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【ap job更新】 東京・上海・シンガポールに会社を設立し各国のプロジェクトを手掛ける「S.D.S. International」が、スタッフ(経験者・新卒等)を募集中
【ap job更新】 東京・上海・シンガポールに会社を設立し各国のプロジェクトを手掛ける「S.D.S. International」が、スタッフ(経験者・新卒等)を募集中
【ap job更新】 東京・上海・シンガポールに会社を設立し各国のプロジェクトを手掛ける「S.D.S. International」が、スタッフ(経験者・新卒等)を募集中Y.J.Y.-Progressive Book Shop/ 中国鄭州

東京・上海・シンガポールに会社を設立し各国のプロジェクトを手掛ける「S.D.S. International」の、スタッフ(経験者・新卒等)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

S.D.S. International Co., Ltd.は国内及び海外のホテル、レストラン、リテール、ショールーム、オフィス等の商業施設のインテリアデザインを行っているデザイン会社です。

代表の新谷典彦は、大学で建築を学び、桑沢デザイン研究所で実務的なデザインを習得したのち、スーパーポテトで32年間(内13年間副社長として)各国のホテル等のプロジェクトのデザインをクリエイティブディレクションして来ました。

令和を機に独立して、東京、上海、シンガポールに会社を設立しアジアを中心に各国のプロジェクトを進めています。
現在、国内ではニセコのホテル1棟全体、中国、韓国、シンガポール等のアジアやオセアニアのプロジェクトが進行中です。

世界が大きく変わってきているこの時代に、新しいライフスタイルのデザインに挑戦したい方。まだ若い会社ですが、東京でデザイン業務の経験を積んで、上海、シンガポール等で働きたい方。コミュニケーション能力が高く積極的にデザインに参加出来るやる気がある方をお待ちしております。

胡実建築設計事務所による、東京の「大屋根の住宅」。技術向上により住宅屋根の存在が目立たなくなる街並みに対し、その技術を逆手に取り屋根自体がメインとなる空間構成をもった、親と子の二つの世帯を内包する建築
胡実建築設計事務所による、東京の「大屋根の住宅」。技術向上により住宅屋根の存在が目立たなくなる街並みに対し、その技術を逆手に取り屋根自体がメインとなる空間構成をもった、親と子の二つの世帯を内包する建築 photo©田中克昌
胡実建築設計事務所による、東京の「大屋根の住宅」。技術向上により住宅屋根の存在が目立たなくなる街並みに対し、その技術を逆手に取り屋根自体がメインとなる空間構成をもった、親と子の二つの世帯を内包する建築 photo©田中克昌
胡実建築設計事務所による、東京の「大屋根の住宅」。技術向上により住宅屋根の存在が目立たなくなる街並みに対し、その技術を逆手に取り屋根自体がメインとなる空間構成をもった、親と子の二つの世帯を内包する建築 photo©田中克昌

胡実建築設計事務所が設計した、東京の「大屋根の住宅」です。技術向上により住宅屋根の存在が目立たなくなる街並みに対し、その技術を逆手に取り屋根自体がメインとなる空間構成をもった、親と子の二つの世帯を内包する建築となっています。

当該敷地は西東京の閑静な住宅街の一角にあり、広めの区画にゆったりと民家が並び、屋根の連なりによる美しい住宅街を形成していた。

しかし防水や断熱の技術の向上により、深い庇を作らなくとも性能のよい家ができるようになり、建て替えが進むにつれて、屋根の存在が目立たなくなってきている。壁面ばかり強調されるようになり、屋根による陰影が少なくなりつつある。

建築家によるテキストより

技術の向上による高い自由度を逆手に取って、屋根による空間構成を試みたのが、今回の住宅である。
屋根自体がメインの空間であり、屋根を変形させることでテラスや屋上を作り、屋根に穴を穿つことでハイサイドライトなどの開口部を作っている。浮遊する、奥行きのある塊状の屋根を作り上げた。

建築家によるテキストより

大屋根の下に住む両親世帯と、大屋根に住む子世帯。 
一つ屋根の下ながらも、程よく独立した上下の空間を作った。

建築家によるテキストより
今津康夫 / ninkipen!による、大阪市の、集合住宅の住戸リノベーション「910」。高層階の窓からも緑が映る環境に、群島状に家具を並べ開口から光・風・街の景色が通り抜ける設計で、閉じた箱を解放し多孔質な暮らしの場へ再生
今津康夫 / ninkipen!による、大阪市の、集合住宅の住戸リノベーション「910」。高層階の窓からも緑が映る環境に、群島状に家具を並べ開口から光・風・街の景色が通り抜ける設計で、閉じた箱を解放し多孔質な暮らしの場へ再生 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪市の、集合住宅の住戸リノベーション「910」。高層階の窓からも緑が映る環境に、群島状に家具を並べ開口から光・風・街の景色が通り抜ける設計で、閉じた箱を解放し多孔質な暮らしの場へ再生 photo©河田弘樹
今津康夫 / ninkipen!による、大阪市の、集合住宅の住戸リノベーション「910」。高層階の窓からも緑が映る環境に、群島状に家具を並べ開口から光・風・街の景色が通り抜ける設計で、閉じた箱を解放し多孔質な暮らしの場へ再生 photo©河田弘樹

今津康夫 / ninkipen!が設計した、大阪市の、集合住宅の住戸リノベーション「910」です。高層階の窓からも緑が映る環境に、群島状に家具を並べ開口から光・風・街の景色が通り抜ける設計で、閉じた箱を解放し多孔質な暮らしの場へ再生する計画です。

大阪市北部に位置するマンションのリノベーションである。

市内有数の高層マンション群は40年の間に木々に覆われて豊かな公園と化し、9階の窓からも自らの庭のように緑が映る。

建築家によるテキストより

できるだけ壁によって部屋を分けず、群島状に並べた家具によってそれぞれの領域を作ることで、光と風、街の景色が南北のバルコニーから通り抜け、高層階でありながら周辺環境の移ろいと同期することを目指した。

建築家によるテキストより

玄関は北に向かって趣味の陶芸とワークスペースを兼ねた通り土間とし、南側リビングの窓には花台を設けると共に床はモザイクタイル貼として、バルコニーを挟んだ内外をグラデーショナルに繋げた。

