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2021年のプリツカー賞を受賞した、ラカトン&ヴァッサルの受賞セレモニー動画が公開。彼らの代表作を紹介すると共に、世界各地から審査員の建築家らや、フランス大統領までがコメントを寄せる

2021年のプリツカー賞を受賞した、ラカトン&ヴァッサルの受賞セレモニー動画が2021年9月14日に公開されました。彼らの代表作を紹介すると共に、世界各地から審査員の建築家らや、フランス大統領までがコメントを寄せています。通常時は世界各地の歴史的な建築物が授賞式の会場に選ばれ行われますが、今回は2回目の映像セレモニーとなったとの事。
アーキテクチャーフォトでは、彼らの受賞発表時に代表作品をまとめて紹介しています。

こちらは動画の公開にあたってのリリーステキストの翻訳です

プリツカー建築賞は、2021年の受賞者であるアンヌ・ラカトン氏とジャン・フィリップ・ヴァッサル氏を称える特別な授賞式ビデオを発表します。このビデオは、2021年9月14日(火)午前10時(日本時間)に公開され、ウェブサイトpritzkerprize.comやソーシャルメディアチャンネルで視聴することができます。

プリツカー賞を受賞したヴァッサル氏は述べています。
「私たちは、建築の歴史の中で、居住することの問題が本質的なテーマとなる時期にいます。私たちは、気候との積極的でオープンな関係の中で、空間を通して自由な条件を構築し、何も取り壊さずに既存のものから始めることでこれを実現します。これが私たちの仕事の本質です。」

ラカトン氏は続けます。
「解体は短期的な解決策であり、簡単な決断であり、都市生成の方法でもあります。リサイクルの手段にもなっています。しかし、解体は不可逆的なものであります。あらゆる解体は、膨大な量の情報、知識、層、素材、記憶を破壊します。人生は確立し、成長するのに長い時間を要します。」

アンデス山脈からロッキー山脈まで、都市から海まで、アジア、ヨーロッパ、南北アメリカのプライベートな空間からパブリックな空間まで、世界中の場所から遠隔操作で撮影された式典の講演者たち。鑑賞者は、ラカトンとヴァッサルの建築作品の中から、「決して取り壊さない」という建築家のこだわりを示している、現代アートのためのギャラリーや公共のインスタレーション、地域プログラムを備えたウォーターフロントビル「Frac Grand Large-Hauts-de-France(フランス・ダンケルク)」の屋上や、2012年に機能性を最大限に高め、既存のものを再利用した建築家による改装により、ヨーロッパ最大の現代アートの中心地となった「ペレ・ド・トーキョー(フランス・パリ)」などを訪れます。

この賞を後援するハイアット財団の会長であるトム・プリツカー氏は述べています。
「彼らの建築作品の多くは、私たちが生きている時代に警鐘を鳴らしています。私たちが奉仕するように求められているのは、周辺部や限界部への奉仕です。ラカトン氏とヴァッサル氏が、私たちの最も優れたガイドの一人であることは間違いありません。彼らは何十年にもわたって、思いやりと美意識をもって、住宅を提供する人々の福祉と心の豊かさに貢献してきました。」

審査委員長のアレハンドロ・アラヴェナ氏は述べます。
「このような気取らない建築言語が、彼らの建物があらかじめ定義された機能ではなく、予想外の機能を促す理由なのかもしれません」
「謙虚であることは恥ずかしがり屋であることを意味しません。繊細な操作には、むしろ大胆で自信に満ちた性格が必要です。これこそが、ラカトン氏とヴァッサル氏の建築が達成できた最も繊細なバランスのひとつであり、建築環境に対する慎重かつ率直なアプローチなのかもしれません。」

【ap job更新】 東京と宮崎を拠点に様々なタイプの建築を手掛ける「山田伸彦建築設計事務所」が、設計スタッフを募集中
【ap job更新】 東京と宮崎を拠点に様々なタイプの建築を手掛ける「山田伸彦建築設計事務所」が、設計スタッフを募集中
【ap job更新】 東京と宮崎を拠点に様々なタイプの建築を手掛ける「山田伸彦建築設計事務所」が、設計スタッフを募集中下北方の家/宮崎市

東京と宮崎を拠点に様々なタイプの建築を手掛ける「山田伸彦建築設計事務所」の、【募集職種】募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

東京と九州の宮崎の2カ所に事務所があり、それぞれの地域で仕事を行っております.

東京では住宅、ホテル・旅館、子供の空間(こども園など)、公共施設、宮崎では外部空間のたっぷりあるような住宅や併用住宅、店舗などが多いです.

仕事に偏りがなく様々なタイプの建築をすることで、それぞれの良さをお互いに取り込みながら建築を考えております. また地方と都市、新築と改修(リノベーション)、住宅と商業空間や子供の空間などという違った建築タイプを経験できるのは面白いと思います.また、クライアントと共にプログラムや採算などの事業を考えながら設計することも多くなってきており、設計だけでなく最近では宮崎でキャンプ場の運営の協力もしています.

私たちはひとりひとりのスキルを向上させながら、楽しんで建築を考えられる人が来てもらえると嬉しいです.
実績は弊社HP(http://yamada-architects.com/)をご覧ください.

