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広島の「県営引野住宅4号館ほか5棟建替その他工事」設計プロポで、村田相互・UID設計共同体が特定者に。提案書も公開

広島の「県営引野住宅4号館ほか5棟建替その他工事」設計プロポーザルで、村田相互UID設計共同体が特定者に選ばれています。提案書も併せて公開されています。

技術提案書

令和2年10月4日(日)に行われた県営引野住宅4号館ほか5棟建替その他工事に伴う基本設計及び1期実施設計委託の公募型建築プロポーザルに係るプレゼンテーション・ヒアリング及び審査部会において特定者及び次点者を次のとおり決定しました。

五十嵐太郎による連載・反東京としての地方建築を歩く の12回目「前川國男のまち、弘前」

五十嵐太郎による連載・反東京としての地方建築を歩く の12回目「前川國男のまち、弘前」が公開されています。

【ap job更新】 田井勝馬が主宰する「Tai and Associates」が、横浜オフィスの設計スタッフ(正社員・アルバイト)を募集中
【ap job更新】 田井勝馬が主宰する「Tai and Associates」が、横浜オフィスの設計スタッフ(正社員・アルバイト)を募集中
【ap job更新】 田井勝馬が主宰する「Tai and Associates」が、横浜オフィスの設計スタッフ(正社員・アルバイト)を募集中

田井勝馬が主宰する「Tai and Associates」の、横浜オフィスの設計スタッフ(正社員・アルバイト)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

Tai and Associates がスタッフを募集します。

Tai and Associates 株式会社田井勝馬建築設計工房 は2001年の創業から20年を迎えます。
これまで住宅建築を中心に実績を重ねて参りましたが、急速に変化する社会環境の中、私たちの暮らしは目まぐるしい変化を続けており、建築業界もまた同様です。

それに応じて、建築家のあり方も当然ながら変化します。
建築家が建築家として在り続けたいと望むならば、世界の変化に呼応できる柔軟さを持ちながら、未来の建築家像を自ら模索し構築していく姿勢が必要と考えます。

私たちが建築だと思っていたものが、明日建築ではなくなるかもしれません。
あるいは、私たちが建築ではないと思っていたものが、明日は建築であるかもしれません。

Tai and Associates は他分野の知見を積極的に取り入れ、また不動産、ファイナンス、メディア、プロダクトデザイン等々、他業種のプレイヤーを積極的にチームに加えています。
自ら変化していく企業であり続けることが、建築の可能性を拡げ、進化発展させる力になると私たちは信じています。

幸いなことに多くの建て主様にご賛同いただき、ご依頼いただく件数も増加を続けており、事業規模が拡大しているため、スタッフを新卒・既卒および実務経験者、またパート・アルバイトも含み広範に募集します。
弊社建築設計への想いに賛同していただける意欲ある方の参画を待望しております。
ぜひ、ご応募ください。

■ 進行中のプロジェクトについて
住宅、別荘・セカンドハウス、集合住宅、商業施設、医療施設など多数
リゾート開発案件(沖縄・南房総・軽井沢など)

■ 建築事例について
弊社ウェブサイトをご参照ください
https://www.tai-archi.co.jp/

中村竜治建築設計事務所による、東京の3つのスペースでの展覧会の空間デザイン「Form #1:FormSWISS展会場構成」
中村竜治建築設計事務所による、東京の3つのスペースでの展覧会の空間デザイン「Form #1:FormSWISS展会場構成」 photo©中村竜治
中村竜治建築設計事務所による、東京の3つのスペースでの展覧会の空間デザイン「Form #1:FormSWISS展会場構成」 photo©中村竜治
中村竜治建築設計事務所による、東京の3つのスペースでの展覧会の空間デザイン「Form #1:FormSWISS展会場構成」 photo©中村竜治

中村竜治建築設計事務所が設計した、東京の3つのスペースでの展覧会の空間デザイン「Form #1:FormSWISS展会場構成」です。渋谷区と目黒区の合計3つのスペースで2020年11月3日(火)まで展示が行われています(詳細情報は末尾に掲載します)。展覧会の公式サイトはこちら