風呂とトイレ、寝室にも積極的に窓を開け、閉じたコンクリートの箱を解放し、多孔質な暮らしの場へ再生を試みている。

建築家によるテキストより
京智健 / カイトアーキテクツと山口陽登 / YAPによる、愛媛の「伊方町観光交流拠点施設 佐田岬はなはな」。津波対策で護岸がかさ上げされた敷地にて、建物にピロティ・スロープ・ランドスケープを導入し集落と海を接続し直すことで、大自然のスケールと集落のスケールが同居する建築を構想
京智健 / カイトアーキテクツと山口陽登 / YAPによる、愛媛の「伊方町観光交流拠点施設 佐田岬はなはな」。津波対策で護岸がかさ上げされた敷地にて、建物にピロティ・スロープ・ランドスケープを導入し集落と海を接続し直すことで、大自然のスケールと集落のスケールが同居する建築を構想 photo©長谷川健太
京智健 / カイトアーキテクツと山口陽登 / YAPによる、愛媛の「伊方町観光交流拠点施設 佐田岬はなはな」。津波対策で護岸がかさ上げされた敷地にて、建物にピロティ・スロープ・ランドスケープを導入し集落と海を接続し直すことで、大自然のスケールと集落のスケールが同居する建築を構想 photo©長谷川健太
京智健 / カイトアーキテクツと山口陽登 / YAPによる、愛媛の「伊方町観光交流拠点施設 佐田岬はなはな」。津波対策で護岸がかさ上げされた敷地にて、建物にピロティ・スロープ・ランドスケープを導入し集落と海を接続し直すことで、大自然のスケールと集落のスケールが同居する建築を構想 photo©長谷川健太
京智健 / カイトアーキテクツと山口陽登 / YAPによる、愛媛の「伊方町観光交流拠点施設 佐田岬はなはな」。津波対策で護岸がかさ上げされた敷地にて、建物にピロティ・スロープ・ランドスケープを導入し集落と海を接続し直すことで、大自然のスケールと集落のスケールが同居する建築を構想 photo©長谷川健太

京智健 / カイトアーキテクツ山口陽登 / YAPが設計した、愛媛の「伊方町観光交流拠点施設 佐田岬はなはな」です。津波対策で護岸がかさ上げされた敷地にて、建物にピロティ・スロープ・ランドスケープを導入し集落と海を接続し直すことで、大自然のスケールと集落のスケールが同居する建築が構想されました。施設の公式サイトはこちら

愛媛県伊方町、佐田岬半島の先端近くに建つ交流拠点施設の計画である。
公募型プロポーザルを経て、私たちの設計チームの提案が選定された。

敷地は、大分県佐賀関と伊方町三崎を結ぶフェリーターミナルに隣接している。町内で生産・収穫した海の幸や山の幸を、旅行者が気軽に楽しめる直売所や飲食店舗に加え、地域住民が普段から利用できるカフェ、公民館のような機能を持つ多目的スペース、ギャラリーなどが求められた。

建築家によるテキストより

目の前には宇和海の雄大な風景が広がり、背後には三崎の山々と集落が広がっている。この風景は佐田岬半島の海と陸が延々と絡まりながら東西に続く「ひだ」状の独特な地形によって生み出されている。南海トラフ巨大地震などに備える津波対策として護岸のかさ上げ工事が行われ、グランドレベルから宇和海への視界は絶たれ、「自然」と住民の「暮らし」が分断された。

建築家によるテキストより

敷地には既存の建物があったが、広大な敷地の中で点として存在し、隣接するフェリーターミナルとも集落とも、うまく関係をつなぐことができていないように感じた。そのような状況でも敷地を読み取り、宇和海の大自然のスケールと集落のスケールが同居する建築となることを目指した。

建築家によるテキストより
90年代後半から00代前半に起こった建築とデザインのムーブメントを生み出した『BRUTUS』編集長 西田善太への、浅子佳英によるインタビュー動画「『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信。建築界にも多大な影響を与えた雑誌の背景と意図を、そのつくり手が詳細に回顧
90年代後半から00代前半に起こった建築とデザインのムーブメントを生み出した『BRUTUS』編集長 西田善太への、浅子佳英によるインタビュー動画「『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信。建築界にも多大な影響を与えた雑誌の背景と意図を、そのつくり手が詳細に回顧

90年代後半から00代前半に起こった建築とデザインのムーブメントを生み出した『BRUTUS』編集長 西田善太への、浅子佳英によるインタビュー動画「『BRUTUS』と『Casa BRUTUS』が建築にもたらしたもの───専門誌はどこに向かう?」が、LIXILのウェブサイトで期間限定で無料配信。建築界にも多大な影響を与えた雑誌の背景と意図を、そのつくり手であった西田が詳細に回顧しています。公開期間は2021年11月15日(月)~11月29日(月)。【ap・ad】

今回は『BRUTUS』編集長であり、かつて『Casa BRUTUS』副編集長もつとめられていた西田善太氏に、建築と雑誌の関係性についてお聞きしました。
西田氏は、『Casa BRUTUS』では「安藤忠雄×旅」「SORI YANAGI A Designer──日本が誇るプロダクトデザイナー、柳宗理に会いませんか?」「最強・最新! 住宅案内2006」、『BRUTUS』では「居住空間学」「安藤忠雄があなたの家を建ててくれます。」「東京23区に家を建てられますか?」といった特集を企画されました。専門誌の領域であった建築を、カルチャー・ライフスタイル誌ならではの切り口でとりあげた背景や、ウェブ媒体も広く浸透した今、建築をどのように伝えていくかといったテーマについてお話ししていただきました。

動画内で語られたトピック(アーキテクチャーフォトが動画から抜粋)

