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小山光+KEY OPERATIONの設計監修による、東京・世田谷区の「No.R下北沢」。“商業地域の重要な焦点”となる場に建つ複合ビル。街の特徴である“細い通り”に着目し、通りが建築内部に立体的に伸びるように通路やテラスを設ける構成を考案。軒天の木材仕上げで“温かな雰囲気”も生み出す
小山光+KEY OPERATIONの設計監修による、東京・世田谷区の「No.R下北沢」。“商業地域の重要な焦点”となる場に建つ複合ビル。街の特徴である“細い通り”に着目し、通りが建築内部に立体的に伸びるように通路やテラスを設ける構成を考案。軒天の木材仕上げで“温かな雰囲気”も生み出す外観、西側の道路より見る。夕景 photo©KOP
小山光+KEY OPERATIONの設計監修による、東京・世田谷区の「No.R下北沢」。“商業地域の重要な焦点”となる場に建つ複合ビル。街の特徴である“細い通り”に着目し、通りが建築内部に立体的に伸びるように通路やテラスを設ける構成を考案。軒天の木材仕上げで“温かな雰囲気”も生み出す外観、北側より見下ろす。夕景 photo©KOP
小山光+KEY OPERATIONの設計監修による、東京・世田谷区の「No.R下北沢」。“商業地域の重要な焦点”となる場に建つ複合ビル。街の特徴である“細い通り”に着目し、通りが建築内部に立体的に伸びるように通路やテラスを設ける構成を考案。軒天の木材仕上げで“温かな雰囲気”も生み出す3階、外部テラス。夜景 photo©KOP

小山光+KEY OPERATIONの設計監修による、東京・世田谷区の「No.R下北沢」です。
“商業地域の重要な焦点”となる場に建つ複合ビルのプロジェクトです。建築家は、街の特徴である“細い通り”に着目し、通りが建築内部に立体的に伸びるように通路やテラスを設ける構成を考案しました。また、軒天の木材仕上げで“温かな雰囲気”も生み出しています。施設の場所はこちら(Google Map)。

下北沢の神岡寺川(現在の茶沢通り)とだいだらぼっち川の合流点近くの五叉路に位置する商業とオフィスの複合ビル。

「シモキタ」は、ヴィンテージ衣料品店、セレクトブックストア、音楽ショップ、ライブハウス、小劇場で有名で、個性的なカフェやバーも多い。のんびりとしたボヘミアンな雰囲気は、第二次世界大戦中に爆撃を受けなかったため、そのままの形を保っている迷路のような細い通りに由来しており、この五叉路は商業地域の重要な焦点となっている。

建築家によるテキストより

地上4階、地下1階のこのビルは、メインストリートに面する側は高いファサードを持つが1階は世田谷区の住環境整備条例により2mのセットバックが求められ、狭い通り側は世田谷区の地区計画および日影規制の影響によりファサードが雛壇上にセットバックしている。

地下1階はスポーツジム、1階と2階は店舗で、3階と4階はオフィス用途に設定されているが、ヘアサロンやクリニック等に変更することもできる。五叉路の交差点は地下1階、1階、2階にアクセスできる施設内の交差点にもなっており、正面は1階のメインテナント区画へのエントランス、地下1階のドライエリアに降りる階段、2階の共用通路に上る階段がある。

建築家によるテキストより

2階は2区画に分割することが可能で、1階から上がれるテラス状の共用通路が建物の奥に向かっており、建物のコーナーの交差点から各階に伸びる通路はさながら下北沢の細い通りが立体的に建物内に伸びているように計画されている。この通路の軒天井は温かみのある雰囲気を醸し出すために木材で仕上げた。

オフィススペースとして計画されている3階と4階は側道側にあるコモンエントランスからエレベーターでアプローチするように計画されており、地下には駐輪場もあるため、学習塾の営業も可能となっている。側面通りのファサードがセットバックすることでできたテラスはオフィスを使用する人々の憩いの場となる。

この建物の中に張り巡らされたテラスや通路は、細い通りによって作られている下北沢の街中の小さな居場所をこの建物の中にも取り込んで拡張させている。

建築家によるテキストより
arbolとwalk scapeによる、兵庫・西宮市の住戸改修「Apartment Renovation in Nishinomiya」。コロナ禍を経て意識が変化した施主の住まい。“大切な物だけを引寄せる暮らし”を意識し、家具等を引き立てる“円弧”状の天井がある空間を考案。既存開口の一部は“敢えて閉じる”操作で“魅せるニッチ”とする
arbolとwalk scapeによる、兵庫・西宮市の住戸改修「Apartment Renovation in Nishinomiya」。コロナ禍を経て意識が変化した施主の住まい。“大切な物だけを引寄せる暮らし”を意識し、家具等を引き立てる“円弧”状の天井がある空間を考案。既存開口の一部は“敢えて閉じる”操作で“魅せるニッチ”とするリビングダイニングから開口部越しにバルコニーを見る。夕景 photo©下村写真事務所
arbolとwalk scapeによる、兵庫・西宮市の住戸改修「Apartment Renovation in Nishinomiya」。コロナ禍を経て意識が変化した施主の住まい。“大切な物だけを引寄せる暮らし”を意識し、家具等を引き立てる“円弧”状の天井がある空間を考案。既存開口の一部は“敢えて閉じる”操作で“魅せるニッチ”とするリビングダイニングからニッチを見る。夕景 photo©下村写真事務所
arbolとwalk scapeによる、兵庫・西宮市の住戸改修「Apartment Renovation in Nishinomiya」。コロナ禍を経て意識が変化した施主の住まい。“大切な物だけを引寄せる暮らし”を意識し、家具等を引き立てる“円弧”状の天井がある空間を考案。既存開口の一部は“敢えて閉じる”操作で“魅せるニッチ”とするバルコニー側からリビングダイニングを見る。夕景 photo©下村写真事務所

堤庸策 / arbolとwalk scapeによる、兵庫・西宮市の住戸改修「Apartment Renovation in Nishinomiya」です。
コロナ禍を経て意識が変化した施主の住まいです。建築家は、“大切な物だけを引寄せる暮らし”を意識し、家具等を引き立てる“円弧”状の天井がある空間を考案しました。また、既存開口の一部は“敢えて閉じる”操作で“魅せるニッチ”としています。

コロナ禍を経て、多くの人が「本当に必要なものとは何か」を見直すきっかけを得ました。この住まいの住み手もまた、自宅という空間に対する意識が大きく変化したと語っておられます。