スイスのビジュアルコミュニケーションを展示する展覧会の会場構成です。

仕事中、図面や写真の配置や構図などを考えるとき、出力したものを床に並べて見ることがあります。机や壁より広い背景を確保でき、遠くから眺めることもできると同時に、手軽に並べ替えながら向きや順番をあれこれ考えることもできるからです。

今そうしている人がどれだけいるか分かりませんが、この展覧会を企画した丸山新さんが実際に現地を訪れ取材したスイス人デザイナー達の仕事や仕事場の風景を見ていると、今でもきっとそうしているに違いないと思えるほど、物や実空間と向き合っているように思えました。

作品を展示するというよりは、そんな感覚を伝えられる空間になればと考えました。
また、3つある会場はどれも多目的な空間で、純粋な壁がわりと少なく、物理的にも床の方が利用に適していたこともあり、自然と床を使う思考へと向かいました。お互いに離れていて広さや形も異なる会場に空間的な繋がりを持たせるために、ありふれた存在で形や大きさが一定であるコンクリートブロックを空間の素材に利用しました。

床の上に展示物とブロックが置かれ、人はブロックの上を歩きながら展示物を見ます。
おそらくデザイナー達がその物を検討していた時と同じような感覚で、展示物を感じることができるのではないかと思います。また、会場ごとに異なるブロックの配置は、もともとの空間の使い勝手から少しずつずれていくので、二重に(入れ子というよりはぶれている感じ)空間があるように感じさせます。
展示物はその間にあり、どちらからも距離を保っているように感じる会場構成になっています。

建築家によるテキストより
長坂常 / スキーマ建築計画による、展覧会「まかない家具展」の会場写真とレポート。建築現場で見られるディテールとスキーマの創造性が融合した不思議な感覚のプロダクトを展示
長坂常 / スキーマ建築計画による、展覧会「まかない家具展」の会場写真とレポート。建築現場で見られるディテールとスキーマの創造性が融合した不思議な感覚のプロダクトを展示 photo©architecturephoto
長坂常 / スキーマ建築計画による、展覧会「まかない家具展」の会場写真とレポート。建築現場で見られるディテールとスキーマの創造性が融合した不思議な感覚のプロダクトを展示スタイロを加工した椅子。周辺部に熱を与えることでディテールが変わり、スタイロと話思えない質感になっている。 photo©architecturephoto
長坂常 / スキーマ建築計画による、展覧会「まかない家具展」の会場写真とレポート。建築現場で見られるディテールとスキーマの創造性が融合した不思議な感覚のプロダクトを展示見慣れた合板が使用されているが、現代アートも想起させる。 photo©architecturephoto

長坂常 / スキーマ建築計画による、展覧会「まかない家具展/長坂 常」の会場写真とレポートです。会場は、東京・千駄ヶ谷のスキーマ事務所の1階です。会期は、2020年10月26日・27日・28日・29日・30日・11月2日・11月3日の7日間の開催(※土日休廊)。時間は13:00-18:00。観覧料は無料。

※会期に2020年11月3日(祝)が追加されました

建築設計に携わるものなら、誰しもが現場で目にしている、施工者たちによる簡易的な家具たち。この展覧会では、そこに着目し素材やディテールを現場を訪問し観察・収集、それらを参照した上で長坂常 / スキーマ建築計画ならではの創造性が加えられたプロダクトが9つ展示されている。実際にそれらを目にすると、現場での記憶が呼び起され懐かしさを覚えるのであるが、同時に、その組み合わせの絶妙さや、完成度の高さに、何か現代美術の作品でもあるような感覚をも覚える。そのような不思議な感覚のプロダクトがこの展覧会では提示されている。

更に、その制作性や実用性も考慮されており、専門家でなくとも短時間で完成させられるというような隠れたルールをもってデザインされたのだという。確かに制作の観点で見てみると自分でも作ることが出来そうというような感覚も覚える。それが、このプロダクト群に、更に何か親しみやすさの感覚を与えているようにも感じられた。

長坂はこれらのプロダクトが、展示に値するものになるのかを、会期数日前まで悩みながら考え続けていたのだという。実際にこれらのプロダクトを目にすると、感想をひと言で表せない色々な感情が湧き上がってくる。既存の価値観を踏襲するのではなく常に新しい価値観を提示し続けてきた長坂のスタンスが、これらの小さいプロダクトにも込められていることがよく分かる。

