西本竜洋建築設計事務所による、山口・岩国市の「山手の家」。住宅街のひな壇造成の敷地。朝日を迎え入れる“光に満ち溢れた住空間”を目指し、“日の出の角度”を内包する平面を持つ“ガラス張り”の空間を考案。大屋根で建物を覆い“自然の変化”を感じる軒下も作る photo©益永研司
西本竜洋建築設計事務所による、山口・岩国市の「山手の家」。住宅街のひな壇造成の敷地。朝日を迎え入れる“光に満ち溢れた住空間”を目指し、“日の出の角度”を内包する平面を持つ“ガラス張り”の空間を考案。大屋根で建物を覆い“自然の変化”を感じる軒下も作る photo©益永研司
西本竜洋建築設計事務所による、山口・岩国市の「山手の家」。住宅街のひな壇造成の敷地。朝日を迎え入れる“光に満ち溢れた住空間”を目指し、“日の出の角度”を内包する平面を持つ“ガラス張り”の空間を考案。大屋根で建物を覆い“自然の変化”を感じる軒下も作る photo©益永研司
西本竜洋建築設計事務所による、山口・岩国市の「山手の家」。住宅街のひな壇造成の敷地。朝日を迎え入れる“光に満ち溢れた住空間”を目指し、“日の出の角度”を内包する平面を持つ“ガラス張り”の空間を考案。大屋根で建物を覆い“自然の変化”を感じる軒下も作る photo©益永研司
西本竜洋建築設計事務所が設計した、山口・岩国市の「山手の家」です。
住宅街のひな壇造成の敷地に計画されました。建築家は、朝日を迎え入れる“光に満ち溢れた住空間”を目指し、“日の出の角度”を内包する平面を持つ“ガラス張り”の空間を考案しました。また、大屋根で建物を覆い“自然の変化”を感じる軒下も作りました。
建主は建設会社の未来を担う方であり、世代交代を控えていた。
そんな建主にとって、どのような住宅が必要なのか思考を重ねた。
計画地は東側が低くなったひな壇上の古い分譲地で、周囲を住宅に囲まれていた。東側の隣家と比べると1層分高くなっており、初めてその場に立った時、住宅が日の出を迎え入れるような場所になるのではないかと感じた。
学生の頃にインドのバラナシを訪れた際、ガンジス川の水を両手ですくい、日の出に向かって祈る人々の光景が神秘的で、その時に感じた新鮮な太陽の光を思い出した。そんな光に満ち溢れた住空間をつくりたいと思った。
そこで、敷地に入る夏至と冬至の日の出の角度を内包する平面とし、壁面をガラス張りとした。また、そんなガラス張りの住空間を夏の日差しや雨から守るために、独立した大屋根を計画した。
独立した大屋根とすることで、広く大きな軒下空間となり、風が通り抜ける開放的な空間になるよう意図した。
この大屋根の頂部には空への開口を設け、その下に水盤を配置した。開口からは移り行く雲の様子や空の色、水面には太陽の光や風のゆらぎ、雨の波紋が現れる。自然の存在を特徴的に見せることでより身近に自然の変化が感じられるのではないかと考えた。
テラスに座り、切り取られた空を見ていると、皮膚にあたるやわらかい風の感覚から雲の流れへと意識が移行していく。心が広がっていくような、なんとも不思議な場所となった。