SHARE 相坂研介設計アトリエによる、福島県福島市の「てぞーろ保育園」
相坂研介設計アトリエが設計した、福島県福島市の「てぞーろ保育園」です。
季節ごとの山の景観と、巨大遊具のような園舎自体を楽しめる建築で、建主命名の「てぞーろ」とは宝箱を指している。
当初窮屈な3階建てが想定されていたが、園児がのびのび遊べる豊かな環境づくりのため敷地のとり方から逆提案した。具体的には事業者所有の私道を敷地に合筆、ピロティとして地表のアクセシビリティを受け継ぎつつ上階は合法的な道路上建築とし、広く整形な園庭を確保しながらも全体を平たい2階建に納めることで、建物を安全に広々と利用しやすくした上、構造を準耐火の木造とすることも出来た。
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以下、建築家によるテキストです。
山を抱く巨大遊具のような保育園
福島県福島市に立つ認可保育所。季節ごとの山の景観と、巨大遊具のような園舎自体を楽しめる建築で、建主命名の「てぞーろ」とは宝箱を指している。
当初窮屈な3階建てが想定されていたが、園児がのびのび遊べる豊かな環境づくりのため敷地のとり方から逆提案した。具体的には事業者所有の私道を敷地に合筆、ピロティとして地表のアクセシビリティを受け継ぎつつ上階は合法的な道路上建築とし、広く整形な園庭を確保しながらも全体を平たい2階建に納めることで、建物を安全に広々と利用しやすくした上、構造を準耐火の木造とすることも出来た。
建築は、雄大な信夫山の景観を取り込むべく西に閉じ東に開き、内外にわたる行き止まりのない回遊動線に滑り台やボルダリング壁・大小階段のとりつく“巨大遊具”のような立体的な園舎を、防犯性や視線を調整する穴の開いたグレーの壁が上下しながらくるむ構成である。
材料には、1階外周は頑強なRC、目に近い部分や内部は木羽目板、屋根や上階など風雪にさらされる部分は維持管理の容易なガルバリウム鋼板を用い、適切に素材を使い分けた。
またこの園舎の外部空間にはまだ余白があり、職員の方々に、様々なグレードアップを5年後10年後の夢や目標としてもらうことで、職場に愛着を持ちつつ自ら育ててほしいと考えている。
■建築概要
設計:
建築 相坂研介設計アトリエ
構造 金箱構造設計事務所
設備 森村設計
施工:古俣工務店
敷地面積:1,252.83㎡
建築面積:748.60㎡
延床面積:962.14㎡
階数:地上2階
構造:木造
工期:2019年3月~2019年12月
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総園児数:90名
構成:
0歳-6人 1歳-12人 2歳-12人
3歳-20人 4歳-20人 5歳-20人
職員:18人
開園時間:平日7:30~19:30 土曜7:30~19:30
保育時間:
標準時間保育 7:30~18:30
短時間保育 8:30~16:30
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撮影:小川重雄
種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) |
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外装・壁 | 外壁1 | フラットサイディングt=16(ニチハ)の上、DP塗装 |
外装・壁 | 外壁2 | フレキシブルボード t=5 |
外装・壁 | 外壁3 | 木羽目板 t=12の上、自然塗料 |
外装・屋根 | 屋根 | ガルバリウム鋼板 t=0.435 横葺き(協和) |
内装・床 | 保育室床 | 複合フローリング t=12(EIDAI) |
内装・床 | 共用部床 | Pタイル t=2(TAJIMA) |
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