フォルム・木村浩一建築研究所が設計した、滋賀・大津市の「丘の上の家」です。
丘上の眺望の良い敷地に計画されました。建築家は、“日常を非日常に感じる”建築を目指して、内外の構成と光の操作で静寂と流動を併せ持つ空間を構築しました。また、山々に向かい中庭を開き環境も活かす事も意図されました。
この家は、山裾の宅地開発によって生まれた小高い丘の上に建っている。
敷地の面積は、約250坪の広さがあり、近景の山々がパノラマに広がる眺望の良い環境にある。丘の下の道路面から森の小道のようなアプローチが、この家のエントランスに繋がっている。
クライアントの要望は、この立地を最大限に生かすこと、そして日常を非日常に感じる住宅であった。
そこで、山々の借景に向かって解放するコートハウスを計画した。建物は、水平面を強調した量感のある形態と中庭を囲む塀によって構成されている。塀は、室内から美しい山の稜線を眺められる高さに設定し、建物と一体的にデザインされている。
生み出した美しいスカイラインは、建物そのものが新たな風景の一部となり、場所の持つ景観的な価値を更に高めてくれるものとなった。
植栽をせず、砂利を敷き詰めた中庭空間は、余白の空間として捉えている。背後に広がる景観を借景として、静かな空間の広がりを感じられる場所となっている。さらに、非日常感を演出するように中庭と室内に面して水盤が広がる軒下空間を計画した。
外部と内部が視覚的に繋がり、刻々と表情の変化するこの場所は、ギャラリーとして利用される。水盤に映り込む風景や光の陰影が、置かれたオブジェと相まって、繊細なシーンを創り出している。
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以下、建築家によるテキストです。
この家は、山裾の宅地開発によって生まれた小高い丘の上に建っている。
敷地の面積は、約250坪の広さがあり、近景の山々がパノラマに広がる眺望の良い環境にある。丘の下の道路面から森の小道のようなアプローチが、この家のエントランスに繋がっている。
クライアントの要望は、この立地を最大限に生かすこと、そして日常を非日常に感じる住宅であった。
そこで、山々の借景に向かって解放するコートハウスを計画した。建物は、水平面を強調した量感のある形態と中庭を囲む塀によって構成されている。塀は、室内から美しい山の稜線を眺められる高さに設定し、建物と一体的にデザインされている。
生み出した美しいスカイラインは、建物そのものが新たな風景の一部となり、場所の持つ景観的な価値を更に高めてくれるものとなった。
植栽をせず、砂利を敷き詰めた中庭空間は、余白の空間として捉えている。背後に広がる景観を借景として、静かな空間の広がりを感じられる場所となっている。さらに、非日常感を演出するように中庭と室内に面して水盤が広がる軒下空間を計画した。
外部と内部が視覚的に繋がり、刻々と表情の変化するこの場所は、ギャラリーとして利用される。水盤に映り込む風景や光の陰影が、置かれたオブジェと相まって、繊細なシーンを創り出している。
室内からのアイキャッチとなる独立壁は、天窓から射し込む光を拡散させ、より一層空間を印象づける。内と外を仕切るガラスの境界面を超えて繋がるベンチ、壁、天井が、奥行きのある情景を生み出し、外から中へ、中から外へと流れるような空間が生み出されている。
建物内部は、風景や外部空間を取り込み、視線の抜けと自然光を活かした各スペースが、緩やかに分節しながら連続する。静寂でありながら流動的な表情をもつこの家は、日々の暮らしの中で、非日常の新鮮な空間体験を生み続けるだろう。
■建築概要
所在地:滋賀県大津市
主要用途:専用住宅
設計:木村浩一 / フォルム・木村浩一建築研究所
構造:木造軸組
規模:地上2階
敷地面積:828.57㎡
建築面積:176.61㎡
延床面積:232.15㎡
1階:156.50㎡
2階:75.65㎡
施工年:2021年8月
写真:山内紀人
建材情報種別 | 使用箇所 | 商品名(メーカー名) | 外装・屋根 | 屋根 | ガルバリウム鋼板竪平葺き FRP防水
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外装・壁 | 外壁 | 軽量モルタルの上リシン吹き付け塗装
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外構・その他 | 水盤 | カラクリート塗り(ABC商会)
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内装・床 | 床 / ホール・廊下・リビング・ダイニング | コルクタイル貼り コルクコンフォート(AD WORLD)
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内装・床 | 階段 | モルタルコテ仕上げの上防塵塗装
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内装・壁 | 壁 / ホール・廊下・リビング・ダイニング | 塗装下地用クロス ラウファーザー(サンゲツ)の上EP塗装り
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内装・天井 | 天井 / ホール・廊下・リビング・ダイニング | 塗装下地用クロス ラウファーザー(サンゲツ)の上EP塗装り
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