寺田尚樹+平手健一 / 寺田平手設計による、東京の、設計者の自邸「TERADA HOUSE」。60年代頃の家具類等を空間と一体となるよう扱うことで、設計者が魅了される“来るはずだったけど来なかった未来”の世界観を現代に提示
寺田尚樹+平手健一 / 寺田平手設計による、東京の、設計者の自邸「TERADA HOUSE」。60年代頃の家具類等を空間と一体となるよう扱うことで、設計者が魅了される“来るはずだったけど来なかった未来”の世界観を現代に提示 photo©Ben Richards
寺田尚樹+平手健一 / 寺田平手設計による、東京の、設計者の自邸「TERADA HOUSE」。60年代頃の家具類等を空間と一体となるよう扱うことで、設計者が魅了される“来るはずだったけど来なかった未来”の世界観を現代に提示 photo©Ben Richards
寺田尚樹+平手健一 / 寺田平手設計による、東京の、設計者の自邸「TERADA HOUSE」。60年代頃の家具類等を空間と一体となるよう扱うことで、設計者が魅了される“来るはずだったけど来なかった未来”の世界観を現代に提示 photo©Ben Richards

寺田尚樹+平手健一 / 寺田平手設計が設計した、東京の、設計者の自邸「TERADA HOUSE」です。1960年代頃の家具類等を空間と一体となるよう扱うことで、設計者が魅了される“来るはずだったけど来なかった未来”の世界観を現代に提示する作品となっています。寺田平手設計は、紙の模型ブランド「テラダモケイ」などを手がけるテラダデザインが改称、組織変更した設計事務所です。

「Memory of Future」あるいは「Yesterday’s Tomorrow」という言葉がある。
「来るはずだったけど来なかった未来」といった意味合いだ。『鉄腕アトム』で描かれた水滴型のエアカーが飛び回る未来都市や『2001年宇宙の旅』に登場する宇宙ステーションのロビー。1960年代は米ソの宇宙競争に続くアポロの月面着陸が象徴するように宇宙=未来が明るく輝いていたころ。その時代の家具やプロダクトは新素材のプラスチックが取り入れられ、スペーシーな曲線を用いたフォルムとビビッドな色使いは輝く未来を体現していた。そんな過ぎ去った未来を寺田は今も信じている。

建築家によるテキストより

東京都杉並区、高井戸駅近くの住宅街の中に 、コンクリートの基壇の上に黒い家型が乗るように存在する建物は、3世代の5人家族のための住宅である。

建築家によるテキストより

道路からアプローチの階段を降り、屋根の頂点に向かって建物を貫く斜めの壁を左手に見ながらエントランスを抜ける。正面には2階へと延びる黒い階段があり、左手には建物を貫く斜め壁と同じ角度の黄色い引き戸と通路がある。この引き戸の向こうは、1階のリビングダイニングルーム、ベッドルームそしてアトリエへと繋がっている。

建築家によるテキストより
川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「O_apartment」。積み上げられた住戸ヴォリュームのズレから生まれた隙間が、空だけが見える専用のテラスをつくり、時の移り変わりを顕著に感じさせる
川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「O_apartment」。積み上げられた住戸ヴォリュームのズレから生まれた隙間が、空だけが見える専用のテラスをつくり、時の移り変わりを顕著に感じさせる photo©TOREAL 藤井浩司
川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「O_apartment」。積み上げられた住戸ヴォリュームのズレから生まれた隙間が、空だけが見える専用のテラスをつくり、時の移り変わりを顕著に感じさせる photo©TOREAL 藤井浩司
川嶋洋平建築設計事務所による、沖縄・宮古島市の集合住宅「O_apartment」。積み上げられた住戸ヴォリュームのズレから生まれた隙間が、空だけが見える専用のテラスをつくり、時の移り変わりを顕著に感じさせる photo©TOREAL 藤井浩司

川嶋洋平建築設計事務所が設計した、沖縄・宮古島市の集合住宅「O_apartment」です。積み上げられた住戸ヴォリュームのズレから生まれた隙間が、空だけが見える専用のテラスをつくり、時の移り変わりを顕著に感じさせることが意図されました。

沖縄県宮古島市に設計した全7戸の集合住宅の計画です。

建築家によるテキストより

敷地としては住宅街に位置し、隣地にも今後建物が計画されることとなっていました。そんな中で、まだ見ぬ隣地の建物とどのように接し、どのように各住戸の環境を設計するか検討しました。

建築家によるテキストより

計画としては7つの住戸を7つのマッシヴなボリュームとし、そのボリュームを積み上げるように全体を計画しています。各ボリュームは箱として外に閉じていますが積み上げられたボリュームのズレから生まれる隙間から空と接するようにしています。その結果、全ての住戸が外部の視線を切りながらコートハウスのようなプライバシーの高いテラスを有する住戸となるように計画しています。

