



岡田一樹 / R.E.A.D. & Architectsが設計した、石川・金沢市の集合住宅「THE TERRACE SAIGAWA」です。
川筋景観保全と伝統環境保存の指定地域でのプロジェクトです。建築家は、“地域に愛される”存在との要望に、敷地内に“通り抜け可能な路地”や“ベンチのある小広場”を設ける計画を考案しました。また、外の縦格子は“金沢らしさ”に加えて内外の関係性も調整しています。
城下町・金沢は、武家屋敷など藩政期の街並みが残りながら、近年多くの新しい現代建築が完成し、新旧の街並みが共存する美しい都市である。金沢駅からも近く、繁華街である香林坊や片町、兼六園や文化施設のある広坂、武家屋敷跡地からも歩ける犀川沿いの場所に、全9室の小規模な集合住宅の設計依頼を受けた。
建築主はこの場所にあった実家で生まれ育ち、東京で不動産を営む夫妻。「地域に愛される建物にして故郷に恩返しがしたい」とご要望を頂いた。長い歴史を有する犀川神社に隣接するこの場所は、川筋景観保全区域や伝統環境保存区域にも指定されている。金沢市と景観について協議する中で「市としても景観上重要な場所と捉えている」との話があった。
建築主はこの場所にあった実家で生まれ育ち、東京で不動産を営む夫妻。「地域に愛される建物にして故郷に恩返しがしたい」とご要望を頂いた。長い歴史を有する犀川神社に隣接するこの場所は、川筋景観保全区域や伝統環境保存区域にも指定されている。金沢市と景観について協議する中で「市としても景観上重要な場所と捉えている」との話があった。
まずこの地の歴史を知ることから始めるべきだと考え、古地図や文献を調べ始めた。
調べる中で、この場所はかつて「西馬場町」「新川除町」と呼ばれ犀川沿いに築かれた堤防の上にできた街で、伝馬が物資を運び人の往来も多い商業の街だったことがわかった。
敷地周辺を何度も歩き回り、街区の特徴を調査する中で、敷地北東側に今回の敷地で行き止まりになっている不思議な市道があることに気付いた。宮司さんにヒアリングしたところ、昔は川まで通り抜けができたという。また敷地南側の前面道路は、地元住民が抜け道として利用するため交通量が多く、しばし渋滞も生じるが車や歩行者の退避場所がないこと、犀川沿いをランニングやサイクリングをする人が多いにも関わらず、休息できる場所が少ないことも気になった。
ヒアリングや調査を通して、この場所の歴史に敬意を表しながら依頼者の意向を汲み取り、街づくりや街並みに貢献・調和しつつ、地域のコミュニティにも積極的に関われる計画にしたいと設計を考え始めた。まず犀川神社側をセットバックさせ、その部分にかつての道を路地として復元し、地域の方々が自由に通り抜けできるようにする方針を提案した。現状では、敷地の北側の街区の住民が川沿いに出るためには東か西に大きく迂回しなければならないが、路地を通すことで自由に行き来できるようになる。建築主や町内会にご説明して賛同を得ることができた。