“まかない家具”とは

大工などが現場の工事中に必要になる家具を、あり合わせの材料で手間をかけずに作るモノがある。
よく知られているところとして相欠(あいがき)で作られたベニヤの作業台や道具置き場などがある。
いずれも人に見せるために作られていない。あくまで、機能的で必要最低限な加工で作られ、とても素っ気ない。
ただ、その素っ気なさが最近やけに気になっている。
それはどの国の現場に行ってもある。そして、その「手間」の捉え方、ルール、そこにある材料が変わるので当然各々の国でそのあらわれ方は異なる。
国内においても気にしていなかったわけではないが、見慣れているせいか整理しようなどと思わなかったものの、最近海外でお仕事させていただく機会が多くなり、事情の違う現場で生まれたそれを見てその魅力に取り憑かれ、ちょくちょく写真を撮り集めるようになってきた。
そして、我々はそれらを総称し「まかない家具」と名付けた。
本展示はその恣意性のない「まかない家具」に、作意満々の建築家であり、デザイナーである我々が挑んだ結果というかその考察の過程を見ていただく展示である。
もはや「まかない家具」ではなく、そこから抽出した要素をデザインと捉え、我々として形に落としたギリギリ家具と言えるものだ。
そして、この「まかない家具展」は #まかない家具 というハッシュタグを介してその概念を皆で共有し、その魅力を広く堀りさげるきっかけになればと思っています。

リリーステキストより
宮川清志 / SESNによる、東京・世田谷区の、集合住宅の住戸「Residence #502」
宮川清志 / SESNによる、東京・世田谷区の、集合住宅の住戸「Residence #502」 photo©見学友宙
宮川清志 / SESNによる、東京・世田谷区の、集合住宅の住戸「Residence #502」 photo©見学友宙
宮川清志 / SESNによる、東京・世田谷区の、集合住宅の住戸「Residence #502」 photo©見学友宙

宮川清志 / SESNが設計した、東京・世田谷区の、集合住宅の住戸「Residence #502」です。

東京都世田谷区にあるプライベートレジデンス。
生き方に形が無いように、住まい方にも形の無い不変的な居心地や豊かさ、その時々に寄り添える存在にしたいと考えた。

具体的には新旧の対比や空間の気積、ディテールの集積、素材や色彩の多様、様々な質感などが本来なら部分と全体の関係性や環境によって決まって来るであろう部分に対し、途方も無い質量の集積、意味ある構築を繰り返しながら、そのどれもに意味を持たせない領域まで全てが溶け出し継目なくシームレスな状態になる所で留めた。

不変さとはどの時代においても意味合いを変化させながら在り続ける事であると考え、その状態が本来の住まうという事に相応しいと考えたからである。

デザイナーによるテキストより
空間構想による、東京・丸の内の、期間限定店舗「獺祭バー」
空間構想による、東京・丸の内の、期間限定店舗「獺祭バー」 photo©木内和美
空間構想による、東京・丸の内の、期間限定店舗「獺祭バー」 photo©木内和美

空間構想が設計した、東京・丸の内の、期間限定店舗「獺祭バー」です。2020年10月1日から約1年半の期間限定オープンとのこと。場所は新丸の内ビル7F。店舗の公式ページはこちら

箱が人の活動を決めるのではなく、人のあり方が箱としての空間の性質を定義するような、逆のアプローチを試みました。

どうやら、旭酒造は、獺祭というお酒を通して、人と人とが結びつく状況をつくろうとしています。そのことに気づいた時に、この「獺祭バー」のコンセプトが固まりました。
ここは、人が主役の空間です。

建築家によるテキストより
山路哲生建築設計事務所の建築設計による、東京・新宿区の、築40年の宿泊施設のリノベーション「THE KNOT HOTEL SHINJUKU」
山路哲生建築設計事務所の建築設計による、東京・新宿区の、築40年の宿泊施設のリノベーション「THE KNOT HOTEL SHINJUKU」 photo©永井杏奈
山路哲生建築設計事務所の建築設計による、東京・新宿区の、築40年の宿泊施設のリノベーション「THE KNOT HOTEL SHINJUKU」 photo©永井杏奈
山路哲生建築設計事務所の建築設計による、東京・新宿区の、築40年の宿泊施設のリノベーション「THE KNOT HOTEL SHINJUKU」 photo©永井杏奈

