SHARE 高田博章建築設計による、東京・港区の「白金の保育園 / 見上げるもの見守るもの」
高田博章建築設計が設計した、東京・港区の「白金の保育園 / 見上げるもの見守るもの」です。
東京都では待機児童問題は深刻で、保育園の増設が急務となっていることは周知の通りです。新規開設は、民間による認可保育園などに頼るのが現状ですが、児童福祉施設として各種法令や、条例に適合することや、周辺環境など、条件を満たす物件が乏しく、まだまだ解消には至っていません。
更に、昨今では園児の声が騒音問題になることや、送迎時の保護者のマナーなどが、近隣トラブルとなるケースもあります。こうした保育園を取り巻く社会問題が、多岐に渡っています。保育園の新設が望まれていた東京都港区白金。その商店街に面した集合住宅の1階に、東京都内で最小級の認可保育園を設計しました。
児童福祉法や条例により、ほふく室、保育室等の面積基準として、机や椅子、吊り戸棚などを除く、常時保育室内に配置される家具類は、有効面積に含めることができないと規定されています。
そのため、限られた床面積を最大限に活用するために、受付カウンターとパーティションを兼ねた造作キャビネットや、安全対策を講じた吊り戸棚を数多く設えることで、安心して遊戯できる保育面積を確保しました。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
東京都では待機児童問題は深刻で、保育園の増設が急務となっていることは周知の通りです。新規開設は、民間による認可保育園などに頼るのが現状ですが、児童福祉施設として各種法令や、条例に適合することや、周辺環境など、条件を満たす物件が乏しく、まだまだ解消には至っていません。
更に、昨今では園児の声が騒音問題になることや、送迎時の保護者のマナーなどが、近隣トラブルとなるケースもあります。こうした保育園を取り巻く社会問題が、多岐に渡っています。
保育園の新設が望まれていた東京都港区白金。その商店街に面した集合住宅の1階に、東京都内で最小級の認可保育園を設計しました。
児童福祉法や条例により、ほふく室、保育室等の面積基準として、机や椅子、吊り戸棚などを除く、常時保育室内に配置される家具類は、有効面積に含めることができないと規定されています。
そのため、限られた床面積を最大限に活用するために、受付カウンターとパーティションを兼ねた造作キャビネットや、安全対策を講じた吊り戸棚を数多く設えることで、安心して遊戯できる保育面積を確保しました。
吊り戸棚には、騒音の少ない換気設備や、既存の梁型を隠伏し、控えめで清潔感のある保育室としました。乳幼児が仰臥位になっても、照明の光源が直接目に入らぬよう、間接照明を基本とし、抗菌性や衝撃吸収に優れた床材で仕上げました。
また、保育園が立地する商店街のイベントなどに、積極的に参加します。子供の成長を地域で見守る商店街は、防犯の要であり、子育て世代を支える心強い味方になります。
本保育園を開園する6年前にチャイルドマインダーという、少人数制保育のプロが開設した認可外保育園を起源としており、保育理念として「お子様一人一人の心に寄り添ったきめ細やかな保育」を掲げています。
キービジュアルは、種類も大きさも違う動物達が仲良く遊ぶイラストで、0〜2歳の異年齢合同保育をイメージしています。
少し大きな家族のような環境で、みんなで明るく、楽しく、元気よく、成長してゆける保育園として、児童福祉に貢献できることを目指しています。
■建築概要
用途:認可保育園
所在地:東京都港区
延床面積:56.80平米
工事種別:改修
設計期間:2017年8月〜2018年1月
工事期間:2018年1月〜2018年3月
設計:高田博章建築設計
施工:タナカワークス
写真:山口伊生人