90年代に建築雑誌がなくなっていく / 建築メディアの弱体化 / 若い人が雑誌を読んでいない / 建築メディアはどうしたらよいか / 一般誌として『カーサ ブルータス』が建築雑誌の世界にのりこんでいった / 『ブルータス』の建築特集は入り口は易しいが中身はコア / ブルータスはどう考えて建築を取り上げてきたのか / 80年代後半から『ブルータス』と安藤忠雄はつながっていた / なぜ一般誌が建築を取り上げるようになったのか / 集合住宅特集が大ヒットする / 90年代代替わりがおきて集合住宅をデザイナーズマンションとしてつくったのでは? / 集合住宅で建築家が有名になれるムーブメントが起きた / 1999年「東京23区に家を建てられますか?」特集が凄く売れた / 2000年に「誰でもわかるル・コルビュジエ」特集が完売した / 2000年「安藤忠雄があなたの家を建ててくれます」特集 / 施主募集企画 / 安藤忠雄が最初に企画に賛同してくれた / 安藤さんへの応募が200件くらいきた / 実際に10数件の家が企画で実現している / 節操のなさが一般誌の特徴 / 建築の世界はネットワークがあるから資料がしっかりしている / ブルータス不動産という連載 / 建築という手つかずの鉱脈を発見 / 一般誌はわくわくさせる方が大事 / 建築界の何に先に載せるか問題 / カーサに先に載ると専門誌に載らない時代があった / 90年代後半イームズ特集がバカ売れする / ミッドセンチュリーモダンブーム / 買い出しだけでひと財産できた時代 / リテラシーが上がる / 建築とファッション特集 / 1999年にコムデギャルソンのファサードをフューチャーシステムズがつくる / 名古屋のルイ・ヴィトン / 表参道が建築家のショーケースになっていく時代 / いらっしゃいませと言われる建築を有名建築家がつくる時代がきた / 「安藤忠雄×旅」特集が3日で売り切れる / 安藤忠雄のヨーロッパ出張についていき7都市を回る  / 柳宗理と作った特集「SORI YANAGI A DESIGNER」 / アートや建築のコンテンツはいかにして豊富になったか / 西田善太が考える建築のおもしろさ / 実際に行くのが大事 / 昔は見ることが出来なかったから写真が大事だった / 建築誌が衰退とは思わない / 今の学生は建築雑誌があった時代を知らない / 今は日本のインテリアの方が海外より面白い / 『カーサ ブルータス』の方向性が変わったのはなぜか? / 建築がみんなの知識の一部になった / 読者の建築に対するリテラシーが高まった / 一般誌ならではの建築の見せ方とは / 建てられるとなった時に建築のデータが輝いて見えるようになる / 分かりやすくす®のではなく本気にさせる / 建築には紙媒体にしかできない編集がある / ネットと紙媒体の関係はどうなっていくのか? / 編集という仕事は、ここを見るんだと伝えられること / VRで建築がわかるというのと、建築家の考えを分からせるのは違う / 専門誌を紙で見ないから劣化しているというのはおこがましい / 1995年と比べて2020年に書店数は半分に / 大きな書店は動線をジグザグにして滞留時間を稼ぐ / 娯楽の質が変わったことを嘆いてもしょうがない / 雑誌は良い意味で不要不急 / なくてもいいけど面白いものがある 等々

動画内で語られたトピック
ヘルツォーグ&ド・ムーロン、TFPファレルズ、アラップによる、中国・香港の美術館「M+」。アジア初の世界的な視覚文化のミュージアムで、ファサードに大型スクリーンを備えた記念碑的な外観と、埋め立て地だからこそ生まれた巨大な地下展示空間を含む33のギャラリーをもつ建築
ヘルツォーグ&ド・ムーロン、TFPファレルズ、アラップによる、中国・香港の美術館「M+」。アジア初の世界的な視覚文化のミュージアムで、ファサードに大型スクリーンを備えた記念碑的な外観と、埋め立て地だからこそ生まれた巨大な地下展示空間を含む33のギャラリーをもつ建築 M+, Hong Kong Photo: Virgile Simon Bertrand ©Virgile Simon Bertrand Courtesy of Herzog & de Meuron
ヘルツォーグ&ド・ムーロン、TFPファレルズ、アラップによる、中国・香港の美術館「M+」。アジア初の世界的な視覚文化のミュージアムで、ファサードに大型スクリーンを備えた記念碑的な外観と、埋め立て地だからこそ生まれた巨大な地下展示空間を含む33のギャラリーをもつ建築 M+, Hong Kong Photo: Kevin Mak ©Kevin Mak Courtesy of Herzog & de Meuron
ヘルツォーグ&ド・ムーロン、TFPファレルズ、アラップによる、中国・香港の美術館「M+」。アジア初の世界的な視覚文化のミュージアムで、ファサードに大型スクリーンを備えた記念碑的な外観と、埋め立て地だからこそ生まれた巨大な地下展示空間を含む33のギャラリーをもつ建築 M+, Hong Kong Photo: Edman Choy Courtesy of Herzog & de Meuron
ヘルツォーグ&ド・ムーロン、TFPファレルズ、アラップによる、中国・香港の美術館「M+」。アジア初の世界的な視覚文化のミュージアムで、ファサードに大型スクリーンを備えた記念碑的な外観と、埋め立て地だからこそ生まれた巨大な地下展示空間を含む33のギャラリーをもつ建築 The Main Hall, M+, Hong Kong Photo: Kevin Mak ©Kevin Mak Courtesy of Herzog & de Meuron
ヘルツォーグ&ド・ムーロン、TFPファレルズ、アラップによる、中国・香港の美術館「M+」。アジア初の世界的な視覚文化のミュージアムで、ファサードに大型スクリーンを備えた記念碑的な外観と、埋め立て地だからこそ生まれた巨大な地下展示空間を含む33のギャラリーをもつ建築 Installation view of Individuals, Networks, Expressions in South Galleries Photo: Kevin Mak ©Kevin Mak Courtesy of M+, Hong Kong

ヘルツォーグ&ド・ムーロンTFPファレルズ(ローカルパートナー)、アラップ(エンジニアリングコンサルタント)が設計した、中国・香港の美術館「M+」。アジア初の世界的な視覚文化のミュージアムで、ファサードに大型スクリーンを備えた記念碑的な外観と、埋め立て地だからこそ生まれた巨大な地下展示空間を含む33のギャラリーをもつ建築となっています。本記事では写真とテキストに加え約15分の美術館をガイドする動画も掲載します。

こちらはリリーステキストを抜粋して翻訳したものです

香港のM+が2021年11月12日(金)に一般公開。アジア初の世界的な視覚文化のミュージアム

(2021年11月11日、香港)香港の西九龍文化区にあるアジア初の世界的な現代視覚文化ミュージアム「M+」は、2021年11月12日(金)に一般公開され、3日間の週末には誰もが楽しめる祝賀プログラムが用意されています。

オープニング・ディスプレイでは、香港、大中華圏、アジアをはじめとする世界各国のビジュアル・アート、デザイン、建築、動画など、M+の傑出したコレクションを紹介します。これらの展示では、33のギャラリーと館内のその他のスペースにある約1,500点の作品が紹介されます。

新しいギャラリーのオープニングを飾る6つの展覧会では、M+が2012年から構築してきたコレクションの中心にある、包括的な学際的、地域的なテーマや物語をご紹介します。

─ 香港:Here and Beyond(G/F、メインホールギャラリー):「Here」、「Identities」、「Places」、「Beyond」の4つの章で構成され、1960年代から現在までの香港の変貌とユニークな視覚文化を表現しています。

─ M+ Sigg Collection: M+ Sigg Collection: From Revolution to Globalisation(レベル2、シグギャラリー):M+ Siggコレクションから1970年代から2000年代までの中国現代美術の発展を年代順に紹介しています。

─ Things, Spaces, Interactions(レベル2、イーストギャラリー):過去70年間の国際的なデザインと建築をテーマ別、年代別に紹介し、今日の生活との関連性を探る。

