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【ap編集長の建築探索】vol.013 太田拓実「オープンスタジオと20周年を振り返る小さな展示」
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architecture|feature
ap編集長の建築探索太田拓実後藤連平論考
【ap編集長の建築探索】vol.013 太田拓実「オープンスタジオと20周年を振り返る小さな展示」スタジオ全体を見る。 photo©rem goto

「ap編集長の建築探索」は、23年の歴史ある建築ウェブメディア「アーキテクチャーフォト」の編集長である後藤連平が、訪問した建築を紹介する連載シリーズです。論考のようなかっちりとした形式ではなく、現地で感じた雰囲気や空気感が伝わるような“ライブ感”のある文体で綴ります。読者の皆様も自身が建築を体験するように読んでいただければ幸いです。


太田拓実「オープンスタジオと20周年を振り返る小さな展示」

TEXT:後藤連平

 
フォトグラファーの太田拓実さんの、都内の事務所を訪問した。オープンスタジオが1日限定で行われるとの情報を拝見して、これはと思って伺った。

太田さんは、建築と商空間をメインとしながらプロダクトの撮影なども手掛けている。アーキテクチャーフォトに掲載されている建築作品の撮影も数多く手掛けられており皆さんもその写真を見ているだろう。間違いなく、現代日本を代表する建築写真家の一人であると思う。

そんな太田さんと初めて会ったのは、2009年に遡る。
スキーマ建築計画の「奥沢の家」の内覧会時に、太田さんが撮影をされていてご挨拶をさせて頂いたのだった。そこから、17年経っていると考えると感慨深い。

以下の写真はクリックで拡大します

【ap編集長の建築探索】vol.013 太田拓実「オープンスタジオと20周年を振り返る小さな展示」展示風景 photo©rem goto
【ap編集長の建築探索】vol.013 太田拓実「オープンスタジオと20周年を振り返る小さな展示」展示風景 photo©rem goto

今回のオープンスタジオでは、太田さんの仕事場を公開するだけでなく、太田さんが撮影された写真作品の小展示も行われており、どちらも興味深く拝見した。
なお、オフィスの空間デザインは、田岡博之さんが手掛けられたとのこと。

展示されていた建築写真は、1建築作品につき1枚に絞られていて、其々の作品を特徴的に捉えた外観写真だけではなく、一見するとなぜこの写真を?と思えるような意外性のあるカットも多数あり興味深く思った。特に後者の写真に太田さん固有の眼差しが込められているように感じて面白かった。
数えきれないほどの建築を見て撮影してきた太田さんは、この建築のこの場所を撮った写真を選ぶのだなあと。
そんな太田さんの価値観や脳内を垣間見れて非常に楽しかった、、、!

以下の写真はクリックで拡大します

【ap編集長の建築探索】vol.013 太田拓実「オープンスタジオと20周年を振り返る小さな展示」展示風景 photo©rem goto
【ap編集長の建築探索】vol.013 太田拓実「オープンスタジオと20周年を振り返る小さな展示」編集ルーム photo©rem goto

また、太田さんが事務所内の各スペースを案内してくださり、ラックに収められた膨大な撮影機材や、あえて光を遮断したレタッチなどを行う編集ルームなども見せて頂き、改めて、我々が日頃の見ている建築写真家の写真の背景にプロフェッショナルな仕事が存在していることを実感した、、、!

やはり、我々がその作品から労力や背景を想像するのには限界があり、その実態を伝えるのに仕事場を見てもらうということはかなり有効なのだということも改めて思った。

そういう意味でも、昨今の建築設計事務所を社会に開いていく試みの重要性を改めて思いを馳せた、、、!
そう考えると、日々メディアの編集を行なっている我々の事務所を開いていく試みを行なっても良いのかもしれないとも思った。

太田さん、事務所の皆さん、貴重な機会を有難う御座いました!!

