森岡寿起 / SO-ANが設計した、兵庫・神戸市の店舗「NUTS LAB」です。歴史ある企業が創業地に新業態店舗を作る計画で、ラボ併設型でコンセプトの“化学”を表現する為に無機と有機の異素材を組合せ設計、厨房をオープンとしてライブ感を価値として提供します。店舗の公式サイトはこちら。
計画地の場所はかつて40年ほど前まで、ナッツや豆菓子の製造をおこなう創業100年を迎えた有馬芳香堂の自社工場があった跡地である。創業の地であるこの場所で地域との関わりを大切にしていきたいという思いから、新たな挑戦として新業態のナッツ専門店をつくるというプロジェクトが始まった。
NUTS LABは常に研究をおこない新しい価値を提供していくという理念のもと、製造や開発をおこなうラボ併設型の店舗となっている。
店内のデザインは商品が映えるようにグレートーンで統一しつつも、無機物と有機物の異素材を組み合わせることで、コンセプトであるchemistry(化学)を表現しており、また化学式を表した六角形のモチーフは大テーブルや天井の形状に生かしている。
テーブルや天井の黒左官、床の研ぎ出し仕上げ、壁の木板染色など、マテリアルの仕上げのほとんどが職人の現場での手作業で仕上げられており、既製ではなくあえて手仕事のムラのある質感があることで丁寧な食作りという思いを感じられる空間となった。
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以下、建築家によるテキストです。
計画地の場所はかつて40年ほど前まで、ナッツや豆菓子の製造をおこなう創業100年を迎えた有馬芳香堂の自社工場があった跡地である。創業の地であるこの場所で地域との関わりを大切にしていきたいという思いから、新たな挑戦として新業態のナッツ専門店をつくるというプロジェクトが始まった。
NUTS LABは常に研究をおこない新しい価値を提供していくという理念のもと、製造や開発をおこなうラボ併設型の店舗となっている。
店内のデザインは商品が映えるようにグレートーンで統一しつつも、無機物と有機物の異素材を組み合わせることで、コンセプトであるchemistry(化学)を表現しており、また化学式を表した六角形のモチーフは大テーブルや天井の形状に生かしている。
大テーブルの中心に有機物である植栽があることによって、対面の視線を柔らかく分けながらも、空間全体の居心地の良さを感じられるようにした。また、製造や開発の場である厨房をガラス張りにしてオープンにすることで、店舗でしか体験することができないつくる過程のライブ感を楽しめるようにしている。
テーブルや天井の黒左官、床の研ぎ出し仕上げ、壁の木板染色など、マテリアルの仕上げのほとんどが職人の現場での手作業で仕上げられており、既製ではなくあえて手仕事のムラのある質感があることで丁寧な食作りという思いを感じられる空間となった。
周辺にはカフェなどの飲食店が少ないという現状もあり、新たに出来たこのNUTS LABを起点として地域の活性化に繋がっていくようなお店になってほしいと思う。
■建築概要
店舗名:NUTS LAB
所在地:兵庫県神戸市兵庫区下沢通7丁目1-2 ナッツテラス1階
設計者名:SO-AN 森岡寿起
床面積:86㎡
客席数:20席
開店日:2021年4月26日
撮影:山田圭司郎