─ Individuals, Networks, Expressions(レベル2、南ギャラリー):アジアの視点から語られる戦後の国際的なビジュアルアートの物語です。

─ アントニー・ゴームリー「Asian Field」(レベル2、ウェストギャラリー):世界的に有名なイギリス人彫刻家が、2003年に広東省の村の300人の村人たちと5日間かけて制作した数万個の土偶の大規模なインスタレーション。

─ The Dream of the Museum(レベル2、コートヤードギャラリー):M+のアジアにおけるユニークなコンテクストの中心となる、コンセプチュアル・アートの世界的な作品群です。

また、メインホールでは、台湾を代表する書道家、トン・ヤン・ツォー(Tong Yang-Tze)の作品を展示しています。また、M+の地下にある大規模な作品展示スペース「ファウンド・スペース」では、ダイナミックなインスタレーションの第一弾として、アーティストのチェン・ジェン(Chen Zhen)とダン・ヴォ(Danh Vo)の作品が展示されます。ヘグ・ヤン(Haegue Yang)による新しいM+ コミッションでは、高さの異なる天井から吊るされた長い金属製のベルの組紐が特徴的です。M+のファサードには、コレクションのハイライトビデオと、ヴァンサン・ブロケール(Vincent Broquaire)による10部構成のアニメーション「How to Build a Museum」が特集されています。

世界的に有名な建築事務所であるヘルツォーグ&ド・ムーロンのグローバルチームが、TFPファレルズとアラップと共同で設計した65,000㎡のM+ビルは、香港で最も象徴的なランドマークの一つであり、その建築形態は記念碑的であると同時に、都市景観の中でのそのポジションは根本的に開放的です。ビクトリア・ハーバーのウォーターフロントに位置するこの建築物は、印象的なテラコッタ・タイルで覆われたタワーで構成されており、南側のファサードにはM+のコンテンツを表示するためのダイナミックなLEDメディアシステムが設置されています。

M+のミュージアム・ディレクターであるスハンニャ・ラフェル(Suhanya Raffel)は言います。
「M+のビジョンは、視覚文化を通して、共感、尊敬、複数の視点、創造性を促進する学びのコミュニティを構築し、すべての観客が恩恵を受けられるようにすることです。M+は、創造的な学習体験を提供するオープンで快適なプラットフォームを提供することで、人、物、空間を結びつける活発な文化を創造することに専念しています。この美術館が、市の住民や海外からの訪問者にインスピレーションを与えることを願っています。」

M+の副館長兼チーフ・キュレーターであるドリュン・チョン(Doryun Chong)は言います。
「M+の建設は、そのコレクションから美術館そのものに至るまで、約10年にわたる投資と専門知識の集大成であり、香港というユニークなコンテクストを起点としたグローバルな視点から、地理的・年代的に構成された多次元的な物語を話す現代の美術館を創造するためのものです。M+のようなミュージアムは、世界でも他にありません。」

二俣公一 / ケース・リアルによる、福岡市の店舗「ARTS&SCIENCE 福岡」。店を構えるエリアの象徴として捉えた前川建築のタイル壁を参照し、施主の思想とこの環境である意味が交差する空間を構想
二俣公一 / ケース・リアルによる、福岡市の店舗「ARTS&SCIENCE 福岡」。店を構えるエリアの象徴として捉えた前川建築のタイル壁を参照し、施主の思想とこの環境である意味が交差する空間を構想 photo©水崎浩志
二俣公一 / ケース・リアルによる、福岡市の店舗「ARTS&SCIENCE 福岡」。店を構えるエリアの象徴として捉えた前川建築のタイル壁を参照し、施主の思想とこの環境である意味が交差する空間を構想 photo©水崎浩志
二俣公一 / ケース・リアルによる、福岡市の店舗「ARTS&SCIENCE 福岡」。店を構えるエリアの象徴として捉えた前川建築のタイル壁を参照し、施主の思想とこの環境である意味が交差する空間を構想 photo©水崎浩志

二俣公一 / ケース・リアルが設計した、福岡市の店舗「ARTS&SCIENCE 福岡」です。店を構えるエリアの象徴として捉えた前川建築のタイル壁を参照し、施主の思想とこの環境である意味が交差する空間を構想しました。店舗の公式サイトはこちら

アーツ&サイエンスが福岡に新たに構えるストアの計画。
クライアントは「上質な日常」をコンセプトに、服などの身につけるものから職人によって作られた工芸品・プロダクトなど、商品を丁寧に吟味し、長く使ってもらえる良いものを追い求めながら店づくりを行なってきた。

建築家によるテキストより

計画地となったのは、福岡の中心部にある大濠公園よりほど近い、閑静な住宅エリアの一角である。大濠公園は都市公園として古くから市民に親しまれており、私たちは今回の店舗を考えるにあたって、クライアントが大切にしてきたものづくりや店づくりの思想と、この環境であることの意味とが交差するような空間が良いと考えた。

建築家によるテキストより

そしてモチーフに選定したのが、公園内にある「福岡市美術館」の外壁を彩る赤茶色のタイルである。建築家の故前川國男氏が用いたそのタイルは、焼物としての質感と艶やかな釉薬が美しく、普段からエリアを象徴する素材のようにも感じていた。そしてその工芸的な美しさは、アーツ&サイエンスの考え方とも相性が良いと考えた。

店舗が入ることになったのは、美術館と同じく1970年代に建てられた角地のアパートメント1階である。空間の中央に大きな躯体壁があり、これをどのように扱うかが課題となった。私たちはまず、この中央の駆体壁を中心に店内を周回できるプランを考えた。そして前述のタイルの質感だけでなく、貼り方も含めてこれを再現。美術館にも使用されている、四半目地と呼ばれるタイルを45度傾けた貼り方を用い、駆体壁全面に貼り込んで店舗の象徴的な表現とした。

建築家によるテキストより
【登録締切 間近】音楽家の蓮沼執太・藤原徹平・中山英之が審査する、日本ペイント主催の国際学生コンペ「AYDA2021」が開催。最優秀賞はアジア学生サミットへの招待と賞金30万円が贈呈。テーマは“音色、空間、運動”
【登録締切 間近】音楽家の蓮沼執太・藤原徹平・中山英之が審査する、日本ペイント主催の国際学生コンペ「AYDA2021」が開催。最優秀賞はアジア学生サミットへの招待と賞金30万円が贈呈。テーマは“音色、空間、運動”

音楽家の蓮沼執太・藤原徹平・中山英之が審査する、日本ペイント主催の国際学生コンペAYDA2021が開催。最優秀賞受賞者には、アジア学生サミットへの招待(旅費滞在費含む)、日本地区審査員とのインターンシップツアーへの招待、賞金30万円が贈呈されます。登録締切は2021年11月22日(月)提出期限は2021年11月25日(木)。【ap・ad】