好きな家具や植物、アートなど、自分にとって大切なものだけを引き寄せる暮らし。それらを美しく引き立て、静かに受け止める背景としての住まいを整えることが、このリノベーションの出発点となりました。

建築家によるテキストより

今回のリノベーションでまず取り組んだのが、空間の大きな整理でした。住まい手のご希望は「和室をなくして、光が届く広いリビングにしたい」「細かい仕切りや廊下はできるだけなくしたい」という明快なもの。その意図を受け、既存の間取りを一新し、ワンルームのような広がりと一体感を持たせた空間へと再構成しています。

もともと存在していた和室は撤去し、リビングの一部として取り込みながら、視線と光がのびのびと行き交う空間に。壁ではなく天井に曲線をもたせることで、仕切らずに“場”の気配をつくる工夫も盛り込みました。

天井に描かれた大きな円弧の造作は、空間に柔らかい緊張感をもたらしつつ、光の陰影をやさしく受け止め、家具の輪郭を引き立てる存在になっています。マットな質感の左官調仕上げ「マーブルフィール」と間接照明の組み合わせが、陰影のレイヤーを生み出し、静かな奥行きをもたらしています。

建築家によるテキストより

空間全体において、「光が入る広いリビングがほしい」「廊下をなくしたい」「細かく仕切らずにすっきりと」という施主の希望は、空間の構成に大きく影響しました。その中でも、リビング南側の処理は設計上の要所のひとつでした。

もともとこの部分には、マンションの共用部に面した開口部がありました。しかし、そこから見える景色に心地よさはなく、採光の期待も薄い。そこで私たちは、「あえて閉じる」という選択を採用しました。

新たに立ち上げた壁面には、楕円形に切り抜いた開口部を設け、そこにワーロン材のスライド建具を組み込みました。これにより、外の視線や雑多な要素を遮りながら、やわらかい光と奥行き感だけを室内に取り入れることができます。

開口部の奥には、間接照明とTVボードを計画的に配置。テレビや照明を空間に馴染ませながら、まるでアートピースのように“演出する”工夫を施しました。これは、「生活感を隠したい」「機能性と美しさを両立させたい」という住まい手の意図に応えたものであり、“閉じることで魅せる”という、住まいづくりにおけるひとつの逆転の発想でもあります。

建築家によるテキストより
宮崎晃吉 / HAGISOによる、群馬の住宅「前橋の道の輪郭」。路地状の共有地などが見られる街区での計画。建築の時間と住み手の時間との折合いも主題とし、読み替えられながらも生き続ける存在を志向。路地の延長線上の“たまり”となる中庭の周りに諸室を配置する建築を考案
宮崎晃吉 / HAGISOによる、群馬の住宅「前橋の道の輪郭」。路地状の共有地などが見られる街区での計画。建築の時間と住み手の時間との折合いも主題とし、読み替えられながらも生き続ける存在を志向。路地の延長線上の“たまり”となる中庭の周りに諸室を配置する建築を考案外観、南側の道路より見る。 photo©楠瀬友将
宮崎晃吉 / HAGISOによる、群馬の住宅「前橋の道の輪郭」。路地状の共有地などが見られる街区での計画。建築の時間と住み手の時間との折合いも主題とし、読み替えられながらも生き続ける存在を志向。路地の延長線上の“たまり”となる中庭の周りに諸室を配置する建築を考案外観、「通り庭」より中庭を見る。 photo©楠瀬友将
宮崎晃吉 / HAGISOによる、群馬の住宅「前橋の道の輪郭」。路地状の共有地などが見られる街区での計画。建築の時間と住み手の時間との折合いも主題とし、読み替えられながらも生き続ける存在を志向。路地の延長線上の“たまり”となる中庭の周りに諸室を配置する建築を考案1階、リビング側からダイニングとキッチンを見る。 photo©楠瀬友将
宮崎晃吉 / HAGISOによる、群馬の住宅「前橋の道の輪郭」。路地状の共有地などが見られる街区での計画。建築の時間と住み手の時間との折合いも主題とし、読み替えられながらも生き続ける存在を志向。路地の延長線上の“たまり”となる中庭の周りに諸室を配置する建築を考案1階、「アリーナ」 photo©楠瀬友将

宮崎晃吉 / HAGISOが設計した、群馬の住宅「前橋の道の輪郭」です。
路地状の共有地などが見られる街区での計画です。建築家は、建築の時間と住み手の時間との折合いも主題とし、読み替えられながらも生き続ける存在を志向しました。そして、路地の延長線上の“たまり”となる中庭の周りに諸室を配置する建築を考案しました。

群馬県前橋市の駅周辺に建つ住宅。
前橋駅と中心市街地は少し離れており、その間を駅前にしてはのんびりとした宅地が埋めている。グリッド街区に対して、住宅や事務所、たまに飲食店、と小ぶりな建築が並んでいる。

旗竿敷地がせめぎあい、街区の中心部は接道できない宅地も生まれてきており、それらは路地状の共有地によってそのアクセスが確保されていたりする。そんな街区の中の、旗竿形状ながら86坪のやや広めな敷地に住宅を設計することになった。


建築家によるテキストより

住宅において、建築そのものの時間とそこに住む人々の時間をどう折り合わせるかという課題は避けて通れない。一方で建築は人間よりも長く存続しうる存在であり、決して安価な消費財ではない。標準的に規定された家族像や「住むため“だけ”の機械」としての住宅が、時間を経るごとに想定と現実の間にギャップを生み出していく。

さらに相続による分割が進み、身の丈に合った住宅像が固定化し、住宅を住宅らしく作ることの閉塞感は住宅の短命化に拍車をかけている。

まずは、街区に潜む獣道のような共有地や路地の延長線上の「たまり」として中庭を位置づけた。この中庭を囲うように、北関東地域特有の冬季の季節風である「からっ風」から守る曲面をもつ壁を配置する。この壁の内側に身を寄せるように中庭と一体的になったアリーナや諸室が並んでいる。


建築家によるテキストより

季節に応じた光の入射角をふまえた庇は、立面を分割し建具が過大になるのを避けている。中庭に対して徐々に庇がおりていってすり鉢状となることで、街区の奥の中庭でも大きな空を感じることができる。

曲面壁の裏地としての内部仕上げはラワン合板の下見板張とし、書棚に並ぶ本や華奢な手すりとともに、無機質でシームレスな外観に対してスケールを落としている。


設計を進めていく中でも家族の形は変わっていく。当初は予期していなかった5人目の子供が生まれ、中学生の長男は反抗期を迎える。常に変化する住まい方に対して、それを受け入れる建築のおおらかな全体が都市の部分として定着してくれば、この住宅は読み替えられながらも生き続けていけるはずだ。

