同済大学建築設計研究院若本建築工作室の設計で開館した、中国・河南省の「唐大運河文化博物館」の動画(英語字幕)。3万3千m2の巨大施設の様子や設計者のインタビューを紹介しています。動画の制作は一条です。こちらのページに写真等が掲載されています。
architecture archive
石上純也建築設計事務所が設計した、山口・宇部市の「House & Restaurant」です。
旧知の友人の為の住宅兼店舗です。建築家は、“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案しました。また、不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作り上げました。
フレンチレストランオーナーによる住宅兼レストランのプロジェクト。
建主とは昔からの友人で、最初の作品である「レストランのためのテーブル」も彼の依頼でつくったものだ。まず彼から「できるだけ重々しい建築を設計してほしい」との要求があった。「時間と共にその重みを増していくような建物がほしい。ツルツルのものではなく、自然の粗々しさを含むような建物。本格的な料理にはそういう空間が必要なんだ」「昔からずっとここにあるようで、これからもあり続けるようなもの」と。
平面構成は、北側にレストラン、南側に住宅を配置している。それらを3つの庭で隔て、そのうちひとつを通して行き来できる。手作業で工事を行い、それによる微妙なズレや偶然現場で起こったことを共有しながら、それらを許容し、歪みと不確定要素を自然に伴いながら建築を立ち上げていくことを考えた。具体的には、地面に穴を掘ってコンクリートを流し込み、固まったら土に埋まった躯体を掘り起こし、ガラスを嵌めて内部化することで建築とする。
最初の計画では、土は洗い流し、コンクリートの灰色の躯体が現れるイメージだった。しかし、土がこびりついている状態がとても印象的で、そのまま残すことに決めた。この段階で初めて洞窟の雰囲気を感じ、そこから新たなイメージで建物を再計画していこうと考えた。内部の設計を進めるにあたり、設計図と実際に掘り上がった躯体の表面座標の差異を3Dイメージで可視化すると、微細な差異が重なり合い、予測していなかった新しい空間が生まれていた。そういった場所を発見し、そこに合わせた使い方のイメージを更新していった。
京都を拠点とし、常に質の高い建築を追い求める「長坂大 / Mega」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
京都のアトリエ事務所、長坂大 / Megaは一緒に制作活動をしてくれる新しい仲間を求めています。
今夏「庭の家」という作品を発表しました。
その敷地には、町家石というusedの石を一面に敷き詰めました。
石一つ一つのサイズを測り、石貼りの図面を描き、石の形状を見ながら、この石はここへ、この石はここへと動かしながら延々と並べていく作業でした。
私たちがつくる建築もそんな風に、コンピュータだけでは生み出せないアナログな作業を好むところがあります。
時間の力、自然の力、土地の力、素材の力、人の力、それ等すべてを建築に込めていく。
我々はそんなことに一生懸命です。Megaは京都にあります。
少人数の事務所なので徐々になんでも出来る人になってほしいですが、できる限り働く形態にはフレキシブルに対応するつもりでいます。住宅が多いですが、オフィスビル、アトリエ、店舗、医院、福祉施設、大学施設などこれまで約90の建築を作って来ました。
うち42はメディアに発表しています。
代表作は、紫野の家(京都)、おざわ歯科(神奈川)、KYOTO Design Lab(京都)、宇治のアトリエ(京都)、岩見沢の書庫(北海道)などです。ポリシーとして儲け仕事はやりません。
依頼を受けたプロジェクトは丁寧に精魂込めて設計し、常に質の高い建築を追い求めて来た自負があります。そんな私たちと共に働いてくれる建築好き、歓迎します。
SHARE SDレビュー2022の入選作品の展覧会レポート(後編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
- 日程
- 2022年9月16日(金)–9月25日(日)
SDレビュー2022の入選作品の展覧会レポート(後編)です。
“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペティションで、若手建築家の登竜門としても知られています。本記事では展覧会の様子を前編・後編に分けて紹介します(前編はこちらからどうぞ)。会期は2022年9月16日~25日。SDレビュー2022の審査を務めたのは、千葉学、小西泰孝、原田真宏、金野千恵でした。展覧会の公式サイトはこちら。
また、入選者によるパネルディスカッションがZoomウェビナーにて開催(2022年9月16日17:00-20:00、参加費無料)。
SDレビューとは
SDレビューは、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというものです。
実現見込みのないイメージやアイデアではなく、実現作を募集します。
