街に開かれた仕事と暮らしが連続する建築を目指し、既存スラブの一部を撤去した“空まで抜ける外部空間”を考案。“足し算”と“引き算”で過去と未来が混ざる重層的な場を作る
- ザハ・ハディド・アーキテクツによる、中国の「杭州国際スポーツセンター」。サッカー場・屋内アリーナ・プール等を収容。試合のない日にも活用される施設を目指し、プログラムの検討と共に敷地の約半分を公共空間として設計。換気や発電と排水に関しても環境への最適化を行う
- OMA / AMOによる、アメリカ・シカゴの店舗「STONE ISLAND GLOBAL STORES」。企業のアイデンティティをコンセプト化した店。典型的素材を個性的に変える同社のアプローチを参照して、様々な素材を加工したコンクリートや石の様な建材を開発。空間を通して思想を地域社会に発信
- 鈴木雅也建築設計事務所による、東京・目黒区の住戸改修「自由が丘の家」。華道が趣味の施主の為に計画。新旧の良さを引立たせた融合を求め、和室新設以外に既存の間取りを変えずに“内装仕上の変更”で空間を構築。自然素材の採用と既存の取捨選択で豊かな表情を作る
- 大野力 / sinatoによる、東京・港区の、ワークプレイス「DENTSU DIGITAL」。約2,000人が時間や場所を自由に選び働く場。“特定多数のコモン”の均衡を目指し、多様な行動を促進する“道”を作りタスクに応じ占有できる“拠点”を配置。個人の自由と集団の生産性を両立
- 中村竜治建築設計事務所による、京都市の、デザイン展の会場構成「FormSWISS展示設計」。ビジュアル作品等を展示。限られたスペースを活かす為に、壁と床を“画鋲”を用いた“200mmグリッド”で覆って磁石で固定する仕組みを考案。均質な空間に不均質な作品群が重なり合う場を作る
- 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
- 安藤忠雄の建築を被写体とし、写真家フィリップ・セクリエが撮り下ろした写真作品の展覧会が開催。USMの丸の内のショールームを会場に、作家が9年間にわたって探求した資料やコレクションも展示
- 清水建設による、茨城・つくば市の「ゼロエミッション国際共同研究センター」。既存建物を国際共同研究の場とする計画。持続可能社会を構築する次世代型改修を目指し、廃棄物削減や省エネ等を考慮した設計を志向。キャノピーの“有機的な樹状デザイン”で施設の役割を象徴
- 鎌松亮 / note architectsによる、群馬・草津町の「草津別荘」。切妻屋根の山荘を改修。周辺環境の性質を最大限に顕在化する建築を目指し、外部に面する長手側の気積を大きく取り“森と対峙する空間”を考案。日常の喧騒から離れた特別な余暇の場を作る
- ノーマン・フォスターが、自身の為にデザインした家具の展覧会をレポート。カリモク家具と協業して家具6型を製品化し展示。会場自体も現地の雰囲気を伝えるべくフォスター+パートナーズと共に構成
- 川崎市役所新本庁舎設計プロポで、最優秀者に選ばれた久米設計の提案書
メキシコの建築家のフリーダ・エスコベドが、2022年10月21日にアメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館で行った講演の動画です。フリーダは同美術館の新館の設計を手掛けることが、2022年3月に発表されていました。
(翻訳)
フリダ・エスコベドの、建築を操り、パワフルな空間とコミュニティーの体験を作り出すというユニークな実践について学びましょう。素材をエレガントに使いこなす洗練さと感性を紹介しながら、この対談は、今日の社会経済的、生態学的問題と、建築を通して発見された解決策に光を当てています。エスコベドは、メットとのパートナーシップにより、新しい近現代美術ギャラリーを創造し、これまでのヒエラルキーに挑戦し、新しいオスカー・L・タン&H・M・アグネス・シュータン・ウィングをより身近なものにするというヴィジョンをすでに示しています。プレゼンテーションの後、近現代美術部門担当のレナード・A・ローダー・キュレーター、デイヴィッド・ブレスリンとの簡単なディスカッションが行われます。
(原文)
Join Frida Escobedo to learn about her unique practice of wielding architecture to create powerful spatial and communal experiences. Demonstrating the dexterity and sensitivity in her elegant use of material, this conversation sheds light on today’s socioeconomic and ecological issues and the solutions discovered through architecture. Through her partnership with The Met, Escobedo has already exemplified her vision to create enthralling new modern and contemporary art galleries that challenge the embedded hierarchies of our history and chart a more accessible trajectory for the new Oscar L. Tang and H. M. Agnes Hsu-Tang Wing.The presentation is followed by a brief discussion with David Breslin, Leonard A. Lauder Curator in Charge, Department of Modern and Contemporary Art.