建築家によるテキストより
【ap job更新】 地域の文化と素材、数寄屋をテーマに活動する「Fumihiko Sano Studio」が、設計スタッフと設計パートナー(業務委託) を募集中
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【ap job更新】 地域の文化と素材、数寄屋をテーマに活動する「Fumihiko Sano Studio」が、設計スタッフと設計パートナー(業務委託) を募集中伊勢朝熊 伊勢神宮内宮近くの5000平米を超える森に建つ数寄屋建築の貸切宿

地域の文化と素材、数寄屋をテーマに活動する「Fumihiko Sano Studio」の、設計スタッフと設計パートナー(業務委託) 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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Fumihiko Sano Studioでは実務経験者/有資格者の設計スタッフ、設計パートナーを募集しています。

弊社では佐野の持つ数寄屋大工というバックグラウンドを活かしながら、建築設計、インテリア、プロダクト、インスタレーション、アートワークなど、プロジェクトごとに作るコンセプトを中心に地域や自然の素材、一点ものの材料と向き合いながらものづくりをしていきます。

日本文化や茶の湯、木材や金属、石、左官、紙、布、ガラスなどの様々な素材や技術を使い、伝統的なだけではなく新しく現代の姿へアップデートすることを目指し活動しています。

受賞歴:EDIDA 2014 ELLE DECOR Young Japanese Design Talent、2016年度文化庁文化交流使、FRAME AWARD Emerging Designer of the Year2022、Single Brand Store of the Year 2023、IF DESIGN AWARD、GOOD DESIGN AWARD 等の賞を受賞し、国内外で色々な方面からの評価をいただいています。

現在弊社では、住宅、別荘、宿泊施設の新築やリノベーション、飲食店、商業施設、工場、ショールームなど幅広い分野の計画が進行しております。
プロジェクト担当者は作図作業だけでなくコンセプト発案から完成まですべて担当していただき、ものづくりと距離の近い環境で仕事をしていただけます。
アート、工芸、グラフィックデザインなど、建築にとどまらない仕事への興味や趣味を持った方からの応募をお待ちしています。

【ap job更新】 表札や看板などの“サインプロダクト”を手掛ける「株式会社anveil」が、商品開発部門のスタッフ(既卒・経験者)を募集中
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【ap job更新】 表札や看板などの“サインプロダクト”を手掛ける「株式会社anveil」が、商品開発部門のスタッフ(既卒・経験者)を募集中「うつくしいお店を助け、残す」がミッション

表札や看板などの“サインプロダクト”を手掛ける「株式会社anveil」の、商品開発部門のスタッフ(既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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anveilでは、デザインサイン事業 PIECEOFSIGN 商品開発アシスタントを募集します。

表札・看板を中心としたサインブランド「PIECEOFSIGN」では、うつくしい店舗を支援するプロダクトやサービスを日本から世界へ展開しています。特にグローバル市場は成長率が高く、2027年中には日本国内の販売額を超える見込みです。
今後はサイン以外の店舗什器や店舗の販促アイテム等のプロダクトの拡充で、店舗の誕生から成熟期までを支える”総合的な店舗支援のブランド”に成長中です。

今回は、商品化までの全体の流れを管理する進行管理の役割を担ってくださる開発事務ポジションの方を募集します。
将来的には商品開発デザイナーへキャリアアップしたい意欲ある方を歓迎いたします。

【おもな業務】
“アイデアを実際の形に変える”プロセス全体を動かす、中心的な役割です。
プロジェクト全体の流れを設計し、自ら商品化を前に進めていく推進者としてのポジションです。また、既存プロダクトの改善もお任せします。
具体的には、デザイナーが描いた図面や仕様書をもとに、国内外の工場と連携しながら製造を進行。サンプル確認、品質・仕様のすり合わせや、新規サプライヤー開拓、既存プロダクトの改善作業などもお任せします。

【PIECE OF SIGNならではの環境】
開発から製造までの一気通貫のユニークな環境で、製造や素材に関する知識を深めながら、店舗プロダクトの全体像を学べる環境があります。
商品開発のプロフェッショナルのもとで、幅広い店舗プロダクトに携わることで視野を広げ、プロダクトの本質をつかむ力を磨くことができます。

【ap job更新】 富裕層住宅や別荘を中心に、リゾートホテルなども手掛ける「and to 建築設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)と 広報事務を募集中
【ap job更新】 富裕層住宅や別荘を中心に、リゾートホテルなども手掛ける「and to 建築設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)と 広報事務を募集中
【ap job更新】 富裕層住宅や別荘を中心に、リゾートホテルなども手掛ける「and to 建築設計事務所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)と 広報事務を募集中Grove Strolling Corridor / 日本空間デザイン賞2025金賞 / 新建築 住宅特集2024.11月号 / モダンリビング278 / Richesse 52号/ photo by Koji Fujii(TOREAL)

富裕層住宅や別荘を中心に、リゾートホテルなども手掛ける「and to 建築設計事務所」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2026年新卒)と 広報事務 募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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【and to 建築設計事務所について】
代表の谷口幸平は、中村拓志&NAP建築設計事務所で設計部長、ディレクターを歴任し、約10年勤務(狭山の森 礼拝堂・休憩棟、数々の住宅、商業施設、ホテル等を担当)。2019年に現事務所を設立し、現在は8名が在籍する設計事務所です。
「場所が育てる建築」をテーマに、その場の潜在的価値を顕在化し、最大化する事を目標にしています。

事務所名の「and to」とは接続詞 and と前置詞 to を組み合わせた言葉です。接続詞のように「人、地域、自然環境、歴史」を建築が繋ぎ、前置詞のように建築がその方向性を示してプロジェクトの目的へ到達する事を表しています。等位接続詞であるand が語と語、句と句を対等に結ぶように施主、施工者と私達はもちろん、スタッフにも積極的な提案や、コミュニケーションをして頂ける方を募集します。

【進行中プロジェクトと業務内容】
2025年は、「JID AWARD 2025 大賞」、「日本空間デザイン賞2025 金賞」等、その他多数のアワードを受賞。現在は、日本各地で富裕層住宅や別荘、リゾートホテル、オフィスと植物温室、撮影スタジオ、ランドスケープ等、様々なプロジェクトが進行中です。

事業収支を含めた企画段階からコンセプト立案、建築のアイデアから実施設計、設計監理はもちろん、ランドスケープデザインや家具のデザインまで幅広い業務を行います。ほとんどの物件でオリジナルの家具を製作し、インテリアやディテールにも力を入れています。インテリアや家具のデザインに興味がある方も大歓迎です。