1982年、建築家・槇文彦氏の発案のもとに第1回目が開催され、以降毎年「建築・環境・インテリアのドローイングと模型」の展覧会とその誌上発表を行っております。
以下、展覧会レポートの前編に続き、入選作品を展示順に掲載します。
SHARE SDレビュー2022の入選作品の展覧会レポート(前編)。“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件での建築コンペで、若手建築家の登竜門としても知られる
- 日程
- 2022年9月16日(金)–9月25日(日)
SDレビュー2022の入選作品の展覧会レポート(前編)です。
“実施を前提とした設計中ないしは施工中のもの”という条件の建築コンペティションで、若手建築家の登竜門としても知られています。本記事では展覧会の様子を前編・後編に分けて紹介します。会期は2022年9月16日~25日。SDレビュー2022の審査を務めたのは、千葉学、小西泰孝、原田真宏、金野千恵でした。展覧会の公式サイトはこちら。
また、入選者によるパネルディスカッションがZoomウェビナーにて開催(2022年9月16日17:00-20:00、参加費無料)。
SDレビューとは
SDレビューは、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというものです。
実現見込みのないイメージやアイデアではなく、実現作を募集します。
1982年、建築家・槇文彦氏の発案のもとに第1回目が開催され、以降毎年「建築・環境・インテリアのドローイングと模型」の展覧会とその誌上発表を行っております。
以下、入選作品を展示順に掲載します。
西島光輔 / インレ・スタジオが設計した、ベトナム・クアンビンの「The Kaleidoscope」です。
工場敷地内の労働と居住の為の建築です。建築家は、熱帯気候からの保護と美しい自然の享受を目指し、影を生む地域の帽子に似た“大屋根”と全方位に通風と眺望を叶える開放的平面を考案しました。また、気積の大きな執務室と小さな住居な対比的な空間を同居させています。
ベトナム中部の辺境にある工場内の、職住を担う建物の計画である。
中部沿岸部の気候は国内で最も厳しいと言われており、乾季にはフェーンが吹付け猛暑となり、雨季には台風と洪水が平野を水浸しにする。一方、海と丘陵に挟まれた計画地からは全方位に美しい自然が望まれ、建物は時と共に移りゆく景色を切り取る覗き窓となるであろう。本計画は熱帯の苛酷な気候から身を守りつつ、外部に手を伸べたくなるような建築を目指すものである。
ベトナム伝統の帽子である「ノンラー」に似た傘形状の大屋根が空間全体に影を落とす。通気を確保した二重屋根の構造は日射熱を遮蔽し、雨中でも窓を全開にできるよう深い庇が張り出している。地表のピロティは常時自然通風を促し、室内を湿度から保護している。
妹島和世+西沢立衛 / SANAAが、2022年の「高松宮殿下記念世界文化賞(建築部門)」を受賞しています。
「大胆な円形と透明性、アートとの親和性が特徴の『金沢21世紀美術館』など、斬新な建築デザインで新世代の牽引役を務めてきた建築家ユニット」と紹介されています。
また、彫刻部門では、中国のアイ・ウェイウェイが受賞しています。また、妹島和世+西沢立衛 / SANAAの受賞記念講演会が2022年10月20日に開催されます。
以下は、同時公開された公式のインタビュー動画です。
齋藤秀行 / Design8°が設計した、熊本市の「清水新地の家」です。
住宅街に計画されました。建築家は、プライバシー配慮と開放性の両立を目指し、低く抑えた軒と軒下テラスが外部の視線を遮ると共に内外を緩やかに繋ぐ構成を考案しました。そして、人の根源的感覚に応え風土の中の普遍性に寄り添う建築を作る事を意図しました。
熊本都市圏内の環状道路側に位置する北西角地の平屋住宅です。
密集した住宅地でも採光と通風、プライバシーを配慮しつつ開放的でカーテンを閉めなくても心地よい暮らしができる空間を計画しました。
片流れの軒先を深く低くおさえて包み込むような内部空間を孕ませ、屋根の下に引き込んだテラスが外からの視線を遮るだけでなく、中間領域として内外を緩やかにつなぐことで落ち着きと多用なアクティビティが喚起されることを期待しています。
このガラスに囲まれたヴォイドとしてのテラスは、たっぷりと拡散光を室内に取り込み時間や季節の移ろいを感じさせる装置になり、壁を穿った出窓は、庭の植栽を切り取る額縁を兼ねたベンチとして造作することで、自然との関わり方に「間戸/窓」のバリエーションを持たせました。
カウンタースペースのスマイヤ・ヴァリーとハーバードGDSのサラ・ホワイティングの対談の動画です。2022年9月8日にハーバード大学で行われたものです。スマイヤは2021年のサーペンタイン・パヴィリオンを手掛けた南アフリカの建築家です。
(翻訳)