山路哲生建築設計事務所建築設計による、東京・新宿区の、築40年の宿泊施設のリノベーション「THE KNOT HOTEL SHINJUKU」です。また、1階レストラン・ベーカリーの設計は、Y.K.D.が、2階レストランの設計はDESIGN STUDIO GLAMが手掛けています。施設の公式サイトはこちら

東京・西新宿の新宿中央公園に面している、築40年のホテルのリノベーション。
改修以前からホテルとしての稼働率は高く、海外からの観光客も多く訪れるものの、利用は宿泊目的というその1点のみで、都市とのつながりが築かれておらず、敷地の持つ魅力も引き出せていないように感じられた。

そこで、使用されていないホテルの屋上部分や外部空間を積極的に緑化して、隣接する公園と視覚的につながりをもたせた。また、ロビーの吹き抜け空間を活用し、レストラン、バー、ラウンジ、ロビーの各機能が、1Fと2Fとあわせて立体的につながるように配置した。

建築家によるテキストより

また、既存の素材はできるだけ利用することで、40年間刻まれた時間を再構成した。
吹き抜けにあるレンガ調の床のタイルは既設のものであり、カッターを入れてカーペット状に残すことでより印象的に引き算した。またその上に浮かぶ象徴的な照明も既設のものであり、ただ、その数と配置を変更した。どの視点からも重ならないように立体的に再配置することで、改修前には気付かれることがなかった魅力と存在感を引き出している。

建築家によるテキストより
内藤廣が「島根県芸術文化センター グラントワ」について語る動画が公開。内藤の設計で2005年竣工の建築

内藤廣が「島根県芸術文化センター グラントワ」について語る動画が公開されています。グラントワ自身の企画で5回の動画が公開されます。内藤の設計で2005年に竣工した建築です。こちらのページで写真を見ることができます。2020年10月1日時点で二つの動画が公開されています。

※2020年10月22日に第五回目の動画が追加されました
※2020年10月14日に第四回目の動画が追加されました
※2020年10月7日に第三回目の動画が追加されました

2020年10月、開館15年を迎えるグラントワの建築の魅力を、グラントワで働くスタッフと設計者の内藤廣さんとの対話により、全5回の動画でご紹介します。

企画 島根県芸術文化センター「グラントワ」(島根県立石見美術館、島根県立いわみ芸術劇場)
撮影・編集 株式会社 益田工房
音楽 相川 瞳
協力 内藤廣建築設計事務所

第二回目の動画。

第三回目の動画。

第四回目の動画。

第五回目の動画

長坂常 / スキーマ建築計画による、展覧会「まかない家具展/長坂 常」が開催。東京・千駄ヶ谷のスキーマの事務所1階が会場

長坂常 / スキーマ建築計画による、展覧会「まかない家具展/長坂 常」が開催。東京・千駄ヶ谷のスキーマの事務所1階が会場

日程
長坂常 / スキーマ建築計画による、展覧会「まかない家具展/長坂 常」が開催。東京・千駄ヶ谷のスキーマの事務所1階が会場「まかない家具」が生まれるきっかけとなった、様々な場所の風景。

長坂常 / スキーマ建築計画による、展覧会「まかない家具展/長坂 常」が開催されます。東京・千駄ヶ谷のスキーマの事務所1階が会場となっているのも注目です。会期は、2020年10月26日・27日・28日・29日・30日・11月2日・11月3日の7日間の開催(※土日休廊)。時間は13:00-18:00。観覧料:無料です。また2020年10月23日には長坂常・福元成武・高本貴志・芦沢啓治・門脇耕三が参加するオンライン座談会も行われます。

