
ヨネダ設計舎 / 米田雅樹が設計した、三重・亀山市の住宅「野原の家」です。
ご夫婦は自身が育ったこの農村地域で、小さくても家族同士がつながりを感じることができ、敷地内の野原や、隣地の林、お寺の大きな木々たちと一体となった生活を望まれた。
計画地は農地法により建築面積は敷地に対して22%以上であることが求められた。
不足する建築面積分として東屋2棟をセルフビルドで築造した。
それらを敷地に散りばめることで、母屋と野原の間に生活の領域をつくった。母屋は小屋型総2階とし周囲の農具小屋や家屋に馴染む建ち方とした。
玄関はこの地方にいまも点在する田舎屋敷の長屋門をくぐり、領域に入っていく形式に重ねた。
前面道路に面する玄関を入ると、迎える垂壁の向こうに野原が見える。
玄関と生活領域を切り替えるこの垂壁を曲面、くぐる高さにすることで、トンネルのような抜け感と包まれるような抱擁感、鳥居のような領域の切替わり感と空間の連続感、といった体感の重なりをつくり、意識を野原へ向けた。