(訪問日:2026年4月4日)


後藤連平(ごとう れんぺい)
アーキテクチャーフォト編集長
1979年、静岡県磐田市生まれ。2002年京都工芸繊維大学卒業、2004年同大学大学院修了。組織設計事務所と小規模設計事務所で実務を経験した後に、アーキテクチャーフォト株式会社を設立。23年にわたり建築情報の発信を続けており、現在は、建築と社会の関係を視覚化するウェブメディア「アーキテクチャーフォト」の運営をメインに活動。著書に『建築家のためのウェブ発信講義』(学芸出版社)など。


  • 太田拓実のウェブサイト
  • 「ap編集長の建築探索」のアーカイブはこちらから

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    ファラによる、ポルトガル・ポルトの「stand for circo de ideias」。ブックフェアの為の9㎡のスタンド。24の金属部材を三次元のグリッドとして組み立て、周縁部に配した鏡で“複製され拡張される”空間を考案。部材の色彩は公園のクジャクとも予期せぬ対応関係を結ぶ
    photo by francisco ascensao

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    ファラ・アトリエ図面あり店舗ポルトガル
    ファラによる、ポルトガル・ポルトの「stand for circo de ideias」。ブックフェアの為の9㎡のスタンド。24の金属部材を三次元のグリッドとして組み立て、周縁部に配した鏡で“複製され拡張される”空間を考案。部材の色彩は公園のクジャクとも予期せぬ対応関係を結ぶ photo by francisco ascensao
    ファラによる、ポルトガル・ポルトの「stand for circo de ideias」。ブックフェアの為の9㎡のスタンド。24の金属部材を三次元のグリッドとして組み立て、周縁部に配した鏡で“複製され拡張される”空間を考案。部材の色彩は公園のクジャクとも予期せぬ対応関係を結ぶ photo by francisco ascensao
    ファラによる、ポルトガル・ポルトの「stand for circo de ideias」。ブックフェアの為の9㎡のスタンド。24の金属部材を三次元のグリッドとして組み立て、周縁部に配した鏡で“複製され拡張される”空間を考案。部材の色彩は公園のクジャクとも予期せぬ対応関係を結ぶ photo by francisco ascensao

    ファラが設計した、ポルトガル・ポルトの「stand for circo de ideias」です。
    ブックフェアの為の9㎡のスタンドです。建築家は、24の金属部材を三次元のグリッドとして組み立て、周縁部に配した鏡で“複製され拡張される”空間を考案しました。また、部材の色彩は公園のクジャクとも予期せぬ対応関係を結びます。


    こちらは建築家によるテキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)

    ブックフェアにある数多くの標準的なスタンドの一つで、3メートル×3メートルの区画は、棚とカウンターを置く程度のためのものでした。予想どおり、予算は限られていました。このほとんど汎用的な設計条件の中で、このプロジェクトは自らの状態をインスタレーションとして受け入れつつも、期待される中立性は拒みます。その代わりに、すでにそこにあるものを活かして構成しています。すなわち、異なる断面の余りの金属プロファイルを、意図的に新鮮で、ほとんど過剰ともいえる色彩で再塗装したものです。

    これらの要素は三次元のグリッドとして組み立てられ、わずかにアイゼンマンを想起させますが、彼のような衝突は伴いません。ここでは、同じ色のプロファイル同士が交わることは決してありません。それらは近づき、ためらい、交差ではなく結び目へと収まっていきます。全体で24の要素が、わずかにずらされた中央の柱を中心に配置されることで、全体としては直交的な論理の中に、静かな不安定さがもたらされています。

    それ単体では、金属ストラクチャーは十分に機能しています。しかし第二の層がその読みを再定義します。内部の周縁は全面的に鏡で覆われています。24の要素は三方向に複製され拡張されることで、その物理的な限界を超える場を生み出します。本、来訪者、ときおり現れる鳥、そして周囲の公園は、絶えず取り込まれ、投影し返されます。当初は制約されていた箱は、やがてあり得ないような奥行きを示唆し始めます。

    これらの色彩は、他のプロジェクトと並行して展開されたものであり、ほとんど偶然のようにも見えますが、この公園に生息するクジャクと予期せぬ対応関係を見出します。人が通り過ぎるとき、このインスタレーションは一瞬そのコンテクストと整合し、あたかも作られたものと偶然のものとがあらかじめ調整されていたかのようです。

    • 残り36枚の写真と建築家によるテキスト
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