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藤原徹平 / フジワラテッペイアーキテクツラボによる、東京・世田谷区の住宅「弦巻の家」の写真

藤原徹平 / フジワラテッペイアーキテクツラボのウェブサイトに、東京・世田谷区の住宅「弦巻の家」の写真と図面が14枚掲載されています。

夫婦と子供3人のための住居。
施主からの要望は「多様な居場所」がほしいということだった。間取りよりも空間の質についての話が多かったので計画の対話は楽しく進んだが、苦戦したのは日増しに難しくなるコストコントロールと制度的な制限との応答だった。都市計画で準防火地域に指定されていたため、3階建てになった段階で準耐火建築物になる。木造の準耐火建築物は非常にやっかいだ。柱や梁の架構を防火構造の板でラッピングする必要があり、「木造なのに木の架構を感じない」というどこかねじれた存在の建築になってしまう。地下階を設け地上2階建てに抑えることで準耐火を回避したり、鉄骨造や鉄筋コンクリート造にしたりと試行錯誤を繰り返したが、積算価格は上がっていくばかりで、結局3回設計をやり直した。周辺の街並みもそうした事情を反映してか、耐火ボードで覆われた3層の箱が建ち並ぶ。箱に閉じ共有領域を失った街は、同じ街に住んでいるという感覚も希薄になってしまう。どうしたものかと思案した結果、「庭の架構」をつくることを考えた。庭を2階レベルに浮かせて、それを架構で支える。庭の下階は、深い軒下の土間空間となり、駐輪場兼遊び場兼日曜大工の場所となる。2階ではランドリールーム兼サンルームが、3階からは子供室の小さなテラスがといった具合に生活のさまざまなシーンが庭に顔を出してくる。「庭の架構」とは生活を建築という入れ物から外に引き出す緩衝領域でもあり、同時に都市の風景を建築それぞれで完結させずに有機的に繋いでいく整流装置としても意図している。

藤原徹平の、エイトブランディングデザインでのレクチャー「世界をセルフビルド化する」が開催

藤原徹平の、エイトブランディングデザインでのレクチャー「世界をセルフビルド化する」が開催されます。開催日は2019年7月22日で、要事前申し込み。

「ブランディングデザインで日本を元気にする」をコンセプトに活動する株式会社エイトブランディングデザインは、集合住宅の新しいあり方を示した「代々木テラス」、新しい農業法人の在り方を模索する「木更津の農場プロジェクト」、新しい家族の拠点を考えた「稲村の森の家」など、能動的に生きるための拠点をつくる建築家 フジワラテッペイアーキテクツラボ(フジワラボ)主宰 藤原 徹平氏をお招きし、トークセミナー「クリエイティブナイト」を東京・南青山にて開催致します(7月22日(月)19:00〜21:00)。

可変する未来をデザインする

建築は、社会に影響力を持つ存在です。個人住宅でも地域の生活文化をつくる公共性を持ち、世代を超えて価値を共有する場となります。住宅やゲストハウス、地域拠点プロジェクトなど、楽しく生きるための拠点として、地域環境と時間を軸に、建築を有効活用するアイデアを提案する藤原氏。
2019年「住まいの環境デザイン・アワード」準グランプリを受賞した「稲村の森の家」は、来客が多い住人のため、1階に玄関を設けず引き戸を使用することで、どこからでもアクセスが可能に。冷暖房は風や光という自然環境から助けを借りるなど、住み手の暮らしと地域環境に寄り添い、将来の可変性に柔軟に応えるおおらかな建築が高く評価されています。

藤原氏は言います。
「建築家として大切にしていることは、依頼に対して、本当につくる必要があるかないかも含めて考えること。完成したものがクライアントの想定とは違う部分があったとしても、10年後、20年後に自分の配慮に気づいてもらえることが理想的な状態」。

素晴らしい未来に現実をドライブさせるために、未来をつくる意思を持ち、いかに共感の連鎖を生み出すか。
当日は、未来を見据える藤原氏ならではの視点に迫ります。お楽しみに!

