山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 外観、北西側より見る。 photo©大竹央祐
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 作業室B側から作業室Aを見る。 photo©大竹央祐
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 中庭 photo©大竹央祐
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 作業室B photo©大竹央祐
山﨑健太郎デザインワークショップ が設計した、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」です。
公園前の敷地に計画されました。建築家は、地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向しました。そして、躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作り出しました。
沖縄市に計画された就労支援施設である。
クライアントである「くくるばな」は就労支援B型の事業を貸しビルの一角で営んでいた。主に精神・知的障害のある利用者に、働く機会や訓練の場を提供してきたが、もっと地域社会とつながる場所を求めて、公園の前の敷地に新しくカフェを併設した作業場の計画を始めた。
この計画で、もっとも気にしなくてはならないことは、公園に接するこの場所が地域とどのようなコミュニケーションをとるのか?という点である。利用者が社会から隔絶された環境は望ましくない。どんな状況にあっても社会とのつながりの中で生きていく場を持つべきである。
一方で、地域社会の中に利用者の姿が現れることに躊躇や驚きを与えることになるかもしれない。住民たちが安定した地域社会の中で、小さなハレーションを感じることもありえる。利用者にとっても、晒されるくらいなら閉ざされた環境の方が穏やかに過ごせるということもあるかもしれない。
利用者のことをよく知るために作業所を訪れた際、黙々と働く人、ぼんやりとじっと佇む人、上手に怠けている人など、さまざまな姿が印象的だった。こうした「働く」姿が公園側へにじみ出すことは、地域にとってきっと悪いことではなく、むしろ何かに従い一律に業務をこなすことの方が異常だと思えてしまう。人間は本来もっと自由に働く動物なのだ。
建築設計では、限られた敷地の中に、できる限り多様な種類の安心できる場所をつくることを心がけた。
構造要素となるボックス状コンクリートや敷地の高低差を活かし、沖縄の環境や場所の使い方と呼応する多様な木製建具を組み合わせている。見え隠れや抜けのある空間、身を潜めたり、こもったり、見渡せたり、社交的に動けたり、また広かったり、狭かったりする作業場をつくった。
この種々さまざまな場と、作業所で生産する商品の製造工程の機能を、中庭を中心にした円環状の平面計画とすることで空間的統合を図っている。これらは同時に、公園側の環境に対して幾重にも重なった空間的なレイヤーにすることができれば、動物にとっての巣のように、ここで過ごす人間たちが安心して過ごせる住処になるはずだ。
以下の写真はクリックで拡大します
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 外観、北西側より見る。 photo©大竹央祐
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 外観、北西よりカフェ側を見る。 photo©大竹央祐
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 外観、北西側の道路よりテラスAを見る。 photo©大竹央祐
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る クローク側からギャラリーを見る。 photo©大竹央祐
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る ギャラリーから開口部越しにカフェスペース側を見る。 photo©大竹央祐
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 作業室Aから作業室Bと事務室側を見る。 photo©大竹央祐
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 作業室B photo©大竹央祐
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 作業室B側から作業室Aを見る。 photo©大竹央祐
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 中庭 photo©大竹央祐
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 厨房 photo©大竹央祐
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 広域配置図 image©山﨑健太郎デザインワークショップ
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 配置図兼平面図 image©山﨑健太郎デザインワークショップ
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 配置図兼平面図 image©山﨑健太郎デザインワークショップ
