清家清が1954年に完成させた自邸「私の家」のVR写真が公開されています。2020年11月14日に、ワカ設計室の君塚和香が撮影したものです。こちらではJIAの主催で2020年10月に行われたオンライン見学会の動画も見ることができます。
architecture archive
アラキ+ササキアーキテクツが設計した、埼玉・朝霞市の、新築と改修からなる3棟の建築群「朝霞の3棟再整備計画」です。
新築・改修に関わらず、敷地・建築の持つ性質のようなものを読み取り、それを形に示し、残すことが建築家の役割のひとつと考えている。
この計画では、母屋を軸としていた敷地の重心を石蔵にシフトした。
町への姿勢を表明するとともに、施主家族のアイデンティティの継承を意図している。
単身で暮らす施主は、故人である家族の存在を感じながら、家族の遺した品を端緒とした隣人との交流のある暮らしを望んでいた。
我々は3棟の建築を、石蔵を中心としたひと繋がりの建築群と考え、遺された品を整理、収納、展示できる可能性を提示した。
まず「倉庫併用住宅」を新築し、大きな収納と軒下空間を確保した。
「石蔵」では光や風の環境を整え、着物、掛軸の虫干しや展示に適した、居住性の高い空間へと改修している。
「母屋」では塀を解体し、見通しの効くデッキを設けた。窓を開けると居間の模型展示が見える。
最後に渡り廊下を増築し、時代の異なる3棟を動線で繋いだ。軒下・デッキなどの屋外の場が点在し、家族の品が敷地に滲みだすことで、生活が垣間見える。
中村浩士 / 中村工務店の設計・施工による、埼玉・越谷市の「えのもと整形外科クリニック / しろくま薬局」です。
敷地は県道沿いに店舗が並び、その後には住宅が建ち並ぶ越谷市では一般的な場所にある。
県道沿いの500坪の敷地に40台分の駐車場、基幹病院同等の整形外科クリニックと調剤薬局を建てた計画である。一般的に医療施設となると閉鎖的な建物になる傾向があるが、今回の計画では地域に対して開けた開放的な施設となることを設計当初から目指した。
診察室、処置室、レントゲン室、MRI室、調剤室等の医療施設としての基本となる部屋に関しては木造軸組み工法で造り、またクリニックとしての機能を忠実に果たせる基本的な平面計画としている。
一方で、待合スペース、リハビリホールについては上記の木構造から鉄骨の梁を跳ねだしてポスト柱を建て大きな庇もしくはパーゴラのような架構を組んでいる。応力はこの鉄骨の架構から、診察室等の木造架構に流れ木構造で負担するのでこの建物の構造部類は木造となっている。
坂牛卓とエンリク・マシップ=ボッシュ(ENRIC MASSIP-BOSCH)の対話「建築、都市、理論」を掲載、坂牛卓のモノグラフ『Taku Sakaushi. Unfolding architecture』をプレビューします。
エンリクはスペインの建築家で東工大への留学時代に篠原一男を研究していた経験もあります。
この対話の日本語版は、坂牛のモノグラフに収録しきれなかったもので、許可を得てアーキテクチャーフォトで特別に公開するものです。この書籍はGA gallery BOOKSHOPなどでも販売されています。
建築、都市、理論:坂牛卓とエンリク・マシップ=ボッシュの対話
エンリク・マシップ=ボッシュ(以下、エンリク):あなたの作品からは様々な方向性が見て取れます。明確な理論、社会に対する認識、そして建築の自律性など、一見お互いに矛盾した要素が糸となって織り上げられ作品となっています。最終的にどのような模様のタペストリーが織り上がるのかは分からないし、もしかしたら最終的な模様は永遠に出来上がらないかもしれません。この不確実性というか予測不能性があなたの建築を魅力的なものにしているのだと思います。あなたの作品の中には分かりやすいメッセージや形式論は見えませんが、それでもある種の統一感が感じられます。対話を始めるにあたり、このように様々な方向性が存在する中で、まずはあなたの仕事のベースにある理論的なアプローチについての熱い思いを語っていただきたいと思います。私が聞きたいのは、このモノグラフ作成に当たって指針となった理論的概念が、作品の構想が出来上がってから形成されたものなのか、そうではなくて作品の設計における前提条件だったのかということです。
坂牛卓(以下、坂牛):作品の方向性については、仕事を始める前に既にあったアイデアが元になりそれらが何らかの形で表出したものであったり、作品を制作した後で気づいたことや「発見」したことから発展したものであったりします。建築の理論的フレームワークとは常に言葉では表現できないものを起点としており、先験的なものと経験に基づいたものとのフュージョンのようなものであるというのが私の考えです。
エンリク:建築に対するアプローチについて説明した本を何冊か書いていらっしゃいますね。それらを「理論」と呼ぶことにしましょう。最近『建築の設計力』を出版されましたが、建築における理論の必要性を正当化しているように読み取れます。多くの日本人建築家が理論的概念を提示して来ましたが、その意義について、そして特にそうすることの必要性についてどう考えたらよいのか私はずっと考え答えに行き着いていません。なぜあなたにとって理論は大切なのでしょうか?そして一般的に日本人建築家が理論を重視するのはなぜだと思いますか?