建築家によるテキストより
吉岡徳仁のデザインで完成した、京都市のイッセイミヤケの店舗「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / KYOTO」。町屋内部に配置された一体成型のアルミニウム什器によってブランドの制作プロセスを表現
吉岡徳仁のデザインで完成した、京都市のイッセイミヤケの店舗「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / KYOTO」。町屋内部に配置された一体成型のアルミニウム什器によってブランドの制作プロセスを表現 ©ISSEY MIYAKE INC. Photo: Masaya Yoshimura, Copist
吉岡徳仁のデザインで完成した、京都市のイッセイミヤケの店舗「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / KYOTO」。町屋内部に配置された一体成型のアルミニウム什器によってブランドの制作プロセスを表現 ©ISSEY MIYAKE INC. Photo: Masaya Yoshimura, Copist
吉岡徳仁のデザインで完成した、京都市のイッセイミヤケの店舗「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / KYOTO」。町屋内部に配置された一体成型のアルミニウム什器によってブランドの制作プロセスを表現 ©ISSEY MIYAKE INC. Photo: Masaya Yoshimura, Copist

吉岡徳仁のデザインで完成した、京都市のイッセイミヤケの店舗「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE / KYOTO」。町屋内部に配置された一体成型のアルミニウム什器によってブランドの制作プロセスを表現することが意図されました。店舗の公式ページはこちら

古都の町屋に誕生する未来的な空間。

A-POCの衣服が生み出されるプロセスをイメージした空間は、特殊な技術で一体成型されたアルミニウムの什器によって構成されている。

テクノロジーと手仕事を融合させるイッセイミヤケのものづくりのように、この空間には歴史と未来のコントラストが表現されている。

デザイナーによるテキストより
グレン・マーカットが、2021年の高松宮殿下記念世界文化賞を受賞

オーストラリアの建築家のグレン・マーカットが、2021年の高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しています。建築部門での受賞です。過去の建築部門の受賞者のリストはこちらに掲載されています。

藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪市の住宅「上本町の家」。機能や採光のグラデーションを実現することで、この住まいの理想の距離感を生み出す
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪市の住宅「上本町の家」。機能や採光のグラデーションを実現することで、この住まいの理想の距離感を生み出す photo©平桂弥(studioREM)
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪市の住宅「上本町の家」。機能や採光のグラデーションを実現することで、この住まいの理想の距離感を生み出す photo©平桂弥(studioREM)
藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪市の住宅「上本町の家」。機能や採光のグラデーションを実現することで、この住まいの理想の距離感を生み出す photo©平桂弥(studioREM)

藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所が設計した、大阪市の住宅「上本町の家」です。機能や採光のグラデーションを実現することで、この住まいの理想の距離感を生み出すことが意図されました。

大阪の都市部で、間口が狭く奥に長い敷地に建つ住宅。

建築家によるテキストより

建築主は共働きのご夫婦で、家で仕事をすることも多いとのこと。
仕事をしているときは、家族との距離はとりつつも、繋がりがある状況にはしておきたいという希望であった。
部屋を仕切るか?一体にしてつなぐか?その間はないか?そういった検討を幾つかしていった中で、空間の機能や採光のグラデーションを実現することが、この住まいの理想の距離感を実現できそうだと考えた。

建築家によるテキストより

2階の共有スペースは、リビング、キッチン、ダイニング、ワークスペース、和室を壁で区切りつつ、壁の中央に中から外まで、見通しの利く開口部を設けた。そうすることで、お互いの気配や向こうにある広がりを感じながら、閉じつつも繋がる空間構成となっている。家族それぞれが過ごす場所と関係性の組み合わせで、同じ空間でも使い方が変化するので、一旦設計としては使い方を想定しているが、都度居心地の良い空間を探しながら、過ごしてもらえればと考えている。

建築家によるテキストより
田邊渉 / WATARU TANABE STUDIOによる、静岡・伊東市のカフェ・ギャラリー「ETHICUS theleema」。空間内のオブジェクトからその時々に機能を見出し利用することで、限られた面積の中に機能の変更ができる可変性のある空間を構想
田邊渉 / WATARU TANABE STUDIOによる、静岡・伊東市のカフェ・ギャラリー「ETHICUS theleema」。空間内のオブジェクトからその時々に機能を見出し利用することで、限られた面積の中に機能の変更ができる可変性のある空間を構想 photo©牧口英樹
田邊渉 / WATARU TANABE STUDIOによる、静岡・伊東市のカフェ・ギャラリー「ETHICUS theleema」。空間内のオブジェクトからその時々に機能を見出し利用することで、限られた面積の中に機能の変更ができる可変性のある空間を構想 photo©牧口英樹
田邊渉 / WATARU TANABE STUDIOによる、静岡・伊東市のカフェ・ギャラリー「ETHICUS theleema」。空間内のオブジェクトからその時々に機能を見出し利用することで、限られた面積の中に機能の変更ができる可変性のある空間を構想 photo©牧口英樹

田邊渉 / WATARU TANABE STUDIOが設計した、静岡・伊東市のカフェ・ギャラリー「ETHICUS theleema」です。空間内のオブジェクトからその時々に機能を見出し利用することで、限られた面積の中に機能の変更ができる可変性のある空間が構想されました。店舗の場所はこちら

〈ETHICUS theleema〉は静岡県・伊豆高原の別荘地にあるカフェの改修計画である。

クライアントから別荘地に住む人が集う場所としてのカフェと、地元の陶芸家や工芸作家が展示を行えるギャラリー機能をもった空間を設計してほしいという要望があった。

建築家によるテキストより

テナントの面積は約50㎡。
2つの機能を満たすには十分な面積ではないため、空間の中でそれぞれを分けて計画するのではなく、カフェとギャラリーの機能が1つの空間に混ざり合うようなシームレスな空間とし、必要に応じて機能を変更することができる可変性のある空間を目指した。

