



OMA / 重松象平が空間デザインを手掛けた、タイでの展覧会「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」です。
老舗百貨店でのルイ・ヴィトンの展示です。建築家は、過去の専用エリアでの展開と異なり、建物の構成を活かした“小売空間と公共空間を繋ぐコネクター”としても構想しました。そして、11のテーマ別ギャラリーと2つのインスタレーションを考案しました。
アーキテクチャーフォトでは、OMA / 重松象平が手掛けた、タイでの「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」展と、大阪での「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」展も特集記事として掲載しています。
こちらは建築家によるテキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)
OMA / 重松象平による、ルイ・ヴィトン ヴィジョナリー・ジャーニーズ ソウルが、新世界にて開幕
ヴィジョナリー・ジャーニーズ ソウルは、新世界「ザ・リザーブ」にて開幕しました。本展は、ルイ・ヴィトンが展開する小売、食、文化を融合させた新たな多層的体験の一環として行われます。OMAの設計による本展では、テーマごとに構成された空間において、200点以上の作品が展示されています。それは、クラフツマンシップ、革新性、そしてメゾンの多様な創造性を際立たせる、永続する遺産を示しています。
ソウル、2025年11月28日 ― バンコクの「LV ザ・プレイス」(ゲイソーン・アマリン、2024年)および上海の「ザ・ルイ」(タイクー・フイ、2025年)での「ヴィジョナリー・ジャーニーズ」に続き、ソウル展は刷新された旗艦体験の一環として開催される最新のエディションです。「LV ザ・プレイス ソウル」の文化的中核として、本展はルイ・ヴィトンの歴史的および現代的なアイデンティティを、演出された旅を通じて伝えるように設計されています。
新世界百貨店本店の複数のフロアを占める「ヴィジョナリー・ジャーニーズ ソウル」は、小売に特化した歴史的建築物内でこれほど大規模に展開される初の展覧会エディションです。本展は、今回初公開となるものを半数含む11のテーマ別ギャラリーと、2つのインスタレーションで構成されており、6階建ての百貨店内にわたる約1,300㎡の空間で展開されています。展示は、ルイ・ヴィトンの過去と現在を捉える4つの相互に関連した視点――歴史、ライフスタイル、クラフツマンシップ、そしてコラボレーション――を広く紹介しています。
OMAパートナーの重松象平は次のように述べています。「ソウルでは、ヴィジョナリー・ジャーニーズが初めて歴史ある百貨店に入り、買い物、文化体験、ホスピタリティを融合させるルイ・ヴィトンのアプローチの中核を担う存在となっています。この展覧会は、小売空間と公共空間をつなぐコネクターとして構想されています。明確なテーマを持つ環境が歴史的な階段アトリウムに開かれ、ルイ・ヴィトンの多様な創造性の一端をダイナミックに垣間見せます」
展覧会の序章として、地上階にはサイトスペシフィックなインスタレーションが設けられています。それは、270個の「Boite Chapeau(ハットボックス)」で構成されたアーチ状の「トランクスケープ」で、ルイ・ヴィトンの店舗へと誘う没入型の入口を形成しています。ヴィジョナリー・ジャーニーズは、5層目のフロアにあるOrigins(起源)から始まります。そこでは、ブランドの歴史が、韓国の伝統的な屏風を想起させる多面体の木製フレーム上に、資料や文書、切り抜きが雲のように集積するかたちで表現されています。
いくつかの展示では、メゾンの進化の過程が探求されています。先駆的なトランクの創造的な再解釈から、多様なライフスタイルに対応する革新に至るまで。Watches(ウォッチズ)では、ルイ・ヴィトンが手がけたタイムピースが中央のスペースに時系列で展示されており、ウォッチ・トランクのモチーフがパネルやスクリーンとなって部屋全体を包み込んでいます。Picnic(ピクニック)では、来場者は“屋外”のように演出された空間に現れます。そこでは、ポータブル・トランクやテーブルウェア、キャンピングカーが芝生の上に展示されています。Personalization(パーソナライゼーション)では、トラベルファッションにおける個性が強調されます。カスタマイズされたトランク群を分解し、ギャラリーのようなアーカイブとして創造することで、唯一無二の表情を持つ各トランクが展示されています。