坂牛:そうですね、私の場合はこれまでに受けてきた教育への反動でもあり成果でもあります。私は1980年代に日本で建築を学びました。当時の建築家は、教えることが本職ではない一種の芸術家のような存在であるか、あるいは自分の作品だけを見せながら教える大学教授のどちらかであり、建築をどのように考えたらよいのかということは真剣に教えませんでした。学生に対して、ひたすら「言われた通りにしろ」「自分が見せた建築作品から学べ」とだけ言っていました。建築に必要な知的なプロセスが欠けていたのです。
エンリク:しかし、例えば篠原一男はどうだったのでしょうか?
坂牛:篠原は言葉をとても大切にし、著作を多く残しましたが、彼が残した言葉を理論と呼べるかどうかはわかりません。彼の文章はどちらかというと詩のようなものでしたから。とはいえ、自分が知っている手法しか教えないような建築家たちとは明らかに違う存在でした。優秀な建築家はいましたが、篠原と比べれば彼らはただの専門家に過ぎません。私が思うに、その当時理論を重視していた建築家は篠原一男と磯崎新の二人だけで、たまたま私は東京工業大学で篠原の教えを受けました。私は建築とは一つの理論であると思っていたので、篠原と磯崎を追随すべきモデルとしたのです。私はその後UCLAに行きチャールズ・ムーアの指導の下で修士論文を書き上げました。
シマダアセットパートナーズの、設計部の正社員(2022年度新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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シマダアセットパートナーズでは、新卒、既卒、中途問わず設計部の正社員を募集しています。
当社は、戸建、集合住宅、介護施設、保育施設、ホテル、飲食店など様々な用途の建物を自社設計するディベロッパーです。全ての施設の運営はグループ会社で行っているため、運営者との密なやりとりをしながら設計を進めることができます。
担当者は設計から現場管理まで一貫して行っていただきます。
離れのある分譲住宅、室内にバイクを入れることのできる集合住宅、Barに泊まるホテルや、介護施設の中の保育園など他社にない建物を企画段階から関わっていきます。*詳しくは、ホームページをご覧ください
https://shimada-sap.co.jp/
ラフール・メロトラ(Rahul Mehrotra)によるTEDでのトーク「一過性の都市に見る驚異の建築術」(日本語字幕付)です。ラフールはインドとアメリカを拠点に活動する建築家でハーバード大学GSDでも教鞭をとっています。
インドでは12年に1度、巨大な都市がクンブ・メーラという宗教行事のために突如出現します。10週間費やして建設されるこの都市は、1週間で解体されます。全ての都市機能を備えたこの一過性の街から何を学べるでしょうか?この先見性のあるトークを通して建築家で都市デザインの専門家のラフール・メロトラが追求するのは、どこにでも移動できて、適合し、跡かたなく消えることさえ可能な、地球への影響が最小限の一過性の都市を建設することの有益さです。
ピーター・ズントー事務所でプロジェクトリーダーを務める杉山幸一郎による連載エッセイの最新回「メンタリング」が公開されています。
山﨑智貴+ハビエール・ビヤール・ルイズ / happenstance collective [HaCo] が設計した、東京・渋谷区の店舗「UPI表参道」です。店舗の公式サイトはこちら。
東京でも有数のショッピングエリアである、表参道の中心地に位置するこのアウトドアショップの設計にあたり、コロナ渦において特に顕著となった2つの現象について改めて考えるきっかけとなりました。
ひとつは、人々の自然とのつながりへの欲求が急激に増したこと、そして、ふたつめは、物理的なショッピング体験にとって代わろうとしているネットショッピングの隆盛です。
過去20年間、多くのショッピング空間は、インテリア空間そのものの溢れるようなエンターテイメント性と装飾に魅了されながらショッピングを楽しむ場として提示されてきました。しかし、ネットショッピング空間においても、ネット特有のエンターテイメント性や装飾を用いてこれまでの実体験と同程度に魅了される場として提示することが、可能になってきたいま、利便性において大きなアドバンテージがあるネットショッピング空間に対して、これからの実体験におけるショッピング空間においては、表面的なエンターテイメント性や装飾だけで魅了するだけではなく、実体験によってのみ得られる、より意味や学びを含んだ経験や楽しさを伴うショッピング体験が重要な要素となってきています。