国内外の様々なタイプの建築手掛ける「森山博之設計事務所」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)とアルバイト募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
森山博之設計事務所では設計スタッフを募集しています。
国内外のプロジェクト(現在、フランスでもプロジェクト進行中です)に関わっていただきながら、多くの経験を積んでいただける環境になっています。共同住宅のほか、個人住宅、店舗、事務所等、国内外の様々なタイプの建築を設計・監理しています。
熱意と能力のある方には、企画段階から竣工までの業務を積極的に担当していただきますので、設計実務の経験を十分に重ねていただくことが可能です。事務所は品川区南品川にあり、京急線(新馬場駅、青物横丁駅)、大井町駅(JR京浜東北線、東急大井町線、りんかい線)、大崎駅(JR山手線、埼京線)などが利用可能な利便性の高いエリアです。
元倉真琴さんが設計されたコンクリート打ち放しの建物が事務所となっており、ディテールの参考になる箇所も多く、設計の活きた教科書です。
鎌松亮 / note architectsが設計した、群馬・草津町の「草津別荘」です。
切妻屋根の山荘を改修する計画です。建築家は、周辺環境の性質を最大限に顕在化する建築を目指し、外部に面する長手側の気積を大きく取り“森と対峙する空間”を考案しました。そして、日常の喧騒から離れた特別な余暇の場を作る事も意図されました。
観光地から離れた静かな別荘地に建つ、山荘の改修計画である。
森と人が住むエリアの境界に立つ山荘は、間に人工的なものが何もなく、ただ緑だけを眺めることができる特別な立地であった。既存の建物は、屋根に積もった雪を落とすための大きな切妻屋根にもかかわらず、内部は水平天井のフラットな空間であった。さらに森の景色も構造壁によって塞がれ、この土地に備わる豊かな環境との良質な呼応を感じられない状態だった。
切妻屋根に覆われたおおらかな環境と、眼前に広がる森の木々との関係を整え、既にある環境の性質を最大に顕在化する改修を考えた。
森側は長手方向を通して気積を最大限に広げ、大屋根に包まれた森と対峙する空間とした。
窓は横長のプロポーションとして、パノラマに広がる森の景色を切り取り、さらに掃き出し窓とはせず、歩道を散歩する人の目線を切り離し、森との関係性の純度を高めている。
川本達也建築設計事務所が設計した、愛知・長久手市の住宅「丁子田の家」です。
造成された住宅地に計画されました。建築家は、将来的に子供が受継げる普遍性を目指し、既存擁壁から跳ね出す“3枚の壁”で敷地全体を活かす為の“構え”を構築しました。また、ファサードのT型の梁で街との繋がりも操作することが意図されました。
これは夫婦2人で暮らすための「大きく構えた」小さな平屋の家。
造成地特有の地の利を活かしてフットプリントを抑えながら敷地全体に伸びる「3枚の壁」を並べ、そこに現時点で最低限必要な住空間が取り付くことでコストを抑えながら大きな敷地全体を有効に利用しようと考えた。
計画地は東垂れの傾斜地で、敷地を上段と下段に分けるように擁壁による「宅地造成」が行われいくつもの敷地が一定の間隔で並ぶ新興住宅地である。そのうちの2筆をまとめて利用し夫婦2人で暮らすためのコンパクトな平屋の住宅をつくり、いずれ息子へ受け継ぐための普遍的な計画が求められた。
そこで今回は2筆の敷地全体に単一方向の構造耐力を100%担う壁を3枚だけ並べることとした。
この壁に2人で暮らすために必要な分のボリュームを取り付けることでコンパクトな住空間をつくり、既存の擁壁を超え道路先まで伸びることによって残りの敷地までをも体感的に内部空間へ取り込むことができないかと考えた。この既存の上段と下段に分ける宅地造成によって「3枚の壁」は跳ね出して浮く形式となり、必然的にフットプリントは抑えられ基礎面積が減ることで限られた予算内でうまく敷地全体を利用できるようになる。
SHARE 安藤忠雄の建築を被写体とし、写真家フィリップ・セクリエが撮り下ろした写真作品の展覧会が開催。USMの丸の内のショールームを会場に、作家が9年間にわたって探求した資料やコレクションも展示
- 日程
- 2022年11月1日(火)–11月15日(火)
安藤忠雄の建築を被写体とし、フランス人写真家フィリップ・セクリエが撮り下ろした写真作品の展覧会が開催されます。USMの東京都千代田区丸の内のショールームを会場に、作家が9年間にわたって探求した資料やコレクションも展示されます。会期は2022年11月1日~11月15日です。会場の場所はこちら(Google Map)。【ap・ad】
2021年に刊行された写真集『Atlas Tadao Ando』(Atelier EXB/Prestel)は、元ジャーナリストであるフィリップ・セクリエが、建築と写真への情熱から、建築家安藤忠雄が手掛けた日本はじめ世界中の公共および民間の建造物を9年間にわたって探求し記録した作品集です。