建築家によるテキストより

空間の構成はL型の室内の中心に段差を設け、入口エリアと奥のエリアとをゆるやかに分けつつワンルームのホワイトキューブの空間とし、外部の光や景色を取り込む開口を新設、各オブジェクトを等間隔に配置した。
各々のオブジェクトはカフェに必要となるイスやテーブルといった明確な機能をもたない形状や寸法とし、円形台、丸太や自然石、モルタルのボリュームを適所に配置。
開口部から入る光や景色、展示物などをファクターとして時にはカフェの椅子やテーブル、時にはギャラリーの展示什器としてニュートラルに利用できるオブジェクトとして計画した。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 ベネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞した建築家らが率いる「waiwai」が、国内外のプロジェクトに関わる設計スタッフ・マネジメントスタッフを募集中
【ap job更新】 ベネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞した建築家らが率いる「waiwai」が、国内外のプロジェクトに関わる設計スタッフ・マネジメントスタッフを募集中
【ap job更新】 ベネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞した建築家らが率いる「waiwai」が、国内外のプロジェクトに関わる設計スタッフ・マネジメントスタッフを募集中ベネチアビエンナーレ国際建築展 金獅子賞(画像提供:National Pavilion UAE)

ベネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞した建築家らが率いる「waiwai」の、国内外のプロジェクトに関わる設計スタッフ・マネジメントスタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

海外・国内両方のプロジェクトに関わる、設計フルタイムスタッフ、およびプロジェクトマネージャー候補を募集します。

waiwaiは東京とドバイを拠点とする建築設計事務所です。
東京とドバイを拠点としながら、日本国内をはじめ、中東・アジア・アフリカの様々な国や地域において幅広い設計・デザイン業務を手がけています。

本年のベネチア・ビエンナーレ国際建築展では、弊社パートナーがキュレーションしたUAE館が、最高賞である金獅子賞を受賞しました。単なる設計事務所の枠を超えて様々な活動を行っており、国際的に高い評価を得ています。

現在進行中のプロジェクトに、数万㎡規模の美術館・アートギャラリーやホテル、大規模住宅地開発、数千㎡規模のホテル・ヴィラ/別荘・商業施設・福祉施設、その他レストランや保育所、アウトドア施設等々、多種多様なプロジェクトが動いています。
2019年以降、北海道で複数のプロジェクトが動き始めたことをきっかけに、waiwaiニセコ分室を設立しました。
まだまだ若い事務所ですが、比較的大規模な民間の建築プロジェクトが複数同時に動いていることが特徴です。クライアントや協働する関係者も国内外多様な人々と日々関わっており、チームメンバー全員が前線に立ちますので、組織設計では手に入れることのできない経験が得られることと思います。

デザインの面においては、すべてのプロジェクトでそのプロジェクトが真に求めているものを様々な角度から分析し、各プロジェクト専用の、その都度全く異なったデザインを行うことを信条としています。

今年からは、会社規模の一層の発展を目指した組織改編を行っています。中東地域を中心とする海外プロジェクトについても、日本チームとドバイチーム双方で共に携わるようにし、すべてのチームメンバーが、国内外双方のプロジェクトに関わる機会を作っていきます。大きな視点で様々なプロジェクトに共に挑戦してくれる方の応募をお待ちしています。

浦木拓也+浦木建築設計事務所による、三重の二世帯住宅「菰野の家」。敷地に余裕がある郊外で、生活に求められる接道境界面の構成要素を建物の形により解決することで、景観の在り方を考慮
浦木拓也+浦木建築設計事務所による、三重の二世帯住宅「菰野の家」。敷地に余裕がある郊外で、生活に求められる接道境界面の構成要素を建物の形により解決することで、景観の在り方を考慮 photo©朴の木写真室(木村昂貴)
浦木拓也+浦木建築設計事務所による、三重の二世帯住宅「菰野の家」。敷地に余裕がある郊外で、生活に求められる接道境界面の構成要素を建物の形により解決することで、景観の在り方を考慮 photo©朴の木写真室(木村昂貴)
浦木拓也+浦木建築設計事務所による、三重の二世帯住宅「菰野の家」。敷地に余裕がある郊外で、生活に求められる接道境界面の構成要素を建物の形により解決することで、景観の在り方を考慮 photo©朴の木写真室(木村昂貴)

浦木拓也+浦木建築設計事務所が設計した、三重の二世帯住宅「菰野の家」です。敷地に余裕がある郊外で、生活に求められる接道境界面の構成要素を建物の形により解決することで、景観の在り方が考慮されました。

敷地は三重県北部に位置し、西に御在所岳を望む住宅街にある。
祖父母の土地を引き継いだ施主夫婦は、両親との二世帯住宅を希望し、祖父の大切にしていた庭の面影を残すこ と、平屋であること、3台分の駐車スペース(そのうち2台は屋根付き)の確保を要望された。

建築家によるテキストより

敷地に余裕がある郊外の戸建て住宅では、塀や門扉、カーポートが建物から切り離され、それぞれが独立して構成されることが多い。最も建物の表情が豊かに現れるべき接道境界面で設けられるそれら構成要素が、景観を単調且つ煩雑なものにしているとの課題意識があった。郊外の広大な土地にあっても、敷地の接道境界面を定義・整理する機能を、極力建物の形により解決するように考えた。