テーマ:音色、空間、運動

ある時通信会社の技師が出会った、どんなにアンテナを調整しても消せないホワイトノイズのような電波。それは、実は膨張し続ける宇宙空間のなかで極限まで波長が引き伸ばされた、ビッグバンの残光でした。私たちはずっと、宇宙誕生の残響を浴びながら生活していたなんて、驚きますよね。

波としての光や音と、それらの多様な重なり合いとしての環境。たとえばそんな視点で都市の雑踏のある瞬間を切り取ってみると、あらゆるものが楽器のような振動体に見えてくるかもしれないし、それらが奏でる交響曲のような音色が響いているかもしれません。

その時わたしたちがデザインや設計と呼ぶ行為もまた、ある時間、ある環境を切り取る方法であるかもしれないし、空間を満たす振動に働きかけ、導く道具のようなものになるのかもしれません。

あなたなりの視点で建築やランドスケープやインテリアを「音色、空間、運動」の場所として再定義し、新しい魅力的な環境をデザインしてください。新しい視点を持った提案を期待します。

募集概要は以下からどうぞ。

Buttondesign / 村上譲・菊田康平による、東京・港区の、集合住宅最上階の住戸改修「北青山のリノベーション」。ガラス面が多く斜線制限から削り出された形状の空間に、壁面としての4枚の大きな障子を設計することで、日差し除けとインテリアの景観づくりを両立
Buttondesign / 村上譲・菊田康平による、東京・港区の、集合住宅最上階の住戸改修「北青山のリノベーション」。ガラス面が多く斜線制限から削り出された形状の空間に、壁面としての4枚の大きな障子を設計することで、日差し除けとインテリアの景観づくりを両立 photo©淺川敏
Buttondesign / 村上譲・菊田康平による、東京・港区の、集合住宅最上階の住戸改修「北青山のリノベーション」。ガラス面が多く斜線制限から削り出された形状の空間に、壁面としての4枚の大きな障子を設計することで、日差し除けとインテリアの景観づくりを両立 photo©淺川敏
Buttondesign / 村上譲・菊田康平による、東京・港区の、集合住宅最上階の住戸改修「北青山のリノベーション」。ガラス面が多く斜線制限から削り出された形状の空間に、壁面としての4枚の大きな障子を設計することで、日差し除けとインテリアの景観づくりを両立 photo©淺川敏

Buttondesign / 村上譲・菊田康平が設計した、東京・港区の、集合住宅最上階の住戸改修「北青山のリノベーション」です。ガラス面が多く斜線制限から削り出された形状の空間に、壁面としての4枚の大きな障子を設計することで、日差し除けとインテリアの景観づくりを両立しました。

夫婦二人が暮らすマンションの一室の改修。

建築家によるテキストより

この部屋は最上階且つ南東面が全面ガラス窓となっている為、夏の日差しの強さと温度上昇は耐え難いものがあった。
また、都心に位置するマンションの最上階であるが故、厳しい斜線制限から削り出されたような形状をしており、その形状がそのまま屋内に現れている。さらには、異なる3種類の窓が連続する南側の壁面は大きな曲線を描いた壁となっており整理し切れない程に複雑な状況を作り出していた。

建築家によるテキストより

そこでこの状況に対して敢えて細々とした微調整を積み重ねることはせず、日差し除けとインテリアの景観づくりとして4枚の大きな障子を壁面の曲線に合わせて可動するように設計をした。玄関から室内へ続く大きな障子は光の壁としてインテリアに調和を生み、夜は行燈の内側にいるような包まれる感覚の落ち着きを感じられる。

建築家によるテキストより
建築コレクティブGROUPによる、磯崎新の処女作を改修したアートスペースでの建築展「手入れ/Repair」のレポート。床の改修工程を再考し“戯曲”の公演を加えることで、直線的な施工プロセスを改変し、その時限りの多様な空間を立ち上げる
建築コレクティブGROUPによる、磯崎新の処女作を改修したアートスペースでの建築展「手入れ/Repair」のレポート。床の改修工程を再考し“戯曲”の公演を加えることで、直線的な施工プロセスを改変し、その時限りの多様な空間を立ち上げるWHITEHOUSEの外観。写真中の庇等はGROUPによるデザイン。 photo©architecturephoto
建築コレクティブGROUPによる、磯崎新の処女作を改修したアートスペースでの建築展「手入れ/Repair」のレポート。床の改修工程を再考し“戯曲”の公演を加えることで、直線的な施工プロセスを改変し、その時限りの多様な空間を立ち上げる13日の展示の様子。床板が立てかけられ求心的な空間となっていた。 photo©architecturephoto
建築コレクティブGROUPによる、磯崎新の処女作を改修したアートスペースでの建築展「手入れ/Repair」のレポート。床の改修工程を再考し“戯曲”の公演を加えることで、直線的な施工プロセスを改変し、その時限りの多様な空間を立ち上げる会場を見下ろす。 photo©architecturephoto

建築コレクティブGROUPによる、磯崎新の処女作を改修したアートスペースでの建築展「手入れ/Repair」をレポートします。床の改修工程を再考し“戯曲”の公演を加えることで、直線的な施工プロセスを改変し、その時限りの多様な空間を立ち上げる建築展となっています。会場は、東京都新宿区のWhitehouseです。会期は2021年11月21日までですが、会員制のため非会員の公開日は20日(土)となっています(詳細は末尾に記載)。

こちらは、アーキテクチャーフォトによるレポート

建築コレクティブGROUPによる建築展「手入れ/Repair」が、東京都新宿区のアートスペース「WHITEHOUSE」で行われている。

ご存知の方も多いと思うが、このWHITEHOUSEは、建築家の磯崎新が約60年前に、そのキャリアの最初に手掛けた建築であり、美術家・吉村益信の住居件アトリエとして建設された。その後、この建築の所有者は幾度も変わり増改築されたのち、2021年に会員制アートスペース「WHITEHOUSE」として新たに使われ始め現在に至る。

そして、GROUPは、この建築が2021年にWHITEHOUSEとして生まれ変わるにあたり、建物と塀の間の幅1.5mほどの細長い外部空間を、バー・カフェ・アートスペースのための庭として改修を手掛けた(この改修は「新宿ホワイトハウスの庭」という作品名で発表されている)。このように、今回展示を行っているGROUPはWHITEHOUSEに関わりをもった建築家である。

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建築コレクティブGROUPによる、磯崎新の処女作を改修したアートスペースでの建築展「手入れ/Repair」のレポート。床の改修工程を再考し“戯曲”の公演を加えることで、直線的な施工プロセスを改変し、その時限りの多様な空間を立ち上げるWHITEHOUSEの外観。写真中の庇等はGROUPによるデザイン。 photo©architecturephoto