1年目から担当物件を持ち、プロジェクトに携わって頂きますので、自身の能力を高めたい方をお待ちしております。

最も注目を集めたトピックス[期間:2025/11/3-11/9]
最も注目を集めたトピックス[期間:2025/11/3-11/9]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2025/11/3-11/9)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 青木真研究室による、東京・練馬区の「緑の家」。地域の散歩道となっている緑道沿いの敷地。体験への“特徴的なシーンの挿入”を意図し、曲面と平面が混交する“樹木に呼応したような形態”の建築を考案。内部はニッチ空間が立体的に連続した垂直的一室空間とする
  2. スノヘッタによる、中国の「杭州チエンタン湾美術館」。湾岸開発の中核となる施設。芸術と文化の波や運動を空間的に解釈して、自然と芸術が交わる“想像力の扉”となる存在を志向。橋の形や機能も参照した“波の様なヴォリューム”で周囲と滑らかに繋がる建築を考案
  3. 佐久間徹設計事務所による、東京・三鷹市の「井の頭の家A」。閑静な住宅街の敷地。建て込む環境での“自然の感受”を求め、“45°回転させた正方形”を3つ並べて“複数の庭”を作り出す平面構成を考案。多方向の庭木への眺望の獲得と同時に内部空間に視覚的な奥行きも生む
  4. 村野藤吾設計の「旧横浜市庁舎行政棟」(1959年竣工) が、宿泊施設に転用され2026年4月にオープン。改修設計は竹中工務店。利用客使用部分のインテリアの基本設計と監修を成瀬・猪熊建築設計事務所が手掛ける
  5. 成瀬・猪熊建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「風の道テラス」。坂道が並行して通る地域に建つコーポラティブハウス。風が通り視線も抜ける道の豊かさに着目し、“街の骨格”をそのまま敷地に入れ込む計画を考案。全体を6つに分割して空が見え光も差し込む5つのスリットを通す
  6. 押山剛司建築設計事務所による「栃木の家」。戸建てと田んぼが入り混じる住宅街の敷地。植物や庭いじりが好きな施主の為に、個性的な複数の庭と建築が“絡み合う”ような平面構成を志向。箱形をベースとして“スタックとシフト”を繰り返して造り上げる
  7. 【ap Masterpiece】OMAによる、オランダ・ロッテルダムの美術館「クンストハル」(1992年)
  8. スノヘッタによる、フランス・パリの店舗「Canada Goose Paris」。ファッションダウンブランドの旗艦店。“境界のない”というコンセプトを掲げ、シグネチャールックに根ざしながら“美的表現を超える”空間を志向。インテリアからデザインガイドラインまで包括的に手掛ける
  9. ミナ ペルホネンによる、世田谷美術館での展覧会の入場チケットをプレゼント。“特別な日常着”を掲げてオリジナルの生地からプロダクトまで手掛ける、ファッション・テキスタイルブランド
  10. ザハ・ハディド・アーキテクツによる、中国・杭州の「グランドキャナル・ゲートウェイブリッジ」。世界遺産の運河に架かる歩道橋。地域の伝統である“シルク刺繍の伝統”に着想を得て、“縫いの技法を再解釈”するような形態を考案。先進的なデジタル技術での最適化で環境負荷を軽減して持続可能な存在とする
  11. SANAAによる、台湾の「Taichung Green Museumbrary」が2025年12月にオープン。旧軍用空港跡地の公園内に計画された美術館と図書館を統合した施設。軽やかで開かれた存在を目指し、アルミとガラスの二重構造のファサードで地上レベルに全方向からアクセス可能な公共広場を備えた建築を考案
  12. 【ap job更新】 “適法改修”による建物の再生に特化し、様々な用途のコンサルや設計を行う「株式会社 建築再構企画」が、スタッフ(経験者・既卒)を募集中
  13. 21_21 DESIGN SIGHTでの展覧会「デザインの先生」の入場チケットをプレゼント。ブルーノ・ムナーリ、マックス・ビル、アキッレ・カスティリオーニ、オトル・アイヒャー、エンツォ・マーリ、ディーター・ラムスを“デザインの先生”と捉えて、活動の軌跡を改めて振り返る
  14. 35歳以下の若手建築家による展覧会「Under 35 Architects exhibition 2025」。藤本壮介が審査して選出した建築作品を展示。若手建築家の発表機会の創出と日本建築の可能性の提示を趣旨として開催
  15. BIGなどが設計に参加した、ニューヨークの「ソーラー・ワン環境教育センター」。水害対策として計画された公園群の一角にある施設。子供の為の教室も備えた災害時に電力を供給する避難所として、浸水時を想定した仕様に加えて太陽光パネルや蓄電システムも配備した建築を考案
  16. 大室佑介アトリエによる、香川・多度津町の「鳥のための塔」。アート祭への出展作品として計画。“雄大な自然への敬意”と“墓地に近接する立地”も考慮し、島の一部となる“ささやかな塔”を志向。正八角形の柱の中に“円筒状”の内部空間を作って中谷ミチコのレリーフを配置
  17. 渡部光樹+渡部梨華 / Wによる、秋田の「大館の住宅」。地方部の“建ち方”にも向き合った計画。集団規定の影響を殆ど受けない与件に対し、外部空間に対して“自覚的な在り方”の建築を志向。敷地を囲む様に量塊を配置して“性質の異なる二つの中庭”を設ける構成を考案
  18. フォスター+パートナーズによる、ニューヨークの「270パーク・アベニュー」。JPモルガンのグローバル本社ビル。独特なカンチレバー構造で広い公共空間と視界の抜けを確保し、ウェルビーイングに重点を置いた換気や照明の計画も実施。全体の多様なアクティビティは“都市の中の都市”を意図
  19. 藤森照信と聴竹居倶楽部の松隈章による対談イベントの動画。2025年10月に行われたもの
  20. 鎌倉市の新庁舎等基本設計プロポーザルで、日建設計が最優秀者に選定。コンセプトは「ひとつながりの未来の庁舎『鎌倉ONE』」。提案のイメージも公開

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【ap job更新】 “適法改修”による建物の再生に特化し、様々な用途のコンサルや設計を行う「株式会社 建築再構企画」が、スタッフ(経験者・既卒)を募集中研修所をブルワリーに用途変更するにあたり、ビール製造用のタンク搬入用の開口を設けた事例(搬入時の様子)