スマイヤ・ヴァリーは1990年、南アフリカのプレトリアで生まれました。ヴァリーのデザイン、リサーチ、教育的実践は、ハイブリッドなアイデンティティと領域、特にアフリカとイスラムの状況に対する表現を模索しています。彼女のデザインプロセスはしばしば鑑識的であり、歴史と仕事の生成的な場として聴覚、パフォーマンス、見落とされたものを引き出します。受賞歴のある建築・研究スタジオ、カウンタースペースの共同設立者であり、代表を務めている。第20回サーペンタイン・パビリオン(2020/2021年)のデザイナーであり、国際的に有名な建築プログラムの依頼を受けた史上最年少の建築家です。彼女は、サーペンタインで開始された新しいフェローシッププログラム「Support Structures for Support Structures」の立ち上げと開発に携わっています。これは、アートと社会正義、アートとアーカイブ、アートとエコロジーが交差する場所での活動を通じて、コミュニティを支援するアーティストやコレクティブを支援するものです。2022年、スマイヤ・ヴァリーは、世界経済フォーラムによって、世界で最も有望なアーティスト、研究者、起業家、活動家、政治家のコミュニティであるヤング・グローバル・リーダーズの一人に選ばれました。
現在、ヴァーリーはアーティスティックディレクターとして、2023年にジェッダで開催される第1回イスラム芸術ビエンナーレのキュレーションに携わっています。現在、リベリアのモンロビアにある「Ellen Johnson Sirleaf Presidential Center for Women and Development」の設計に協力しており、女性国家元首のための初の大統領図書館として、舞台装置、パビリオン、展示スペースを監督します。また、1945年にイギリスのマンチェスターで開催された第5回パンアフリカ会議を記念する庭園と集会所の設計にも携わっています。
スマイヤの仕事は、アカデミーに隣接して運営されています。ヨハネスブルグ大学大学院建築学科では、アフリカ大陸のためのカリキュラムを作ろうとレスリー・ロッコ教授が設立した修士課程スタジオ「Unit 12」を6年間にわたり指導しました。最近では、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の建築学部でペリ特別客員講師を務めるなど、幅広く講義を行っています。
(原文)
Sumayya Vally was born in Pretoria, South Africa in 1990. Vally’s design, research, and pedagogical practice is searching for expression for hybrid identities and territory, particularly for African and Islamic conditions. Her design process is often forensic, and draws on the aural, performance and the overlooked as generative places of history and work.She is the co-founder and principal of the award-winning architecture and research studio, Counterspace. A TIME100 Next List honouree, Sumayya Vally is named as shaping the future of the architectural canon and practice; and designer of the 20th Serpentine Pavilion (2020/2021), Vally is the youngest architect ever to be commissioned for the internationally renowned architecture programme. She has worked on initiating and developing Support Structures for Support Structures, a new fellowship programme launched at the Serpentine, which supports artists and collectives who support community through their work at the intersections of art and social justice, art and the archive, and art and ecology. In 2022 Sumayya Vally was selected by the World Economic Forum to be one of its Young Global Leaders, a community of the world’s most promising artists, researchers, entrepreneurs, activists, and political leaders.