建築家によるテキストより

まず道路に面する部分は、地面から高さ2mまでをコンクリート壁とし物理的・心理的な塀の代わりとする。2台分の屋根付き駐車スペースは建物と一体とし、玄関までのアプローチ空間を兼ねる。門扉は設けないが、深い軒による半外部空間と、道路寄りに設置したインターフォンにより、玄関までの心理的な距離を作った。建物は、祖父が大切にしていた石庭を囲むようにコの字に配し、一体感を出すために一続きの屋根で覆った。

建築家によるテキストより
乾久美子への、中川エリカと浅子佳英が聞き手を務めたインタビュー「建築家として、生活者として───プログラムとパラダイムの先にあるもの」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信。コロナ過での生活と働き方の変化、建築家を目指した背景、90年代以降の建築家の役割の変化までが語られる
乾久美子への、中川エリカと浅子佳英が聞き手を務めたインタビュー「建築家として、生活者として───プログラムとパラダイムの先にあるもの」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信。コロナ過での生活と働き方の変化、建築家を目指した背景、90年代以降の建築家の役割の変化までが語られる

乾久美子への、中川エリカと浅子佳英によるインタビュー「建築家として、生活者として───プログラムとパラダイムの先にあるもの」の動画が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信されています。コロナ過での生活と働き方の変化建築家を目指した背景90年代以降の建築家の役割の変化までが語られています。公開期間は2021年9月30日(火)まで。【ap・ad】

今回のインタビューでは、コロナ禍となり1年半が経過した今、まずはコロナ禍以降の働き方や生活の変化を改めて振り返りました。

そしてマンション、新興住宅地、農村といった三者それぞれの住体験が建築設計に及ぼした影響について話題が進みました。また「小さな風景」や「ジャイアント・ルーム」と名付けた場所から、公共における中間領域のあり方について考えます。

これからの社会において建築は、合理性・機能性に基づくプログラム型と、何かに従事する集団に対し雛形となる問題とその解決方法を提示するパラダイム型という設計手法がどのように重なり合い、新しい空間を生むのでしょうか。

最後にはLGBTに対応したパブリック・トイレの事例を端緒として、ユーザーの顔も管理者の顔も両方が見えにくいという課題を抱えるパブリック・トイレのこれからについて「メインテナンス」をキーワードに議論しました。

動画内で語られたトピック(アーキテクチャーフォトが動画から抜粋)

コロナ過での生活の振り返り / 住まいの中で働く / 窓のないオフィス空間 / 満員電車での通勤 / 働く人を快適にするのに住まい的な考え方が応用できる / 建築家は働き方が比較的自由 / 現場が止まる / ZOOMでの現場管理 / 主宰者とスタッフ全員が現場に行くのは大変 / 乾さんは夕ご飯前に家に帰るようになった / 空間や暮らし方の発見 / パンを焼く / 過程の中の楽しみを増やす / 走り出した / 場所から離れて仕事を出来る人と場所から離れると仕事ができない人がいる / テレワークができない人がいる問題 / 遠隔治療 / しゃべらなければいけない場をどうデザインするか / オフィス・レジ / 乾さんの住まいの原風景 / フラットルーフの家 / 父方・母方の家での経験 / 乾さんが建築家になろうとした切っ掛け / 週刊新潮のマイプライバシーというコーナー / 間取りを見るのが好き / 末っ子で自分の部屋がない / 中間領域の価値を再評価する / 軒先 / 土間・縁側が今の学生の課題に多い(昔は、カフェ・ギャラリー) / 都市計画の精度の中でどうやってつくっていくか / 90年代のプログラム論 / 図式的なプラン / 2000年代に用途がはっきり決まっていない空間が増える / 2010年代は機能がなくなる / 建築家がプログラムから離れていく / プログラムとプラン、今はどう捉えるか? / 脱法したものに制度が追い付いていく / コーリン・ロウ / プログラム的・パラダイム的なつくり方 / 2000年代以降は美術館とはそもそもどんなものかを考えなければいけない / ものの設計・つくり方の設計 / リサーチと設計 / 公共トイレ / LGBT / 個室が並ぶ / 一番貧しいところでみんな我慢する / 設計事務所ゴンドラの小林純子さん / 女性のトイレをきれいに便利にしてきた歴史 / タイポロジー / どうリサーチしたものを使うのか? / メンテナンス / 保存の創造性 等々

動画内で語られたトピック
小俣裕亮 / new building officeによる、宮城・名取市の港湾地域に建つ「閖上のオフィス」。 震災後に建設された堤防の高さを越える高床式建築とすることで、海を見渡すことを可能とし、再び海辺で過ごすための場所をつくる
小俣裕亮 / new building officeによる、宮城・名取市の港湾地域に建つ「閖上のオフィス」。 震災後に建設された堤防の高さを越える高床式建築とすることで、海を見渡すことを可能とし、再び海辺で過ごすための場所をつくる photo©new building office
小俣裕亮 / new building officeによる、宮城・名取市の港湾地域に建つ「閖上のオフィス」。 震災後に建設された堤防の高さを越える高床式建築とすることで、海を見渡すことを可能とし、再び海辺で過ごすための場所をつくる photo©new building office
小俣裕亮 / new building officeによる、宮城・名取市の港湾地域に建つ「閖上のオフィス」。 震災後に建設された堤防の高さを越える高床式建築とすることで、海を見渡すことを可能とし、再び海辺で過ごすための場所をつくる photo©new building office