坂牛卓+O.F.D.A.による、東京・新宿区の住宅「坂牛邸」
坂牛卓+O.F.D.A.による、東京・新宿区の住宅「坂牛邸」 photo©川崎璃乃

坂牛卓+O.F.D.A.が設計した、東京・新宿区の住宅「坂牛邸」です。こちらのページではこの作品の動画も見ることができます。

土地に出会ったのは2017年の2月である。それから設計は始まった。しかし設計はいきなりスケッチブックに何かを書くということからは始まらない。というのは設計とは自分が今まで考えてきた、作ってきた自らの設計の蓄積の上に作られていくからである。自分の中に内面化された概念の建築と応答しながら生まれてくるのである。そこで一体自分はそれまで何を考えて建築を作ってきたのかを振り返り簡単に述べてみたい。

最も注目を集めたトピックス [期間:2019/7/1-7/7]
最も注目を集めたトピックス [期間:2019/7/1-7/7]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2019/7/1-7/7)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページ右下の「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


1、松島潤平が東大での講義用に制作した、設計のプロセスの解説図がtwitterで話題に

2、柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsによる、埼玉の「宝性院観音堂」

3、矢橋徹建築設計事務所による、熊本・熊本市の、地震で被災解体された貸しビル跡地につくられた「オモケンパーク」

4、柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsによる、東京・世田谷区の店舗併用住宅 「三軒茶屋のショップハウス」

5、乾久美子・大西麻貴・永山祐子・藤村龍至・谷尻誠・山名善之と他ジャンルのクリエイターが対話するトークイベントと写真展「TOKYO ARCHITECTURE」が東京で開催

6、大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、神奈川・葉山町の住宅「Haus-008」の写真

7、松尾宙+松尾由希 / アンブレ・アーキテクツによる、愛媛・八幡浜市の『「だんだん」保内児童センター、保内保育所』

8、角倉剛建築設計事務所による、千葉・松戸市の住宅「公園前の家」

9、SAKUMAESHIMA / 朔永吉+前嶋章太郎による、東京の、ソニー品川本社の研修機能と人事採用のためのエリア「SONY 品川本社 PORT」

10、成瀬・猪熊建築設計事務所のデザイン監修による、東京・三鷹市の、既存の社宅及び寮をシェア型賃貸住宅とファミリー向け賃貸住宅に改修した「リエットガーデン三鷹」のオープニングイベントが開催

11、江藤健太アトリエによる、大分の住宅「臼杵の家」

12、小泉雅生を父に持つ小泉立が、小泉アトリエ+メジロスタジオ設計の住宅 アシタノイエで過ごした経験を綴ったテキスト「建築家の家で育つ」

13、解体が決まっている菊竹清訓の「旧都城市民会館」を、gluonのメンバーとして3次元スキャンした豊田啓介の連続ツイート

14、熊木英雄 / オーガニックデザインによる、東京・港区のオフィス「Re Bar」

15、『谷口吉郎建築作品集』が、金沢の、谷口吉郎・吉生記念金沢建築館の開館に併せて刊行

16、坂茂による、大分・竹田市の温泉利用型健康増進施設「クアパーク長湯」の写真

17、北山恒研究室とトヨタホームがコラボレーションした住宅の写真

18、長谷川逸子・中村拓志らが審査する、JIA・大光電機 主催の「あかりコンペ2019」が応募エントリーを受付中。学生含め広く応募可能。入賞作品は商品化される可能性も。

19、BIGのNY事務所に勤務する日本人建築家が、担当した新事務所の改修のエピソードを綴った記事「建築事務所のいろいろ_働く場のデザイン」

20、スノヘッタによる、ノルウェーの海岸にある、沈んだような外観と海中を眺められる食事スペースが特徴的なレストラン「Under」の高クオリティな動画


過去の「最も注目を集めたトピックス」はこちらでどうぞ

構造家・佐藤淳へのインタビュー「エンジニアリングとは省略の技だ」

構造家・佐藤淳へのインタビュー「エンジニアリングとは省略の技だ」が、AGCのサイトに掲載されています。

松尾宙+松尾由希 / アンブレ・アーキテクツによる、愛媛・八幡浜市の『「だんだん」保内児童センター、保内保育所』
松尾宙+松尾由希 / アンブレ・アーキテクツによる、愛媛・八幡浜市の『「だんだん」保内児童センター、保内保育所』 photo©鈴木研一

松尾宙+松尾由希 / アンブレ・アーキテクツが設計した、愛媛・八幡浜市の『「だんだん」保内児童センター、保内保育所』です。

愛媛県の西端に位置する八幡浜市は、漁業や水産加工業が盛んな港町で、「耕して天にいたる」と言われる段々畑が山全体を覆っている。敷地のある地域では児童館建設の要望や保育所の老朽化の問題があり、八幡浜市は、丘稜地が多く平坦地が少ない市中に約6500㎡の土地を確保し、3つの公立保育所を統合して定員200名の保育所とし,0歳〜18歳の子どもと家族が利用できる児童センターを併設して、一体的な子育て支援施設とする計画を行った。