“適法改修”による建物の再生に特化し、様々な用途のコンサルや設計を行う「株式会社 建築再構企画」の、スタッフ(経験者・既卒)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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建築再構企画は「建築を動かす」という理念で2013年に創業した、適法改修を通じて建物を再生させることに特化した設計・コンサルティング会社です

私たちは、社会に溢れる検査済証のない建物や違法建築を再生することで、多くの建物を利活用できるように支援してきました。
容積オーバーのテナントビルをホテルへと用途変更、大手半導体関連メーカーの大型拠点の適法化、歴史ある銭湯を文化施設にリニューアルするなど、建物の法律の知識・改修スキルを活かして、古い建物を生まれ変わらせてきました。

適法改修という強みを活かし、ホテルや保育園や就労支援施設などの福祉施設、工場や物流施設、大学まで、幅広い用途を経験することができます。クライアントの規模も中小企業のオーナーから大手メーカーやデベロッパー関連会社までバラエティに富み、組織設計事務所やPM/CM会社、大手ゼネコンなど様々な会社と連携しながら仕事を進めることができ、キャリアアップにつながる経験ができます。

また、私たち建築再構企画は、経営や営業・集客、業務改善などに継続的な投資を行うことで、会社の成長力を高めて次のステップに向かう段階にあります。これまで建築設計等で培った技術・経験を活かし、新しいビジネス・事業に参画いただける方を歓迎します。

藤森照信と聴竹居倶楽部の松隈章による対談イベントの動画。2025年10月に行われたもの 21_21 DESIGN SIGHTでの展覧会「デザインの先生」の入場チケットをプレゼント。ブルーノ・ムナーリ、マックス・ビル、アキッレ・カスティリオーニ、オトル・アイヒャー、エンツォ・マーリ、ディーター・ラムスを“デザインの先生”と捉えて、活動の軌跡を改めて振り返る
21_21 DESIGN SIGHTでの展覧会「デザインの先生」の入場チケットをプレゼント。ブルーノ・ムナーリ、マックス・ビル、アキッレ・カスティリオーニ、オトル・アイヒャー、エンツォ・マーリ、ディーター・ラムスを“デザインの先生”と捉えて、活動の軌跡を改めて振り返る展覧会ポスター

21_21 DESIGN SIGHTでの展覧会「デザインの先生」の入場チケットを抽選でプレゼントいたします。
ブルーノ・ムナーリ、マックス・ビル、アキッレ・カスティリオーニ、オトル・アイヒャー、エンツォ・マーリ、ディーター・ラムスを“デザインの先生”と捉えて、活動の軌跡を改めて振り返ります。
展示会期は、2025年11月21日~2026年3月8日。展覧会の公式ページはこちら。入場チケットプレゼント企画の応募締切は、2025年12月5日(金)13時まで(お申込みにはGoogleアカウントが必要になります)。こちらのフォームからご応募ください 。厳正な抽選を行い当選された方にはメールにてご連絡いたします(メール送付を当選発表にかえさせていただきます)。

21_21 DESIGN SIGHTでは2025年11月21日(金)より企画展「デザインの先生」を開催します。

展覧会ディレクターには、デザインジャーナリストの川上典李子と、キュレーター、ライターの田代かおるを迎えます。さまざまな出会いのなかに、生活や社会の今後について考えを巡らせるヒントがあります。多くの情報が迅速に行きかい、価値観が大きくゆれ動いている今日だからこそ、デザインを通して多様な視座を示してくれた巨匠たちの活動を振り返ってみたいと考えました。

今回フォーカスするのは次の6名、本展では彼らを「デザインの先生」として紹介します。
ブルーノ・ムナーリ(イタリア生まれ、1907–1998 年)、マックス・ビル(スイス生まれ、1908–1994 年)、アキッレ・カスティリオーニ(イタリア生まれ、1918–2002年)、オトル・アイヒャー(ドイツ生まれ、1922–1991年)、エンツォ・マーリ(イタリア生まれ、1932–2020年)、ディーター・ラムス(ドイツ生まれ、1932年–)。デザイン教育の現場で未来を担う人材を育んだ人物も含まれますが、それだけでなく、信念と希望を胸に活動することで各時代の先を探り、社会の新たな局面をもたらした人物であるという点で共通しています。本展ではまた、マックス・ビルやオトル・アイヒャーに学び、後に生涯にわたって親交を深め、日本におけるデザイン学の礎を築いた向井周太郎(1932–2024年)の視点にも触れていきます。

考え、つくり、伝えつづけるデザインの行為は、生きることと切り離せません。代表作をはじめ、残されたことば、記録映像などを通して各氏の人間性に迫りそれぞれのデザイン活動に目を向けるとき、彼らは皆、私たち一人ひとりが考え、主体的に行動し、進んでいくことをまさに期待していたのだということも知るでしょう。

社会のこの先に向けて、デザインの視点に基づき「問い」そのものを投げかけることがこれまで以上に期待されているいま、デザインが担う役割もより広く、より深くなっています。忘れてはならない先人たちの活動の軌跡を改めてふり返ったうえで、この先をどう探り、社会に対してどのようなメッセージを投げかけていけるのか、そのことの重要性についても多くの皆さんと考えていければ幸いです。とてつもない好奇心と探究心と勇気の持ち主であり、魅力に満ちた先生たちに出会ってください。

リリーステキストより

以下に、詳細な情報を掲載します。

佐久間徹設計事務所による、東京・三鷹市の「井の頭の家A」。閑静な住宅街の敷地。建て込む環境での“自然の感受”を求め、“45°回転させた正方形”を3つ並べて“複数の庭”を作り出す平面構成を考案。多方向の庭木への眺望の獲得と同時に内部空間に視覚的な奥行きも生む
佐久間徹設計事務所による、東京・三鷹市の「井の頭の家A」。閑静な住宅街の敷地。建て込む環境での“自然の感受”を求め、“45°回転させた正方形”を3つ並べて“複数の庭”を作り出す平面構成を考案。多方向の庭木への眺望の獲得と同時に内部空間に視覚的な奥行きも生む外観、北東側の道路より見る。 photo©西川公朗
佐久間徹設計事務所による、東京・三鷹市の「井の頭の家A」。閑静な住宅街の敷地。建て込む環境での“自然の感受”を求め、“45°回転させた正方形”を3つ並べて“複数の庭”を作り出す平面構成を考案。多方向の庭木への眺望の獲得と同時に内部空間に視覚的な奥行きも生む1階、エントランス側からホール1を見る。 photo©西川公朗
佐久間徹設計事務所による、東京・三鷹市の「井の頭の家A」。閑静な住宅街の敷地。建て込む環境での“自然の感受”を求め、“45°回転させた正方形”を3つ並べて“複数の庭”を作り出す平面構成を考案。多方向の庭木への眺望の獲得と同時に内部空間に視覚的な奥行きも生む1階、左:ホール1、右:キッチン photo©西川公朗
佐久間徹設計事務所による、東京・三鷹市の「井の頭の家A」。閑静な住宅街の敷地。建て込む環境での“自然の感受”を求め、“45°回転させた正方形”を3つ並べて“複数の庭”を作り出す平面構成を考案。多方向の庭木への眺望の獲得と同時に内部空間に視覚的な奥行きも生む2階、ホール2からルーム3側を見る。 photo©西川公朗