フィリップは、最も象徴的でありながらもなかなか目に触れることができない120棟の安藤忠雄建築をセレクションし、2000枚以上ものモノクロ写真を集成しました。コンクリートとガラスの構造を通して、日本を代表する著名な建築家の卓越した熟考的側面と鋭い美的感覚をとらえたアプローチは、これまでにない独創性を示しています。
丸の内直営ショールームで開催する今回の展覧会では、フィリップの長年に渡る旅の記録を垣間見ることができます。旅に携行した地図や書籍、安藤忠雄に関する書物の個人コレクション、写真集に掲載されている写真の原板など、フィリップが収集した貴重な資料を展示します。
USM ハラーが、建築家フリッツ・ハラーと事業家ポール・シェアラー(USM 三代目経営者)の建築とデザインに対する共通の情熱の産物であるように、この展示では、特別に設計されたハラーのユニットが、フィリップによって選ばれた希少なさまざまな資料を美しく引き立てます。
以下に、パリで行われた際の、同展覧会の会場写真を掲載します。
鈴木雅也建築設計事務所が設計した、東京・目黒区の住戸改修「自由が丘の家」です。
華道が趣味の施主の為に計画されました。建築家は、新旧の良さを引立たせた融合を求め、和室新設以外に既存の間取りを変えずに“内装仕上の変更”で空間を構築しました。また、自然素材の採用と既存の取捨選択で豊かな表情を作る事も意図されました。
都内の閑静な住宅街にある低層マンション住戸のリノベーションである。
華道を趣味とするクライアントの為に4.5畳の床の間のある和室を設えている。和室は天井高を1,950mmと抑え、障子の横桟を下げて空間の重心を低くし、座位で過ごした時に丁度良い落ち着きになるように計画している。床柱は香節丸太の原木、天井材をはじめとした和室廻りの木材は赤身の杉板を選定し、小さな空間の中で素材の美しさを肌身に感じる事ができる。
このリノベーションは小さな和室を新設しただけで、既存の間取りからの変更はほとんど無い。既存壁床天井はできるだけ壊さず、上から新たな造作をおこない、内観のプロポーションを整え、内装仕上の変更が主だった計画となっている。シンプルな空間構成ではあるが、和室をはじめ、居間食堂の砂壁や籐貼建具などの自然素材が空間に豊かな表情を生み出してくれた。
大野力 / sinatoが設計した、東京・港区の、ワークプレイス「DENTSU DIGITAL」です。
約2,000人が時間や場所を自由に選び働く場です。建築家は、“特定多数のコモン”の均衡を目指し、多様な行動を促進する“道”を作りタスクに応じ占有できる“拠点”を配置しました。そして、個人の自由と集団の生産性を両立する事が意図されました。
東京・汐留に建つ電通本社ビル内の2フロア、約2000人が働く電通デジタルのワークプレイス。
来客フロアでは、同ビルの特徴的な外壁形状を踏襲したガラスやスチールパイプによるパーテションを入れ子状に配置し、建築と一体となったシンボリックで大きな風景をつくりながら、分節感のある様々な居場所を設けた。それらは周囲に立つ壁の量や透明度によってスケールや見え隠れが異なり、社内外のコミュニケーションを混ぜながらシームレスに連続する環境を生み出している。
執務フロアでは、ワーカーの多様な動きを助長する道づくりに注力した。建築形状に呼応する様々な角度の道がフロア全体を繋ぎ、ワーカーはその時々のモードに合わせて最適な設えを選択しながら移動する。
また「ビレッジ」と呼ばれる「部署単位で長期間占有する拠点」を交通量の多くなる道の交差点に、「ハックルーム」と呼ばれる「プロジェクト単位で数日~数ヶ月の期間占有する拠点」を道の間の空地に複数配置した。これらの拠点は、その部署やプロジェクトに所属するメンバーしか使えず、「ここに居る必要はないがここに来ればチームと出会える可能性が高い」という場所で、ABWという働き方が当たり前となった同社において、ワーカー個人の自由度やフレキシビリティとチームの生産性や文脈共有を両立させる為の装置として機能している。
“あたらしい暮らし”の実現をビジョンに掲げる「NOT A HOTEL株式会社」の、リモート勤務での 建築デザイナー・プロジェクトマネージャー・ライフサイクルマネジメント募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
NOT A HOTELは、「世界をもっと楽しく」をビジョンに、スマホひとつで好きなときに好きな場所で自由に住むことができる「あたらしい暮らし」を世界中の人に提供することを目指しています。
「あたらしい暮らし」を一人でも多くの人に提供するために、既存の枠にとらわれない建築、金融、ソフトウェアをゼロから開発しています。オーナー向けのアプリから、住宅をスマートにコントロールするハードウェア、ホテル運営者のオペレーションシステムなどを統合的に開発し、これまでにないワクワクするような体験を生み出していきます。
社内には設計事務所やゼネコン出身である建築のプロの他に、ソフトウェアエンジニアや不動産販売、さらに食やホテルのプロフェッショナルが集まっています。
「すべての常識を“超えて”いく。」をVALUEに掲げたチームで、建築の垣根を超えて挑戦をしたい方をお待ちしています。