本展「手入れ/Repair」は、このWHITEHOUSEの1階部分の床の改修過程を公開する建築展である。しかし、もちろん、ただそれだけの展示ではない。

今回の展覧会の始まりは、このアートスペースの床に不具合が出たことに始まる。60年以上使い続けられた床であるので改修が必要な時期が来たというわけだ。そして、この修繕がGROUPに依頼された。相談を受けたGROUPは、自身の手で改修作業を行い、同時にそれを公開するという建築展を行うに至った。この建築はアートスペースであるから、その修繕の過程を“展覧会”として公開するのは自然なことだったのだと想像できる。

最も注目を集めたトピックス [期間:2021/11/8-11/14]
最も注目を集めたトピックス [期間:2021/11/8-11/14]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2021/11/8-11/14)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 白井晟一が1959年に完成させた世田谷の住宅「アトリエNo.7(旧増田夫妻のアトリエ)」をレポート。白井の孫で建築家の白井原太の修復・改修によって、原形を保ったまま現代の居住性も獲得した建築は、新しい住まい手を待つ
  2. Buttondesign / 村上譲・菊田康平による、東京・北千住の、旧街道に建つ築80年の古民家を改修・増築した飲食店「板垣・辻・場」。“街の風景を残したい”と物件を取得したオーナーの決断に応え、分離発注で地元職人の協力によって進められた、“街と人との結びつきの復興”をも目指す建築
  3. 妹島和世による、2021年の東京大学入学式での祝辞の全文
  4. 中村拓志&NAP建築設計事務所の客室監修、大林組の全体改修設計、全日本コンサルタントの構造改修設計による、京都市の「佳水園 ウェスティン都ホテル京都」。村野藤吾設計の名作を、村野数寄の精神に立ち返り設計することで、“未来につながる数寄屋建築”を目指す
  5. 【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・前編「空間のクオリティを実現する、ニュアンスを持ったグレー塗装」
  6. 藤原慎太郎+室喜夫 / 藤原・室 建築設計事務所による、大阪の住宅「阿倍野の家」。2つの道路に挟まれた敷地において、建物内部に両者を結ぶ“路地空間”をつくることで、外からの視線を抑えながら各部屋が外部とつながるような開放感を生み出す
  7. 吉田豊建築設計事務所による、広島市の「己斐中の家」。市街地を囲む山裾のひな壇状造成地の不定形な敷地に、平面形状と断面の操作により豊かな内部空間と眺望をもつ、“崖の上にすっと力強く立つ塔のような建築”を構想
  8. 藤本壮介建築設計事務所が進めている、岐阜の「飛騨高山大学(仮称)本校キャンパス」。飛騨の街と地勢を参照し、“その先”へと開かれた場所というコンセプトを、中央に開かれた丘の配置によって構想したキャンパス計画
  9. 大野友資 / DOMINO ARCHITECTSによる、東京・浅草の、クリエイティブスタジオのオフィス兼ギャラリー「nomena I」。施主が組み替え可能な空間の柔軟性の要求に、既存壁にアルミフレームを流し必要に応じ後から部材を取り付け可能にすることで、自発的なカスタマイズを促す
  10. 玉井洋一によるによる連載コラム “建築 みる・よむ・とく” 第2回「道と2階をつなぐ窓」
  11. ファラによる、進行中のプロジェクトのドローイングと現場写真を組み合わせた「”ongoing”, by fala」。“視覚的な実験”と位置付け、10のプロジェクトのドローイングと現場写真の組み合わせで構成され、篠原一男の言葉を引用して説明
  12. 東京藝大青木淳研究室による「テンポラリーなリノベーションとしての展覧会②『鳥は泳ぎつづける』」が開催。常に工事が行われる渋谷のビル1階を会場に、展覧会の行為と時間に注目し問い直すことで、空間を変容させると共に都市空間へもアプローチ
  13. 川嶋洋平建築設計事務所による、福岡市の店舗「RIM.ARK_fukuoka」。通路からの洋服の見え方を検討し、トラス的な“吊りラック”を角度を振り設置することで、洋服の正面を望めると共に店舗に複雑なシークエンスを生む
  14. MVRDVによる、オランダ・ロッテルダムでの建築展「MVRDVHNI: The Living Archive」の会場写真。ファームの30年の歴史を“human” “green” “dream”の視点で表し、1993年に設立されたデジタル生まれの企業として、デジタルアーカイブを探索できるソフトウエアも開発
  15. 西下太一建築設計室による、愛媛・松山市の、設計者の自邸「星岡の家」。向かい合う川と山を背景に、建築主体ではなく風景としての美しさを理想とした、多様な時間軸の中で豊かに変容していく建築を構想
  16. 【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第5回 青木淳 インタビュー・後編「色彩の変わり続ける意味合いと面白さ」
  17. 石上純也のチームが「徳島文化芸術ホール(仮称)」設計プロポで、優先交渉権者に選定。技術提案書や公開プレゼンテーションの動画も公開
  18. 【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】 第5回 青木淳 インタビュー・前編「場所の記憶を表現した“水の柱”」
  19. 若林秀典建築設計事務所による、滋賀・米原市の、伊吹山の麓に建つ「米原の家Ⅱ」。冬の寒さ厳しい豪雪地域に、夏は開放的で冬は寒さから守られた住環境を、南北の対比的な開口部の設計で実現
  20. ザハ・ハディドの展覧会「ZAHA HADID DESIGN 展」が、東京・港区のKarimoku Commons Tokyoで開催。ザハのデザイン作品に注目し過去のアーカイブから紹介すると共に、建築モデルも紹介される

【ap job更新】 持続可能な森林を作ることを目指すスタートアップ「株式会社 森未来」が、設計者からの相談に応える“木材コーディネーター”を募集中
【ap job更新】 持続可能な森林を作ることを目指すスタートアップ「株式会社 森未来」が、設計者からの相談に応える“木材コーディネーター”を募集中
【ap job更新】 持続可能な森林を作ることを目指すスタートアップ「株式会社 森未来」が、設計者からの相談に応える“木材コーディネーター”を募集中”森の未来”をつくる会社、森未来(シンミライ)

持続可能な森林を作ることを目指すスタートアップ「株式会社 森未来」の、設計者からの相談に応える“木材コーディネーター”募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

▼森未来について
森未来(シンミライ)は「Sustainable Forest」をミッションに掲げ、持続可能な森林を作ることを目指す、創業6年目のスタートアップです。