空間は、外にいるかの様な本物の自然としての「自然エリア」と、自然を望む建物の内部としての「展示エリア」に分けられ、それぞれを散策するように歩き回ることができます。また、この二つのエリアを分ける、外部から続く斜めの軸線は、意図的に既存構造体のジオメトリーからずらされており、既存建物の外部と内部の境界を上書きするほどの視覚的感覚的な強さとなっています。
阿曽芙実建築設計事務所が設計した、大阪・堺市の住宅「MORI」です。
住宅地に、森のように家を建てました。木がたくさん集まると森になる。住居がたくさん集まるこの場所に家型のモチーフを連続させて、森のように周辺とつなげました。
住宅の四角い箱の中は、大きなワンルーム空間の中で、通り抜けたり、くぐり抜けたり、腰掛けたりできる仕掛けや質の違いを盛り込み、まるでほんとうの森の中にいるような体験ができるようなイメージを盛り込んだ。
abanba / 番場俊宏+番場絵里香が設計した、東京・立川市のGREEN SPRINGSに入る複合施設「TAKEOFF-SITE」です。施設の公式サイトはこちら。
東京都立川駅前にオープンした、GREEN SPRINGSの一画にある複合施設。
立川飛行機を前身とする立飛グループが戦後に製作したR-HM型飛行機の実機(修復機)を展示するほか、立川・多摩地域の企業の製品を集めたセレクトショップ「TAKEOFF SHOP」、レンタルスタジオ、エフエムたちかわのサテライトスタジオ、そして地元立川の「ビストロ サイトウ」が入居しています。
飛行機の製造工場のようであり、入居者やイベントによって、いつまでも変化が続く仮設建築のような空間としました。
ホシノアーキテクツの、プロジェクトアーキテクト・プロジェクトデザイナー・アシスタントデザイナー募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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ホシノアーキテクツが、プロジェクトアーキテクト、プロジェクトデザイナー、アシスタントデザイナーを募集
ホシノアーキテクツは星野裕明が主宰する国際色豊かな建築家・デザイナー集団です。
高層住宅、ホテル、オフィス、公共施設等、様々なプロジェクトの外装デザイン、ランドスケープデザイン、インテリアデザインなど多種多様なデザインワークを行っています。
中村拓志 & NAP建築設計事務所と竹中工務店の設計で、千葉市にZOZO社の新社屋が完成していて写真が公開されています。
本社屋の執務スペースは、大きな窓が特徴の開放的なデザインで、本社屋前の街路と同じ高さにつくられています。これは、社員の様子を外から見て感じていただくことで、街と当社のつながりを生んでいきたいという想いが込められています。また、細い木材で編まれた屋根や壁は、まるで着心地の良い服のように社員を包み込み、一つ屋根の下でともに働く一体感を生み出しました。さらに、オフィス内の随所には、主に国内の若手アーティストによるアート作品が飾られており、ファッションとも親和性が高いアート作品が、社員にインスピレーションをもたらすことを期待しています。当社は、この本社屋を新たな想像と創造の起点にしていきたいと考えています。
青木茂建築工房の、設計スタッフ(新卒・既卒・実務経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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青木茂建築工房では、設計スタッフを募集します。(新卒、既卒、実務経験者いずれも可)
青木茂建築工房は、主に再生建築に取り組む建築設計事務所です。
国内でいち早く再生建築に取り組み始め、事務所開設から44年で100件以上の実作実績があり、建築学会賞(業績)、BCS賞、公共建築賞、BELCA賞など多数の受賞実績を持ちます。「リファイニング建築」と名付けた環境に優しく持続可能な建築再生手法を用いて、古い建物の構造躯体を再利用し、耐震補強や用途の変更、違法部分の是正などを行い、建物を安全に長く使えるようにすることで循環型社会の実現に貢献しています。