As Artistic Director, Vally is currently working on curating the first Islamic Arts Biennale taking place in Jeddah in 2023. She is currently collaborating on the design of the Ellen Johnson Sirleaf Presidential Center for Women and Development in Monrovia, Liberia, the first presidential library dedicated to a female head of state, where she will oversee the scenography, pavilions, and exhibition spaces. She is also working on a garden and gathering place commemorating the 5th Pan-African Congress held in Manchester, UK, in 1945.
Sumayya’s practice operates adjacent to the academy. For six years she led the masters’ studio, Unit 12, at the Graduate School of Architecture, University of Johannesburg—founded by Professor Lesley Lokko, with the intent to create a curriculum for the African continent. She has lectured widely, most recently as Pelli Distinguished Visiting Lecturer at the School of Architecture, University of Illinois Urbana-Champaign.
田中洋人建築設計室が設計した、新潟・長岡市の住宅「高畑町の家」です。
屋根雪対策が条例化する地域に計画されました。建築家は、勾配と素材で雪を落とす“落雪式”の規定を肯定的に捉えて、地域環境に寄り添う建築を志向しました。そして、屋根傾斜を活かして“開放感”と“落ち着き”の両者を備えた内部空間を作りました。
多雪地域の新潟県長岡市、市営スキー場から少し下った場所にこの住宅の敷地があります。
雪下ろしの事故がなくならない新潟県では「住宅の屋根雪対策条例」を策定し、「耐雪式」「融雪式」「落雪式」の3つの屋根仕様の克雪(こくせつ)住宅を提示、推奨しています。
コストを考慮すれば「落雪式」以外は選べないのです。「落雪式」は、切妻や片流れとし、勾配は3/10以上、かつ雪が滑りやすい材料で葺く、この条件が雪国の住宅の屋根の形状を定めています。「落雪式」の屋根形状を肯定的な要素として扱い設計を行いました。
夏は、丘陵と市街地の間の高台に建つこの住宅の正面から長岡花火が見えます。少し高い位置の大きな木製サッシからは市街地の景色と花火をパノラマで望むことができます。見晴らしがよく「開放感」を感じられます。
冬は、丘陵の裾に積もった雪と屋根からの落雪が壁となり、住宅の背面は閉ざされてしまいます。その閉塞感は安心な居場所の確保ができれば、かまくらの中にいる様な「落ち着き」と捉え直すことができます。
金山大+小泉宙生 / SWINGが設計した、大阪・箕面市の「トヨタカローラ新大阪小野原店リニューアルプロジェクト」です。
国道沿いの自動車街の店舗改修です。建築家は、単に目立つのでなく“さりげなく”印象に残る存在を目指し、申請不要の構造体を増築して“杉ルーバー”を付加する外観を考案しました。また、コストを抑えと工期を短縮し店舗運営への影響を軽減も実現しています。店舗の公式サイトはこちら。
大阪府箕面市の幹線道路沿いに建つ、自動車ショールームのリニューアル工事です。
国道171号線沿いは、カーディーラー・中古車販売店が多数ひしめき合うエリアで、どんどん「新しく/目立つ」店舗に建て替わっています。そうした環境の中、クライアントはこのエリアの中でも最初期に建ったであろうショールームを”建て替え”ではなく、改装工事で”リニューアル”することによって店舗を生まれ変わらせる、という決断をされました。