北山恒研究室とトヨタホームがコラボレーションした住宅の写真 解体が決まっている菊竹清訓の「旧都城市民会館」を、gluonのメンバーとして3次元スキャンした豊田啓介の連続ツイート

解体が決まっている菊竹清訓の「旧都城市民会館」を、gluonのメンバーとして3次元スキャンした豊田啓介の連続ツイートです。3次元スキャンのプロジェクトについてはこちらでどうぞ。

柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsによる、埼玉の「宝性院観音堂」
柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsによる、埼玉の「宝性院観音堂」 photo©中村絵

柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsが設計した、埼玉の「宝性院観音堂」です。用途は観音堂・多目的ホールとの事。

宝性院の付近一体はかつて日光街道の宿場町(杉戸宿)として栄えていたが、今はそのような町の賑わいもなく、地域住民の高齢化が進んでいる。 また、人口減少や地縁血縁関係の希薄化、冠婚葬祭のビジネス化、それらによる宗教観の喪失によって、本来地域コミュニティーの核であった寺院はどんどん求心性を失っている。 そういった状況を踏まえ、宗教性を感じられながらも訪れやすい開かれたお堂をつくり、お寺が担える町の中での役割や活動を可視化し、地域住民が集まり交流が育まれる、地域の拠点としての現代的な宗教施設の在り方を目指した。

松島潤平が東大での講義用に制作した、設計のプロセスの解説図がtwitterで話題に

松島潤平が東大での講義用に制作した、設計のプロセスの解説図がtwitterで話題になっています。

柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsによる、東京・世田谷区の店舗併用住宅 「三軒茶屋のショップハウス」
柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsによる、東京・世田谷区の店舗併用住宅 「三軒茶屋のショップハウス」 photo©長谷川健太

柿木佑介+廣岡周平 / PERSIMMON HILLS architectsが設計した、東京・世田谷区の店舗併用住宅 「三軒茶屋のショップハウス」です。

三軒茶屋の住宅街における細く長い店舗併用住宅の計画である。「坪60万円台」で「新防火地域」に建つことを求められた。

新防火地域では木造2F建てでも準耐火構造とする必要があり、構造の木部の表しが簡単にできない。ローコストという条件も鑑みて、町中によくある建売住宅の中にあるコードを元に、設計を試みた。
敷地形状は接道している部分のみ広がっており、それ以降は間口が3.5mと細く、敷地境界からの壁面後退が500㎜以上地区計画で求められていた。奥行きは長く18mもあり、細い路地で大きな道に接道している。上記から短手の芯々は2.5mとなり、極端に細長いプロポーションとなる。

様々な居場所を住宅でも店舗とも通路が貫通し、場所の違いを楽しむような建築を提案した。

成瀬・猪熊建築設計事務所のデザイン監修による、東京・三鷹市の、既存の社宅及び寮をシェア型賃貸住宅とファミリー向け賃貸住宅に改修した「リエットガーデン三鷹」のオープニングイベントが開催
成瀬・猪熊建築設計事務所のデザイン監修による、東京・三鷹市の、既存の社宅及び寮をシェア型賃貸住宅とファミリー向け賃貸住宅に改修した「リエットガーデン三鷹」のオープニングイベントが開催 photo©成瀬・猪熊建築設計事務所
成瀬・猪熊建築設計事務所のデザイン監修による、東京・三鷹市の、既存の社宅及び寮をシェア型賃貸住宅とファミリー向け賃貸住宅に改修した「リエットガーデン三鷹」のオープニングイベントが開催 photo©成瀬・猪熊建築設計事務所

成瀬・猪熊建築設計事務所のデザイン監修による、東京・三鷹市の、既存の社宅及び寮をシェア型賃貸住宅とファミリー向け賃貸住宅に改修した「リエットガーデン三鷹」のオープニングイベントが開催されます。開催日は2019年7月6日(土)。事前予約不要。

この度、東京都三鷹市にて、成瀬・猪熊建築設計事務所で2年半ほどデザイン監修として関わらせて頂いてきたリノベーションプロジェクトが竣工を迎え、7月6日にオープニングイベントが開催されることになりました。
どなたでも、お子供づれでもご参加頂けるイベントですので、お散歩がてらぜひみなさん足をお運び頂けましたら幸いです!