小俣裕亮 / new building officeが設計した、宮城・名取市の「閖上のオフィス」です。震災後に建設された堤防の高さを越える高床式建築とすることで、海を見渡すことを可能とし、再び海辺で過ごすための場所をつくる事が意図されました。

港湾地域に建つオフィスの計画である。

敷地は港湾工場団地の一区画であり、震災後に嵩上げされた河川堤防と新造された防潮堤によって二辺を挟まれた三角形の形状をしており、海に向かって突出しているものの地表レベルから海を眺めることはできない。また敷地を構成しているのはここ1万年の間に河川が運んだ砂が堆積してできた地層であり、いわゆる軟弱地盤に該当する。

1万年かけて川が創った地面に、10年前に起こった津波の後に人が造った堤防を超えて、地面よりはるか昔からあった海を見渡せる高さに床を作ること、これが今回の建築の技術であり、時間軸上の配置でもある。同時にその副産物として建物下にピロティ空間が生まれることになった。

建築家によるテキストより

軟弱地盤に高床式の建築を建てるためには、地中に杭を打ち、杭の頭をコンクリート基礎でつなぎ、その上に柱を建てる構法が一般的であり、その際杭をできるだけ少なく、柱と柱の間隔を大きく開け、大きな梁を間に架け渡す方法を、まずは思いつく。
ここでは建築ではなく土木分野で橋梁や桟橋を造ってきた技術を編集して使う。

建築家によるテキストより

堤防という好むと好まざるとに関わらず与えられた環境を取り込みながら、変わりつつある町の風景と変わらない海景の観測点としての橋の下に、再び海辺で過ごすための場所をつくっていく。

建築家によるテキストより
宮川清志 / SESNによる、東京・日本橋の、オフィスビル1棟のリニューアル「リスクモンスター株式会社 日本橋本社」。各フロア毎にテーマを設けると共に、働く人が課題や作業内容に応じ場所を選択し集中が高まる仕組みを構築
宮川清志 / SESNによる、東京・日本橋の、オフィスビル1棟のリニューアル「リスクモンスター株式会社 日本橋本社」。各フロア毎にテーマを設けると共に、働く人が課題や作業内容に応じ場所を選択し集中が高まる仕組みを構築4階。 photo©見学友宙
宮川清志 / SESNによる、東京・日本橋の、オフィスビル1棟のリニューアル「リスクモンスター株式会社 日本橋本社」。各フロア毎にテーマを設けると共に、働く人が課題や作業内容に応じ場所を選択し集中が高まる仕組みを構築6階。 photo©見学友宙
宮川清志 / SESNによる、東京・日本橋の、オフィスビル1棟のリニューアル「リスクモンスター株式会社 日本橋本社」。各フロア毎にテーマを設けると共に、働く人が課題や作業内容に応じ場所を選択し集中が高まる仕組みを構築8階。 photo©見学友宙

宮川清志 / SESNが設計した、東京・日本橋の、オフィスビル1棟のリニューアル「リスクモンスター株式会社 日本橋本社」です。各フロア毎にテーマを設けると共に、働く人が課題や作業内容に応じ場所を選択し集中が高まる仕組みが構築されました。クライアント企業の公式サイトはこちら

中央区日本橋に本社ビルを構える地上9階建てのリスクモンスター株式会社のオフィスリニューアルプロジェクトのデザイン。

建築家によるテキストより

グランドコンセプトを時間=信頼とし、各フロア毎にテーマを設け、フロア毎にどう時間を使いどう過ごすかを機能や役割を明確にし各人の課題や作業内容に応じたフロアや場所の選択と作業に対する集中が可能になる様な仕組みを構築しています。

建築家によるテキストより

2015年の6年前に自社ビルとしてフルスケルトンからビル1棟を設計、デザインさせて頂いた場所であった事、それをまた2020年という様々に変化する流れの中で新たに現代の働き方にフィットさせ、更に先を見通した計画をもったオフィス環境を構築する事ができた。