※会期に2020年11月3日が追加されました

“まかない家具”とは

大工などが現場の工事中に必要になる家具を、あり合わせの材料で手間をかけずに作るモノがある。
よく知られているところとして相欠(あいがき)で作られたベニヤの作業台や道具置き場などがある。
いずれも人に見せるために作られていない。あくまで、機能的で必要最低限な加工で作られ、とても素っ気ない。
ただ、その素っ気なさが最近やけに気になっている。
それはどの国の現場に行ってもある。そして、その「手間」の捉え方、ルール、そこにある材料が変わるので当然各々の国でそのあらわれ方は異なる。
国内においても気にしていなかったわけではないが、見慣れているせいか整理しようなどと思わなかったものの、最近海外でお仕事させていただく機会が多くなり、事情の違う現場で生まれたそれを見てその魅力に取り憑かれ、ちょくちょく写真を撮り集めるようになってきた。
そして、我々はそれらを総称し「まかない家具」と名付けた。
本展示はその恣意性のない「まかない家具」に、作意満々の建築家であり、デザイナーである我々が挑んだ結果というかその考察の過程を見ていただく展示である。
もはや「まかない家具」ではなく、そこから抽出した要素をデザインと捉え、我々として形に落としたギリギリ家具と言えるものだ。
そして、この「まかない家具展」は #まかない家具 というハッシュタグを介してその概念を皆で共有し、その魅力を広く堀りさげるきっかけになればと思っています。

リリーステキストより

以下、展覧会とイベントの情報です。

坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、山口・下松市のカーディーラー「CAROLLA YAMAGUCHI NOZOMICHO」
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、山口・下松市のカーディーラー「CAROLLA YAMAGUCHI NOZOMICHO」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、山口・下松市のカーディーラー「CAROLLA YAMAGUCHI NOZOMICHO」 photo©Takumi Ota Photography
坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所による、山口・下松市のカーディーラー「CAROLLA YAMAGUCHI NOZOMICHO」 photo©Takumi Ota Photography

坂野由典 / 坂野由典建築設計事務所が設計した、山口・下松市のカーディーラー「CAROLLA YAMAGUCHI NOZOMICHO」です。店舗の公式サイトはこちら

山口県下松市望町に計画したカーディーラーである。
この地域は古くから工場地帯として栄え、明治に起源をもつ周南コンビナートが有名だ。瀬戸内海の穏やかな、海と山の景色と、周南コンビナートをはじめとする工場地帯がミックスされた風景は、長い時を経て、地域の風景として親しまれている。新しくつくるカーディーラーを、そのような地域の風景につながるようにしたいと思い、あえて工場を想起させるような建物を考えた。

外観だけでなく、内観も工場と同じつくり方を目指し、大スパンのトラス梁で内部に柱を落とさず、空調などの設備もむき出しにした。一方、スロープの手摺や壁の一部に不燃処理した杉材を使用しているため、工場のような素気なさを残しつつも、全体としては柔らかい雰囲気の空間となっている。

建築家によるテキストより

この建物ではミニコンサートや地域の交流会などのイベントが開かれ、家族連れからご高齢の方まで、さまざまな近隣住民の方たちが訪れ、図書館のように自由にくつろげる施設として、あるいは、コミュニケーションセンターのように活用していただいている。今後も地域の人々から、この建物のデザインコンセプトでもある、“みんなのファクトリー”として親しんでいただけたらと願っている。

建築家によるテキストより
“建築と今” / no.0002「乾久美子」

「建築と今」は、2003年のはじまりから、常に建築の「今」に注目し続けてきたメディアarchitecturephoto®が考案したプロジェクトです。様々な分野の建築関係者の皆さんに、3つの「今」考えていることを伺いご紹介していきます。それは同時代を生きる我々にとって貴重な学びになるのは勿論、アーカイブされていく内容は歴史となりその時代性や社会性をも映す貴重な資料にもなるはずです。

“建築と今” / no.0002「乾久美子」

乾久美子(いぬい くみこ)
1969年大阪府生まれ。1992年東京藝術大学美術学部建築科卒業、1996年イエール大学大学院建築学部修了。1996~2000年青木淳建築計画事務所勤務を経て、2000年乾久美子建築設計事務所を設立。2000〜2001年東京藝術大学美術学部建築科常勤助手、2011〜2016年東京藝術大学美術学部建築科准教授。2016年より横浜国立大学都市イノベーション学府・研究室 建築都市デザインコース(Y-GSA) 教授。
主な作品に「フラワーショップH」、「共愛学園前橋国際大学4号館Kyoai Commons」、「七ヶ浜中学校」、「釜石市立唐丹小学校・釜石市立唐丹中学校・釜石市児童館」、「延岡駅周辺整備プロジェクト 延岡市駅前複合施設 エンクロス」など。
URL:http://www.inuiuni.com/