先代が残してくれた森林を、持続可能な状態にして次の世代へ繋いでくことを使命に、以下の事業を行っています。
◯日本全国の林業・木材事業者と設計士をつなぐ木材プラットフォーム「eTREE」(https://www.etree.jp/
◯木材サンプルを無料で即日発送「eTREE DASH」(https://dash.etree.jp/
◯木材コーディネート
◯在庫木材買取事業
◯森林認証コンサルティング etc…

▼事業を行う背景
日本は国土の70%が森林で覆われており、先進国でも第3位を誇る森林大国。しかし、木材自給率は約40%、その多くを海外輸入に頼っている現状です。

なぜ、国内多くの森林があるのにも関わらず、自給率がこんなにも低いのか。その原因の一つに、木材流通の不透明性が挙げられます。

従来の木材流通は、買い手である設計者から見ると、木材の在庫や価格が不透明で、どこに問い合わせしたらよいか、適正な価格はいくらなのかがわからない状況でした。

それもそのはず、木材は各地域に点在する「原木市場」や「木材市場」を通らなければ流通させることができず、それらの流通経路が閉鎖的なため、木材業界以外にその情報は開かれていないのです。

その結果、木材は「情報が手に入らず、使いづらい素材」としてどんどん選ばれなくなり、供給過多に。
国内の林業/木材業は衰退を余儀なくされ、補助金がなければ立ち行かない産業となってしまいました。このままでは、植林も満足に進まず、次の世代へと森林を引き継ぐことができません。

そこで、私たちは全国各地の木材事業者様とのネットワークを生かして、木材の品質や価格の情報を集約したWebサービスの運営、設計士に向けた木材の提案などの事業を行うことにより、木材の魅力を発信。利用を普及させ、最終的には林業に利益を還元し、持続可能な森林を実現することを目指しています。

【ap job更新】 住宅や別荘の設計を中心に手掛ける「廣部剛司建築研究所」が、設計スタッフを募集
【ap job更新】 住宅や別荘の設計を中心に手掛ける「廣部剛司建築研究所」が、設計スタッフを募集
【ap job更新】 住宅や別荘の設計を中心に手掛ける「廣部剛司建築研究所」が、設計スタッフを募集『PHASE DANCE』

「廣部剛司建築研究所」の、設計スタッフ募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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廣部剛司建築研究所では、住宅・別荘設計を中心に、事業系ビル、商業空間なども手掛けています。

近作の『PHASE DANCE』(掲載:GA HOUSES 165、新建築 住宅特集 2019.9)では、敷地にもともとあった一本の樹木との関係で、それを取り囲むようにプランニングをしています。それを1つのきっかけとして設計を進めながら考えていたことは、樹木との関係だけではなく、それによって生まれる連続的な空間が<人のスケールに近い>ことでした。

大切に考えているのは、建築を人が手で触れるところから大きなスケールまで、シームレスに考えていくということです。その結果<人に寄り添うような>建築のありかたができるのだろうと思っています。

少人数事務所なので、手掛けてきた建築に共感してもらえる人と一緒に、建築を、そしてプロセスを楽しみながら、より美しい空間にしていくための設計活動を共にしていければと思っています。

事務所は多摩川に近い二子新地駅の近くにあります。

橋を渡れば二子玉川ですが、二子新地駅周辺は宿場町から発展した歴史あるエリアで、少しのんびりとした空気が流れています。
アトリエでは、ランチタイムミーティングを兼ねて、お昼を食べながらリラックスした空気で話すことも大切にしています。そのなかから意外なアイディアが生まれることもあるからです。

川嶋洋平建築設計事務所による、福岡市の店舗「RIM.ARK_fukuoka」。通路からの洋服の見え方を検討し、トラス的な“吊りラック”を角度を振り設置することで、洋服の正面を望めると共に店舗に複雑なシークエンスを生む
川嶋洋平建築設計事務所による、福岡市の店舗「RIM.ARK_fukuoka」。通路からの洋服の見え方を検討し、トラス的な“吊りラック”を角度を振り設置することで、洋服の正面を望めると共に店舗に複雑なシークエンスを生む photo©OMOTE Nobutada
川嶋洋平建築設計事務所による、福岡市の店舗「RIM.ARK_fukuoka」。通路からの洋服の見え方を検討し、トラス的な“吊りラック”を角度を振り設置することで、洋服の正面を望めると共に店舗に複雑なシークエンスを生む photo©OMOTE Nobutada
川嶋洋平建築設計事務所による、福岡市の店舗「RIM.ARK_fukuoka」。通路からの洋服の見え方を検討し、トラス的な“吊りラック”を角度を振り設置することで、洋服の正面を望めると共に店舗に複雑なシークエンスを生む photo©OMOTE Nobutada

川嶋洋平建築設計事務所による、福岡市の店舗「RIM.ARK_fukuoka」。通路からの洋服の見え方を検討し、トラス的な“吊りラック”を角度を振り設置することで、洋服の正面を望めると共に店舗に複雑なシークエンスを生みだす事が意図されました。店舗の公式サイトはこちら

あるファッションビルの1区画に位置するアパレルブランドの内装の計画です。広さは60m2程度で共用通路に沿った細長い形が特徴的な区画でした。

建築家によるテキストより

まず特徴的な細長い店舗区画に沿った共用通路からの洋服の見え方を検討しました。
ハンガーラックを通路と平行に設置するとハンガーラックに洋服が吊られた際に洋服の側面しか見えない状況になってしまいます。間口が広く細長い店舗でそのような単調な構成になるのを避けるため、ハンガーラックごとに設置角度を振って洋服の正面を望めるような吊られ方になるように計画しました。

建築家によるテキストより

シンプルな整形の店舗に別の角度のルールを持ち込むことで、洋服の見え方の解決と、シンプルな店舗構成に複雑なシークエンスが生まれます。

建築家によるテキストより
吉田豊建築設計事務所による、広島市の「己斐中の家」。市街地を囲む山裾のひな壇状造成地の不定形な敷地に、平面形状と断面の操作により豊かな内部空間と眺望をもつ、“崖の上にすっと力強く立つ塔のような建築”を構想
吉田豊建築設計事務所による、広島市の「己斐中の家」。市街地を囲む山裾のひな壇状造成地の不定形な敷地に、平面形状と断面の操作により豊かな内部空間と眺望をもつ、“崖の上にすっと力強く立つ塔のような建築”を構想 photo©坂下智広
吉田豊建築設計事務所による、広島市の「己斐中の家」。市街地を囲む山裾のひな壇状造成地の不定形な敷地に、平面形状と断面の操作により豊かな内部空間と眺望をもつ、“崖の上にすっと力強く立つ塔のような建築”を構想 photo©坂下智広
吉田豊建築設計事務所による、広島市の「己斐中の家」。市街地を囲む山裾のひな壇状造成地の不定形な敷地に、平面形状と断面の操作により豊かな内部空間と眺望をもつ、“崖の上にすっと力強く立つ塔のような建築”を構想 photo©坂下智広