改装によりコストを抑え、設計・施工期間を短期間に収めることで店舗運営に与える影響を最小限に抑える目的もありました。
そこで私たちは、幹線道路のスピード感・直進性から、ドライバーの視界に入った際にさりげなく建物が印象に残るよう、国産杉材による水平ルーバーのスクリーンを提案しました。
はじめに工作物として申請が不要となる高さ4m未満に抑えた鉄骨の構造体を、フィーレンディール架構により計画しました。自動車の屋外展示を想定して邪魔にならないよう、36mのスパンを飛ばしています。その鉄骨の表面に、防腐処理を施した杉ルーバーを取り付ける構成としています。
武富恭美 / ディーディーティーが設計した、兵庫・神戸市の住宅改修「岡本の家」です。
斜面地に建つRC住宅の改修です。建築家は、解体新築で予算が超過する想定に対し、調査の上で既存の1階部分を残して2階部分を木造で増築する計画を考案しました。そして、軽量化での耐震性向上と工期短縮に加えて元の建物にない空間性も実現しました。
神戸市の、川の斜面上に建つ戸建て住宅である。
建築主は解体前提で古家付土地を購入したが、地質調査、隣接する川の護岸の斜面測量を実施した結果、新築の場合は杭基礎工事に伴って建設費が予算を超過する懸念が生じた。一方、既存建物は1974年に竣工した鉄筋コンクリート造2階建てだが、構造図と構造計算書によって、現行の耐震基準を満たしていることが確認できた。
コンクリートコア採取による測定試験も行い、既存部の継続使用が可能であると確認できたため、基礎と1階および2階スラブまでを保存し、それより上部を解体の上、木造で増築することを提案した。
重厚なRC造の2階を軽快な木造に入れ替えることにより、構造面では建物が軽量化され、耐震性能が向上し、さらには崖の負担を低減できる。また、実利面では解体費用および廃棄物の低減、杭基礎工事の省略、工期の短縮、ひいては総工費の削減が実現した。
さらに、陸屋根だった既存建物は北側からの斜線制限のため天井が低かったが、木造の勾配屋根により、増築後の2階部分が天井の高い伸びやかな空間になったのもメリットである。
専門誌を含む多様なメディアに評価され、空間から家具までを丁寧に設計する「小長谷亘建築設計事務所」の、設計スタッフ(2023年新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください。
小長谷亘建築設計事務所では、現在設計スタッフを募集しております。
代表の小長谷亘は手塚建築研究所を独立し、個人住宅を中心に集合住宅、クリニック、オフィス、ホテル、カフェ、美容室など様々なプロジェクトを手掛けています。
一つ一つのプロジェクトに真摯に向き合い、建築空間はもちろん、建具、家具、照明に至るまで丁寧できめ細やかな設計を心がけています。2019年に完成した自邸(玉園台の家)の2階がアトリエとなっており、駅からは少し離れますが南に大きな桜の木がある小さな公園、北は高台ならではの眺望と開放感のある気持ちのいい職場です。
現在、10年ほど事務所を支えてくれているスタッフがおり、照明デザイナーの妻とも事務所をシェアしています。
これまでなんとか2名体制でやってきましたが、仕事の依頼が増えつつあり、事務所の新しいチャレンジを一緒に楽しみながら支えてくれるスタッフを募集します。事務所の雰囲気は非常にアットホームです。近年のコロナへの対応を契機にこれまで以上にスタッフが無理なく働ける環境を模索しつつ、状況の変化に応じてフレキシブルに対応しています(リモート勤務可能。フレックスタイム制)。
入所後すぐに小長谷の下でプロジェクトを担当し、施主打ち合わせへの同行、基本設計から実施設計、現場管理まで全て関わっていただき、一つの建築が立ち上がる過程を細部にわたり習得できます。
新卒の方はもちろん、経験者の方にも、一緒にプロジェクトを完成させる中で様々なことを学んでいただける環境です。熱意のある方のご応募お待ちしております。
大村聡一朗+中村園香 / OHMURA NAKAMURA ATELIERが設計した、東京・多摩市の「連光寺の家 改修 / 二つの十字と四畳半」です。
若い家族の為に木造家屋を改修です。建築家は、居室と廊下が分かれた既存平面を刷新し、“十字壁”の配置で等価な“四畳半”空間が連続する構成を考案しました。そして、生活変化も受け入れる緩やかな“分断”と“接続”の状態を作る事を意図しました。
多摩市の住宅街に建つ戸建住宅の改修である。この住宅は若い夫婦と生まれたばかりの双子のための住まいである。