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 断面図 image©山﨑健太郎デザインワークショップ
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 断面図 image©山﨑健太郎デザインワークショップ
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 詳細図 image©山﨑健太郎デザインワークショップ
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 詳細図 image©山﨑健太郎デザインワークショップ
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 詳細図 image©山﨑健太郎デザインワークショップ
山﨑健太郎デザインワークショップによる、沖縄市の就労支援施設「コザの働く人の家」。公園前の敷地に計画。地域と繋がりながら“安心して過ごせる住処”を求め、働く姿が滲み出すと共に“多様な居場所”を持つ空間を志向。躯体や木製建具なで“籠ったり・見渡せたり・社交的に動けたり”する場を作る 軸組アクソメ図 image©山﨑健太郎デザインワークショップ
以下、建築家によるテキストです。
さまざまな人間たちの住処
沖縄市に計画された就労支援施設である。
クライアントである「くくるばな」は就労支援B型の事業を貸しビルの一角で営んでいた。主に精神・知的障害のある利用者に、働く機会や訓練の場を提供してきたが、もっと地域社会とつながる場所を求めて、公園の前の敷地に新しくカフェを併設した作業場の計画を始めた。
この計画で、もっとも気にしなくてはならないことは、公園に接するこの場所が地域とどのようなコミュニケーションをとるのか?という点である。利用者が社会から隔絶された環境は望ましくない。どんな状況にあっても社会とのつながりの中で生きていく場を持つべきである。
一方で、地域社会の中に利用者の姿が現れることに躊躇や驚きを与えることになるかもしれない。住民たちが安定した地域社会の中で、小さなハレーションを感じることもありえる。利用者にとっても、晒されるくらいなら閉ざされた環境の方が穏やかに過ごせるということもあるかもしれない。
利用者のことをよく知るために作業所を訪れた際、黙々と働く人、ぼんやりとじっと佇む人、上手に怠けている人など、さまざまな姿が印象的だった。こうした「働く」姿が公園側へにじみ出すことは、地域にとってきっと悪いことではなく、むしろ何かに従い一律に業務をこなすことの方が異常だと思えてしまう。人間は本来もっと自由に働く動物なのだ。
建築設計では、限られた敷地の中に、できる限り多様な種類の安心できる場所をつくることを心がけた。
構造要素となるボックス状コンクリートや敷地の高低差を活かし、沖縄の環境や場所の使い方と呼応する多様な木製建具を組み合わせている。見え隠れや抜けのある空間、身を潜めたり、こもったり、見渡せたり、社交的に動けたり、また広かったり、狭かったりする作業場をつくった。
この種々さまざまな場と、作業所で生産する商品の製造工程の機能を、中庭を中心にした円環状の平面計画とすることで空間的統合を図っている。これらは同時に、公園側の環境に対して幾重にも重なった空間的なレイヤーにすることができれば、動物にとっての巣のように、ここで過ごす人間たちが安心して過ごせる住処になるはずだ。
今後は、工賃向上を目指し、障害のある人だからこそ丁寧に手間がかけられるクラフトチョコレートや沖縄月餅といった高単価商品の開発に取り組んでいく。これが軌道に乗れば、利用者の経済的な自立を支えることに繋がるだろう。学校帰りの中学生たちはカフェに立ち寄りドリンクを買い、作業場で宿題をしている。また利用者の中には芸術活動に盛んに取り組み、作品が展示や商品化されている人もいる。この場所は、これからさらに「生きている」場へと育っていくのではないかと予感している。
■建築概要
作品名:コザの働く人の家
所在地:沖縄県沖縄市
主要用途:就労支援施設
設計:山﨑健太郎デザインワークショップ 担当/山﨑健太郎、中村健児、筒井航(元所員)
構造:多田脩二構造設計事務所 担当/多田脩二 、廣幡啓祐(元所員)
照明:ぼんぼり光環境計画 担当/角舘まさひで、黒川祥穂
施工:丸松建設 担当/鷹巣二郎
敷地面積:565.14㎡
建築面積:262.98㎡
延床面積:174.78㎡
階数:地下1階
構造:RC造 一部木造
設計期間:2021年9月~2024年2月
施工期間:2024年3月~2024年12月
撮影:大竹央祐
建材情報 種別 使用箇所 商品名(メーカー名) 外装・屋根 屋根 カラーガルバリウム鋼板 t=0.5mm 縦ハゼ葺き:ヨドHyperGLカラー (ヨドコウ )
外装・壁 外壁 コンクリート打放し クリア塗装 飫肥杉羽目板 t=15mm 木材保護塗装
外装・建具 開口部 木製建具
内装・床 作業室 床 飫肥杉無垢フローリング t=15mm
内装・床 厨房 床 長尺塩ビシート t=2.0mm:ロンリウムプレーン (ロンシール工業 )
内装・壁 作業室 壁 ンクリート打放し ラワン合板 t=5.5 OS塗装
内装・壁 厨房 壁 コンクリート打放し PB t=12.5 AEP塗装 ラワン合板 t=5.5 OS塗装
内装・天井 作業室 天井 ラワン合板 t=5.5 OS塗装
内装・天井 厨房 天井 ラワン合板 t=5.5 OS塗装
外構・床 外構 琉球石灰岩砕石 コンクリート刷毛引き
※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちら から※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません