


小野寺匠吾建築設計事務所が設計した、東京・渋谷区の「PATOU 表参道ヒルズ店」です。
旗艦店の計画です。建築家は、多様な人々を迎える暖かい場との要望に、視線が抜ける“開放感のある入口”と優しい光を放つ“幾何学的なコーニス天井”を持つ空間を考案しました。また、商品の特徴の“ベーシックな操作”との共通性も意識されました。ブランドの公式サイトはこちら。
1914年創業のメゾン、「ジャン・パトゥ」が2019年に「パトゥ」という新たな名前とともに生まれ変わった。
そして、2022年にブランドの世界初の旗艦店となるパトゥ 表参道(Patou Omotesando)をオープンした。
PATOUが世界で初めて出店する旗艦店のデザインを、アーティスティックディレクターであるギヨーム・アンリ(Guillaume Henry)と対話を重ねながら作り上げた。 この店舗をPATOUの新しいDNAとしたいというギヨームの強い思いを込めて、シテ島にあるパリのメゾンを感じられるような店作りを心がけている。
PATOUの世界観はキュートであり、チャーミングであること。フレンドリーでありエレガントであること。そしてスペシャルでありベーシックであること。 富裕層だけに届くようなラグジュアリーではなく、友達の家のように人々を迎え入れるようなあたたかい場所とすることを求められた。
そのため、入り口にショーウィンドウは設けず、奥のハイサイドライトまで視線が抜けるような開放感のあるエントランスとした。天井は、優しい光に包まれるような美しい空間とするために、シンプルでジオメトリックなコーニス天井を設け、ひたすら単純に繰り返すことで全体のリズムを調和しながら天井設備やダウンライトを目立たなくしている。
またこの天井は、実はグリッドではなく、雁行した垂壁がズレながらただ整然と店の奥まで連続して流れている。こうした単純な操作はロジカルな思考を持ったギヨームの世界観とよくなじみ、PATOUのデザインがシンプルでベーシックな操作の繰り返しであることにも共通点が見られる。