吉田豊建築設計事務所が設計した、広島市の「己斐中の家」です。市街地を囲む山裾のひな壇状造成地の不定形な敷地に、平面形状と断面の操作により豊かな内部空間と眺望をもつ、“崖の上にすっと力強く立つ塔のような建築”を構想しました。

広島市街地を囲む山裾に点在するひな壇状の造成地の1つ、その端部に位置する敷地は、崖に面して3段の高低差をもち、不定形な平面形状であること、またその狭さのため、長らく駐車場として利用されていた。

この敷地に目を留めたクライアントは、眼下に広がる景色を臨む豊かな住まいを求めた。

建築家によるテキストより

最初に敷地訪れたときに、崖の上にすっと力強く立つ塔のような建築を強くイメージした。

車2台分の駐車スペースを確保しながら、道路レベルで重層する整形な平面形状を模索した。長方形に三角形を組み合わせた構成は、特異な敷地形状に対し、最大限に有効なフットプリントを求めたためである。

建築家によるテキストより

3層構成のうち、2階に主たる生活の場を、最上階に寝室、水廻りを配置した。
そして1・2階の長方形平面部には、天井の構造材を格子状に露しとし、外へと向かう方向性を与え、景色を切り取るような開口部を設けた。一方、三角形平面の空間は、フラットな天井として、生活を包み込むようなスリット状の小さな開口部を採用した。
これらの単純な組合せと、その間に挿入した階段と、異なる天井高さを与えることで、小さな住まいに空間の濃淡を生み出している。

建築家によるテキストより
【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・前編「空間のクオリティを実現する、ニュアンスを持ったグレー塗装」
【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・前編「空間のクオリティを実現する、ニュアンスを持ったグレー塗装」

本記事は学生国際コンペ「AYDA2021」を主催する「日本ペイント」と建築ウェブメディア「architecturephoto®」のコラボレーションによる特別連載企画です。今年の「AYDA」日本地区のテーマは「音色、空間、運動」。このテーマにちなみ、現在活躍中の建築家に作例を交えながら色彩と空間の関係について語ってもらうインタビューを行いました。昨年、全4回にわたり公開された色彩に関するエッセイに続き、本年は建築家の青木淳と芦沢啓治の色彩に関する思考に迫ります。作品を発表する度に新鮮な驚きを与えてくれる二人。その色彩に関する眼差しを読者と共有したいと思います。


第6回・前編では、芦沢啓治が改修設計を手掛け2021年2月にオープンした「Karimoku Commons Tokyo」を題材に、ご自身の設計手法や色彩についての考え方を語ります。「Karimoku Commons Tokyo」は築37年の鉄骨造ビルをフルリノベーションした家具メーカー・カリモクのショールーム&ギャラリー。その室内は、塗装仕上げの内壁によって主役である展示物を魅力的に見せ、なおかつ心地よい緊張感をもたらす上質な空間となっています。はたして、いかなるプロセスで壁面の色を決めたのか。また、空間のデザインにおいて何を重視しているのか。建築設計やインテリアデザインを志す方々には必読の内容となっています。

※このインタビューは感染症予防の対策に配慮しながら実施・収録されました。


空間全体のハーモニー

【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・前編「空間のクオリティを実現する、ニュアンスを持ったグレー塗装」建築家の芦沢啓治。 photo©︎渡部立也

――塗装といえば白を選ぶ建築家が多いと思うのですが、芦沢さんは幅広いグレー系統の色を場所ごとに巧みに使い分けている印象があります。なかでも2021年2月にオープンした「Karimoku Commons Tokyo(以下、Karimoku)」の内壁は、3フロアともグレー系統でありながら各階ごとに微妙に色を変えているのが印象的でした。フロアごとの色の違いはどのように決められたのでしょうか。

芦沢:まずフロアごとに床面を覆う素材が違い、さらに外光の入り方が異なるため、素材感や色味を微妙にコントロールする必要がありました。たとえば1階の床はコンクリート、2階はフローリング、3階はコンクリートとフローリングの両方を使っています。

その上で、2階は壁と天井をほぼ同じ色で塗り込んで全体的な空間として見せることを意図しました。それに対して3階は天井を少し暗めにして記憶に残らないような操作をしています。

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【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・前編「空間のクオリティを実現する、ニュアンスを持ったグレー塗装」「Karimoku Commons Tokyo」(設計:芦沢啓治建築設計事務所、2020年)1階ギャラリー・イベントスペース、2020年2月オープン時の展示。床の既存コンクリートスラブや背後の木製収納、多目的な空間用途を考慮して、壁にはややトーンの落ちたグレーが塗られている。 photo©︎Daici Ano
【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・前編「空間のクオリティを実現する、ニュアンスを持ったグレー塗装」2階展示スペース。空間全体の一体感を求めて、壁と天井はほぼ同じやわらかで明るめのグレーを塗っている。 photo©Tomoyuki Kusunose
【シリーズ・色彩にまつわる設計手法】第6回 芦沢啓治 インタビュー・前編「空間のクオリティを実現する、ニュアンスを持ったグレー塗装」3階展示スペース。天井は目立たないよう暗い色に。壁の塗装は、天井より明るめながら床のコンクリートにあわせて2階より落ち着いたトーンのグレーを塗っている。 photo©Daici Ano

――実際に足を運んで、空間の絶妙な色合いが、置かれている家具と見事に調和していることに驚きました。色が決まるまで相当な試行錯誤があると聞きましたが。

芦沢:材料や照明、色は、建築の質を最終的に決める大事なところですから、毎回トライ&エラーの連続で、「これ!」という判断がなかなかつきにくい。今でもストレスです。

たとえば色は午前中のできるだけ色味の偏りが少ない光で見て判断します。照明も、空間の雰囲気にどれが映えてくるのかを気にしながら、現場で決めることが多々あります。

――実際どのような判断基準で「これ!」と決めるのでしょうか。

芦沢:まず重要なのは、空間の中に家具を全部並べた時にハーモニーを奏でていることです。だから壁は、家具と真逆の色にはしません。

――3階の窓際で床が高い部分は壁が塗装ではなくモルタルの掻き落としになっています。それはどのような判断で決められたのでしょう。

芦沢:その部分は外光がさんさんと入り、まるでバルコニーのようだったので、外部的なイメージで1階ファサードに使った掻き落としを持ち込みました。左官材も色をコントロールできるので、天井の色に合わせてモルタルに少しだけ黒を混ぜています。

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