SHARE 長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・日本橋の店舗「八木長本店」
all photos©千葉顕弥
長坂常 / スキーマ建築計画による、東京・日本橋の店舗「八木長本店」です。店舗の場所はお店のウェブサイトに記載されています。
日本料理に欠かせない“出汁”の基本となる3素材である鰹節、昆布、椎茸をはじめとする日本の伝統的な乾物を販売する、創業280年の老舗乾物屋・八木長本店の改修計画である。
この期にあたかも一気に塗ったかのような、ビル外壁にまで至るこの赤。実は外壁部分は元から塗られていた。その赤は鰹節を割った時に現れる赤であることから、我々はそれを背景と捉え直し、ビル全体がお店の顔となるように、中心となる部屋の構成要素と同じ赤のカラーMDFで木箱を作った。木箱を積み上げることで、市場のような空間を構成した。
売り場の中心にある銅天板のカウンターは、一番出汁の淹れ方をデモンストレーションでお客様にお見せするキッチンであると同時に、お会計をするレジカウンターである。多様に使われ、主客の優劣なくコミュニケーションを誘発するようにアイランド式になっている。
天気の良い日は建具を開け放つことで、街と売り場の距離を近づけ、人の動きが絶えず通りに現れるような活気あるお店を目指して計画をおこなった。
※以下、建築家によるテキストです。
■建築概要
題名:八木長本店
設計:長坂 常/スキーマ建築計画
担当:會田倫久+林昂平
所在地:東京都中央区日本橋室町1-7-2
主用途:物品販売店舗(乾物販売店)
施工:株式会社 デコール
階数:1
敷地面積:45.6㎡
構造:RC造
竣工:2017年9月
写真:千葉顕弥