



蘆田暢人建築設計事務所が設計した、東京の住宅「世田谷の浮居」です。水害被害を受けた敷地に建つ建築で、対策として居住空間を約1m浮かせ接地面積を減らすよう計画、内部では4層続く階段ヴォイドが生む垂直の奥行きにより現代都市住宅の原型の模索がなされました。
水害の被害を受けた敷地に計画されたこの住宅では、道路レベルからFLを1m程度上げ、可能な限り建物の接地面積を減らし、居住スペースを地面から浮かせた。
2階の床までをRCでつくり、その上に部分的にラーメンフレームを取り入れた木造の架構を載せた構造体とした。住居の中心に、穴を穿つようにあけた地下1階から3階まで4層分続く階段は、各階すべて異なる支持方法と素材でできている。階段も含めた床が角度と素材を変え、重層化して住居に垂直の奥行きを与えている。
シンプルな平面構成に複雑なヴォイドの構成が重なる。その複雑な空間をクライアントと共有するツールとして、スタディの初期からUnreal Engineを使用し、空間構成を検討した。スケッチ・模型・ドローイング・VRとさまざまなツールを使うことで、チームおよびクライアント、施工者とのスムーズな連携が可能になるとともに、さまざまな角度からスタディを照射することができたと考えている。デジタルデザインは、設計事務所と別組織で立ち上げたStudio Super Surfaceで担当している。