藤本壮介が津田塾大学のマスタープラン策定業務の「マスターアーキテクト」に選定されています。リンク先に情報等は掲載されていますがイメージは掲載されていません。
以下は、藤本のコメントです。
藤本壮介建築設計事務所 主宰 藤本壮介氏からのコメント
津田塾大学の小平キャンパスを初めて訪れた時のことは鮮やかに記憶に残っています。緑豊かな武蔵野の森に抱かれて、創設者である津田梅子とその賛同者たちの思いとビジョンが、時を超えて現代に息づいているかのようでした。創立時の佐藤功一氏によるマスタープランと本館建物(ハーツホン・ホール)は、格調高くおおらかに、このキャンパスに込められた理想と挑戦を人々に語りかけているように感じられます。50年代に建設された丹下健三氏による美しい図書館は、当時の最先端の近代建築であり、津田塾大学がいかに伝統と先進性を共存させて、新しい時代を切り開いてきたかを物語っています。そしてキャンパスで過ごした全ての人々の記憶と思いと夢が、ここには生きています。
マスタープランを策定するということは、この歴史と記憶をしっかりと継承し、未来へ向けて受け渡していくことだと考えます。津田梅子による創設のビジョンを受け継ぎ、「伝統の継承」と「未来の創造」の両軸を力強く回していくことだと考えます。この武蔵野の森の持つ多様性と許容力は、現代においてますます重要な意味を持つものになるはずです。創立時のマスタープランが持つ明快な軸性は、キャンパスとそこに関わる人々の精神的な軸となるはずです。その伝統と記憶に耳をすまし、未来への予感を皆と共有しながら、マスターアーキテクトとしての務めを果たしてまいります。