同時にオフィス環境は生物であり、今後も変容し続け、進化し続ける事が重要である事を再確認した。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/9/6-9/12]
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/9/6-9/12]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/9/6-9/12)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 【ap特別企画】岸和郎インタビュー「今、岸和郎に聞く 建築と人生 ─── 教育・京都・設計というキーワードを通して」(聞き手:後藤連平)
  2. 中村竜治建築設計事務所による、東京・品川区の、多目的な使用も想定された美容室・ギャラリー「MA nature」。物とも空間とも言えない存在感の円形鏡により、サロンを目的空間と無目的空間の間ぐらいとし、他の用途が入り込む余地をつくることを意図
  3. t e c oと小坂森中建築による、千葉・八街市の、高齢者福祉施設と地域交流スペース「なっつらぼ」と論考「健康へ向かう建築の5原則」。個室グリッドを展開しつつ土間広場や高窓などで余白の気積を生むことにより“現代における健康へ向かう建築”を構想
  4. 中本尋之 / FATHOMによる、広島・東広島市の「金光酒造 蔵元販売所」。 隣接の登録有形文化財である酒蔵の水平ラインを意識し踏襲しつつ、一部を隆起させたラインが特徴的な外観
  5. 相坂研介設計アトリエによる、東京・葛飾区の「東立石保育園」。園児たちに“家”、“公園”、“学び舎”として使われる事に加え、災害時に地域の拠り所となる‟砦”の機能を備えた、子どもたちに愛され地域に頼られる園を構想。
  6. 元木大輔 / DDAAによる、東京・港区の、東京ミッドタウン内の店舗「BOUQUET COLORS’ PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE」。くるくると巻いてコンパクトに収納可能なブランド商品の特徴を生かし、巻かれた状態をそのまま見ることができる什器をデザイン
  7. SANAAによる、中国の「深セン海洋博物館」。国際コンペが行われSANAAによる「海の上の雲」をテーマにした提案が選定
  8. デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツによる、アメリカ・ニューヨークの、複合ビル「ザ・ブライアント」。ホテル・集合住宅・店舗が入り、外観にニューヨークのタワーの伝統的な3層構成を踏襲し周辺の歴史的建造物との関連を保持しつつ現代的な解釈を付与
  9. 烏野良子 / 烏野建築設計室による、京都市の住宅「スキップ町家」。市内の鰻の寝床狭小敷地で、街並みへの調和と居住性の為の容量確保の両立を志向
  10. 「中山英之展 ,and then」愛知巡回展の会場が、ヴァーチャルツアーで公開。ギャラリー間の展示と異なり、作品“きのいし”が会場全体にばらまかれたような構成が特徴的
  11. 西沢大良・乾久美子・藤村龍至による、2020年7月に収録された鼎談「ウイルス・都市・住宅──変革の今、建築と人がもつべき想像力」
  12. ファラによる、ポルトガル・ポルトの、住宅「house along a wall」。リビングとその他の空間を波打つような白い面で区切り、床の三角形のテラゾパターンとキッチンカウンター、3枚のドア、円形開口部によって空間を定義
  13. MVRDVらによる、スリランカ・コロンボのオフィスビル「Veranda Offices」。日本大使館も入居する、伝統織物のパターンを参照した外観と未来の生活様式に対応できる将来性と柔軟性をもった建築
  14. 川嶋洋平建築設計事務所による、宮城の店舗「JINS 仙台泉店」。ロードサイド風景に馴染みつつ埋没しない事を意識し、構造計画と雁行するガラス面によって透過と反射がファサードに複雑な表情を生む建築を構想
  15. トラフ建築設計事務所による、東京・清澄白河の、既存倉庫を改修した自転車ブランド“tokyobike”の旗艦店「TOKYOBIKE TOKYO」。複数店舗が入居し、自転車ファンだけでない様々な目的を持った人々を受けいれる“解放された大階段”をもった空間を設計
  16. 烏野良子 / 烏野建築設計室による、滋賀の住宅「湖東の家」
  17. UID前田圭介・原浩二・山澤達義が審査する中国電力主催の建築アワードが、新築住宅部門・リフォーム住宅部門・学生部門の応募作品を募集中。賞金総額は約160万円
  18. アンサンブル・スタジオと藤本壮介が参加して行われたギャラリートーク「How Heavy? How Light?」の動画(日本語字幕付)
  19. ODS / 鬼木孝一郎による、東京都世田谷区の店舗「SHIRO 玉川髙島屋S・C店」
  20. デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツらが設計を進める、スコットランド・エディンバラの音楽と演劇のための施設「ダナード・センター」。都市の軸線を意識しその終着点となり、周辺建物の素材を参照し新古典主義建築の3層構成を取り入れた外観をつくる

デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツらが設計を進める、スコットランド・エディンバラの音楽と演劇のための施設「ダナード・センター」。都市の軸線を意識しその終着点となり、周辺建物の素材を参照し新古典主義建築の3層構成を取り入れた外観をつくる
デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツらが設計を進める、スコットランド・エディンバラの音楽と演劇のための施設「ダナード・センター」。都市の軸線を意識しその終着点となり、周辺建物の素材を参照し新古典主義建築の3層構成を取り入れた外観をつくるセント・アンドリュー・スクエアからの眺め。 image©David Chipperfield Architects
デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツらが設計を進める、スコットランド・エディンバラの音楽と演劇のための施設「ダナード・センター」。都市の軸線を意識しその終着点となり、周辺建物の素材を参照し新古典主義建築の3層構成を取り入れた外観をつくるエルダーストリートから到着方向を見る。 image©David Chipperfield Architects
デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツらが設計を進める、スコットランド・エディンバラの音楽と演劇のための施設「ダナード・センター」。都市の軸線を意識しその終着点となり、周辺建物の素材を参照し新古典主義建築の3層構成を取り入れた外観をつくるレジスター・プレイス方面の西側からフロアカフェを見下ろす。 image©Hayes Davidson

デイヴィッド・チッパーフィールド・アーキテクツレイアッハ・アンド・ホール・アーキテクツ(Reiach and Hall Architects)が設計を進めている、スコットランド・エディンバラの音楽と演劇のための施設「ダナード・センター(Dunard Centre)」です。要求機能性に答えると共に、都市の軸線を意識しその終着点となり、周辺建物の砂岩素材を参照し新古典主義建築の3層構成を取り入れた外観をつくっています。2025年の竣工を予定。