佐久間徹設計事務所が設計した、東京・三鷹市の「井の頭の家A」です。
閑静な住宅街の敷地での計画です。建築家は、建て込む環境での“自然の感受”を求め、“45°回転させた正方形”を3つ並べて“複数の庭”を作り出す平面構成を考案しました。そして、多方向の庭木への眺望の獲得と同時に内部空間に視覚的な奥行きも生んでいます。

井の頭公園からほど近く閑静な住宅街に建つ住宅である。
周囲を隣地建物に囲まれた環境にあるため、採光や通風を確保し、自然を感じるために、敷地内に意図的に外部空間をつくるように配置計画を考えた。

建築家によるテキストより

道路に向かって45°回転させた正方形を3つ並べ、45°ずれたギザギザが敷地内にいくつかの庭をつくる。雁行した内部空間が視覚的な奥行きをもたせ、どこを向いても庭の木々が目に入る。

正方形は対角線の距離が最も長い。これを利用していちばん遠くまで見通せる空間をつくるのはいつもの通り。それと同時に今回は家中のあちこちの居場所が見え隠れする。さらに中央の吹き抜けを介して見上げると空を見上げることができる。幾何学形を利用した平面であるが、うまれた内部空間は複雑で有機的だ。

環境性能の指針として、完全ZEHおよび東京ゼロエミ住宅の水準3(2024年基準)を取得している。ただ、あくまで目標は認定の取得ではなく実質的な環境性能を高めながら快適な暮らしを叶えることとし、省エネ計算の評価方法にも慎重な見方でシステムを組み立てて計画している。

建築家によるテキストより

最近、環境性能を追い求めるばかりに住宅が窓のない箱になった、という指摘を見聞きする。地球環境負荷への対策は社会的な正義ではあるが、それが住まい手にとっての価値を高めるかどうかはイコールではない。

今回のギザギザに雁行する外壁は、性能を高めることと逆行して、外皮の面積を増やして熱の損失を大きくしてしまっている。一方で、外部や内部の関係において替えがたい豊かさを与えてくれた。この方向性が相反する場合には葛藤せざるを得ないし、あまりうまく説明ができない。

この葛藤はプランだけでなく開口のバランスや設備設計の方針でも起きてくる。

地球環境の負荷を軽減することには大賛成である。だからこそ社会的な正しさによって建築や生活の文化的な側面(というと大仰かもしれないが)を見失わないようにしたいとも思う。

建築家によるテキストより
スノヘッタによる、中国の「杭州チエンタン湾美術館」。湾岸開発の中核となる施設。芸術と文化の波や運動を空間的に解釈して、自然と芸術が交わる“想像力の扉”となる存在を志向。橋の形や機能も参照した“波の様なヴォリューム”で周囲と滑らかに繋がる建築を考案
スノヘッタによる、中国の「杭州チエンタン湾美術館」。湾岸開発の中核となる施設。芸術と文化の波や運動を空間的に解釈して、自然と芸術が交わる“想像力の扉”となる存在を志向。橋の形や機能も参照した“波の様なヴォリューム”で周囲と滑らかに繋がる建築を考案 image©ATCHAIN & Snohetta
スノヘッタによる、中国の「杭州チエンタン湾美術館」。湾岸開発の中核となる施設。芸術と文化の波や運動を空間的に解釈して、自然と芸術が交わる“想像力の扉”となる存在を志向。橋の形や機能も参照した“波の様なヴォリューム”で周囲と滑らかに繋がる建築を考案 image©ATCHAIN & Snohetta
スノヘッタによる、中国の「杭州チエンタン湾美術館」。湾岸開発の中核となる施設。芸術と文化の波や運動を空間的に解釈して、自然と芸術が交わる“想像力の扉”となる存在を志向。橋の形や機能も参照した“波の様なヴォリューム”で周囲と滑らかに繋がる建築を考案 image©ATCHAIN & Snohetta

スノヘッタによる、中国の「杭州チエンタン湾美術館(Hangzhou Qiantang Bay Art Museum)」です。
湾岸開発の中核となる施設の計画です。建築家は、芸術と文化の波や運動を空間的に解釈して、自然と芸術が交わる“想像力の扉”となる存在を志向しました。そして、橋の形や機能も参照した“波の様なヴォリューム”で周囲と滑らかに繋がる建築を考案しました。


こちらはリリーステキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)

スノヘッタが「杭州チエンタン湾美術館」の設計コンペに勝利

スノヘッタが、杭州のショウザン区にあるチエンタン湾未来本部開発プロジェクトの中核となる美術館の設計コンペに勝利しました。スノヘッタの勝利したコンセプトは、水辺と都市のスカイラインの両方に面したこの壮大な敷地を称えるとともに、時間と芸術との関係という概念に共鳴しています。このデザインは、芸術と文化の波や運動の空間的な解釈であり、自然と芸術が交わる想像力の扉としてこの施設を構想しています。

この18,000㎡のランドマークは、チエンタン川沿いに進められている杭州の野心的な都心開発計画の一部です。チエンタン川と中央水系の合流点という戦略的な場所に位置し、至近に地下鉄のアクセスを備えたこの美術館は、際立った見晴らしの地点を提供し、訪れる人々に一方の水路から他方の水路まで広がる雄大な景色を見渡すことを可能にします。スノヘッタは、水路の流動性を創造の触媒と解釈し、地区の中央水系に沿った文化施設群から象徴的なゲートウェイを通ってチエンタン川へと流れる、創造性と芸術に満ちた活気ある道筋を形づくっています。それにより、杭州の未来に新たな活力を吹き込んでいます。

橋の流れるような形状と接続機能に着想を得て、この建物のデザインは、波のような2つのヴォリュームの形をしています。このダイナミックな構成は、あらゆる動線を中央の結節点に織り込むだけでなく、活気ある公共領域も創出しています。潮のリズムのようにうねるランドスケープは、来訪者を敷地の中心にあるゲートウェイへ、そして川と都市のパノラマビューを望む屋上テラスへと続く、探検のような旅へ導きます。そして、それが二つの水路の間にあるコミュニティを活性化させます。