今、手掛けている「仕事」を通して考えていることを教えてください。

山梨県で福祉施設に関わっています。地域で、数十年、知的障害者の方々の支援を行ってきた社会福祉法人が、廃校になった小学校校舎をグループホームとして使い直すというものです。校舎を改修することと、そこからはみ出してしまった部屋を受け入れる小屋を木造で建てることをしています。

以前から自閉症や知的障害者の支援施設に関わってきていますが、障害者支援施設の建築としての面白さは、まちづくりに大きく関わっていることです。

今、関わっている社会福祉法人・名水会のプロジェクトでは、利用者の方々の活動のバラエティを広げたり、ニーズを掘り起こしたりしていく中で、周辺の耕作放棄地を借りて農業を始めたり、廃校になった校舎を使い直したり、空き家をグループホームにしたりと、人口減少によって使われなくなったものを次々とみつけてきては、活動の領域へと組み入れていきます。

その動きが実に自由な感じで良いし、また、なにかバクテリアのように、無用と思われたものを内側から変質させて、豊かな土壌へと作り変えているようなところがあって、彼らがいて活動することでまちがよくなっていくような側面があるのです。とても面白いです。

建築デザインが、そのバクテリアのような活動をどこまでサポートできるのかということに興味をもちながら関わっています。

富永大毅+藤間弥恵 / TATTAによる、岐阜・恵那市の住宅「ドーマー窓の家」
富永大毅+藤間弥恵 / TATTAによる、岐阜・恵那市の住宅「ドーマー窓の家」 photo©太田拓実
富永大毅+藤間弥恵 / TATTAによる、岐阜・恵那市の住宅「ドーマー窓の家」 photo©太田拓実
富永大毅+藤間弥恵 / TATTAによる、岐阜・恵那市の住宅「ドーマー窓の家」 photo©太田拓実

富永大毅+藤間弥恵 / TATTAによる、岐阜・恵那市の住宅「ドーマー窓の家」です。

明治時代から代々住み継いできた住宅を建て替えるプロジェクトである。すでに子どもたちは独立している、老夫婦のための小さな住宅をつくった。

敷地は、大正時代の建物が多く残る町で、古くからの街道沿いにある。
江戸時代以降、宿場町として商店が軒を連ねていたが、ここ最近は店を畳んでしまって駐車場をつくり建物を町並みから遠ざけてしまったところも増えているが、往時の景観にならい、軒を南側の街道に対して張り出し、その下を駐車場とした。

南からの採光を最大限に得るため、屋根には、大きなドーマー窓を設けている。おかげで家の中は奥まで陽が差し込み明るく、これにより、寝室は街道側、落ち着いた雰囲気のリビングが奥という、通常の住宅とは反転した平面計画となっている。

木曽ヒノキで支えられたドーマー窓を設けて生まれた空間には床を張り、屋根裏部屋のようにした。正月や盆休みには、帰省した子供たちの寝室として使われている。
(富永大毅)

建築家によるテキストより
ギゴン&ゴヤーのアネット・ギゴンが、2020年10月に行ったレクチャーの動画

ギゴン&ゴヤーのアネット・ギゴンが、2020年10月19日に行ったレクチャーの動画です。ベルギー・ブリュッセルのCentre for Fine Artsの主催で行われたものです。

Annette Gigon and Mike Guyer founded Gigon/Guyer in Zürich in 1989 and launched their career with a flying start when they won the competition to design the Kirchner Museum in Davos. Since then, their architecture practice has forged an international reputation, notably thanks to a dozen museum projects and a series of designs for residential and office buildings. Today, Gigon and Guyer are both lecturers at the EPF in Zürich. Their work has received a number of prestigious awards, including the International Fellowship of the Royal Institute of British Architects (RIBA) in 2009. A number of monographs have also been published on their work.