弊社では、現在、文化施設、教育施設、大規模店舗、病院、オフィスビル、集合住宅など30以上のプロジェクトが進行しており、企画から設計監理まで設計における全ての業務の流れを経験することができ、幅広く、社会性のある設計経験を積むことができます。また、デザインだけではなく、建設技術、法律やファイナンスを含めた再生建築を取り巻く多様なアプローチを実践、習得することができます。
東京・福岡の2カ所に事務所を構え、約20名のスタッフが働いています。海外からの注目も高く、中国や韓国やタイ出身者も在籍する多国籍な職場環境で様々な経験を得ることができます。また、スタッフの中には働きながら博士課程を履修したり、大学の非常勤講師などを務めるスタッフもおり、個人の力も養える事務所です。
再生建築のリーディングカンパニーとして確かな実績と経験を持ちながらも、常に次の時代を見据えた建築に取り組むチームの一員となる仲間をお待ちしています。ご興味のある方、ぜひご応募をお待ちしております。
阿曽芙実建築設計事務所が設計した、兵庫・姫路市の住宅「Here There Over there」です。
-ここでも、そこでも、あそこでも、
どこでも、ご飯を食べたり、寝転んだり、読書したり、遊んだり、仕事したり、テント張ったり、寝たり、そんな使い方のできる空間。季節や時間ややりたいことに応じて、居心地のいい場所を見つけ出して、そこで過ごす。冬の陽だまり。夏の木陰。水撒きしたテラス。春の温かい風や秋の夜。猫のように、気ままに。ノマドのように計画的に。 室名があるようで無い。そんな空間を積み上げてつくった建物です。
自然風景のひとつになるような建築デザインを目指す「山口誠デザイン」の、設計スタッフ(正社員)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
山口誠デザインでは設計スタッフ(正社員)を募集しています。現在は主にオフィスビルを中心としたプロジェクトが進行中です。自然風景のひとつになるような建築デザインを考えています。
設計業務を行う上では、BIM(ARCHICAD)とRhinocerosを連動させ、それをVRで確認しながら計画を進めています。
できうる限りデザインを可視化しながら検討を進めることで、計画に関わる全ての関係者と情報を最大限に共有化させ、その結果として質が高い建築を実現しようと考えています。また他の専門領域の方々と一緒にプロジェクトを行っており、例えばオフィスビルではARUPとエンジニアリングの面で恊働しています。そのことで建築意匠設計の枠にとどまらず、専門的かつ複合的な視点をもってプロジェクトを進めることができます。
運営方針として、私達が年間に設計に関わるのは1-2物件程度で、今後もそのペースで進んでいく予定です。
数多くのプロジェクトをこなすのではなく、少人数の精鋭で、ひとつひとつ、全力で取り組むという姿勢を大切にしています。
勤務は平日の10時から19時です。スタッフには、この時間内で効率的に仕事を行って頂くように希望します。事務所にいる時間を長くするのではなく、限られた時間を最大限活かして、パフォーマンスをあげてほしいと思います。積極的にコミュニケーションでき、建築設計に熱意のある方からのご応募をお待ちしています。
SHARE ル・コルビュジエによる浮かぶ建築「アジール・フロッタン」復活プロジェクトのシンポジウムが開催。日本建築設計学会の主催で、遠藤秀平・竹山聖・五十嵐太郎・加藤道夫・山名善之が参加
- 日程
- 2021年3月12日(金)
ル・コルビュジエによる浮かぶ建築「アジール・フロッタン」復活プロジェクトのシンポジウムが開催されます。日本建築設計学会の主催で、遠藤秀平・竹山聖・五十嵐太郎・加藤道夫・山名善之が参加します。開催日時は2021年3月12日(金)14時~。会場は東京都港区六本木の国際文化会館レクチャーホール。参加の事前申し込みはこちらのページから。【ap・ad】
テーマ:戦間期のル・コルビュジエとアジール・フロッタンを考える
アジール・フロッタンは、第一次世界大戦と第二次世界大戦の戦間期に、コルビュジエによってリノベーションされた、難民のための「浮かぶ避難所」である。
本報告会では、「白の時代」の建築という視点から、その位置付け、またその文化的意義や可能性について考えたい。また「難民のための建築」という視点から、コロナウィルスの未曾有の脅威に直面し、我々も感染難民予備軍となった現在において、建築の今後の役割について考えたい。
また、同イベントはオンライン同時配信されます(オンライン視聴の場合は申込み不要)。
以下のyoutubeより閲覧可能です。
以下で「アジール・フロッタン」のその他の写真と概要を掲載します