
堤庸策 / arbol+Pierre Le Furの基本設計、arbol、井上裕子+arhifto+宮本善州建築設計事務所の実施設計による、大阪・東大阪市の住宅「House in Ohasu」です。
敷地は大阪府東大阪市の中心部から少し離れた寺を中心とする場所で、古い民家や商家が多く残されている地域でもある。今回の敷地は埋蔵文化財包蔵地に該当し、日本の長屋的な住宅が密集している地域であった。
当初施主の要望は明確で、「シンガポールのプラナカン建築の風景」といった非日常を住宅に求められており、間取りやファサードにもしっかりとしたイメージを持たれていた。そのため、設計当初はプラナカン建築の要素を取り入れ、施主のイメージするような案からアプローチしていたが、どうも施主が求められている本質との乖離を感じはじめた。
そこでコンセプトとしては、日本の長屋に、プラナカン建築のピロティのイメージを取り込む仕掛けを考えた。プラナカン建築は、日本の長屋のようにお互いに隣地の建物が寄り添いながら、建物前面のポーチ空間と袖壁のアーチが隣地同士で連続することによって、一つのアーケードとしての景観を作っている。