【ap job更新】 公益財団法人 窓研究所が、カナダ建築センターと共同実施するプログラムのフェローを募集中
【ap job更新】 公益財団法人 窓研究所が、カナダ建築センターと共同実施するプログラムのフェローを募集中
【ap job更新】 公益財団法人 窓研究所が、カナダ建築センターと共同実施するプログラムのフェローを募集中Naoyo Hatakeyama, View of the Bookstore, Montreal, 2007, CCA. © Naoya Hatakeyama

公益財団法人 窓研究所の、カナダ建築センターと共同実施するプログラムのフェロー募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

※本件は雇用契約に基づく求人ではなく、研究支援を目的としたフェロー募集に関するご案内です。

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公益財団法人 窓研究所は、カナダ建築センター(CCA)と共同で、建築や都市に関するリサーチフェローシッププログラム「CCA–WRI Research Fellowship Program」を実施しています。このたび、2026年度フェローの公募を開始しました。

今回の公募では、「Vacancy(空き)」をテーマに、CCAで最長3か月のリサーチ滞在に取り組むフェローを募集します。採択者には支援金のほか、渡航費・ビザ関連費用などのサポートを行います。

【公募テーマ】
Vacancy(空き)

都市や農村における空き地・空き家に着目し、地域の暮らしや社会との関わりから「Vacancy」を考察するリサーチやプロジェクトを歓迎します。アプローチの形式は問いません。

【ap Masterpiece】OMAによる、オランダ・ロッテルダムの美術館「クンストハル」(1992年)
【ap Masterpiece】OMAによる、オランダ・ロッテルダムの美術館「クンストハル」(1992年) photograph by Delfino Sisto Legnani and Marco Cappelletti, courtesy of OMA
【ap Masterpiece】OMAによる、オランダ・ロッテルダムの美術館「クンストハル」(1992年) photograph by Delfino Sisto Legnani and Marco Cappelletti, courtesy of OMA
【ap Masterpiece】OMAによる、オランダ・ロッテルダムの美術館「クンストハル」(1992年) photograph by Delfino Sisto Legnani and Marco Cappelletti, courtesy of OMA
【ap Masterpiece】OMAによる、オランダ・ロッテルダムの美術館「クンストハル」(1992年) photograph by Delfino Sisto Legnani and Marco Cappelletti, courtesy of OMA

「ap Masterpiece」は、世界中に存在する名作と言える建築を、アーキテクチャーフォトのウェブサイト上で紹介するシリーズです。

OMAが設計した、オランダ・ロッテルダムの美術館「クンストハル」(1992年)です。
また、本建築は2014年にOMA自身の設計でリノベーションされています。本記事では、1999年と2017年に撮影された写真を掲載します。施設の場所はこちら(Google Map)。


こちらは建築家によるテキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)

クンストハルは、3300平方メートルの展示スペース、講堂、レストランをコンパクトなデザインに一体化しています。傾斜のある床面と綿密に配置された一連のスロープが、三つの大規模な展示ホールと二つの親密なギャラリーをシームレスにつないでいます。にぎやかな幹線道路と、「ミュージアム・パーク」として知られる博物館と緑地のネットワークの間に挟まれた立地により、クンストハルはロッテルダムで最も価値のある文化施設への玄関口として機能しています。この計画では、共同でも個別でも利用可能な三つの主要な展示スペース、講堂、そして独立して出入り可能なレストランが求められていました。

この敷地は二重の性格を持っています。南側の端は堤防の上を走る幹線道路「マースブールバール」に接しています。一段低くなった北側は、ミュージアム・パークに面しており、そこには従来的な鑑賞の空間が広がっています。

この建物は、二つの通路が交差する正方形として構想されました。一つはマースブールバールに平行して東西に走る道路、もう一つはミュージアム・パークの南北軸を延長する公共のスロープです。このような前提と、交差する通路によって正方形が四つの区画に分割されるという事実から、課題となったのは、四つの独立したプロジェクトとして美術館をいかに設計するかということでした。それは。互いに矛盾する体験の連続でありながら、それでもなお連続した螺旋を形成するということです。言い換えれば、四つの独立した正方形の中に、どのようにして螺旋を想像するかということです。この建物のコンセプトは、連続する回路(サーキット)です。

歩行者用スロープは分割されており、ガラスの壁が、一般に開放された外側と、回路の一部である内側とを隔てています。並行して逆方向に走る第二のスロープは、講堂を収容するために段状にされており、その下にはレストランがあります。二つのスロープが交差するレベルに、メインエントランスが設けられています。そこから来館者は、ミュージアム・パークへ下り、堤防の高さへ上がる第二のスロープへと進みます。

第一のホールに近づくと、階段と視界が遮られた空間に出会い、その景色は徐々に明らかになります。そして、木の柱のような構造が並ぶ風景が、緑を背景に映し出され、公園側のファサードに使われたさまざまな種類のガラスによって縁取られ、ときには歪められて見えるのです。そこから内部のスロープをたどると、第2のホールへと導かれます。そこは大通りに面した、空からの光が差し込む広々とした空間です。屋上庭園に沿って伸びる第三のスロープは、より親密で天井の低いホールへと続き、さらにその先には屋上テラスがあります。

青木真研究室による、東京・練馬区の「緑の家」。地域の散歩道となっている緑道沿いの敷地。体験への“特徴的なシーンの挿入”を意図し、曲面と平面が混交する“樹木に呼応したような形態”の建築を考案。内部はニッチ空間が立体的に連続した垂直的一室空間とする
青木真研究室による、東京・練馬区の「緑の家」。地域の散歩道となっている緑道沿いの敷地。体験への“特徴的なシーンの挿入”を意図し、曲面と平面が混交する“樹木に呼応したような形態”の建築を考案。内部はニッチ空間が立体的に連続した垂直的一室空間とする外観、北側の緑道より見る。 photo©日吉祥太
青木真研究室による、東京・練馬区の「緑の家」。地域の散歩道となっている緑道沿いの敷地。体験への“特徴的なシーンの挿入”を意図し、曲面と平面が混交する“樹木に呼応したような形態”の建築を考案。内部はニッチ空間が立体的に連続した垂直的一室空間とする外観、北側の緑道より見る。 photo©日吉祥太
青木真研究室による、東京・練馬区の「緑の家」。地域の散歩道となっている緑道沿いの敷地。体験への“特徴的なシーンの挿入”を意図し、曲面と平面が混交する“樹木に呼応したような形態”の建築を考案。内部はニッチ空間が立体的に連続した垂直的一室空間とする1階、キッチンからダイニングとエントランスを見る。(エントランスドアを開けた状態) photo©日吉祥太