興津俊宏+内田哲広による、福岡・朝倉郡の住宅「みんか2013」
興津俊宏+内田哲広による、福岡・朝倉郡の住宅「みんか2013」 photo©イクマサトシ
興津俊宏+内田哲広による、福岡・朝倉郡の住宅「みんか2013」 photo©イクマサトシ
興津俊宏+内田哲広による、福岡・朝倉郡の住宅「みんか2013」 photo©イクマサトシ

興津俊宏+内田哲広が設計した、福岡・朝倉郡の住宅「みんか2013」です。

農家の夫、管理栄養士の妻とその娘たちのための民家である。
夫が採ってきた野菜をふんだんに使い妻が料理の腕を振るう。そのための広い土間と、広い庭に面した縁側、自家製の味噌などを保存する蔵が要望であった。それらは伝統的な民家にみられる要素であり、農耕を主体とする日本の田舎には適した空間である。民家特有の空間構成を再編成することで、田舎暮らしの核家族のためのコンパクトな現代の民家を目指した。

建築家によるテキストより

この地域は内陸のため、夏は暑く、冬の寒さも厳しい。一年を通して省エネで安定した室内環境の住まいを目指した。
まず、建物の外周全体を外断熱(屋根100mm、壁50mm)で覆い、断熱性・気密性を確保した。さらに建物中央に配した蔵をコンクリートとすることで、土間と合わせて内部に十分な熱容量を確保した。太陽光の影響を受けない中央のコンクリートの塊は、蓄熱と放射により室内環境を安定したものとする。

夏場には冷えた夜の風で冷気を蓄熱し、昼間に周囲よりも低い表面温度を保つ。冬場には、暖房により蓄熱(太陽光は土間に蓄熱)し、夜間・早朝の室内温度低下を防ぐ。また急激な温度変化を防ぐことができるため、建具を気楽に開け閉めでき、開放的で安定した室内環境を実現している。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 建築情報学会(仮)が、パートタイムでの事務サポートメンバーを募集中
【ap job更新】 建築情報学会(仮)が、パートタイムでの事務サポートメンバーを募集中
【ap job更新】 建築情報学会(仮)が、パートタイムでの事務サポートメンバーを募集中

建築情報学会(仮)の、パートタイムでの事務サポートメンバー募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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現在、2020年11月末の正式な発足を目指して、建築内外の最先端領域の有志多数によって「建築情報学会」の設立準備が進められています。

「建築情報学会」は、昨今の社会の急速な情報化およびデジタル化の流れを受け、長い歴史の中で細分化し流動性を欠く側面を見せ始めた既存の建築界に、デジタル技術という共通基盤を通して再び横の流動性をもたらすこと、さらには人工知能やモビリティ、ARやVR、スマートシティなど多様な新興領域との拡張的連携に必要な共通言語の体系を構築することを主要な目的に、学術・産業・教育の三領域を柱として、新しい「建築情報学」の知見および技術の開発、拡張、実装を促進することを目指しています。現在学会の設立準備のため、発起人の呼びかけおよび企業協賛の依頼等の作業が進行中で、11月30日のオンライン開催が予定されている設立総会の実施へ向けて、鋭意準備を進めているところです。今回の設立総会での理事会の発足および正式な学会としての設立を経て、ある程度の試行期間を経ながら正式な法人化の手続きを進めていく予定です。

現在の各種準備作業はすべてボランティアで行われており、設立総会が近づく中で、各種連絡や登録、手続きなどの事務局的作業が徐々に増加してきています。そこで、健全かつ持続的な学会の設立準備および運営のサポート体制を整えるため、パートタイムでの事務サポートメンバーを雇用することになりました。

新しい時代の社会プラットフォームの構築を、中からサポートしてくださる方に、早期に準備チームに加わっていただきたいと、設立準備メンバー皆で心待ちにしています。業務の内容は当面は関係者や企業との連絡や登録作業の補助、イベントの企画や準備にかかわる補助作業などで、勤務形態は在宅によるフレックス勤務を想定しています。当初はわからないことも多いかとは思いますが、現メンバーが丁寧に共有およびサポートを行います。ぜひ年内限定の短期のヘルプでも、来年以降に及ぶ中長期的なサポートでも、一緒に新しい社会基盤の立ち上げを一緒に手伝ってくださる方、お待ちしています。

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