こちらは建築家によるテキストの翻訳

エディンバラは豊かな文化遺産を持つ都市であり、毎年世界最大の舞台芸術フェスティバルが開催されています。ダナード・センターは、スコットランド室内管弦楽団のエジンバラでの拠点となり、アコースティックやアンプを使った様々な音楽パフォーマンスやイベントのための新しいスペースとして、長年にわたってエジンバラに必要とされてきた専用の中規模パフォーマンス会場を提供します。会場には、1,000席のオーディトリアム、カフェ、バー、様々なイベントに対応する多機能スペース、教育普及プログラムなどが設置されます。完成すれば、エディンバラでは100年ぶりとなる、音楽とパフォーミング・アーツのための新しい専用スペースとなります。

新しい会場は、ユネスコの世界遺産に登録されているエディンバラの、ジョージ王朝時代の新市街の東端に位置し、新市街のフォーマルな雰囲気とレジスター・ハウス周辺の小道のより親密な雰囲気が融合する場所にあります。この建物は、セント・アンドリュー・スクエアにあるグレードAに指定されたダンダス・ハウス(1771年)の裏手に位置しており、ダンダス・ハウスとつながっています。セント・アンドリュー・スクエアは、特別なイベントのための正式な入り口として機能します。都市レベルでは、ニュータウンの主要な軸線であるジョージ・ストリートの端に、本来ならば壮大な公共の建物が建つはずだった場所に、ふさわしい終着点を提供することを目指しています。また、比較的目立たない場所にあるため、すぐに都市の状況がわかるようになっています。会場は、いくつかのアプローチルートとエントランス、そして新たに整備されたパブリックスペースを通じて、周辺の異なる地域を結びつけています。

建物の機能は、洗練されたコンパクトで交差する3つのボリュームに分散されています。コンサートホールは中央に位置し、純粋な楕円形をしています。その形状とスケールは、音響上の要求と敷地上の位置によって決定されます。ホールのボリュームは近隣の建物よりも高くなっており、ジョージストリートに沿った東側の軸線方向の眺めを終了させる都市的なジェスチャーとなっており、前景にはダンダスハウスが見えています。重なり合う下層部のボリュームは直交する形で、補助的な機能やパブリックな機能が収められている。これにより、建物の全体的な重さを軽減し、周辺の小道やポケットガーデン、近隣の建物のスケールや形状、雰囲気に合わせて固定することができます。

新会場のファサードは、その秩序と素材感の両方において、ニュータウンの建築に関連しています。他の新古典主義建築に見られるベース、ミドル、トップの表現は、この建物の(ファサードの)マス目の構成に取り入れられており、コンクリートの質感と色調は、ニュータウンに見られる様々な砂岩を参照しています。パブリック・エリアの特徴は、建物の建築様式によって設定されており、その背景にある空間演出を利用することで、会場と様々なアプローチの間に、変化に富んだ一連の相互接続された空間を作り出しています。

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山路哲生建築設計事務所について

隈研吾建築都市設計事務所を経て2015年に設立した山路哲生が主宰する建築設計事務所です。近年開業された渋谷駅スクランブルスクエアや、中国を中心とした海外の大規模な開発に携わってきた一方、住宅やホテルの内装・家具、また小さな屋台の設計など幅広いスケールで設計をしております。徐々に活動規模が広がるこの過渡期に、一緒に計画に参加してくれる仲間を募集しています。

都市部では今注目されるベンチャー企業やディベロッパーとの協業が弊社のひとつの特徴となっています。現在建設中の銀座のオフィスビルでは解体以前から既存の建物を街に開放するアートイベントを開催し、その一連の活動において昨年これからの建築士賞を受賞しています。また、この7月からデザインコードによる新しい設計手法「ASOLIE」を協働開発し、リリースしています。

今まさに大きく変わろうとしている産業構造の中で、建築によって実現されるものも建築が担う枠組みも変わり続けています。建築を軸にまちづくりから家具デザインまでスケールを横断して設計に携わることで業種間における不要な障壁を乗り越え、きめ細やかな社会をつくることを目標としています。達成すべき目的の為に同業、異業種関わらず、様々な業種の方とチームをつくり協働し、既成の設計の枠組みを超えた設計手法を模索しています。

建築士としての経験・技術の習得ができるとともに、幅広い職種の方々と協働することができます。現在代表含めて7名(設計士6名、事務会計1名)の小規模な事務所ですので、実力に応じて早期にプロジェクトリーダーとして担当頂きます。各人の責任も大きいですが与えられる裁量も大きくなります。小規模だからこそ各人の個性を存分に発揮し、その挑戦と成長を共に楽しんでくれる気質・性格の方をお待ちしております。代表の山路は大学講師を兼務しており、人材育成や研究・開発にも力を注いでいます。
またオフィスを数事務所でシェアしているため日常的に10~20名程の設計スタッフが在席しています。普段から他事務所との交流が図れるので、風通しが良く、同年代のスタッフ同士で互いに切磋琢磨できる職場環境にあります。

現在進行中の設計プロジェクト
住宅、オフィスビル、ホテル、市場、商業施設、医療施設、公共施設、地方都市まちづくり、リゾート開発、家具、事業開発コンサルなど

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