青木真研究室が設計した、東京・練馬区の「緑の家」です。
地域の散歩道となっている緑道沿いの敷地での計画です。建築家は、体験への“特徴的なシーンの挿入”を意図し、曲面と平面が混交する“樹木に呼応したような形態”の建築を考案しました。また、内部はニッチ空間が立体的に連続した垂直的一室空間としています。

東京都練馬区の緑道沿いに立つ住宅である。
この緑道では近くの人々が花や果樹を育てており、地域の人々の散歩道として使われている。そのような線的な体験の中に、特徴的なシーンを挿入することを考えた。

建築家によるテキストより

緑道に面して余白なく立ち並んでいる街並みに対して、建物をセットバックしてテラスと小さな前庭を生み出した。テラスでは簡易的なDIY、前庭は忙しい中でも少しずつ植栽を育てる程度の大きさにして、徐々に地域の背景になることを期待した。玄関前には竹の花入れを和釘で留めつけ、季節の花を飾れるようにした。

ファサードは曲面と平面が混交した樹木に呼応したような形態と、銅とヒノキという時間変化するマテリアルを採用した。銅は一文字葺き、ヒノキは縦の羽目板として向きを違えつつ、曲面屋根はステンレスで統一した。形態的にも素材的にも、強い統一性が無く、かといってコラージュのような乱雑さも無い、想像力が外に開かれた外観を目指した。

建築家によるテキストより

敷地は49㎡と狭い一方、法的な道路幅は12mであるため高さ方向にはゆとりがある。そのため内部空間は多数の床が重なりつつ、さまざまなニッチ空間が立体的に連続した垂直的ワンルームを構想した。

1階では木造による立体的なファサードの結果として内部に現れる柱を丸太にし、そこを中心としたテーブルを製作した。道に面する北向きのハイサイドライトからの光で満たされるダイニングエリアとした。

人が集まれる1階に対して水回りなどは2階に集約した。トイレを中心にした回遊性のある平面の中にムラのある光環境を設え、住みながら使い方を発見できるような場所とした。強い機能で空間を規定しないことで、柔軟に将来の使い方の変更に対応できる。

建築家によるテキストより
成瀬・猪熊建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「風の道テラス」。坂道が並行して通る地域に建つコーポラティブハウス。風が通り視線も抜ける道の豊かさに着目し、“街の骨格”をそのまま敷地に入れ込む計画を考案。全体を6つに分割して空が見え光も差し込む5つのスリットを通す
成瀬・猪熊建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「風の道テラス」。坂道が並行して通る地域に建つコーポラティブハウス。風が通り視線も抜ける道の豊かさに着目し、“街の骨格”をそのまま敷地に入れ込む計画を考案。全体を6つに分割して空が見え光も差し込む5つのスリットを通す外観、西側の道路側より見る。 photo©西川公朗
成瀬・猪熊建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「風の道テラス」。坂道が並行して通る地域に建つコーポラティブハウス。風が通り視線も抜ける道の豊かさに着目し、“街の骨格”をそのまま敷地に入れ込む計画を考案。全体を6つに分割して空が見え光も差し込む5つのスリットを通す外観、北側の散策路より見る。 photo©西川公朗
成瀬・猪熊建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「風の道テラス」。坂道が並行して通る地域に建つコーポラティブハウス。風が通り視線も抜ける道の豊かさに着目し、“街の骨格”をそのまま敷地に入れ込む計画を考案。全体を6つに分割して空が見え光も差し込む5つのスリットを通す住戸07、2階、リビングからキッチン側を見る。(内装設計:Ishimura+Neichi) photo©西川公朗
成瀬・猪熊建築設計事務所による、東京・新宿区の集合住宅「風の道テラス」。坂道が並行して通る地域に建つコーポラティブハウス。風が通り視線も抜ける道の豊かさに着目し、“街の骨格”をそのまま敷地に入れ込む計画を考案。全体を6つに分割して空が見え光も差し込む5つのスリットを通す住戸20、地下1階、ダイニングとキッチンからリビング側を見る。(内装設計:YY architects) photo©西川公朗

成瀬・猪熊建築設計事務所が設計した、東京・新宿区の集合住宅「風の道テラス」です。
坂道が並行して通る地域に建つコーポラティブハウスのプロジェクトです。建築家は、風が通り視線も抜ける道の豊かさに着目し、“街の骨格”をそのまま敷地に入れ込む計画を考案しました。そして、全体を6つに分割して空が見え光も差し込む5つのスリットを通しました。
住戸の内装設計は、中倉康介建築設計事務所miCo.Ishimura+Neichi田中花巻事務所TATTAYY architectsが担当しています。

計画の敷地は新宿区の中井で、風情ある四の坂を挟んで林芙美子記念館の斜向かいとなる場所です。

周囲の地形は、北が台地、南が川となっており、四の坂だけでなく一ノ坂から八の坂までの坂が、ほぼ並行に通っています。南向きの坂は密集した住宅地でも、どれも気持ちよく風景が抜け、風がとおり、光があかるい豊かな環境になっている、なかなか特徴的な場所です。

建築家によるテキストより

そこで私たちが試みたのは、独特の地形から生まれた、坂が平行に並ぶまちの骨格を、そのまま敷地に入れ込むことです。
全体のボリュームに5つのスリットを平行に設け、ボリュームを6つに分けました。1,010~1,310mmまでの決して広くはない隙間ですが、南に建物があっても、空が見え、風がぬけ、光が差し込みます。

通路だけはこれに直行させ、建物を貫通する中廊下と、北側の外構を歩く散策路の二つを設け、中廊下に12戸、北側の散策路には8戸の玄関を設けました。
一見分かれた二つの通路は、行き来の風景がスリットによって繋がっています。また、二つの通路は建物の一番奥で繋がってループするようになっており、奥の住戸は、どちらを通っても道に出ることができ、子供であれば建物全体を使って鬼ごっこやかくれんぼも出来てしまうでしょう。

建築家によるテキストより

20世帯が集まって暮らすといっても、各世帯の多様なライフスタイルがあり、近い距離感で一緒にいるというよりは、街の中にそれぞれが暮らしているような気楽さがあると良いと考えました。

まとまった大きな共用部をつくらず、みちとスリットによって住人同士の関係性を編むように構成したことは、とても現代的な集合のあり方に繋がったのではないかと思います。


建築家によるテキストより

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