【プロジェクト概要】
7200㎡の広大な街区に佇む築40年あまりの2棟の旧社宅を、24戸のファミリー向け賃貸住宅と、112戸の単身者向け大規模シェアハウスにリノベーションし、2つの敷地を繋げた中心となる部分に、一般に開放されたシェア畑と広場を計画しました。
様々な世代のかたが日常的に往き交い、大らかな自然の中で場を共有することで、住宅地の中の核となる居場所を生み出すことを目指しました。

事業関係者
事業: 株式会社ジェイアール東日本都市開発
企画: 株式会社リビタ、株式会社ジェイアール東日本都市開発
基本設計・デザイン監修: 株式会社リビタ、株式会社成瀬・猪熊建築設計事務所
実施設計・施工: 株式会社長谷工リフォーム

以下にその他の写真とイベント概要を掲載します。

矢橋徹建築設計事務所による、熊本・熊本市の、地震で被災解体された貸しビル跡地につくられた「オモケンパーク」
矢橋徹建築設計事務所による、熊本・熊本市の、地震で被災解体された貸しビル跡地につくられた「オモケンパーク」 photo©Yashiro Photo Office

矢橋徹建築設計事務所が設計した、熊本・熊本市の、地震で被災解体された貸しビル跡地につくられた「オモケンパーク」です。

敷地は熊本市中心部上通りアーケード内にある熊本地震で被災解体された貸しビル跡地である。

クライアントと共有したことは、従来の家賃収益施設としての街との関わり方ではなくコスト回収を目的化しないイニシャルコストを抑えた最低収益を賄える小さな建築と、常時公園的利用をしながらもイベントや催し時は低額で借りることができるイベントスペースとしての運営を行うハブメディア的役割を通した円環的な街との関わり方を目指すことであった。

商業的使い方、公共的な使い方、公園的使い方、それぞれが重なり合うシェア拠点である。建築を含めた計画全体が地域活性のテコのような存在となることを期待している。

隈研吾が校長を務める「高知県立林業大学校」が、隈研吾・内藤廣・堀部安嗣の建築見学を含む「学生向け集中講座」の参加者を募集中
隈研吾が校長を務める「高知県立林業大学校」が、隈研吾・内藤廣・堀部安嗣の建築見学を含む「学生向け集中講座」の参加者を募集中雲の上の図書館 / YURURI ゆすはら ©︎Kawasumi・Kobayashi Kenji Photograph Office

隈研吾が校長を務める「高知県立林業大学校」が、隈研吾・内藤廣・堀部安嗣の建築見学を含む「学生向け集中講座」の参加者を募集しています

世界的に知られる建築家・隈研吾が校長を務める「高知県立林業大学校」が、隈研吾・内藤廣・堀部安嗣の建築見学を含む「学生向け集中講座」の参加者を募集しています。定員は各20名(先着順)で、参加費は無料(別途滞在費用がかかります)。【ap・ad】

高知県立林業大学校 
建築学生向け集中講座のご案内〜高知の森と木造建築〜

世界的な建築家・隈研吾氏が校長を務める高知県立林業大学校では、建築を学ぶ学生を対象に集中講座を開催します。本校の授業見学をはじめ、高知県の森林、建築の見学など本校ならではの学びと体験が詰まった3日間の集中講座。森林、林業、これからの木造建築を担う皆様のご参加をお待ちしています。

■日程
サマースクール
2019年8月1日(木)~3日(土)
オータムスクール
2019年9月18日(水)~20日(金)

■定員 各20名(先着順)※定員になり次第締切

■参加費 無料(別途滞在費用がかかります)
※滞在費用
宿泊は林業大学校に隣接する高知県立森林研修センター(2泊4食付約8,000円)を予定。(申込者多数の場合は近隣のビジネスホテル利用となる場合があります)他に昼食代が必要となります。現地での移動、見学費用はかかりません。
※高知までの交通費(参考・2019年5月末時点)
首都圏から航空機利用 約26,000円(羽田—高知往復・パック利用)
関西圏から高速バス利用 約11,000円(大阪—高知往復・所要時間4時間)

詳細なスケジュール等の情報は以下でどうぞ。

大室佑介アトリエ / atelier Ichikuによる、神奈川・葉山町の住宅「Haus-008」の写真

大室佑介アトリエ / atelier Ichikuのウェブサイトに、神奈川・葉山町の住宅「Haus-008」の写真が24枚掲載されています。

大室佑介による論考『「幾何学」──無限を把握するための方法』

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