改修設計では、まず、耐力壁を除く内壁及び天井をすべて取り払い、短手方向に1:1、長手方向に1:1:1の位置にグリッドを設定した。そうすることによって、居室空間と移動空間の主従関係を消失させ、等価な四畳半の連続する空間が立ち現れる(実際には隅部の二カ所は敷地形状に対応して切り欠かれているが)。そして、連続する四畳半の交点に二つの十字の壁を配置した。他とは異なる素材を配した十字の壁は「空間の輪郭」と「モノ」の間のような存在を目指した。
家族の関係性は時間を経るにつれて変化する。特にこの住宅に住む若い夫婦と双子という4人の家族の関係性は子供の成長に伴って日々変化していく。
例えば、子供が大きくなり、勉強のためのスペースが必要になるかもしれない、家族間でのプライバシーの必要性が出てくるかもしれない。そのような変化に対して、この住宅では、二つの十字が示すグリッドに沿って建具や壁を配置し、一つの独立した四畳半空間とすることを想定している。
山田伸彦建築設計事務所が設計した、東京・文京区の住戸改修「大塚の家」です。
約200㎡の空間での計画です。建築家は、広さに起因する単調さの回避と豊かさの付与を目指し、視覚に加え触覚にも訴える“肌理”に注目して多様な素材を組合せる建築を志向しました。また、畳や障子等も採用し“日本的な美”の要素も導入して設計しました。
東京都文京区の築50年の集合住宅の内装の改修計画。
一般的にイメージする集合住宅とは規模が異なり、200㎡ほどの面積がある。広い空間では、素材の使い方によっては「のっぺり」とした空間となる懸念が出てくる。施主の要望に加えて、ここでは劇的に空間のつくりを変えるのではなく、さまざまな素材の集積によって空間の質に豊かさを与えるような、人の視覚と触覚の琴線に触れる建築が良いのではないかと考えた。
全部を同じ肌理で統一するのではなく、「ざらざら」した左官の壁や天井、「すっきり」したディテール、「ざっくり」「つるり」とした素材感をちりばめることに加え、畳や障子、明かり、重心の低い空間、陰りや柔らかな光、中間領域を作ることで、日本に培われた美しいと思うモノを組み合わせながら建築の構成を試みた。
フランシス・ケレの2022年のプリツカー賞授賞式の動画です。
2022年5月27日にロンドンで行われたセレモニーの様子を紹介しています。動画内では、アレハンドロ・アラヴェナや妹島和世、グレン・マーカットらがコメントを寄せています。また、本ページでは、ケレの代表作品も掲載します。アーキテクチャーフォトではケレのプリツカー賞受賞時の文章を日本語で紹介しています。
こちらはリリーステキストの翻訳
プリツカー建築賞は、2022年の受賞者であるフランシス・ケレを称える特別セレモニービデオを公開しました。
「プリツカー建築賞が私に与えてくれたものは勇気です。私は、ヴィジョンとミッションを持つ他の人たち、すべての人たちに、同じようにプッシュし続ける勇気を与えたいと思います。私に能力がある限り、アフリカが私に教えてくれたように、私の建築、あなたが私に依頼するすべてのものに、熱意、喜び、想像力を注入していきます」と、第51回プリツカー賞受賞者のフランシス・ケレは、5月27日の授賞式で、感動的に語っています。そして彼は懇願します。「親愛なる友人たち、親愛なるヒーローたち、親愛なる家族たち、親愛なるすべての人たちへ – 今日の課題は何でしょう?みんなにとって、建築家にとって、人類にとって、今日の大きな関心事は何でしょうか?私たちにとって、何がそんなに重要なのでしょうか?気候の危機は現実です。材料は限られています。資源をめぐる争いは世界のいたるところで激化し、人口増加も差し迫っています。どこの国の人であろうと、これは私たちの関心事であるはずです」
プリツカー審査委員長で2016年の受賞者であるアレハンドロ・アラヴェナは詳しく説明します。「私たちは道具箱を広げているのです。今までにない挑戦をしているのですから、新しいロールモデルが必要なのは当然で、それにおいてフランシスに勝る人はいないでしょう。今日、私たちがお祝いしたいフランシスは、私たちに別の可能性を示してくれるでしょう」
ドキュメンタリー風の映像には、ケレ、アラヴェナ、ハイアット財団会長のトム・プリツカーが、最近オープンしたロンドン大学経済政治学院マーシャル棟の大ホールで行った発言の全文が含まれています。マーシャル棟は、2020年プリツカー賞受賞者のイヴォンヌ・ファレルとシェリー・マクナマラが主導しているグラフトン・アーキテクツが設計しました。プリツカーは、ケレに2022年のプリツカー賞メダルを授与する前に、「彼は、美しさと謙虚さ、大胆さと発明を同時に表現する建築物を設計することによって、プリツカー建築賞の使命を体現しています」と述べ、この建築家を受賞者として認定しています。