



ザハ・ハディド・アーキテクツがリードアーキテクトを務める、イタリアの「マルペンサ病院」です。
自然遺産に恵まれた地域での計画です。建築家は、地域社会の新たな交流の場としても考慮し、人間中心の設計思想を基にリハビリや休息のための様々な緑あふれる空間を備えた建築を考案しました。
こちらはリリーステキストです(翻訳:アーキテクチャーフォト / 原文は末尾に掲載)
ZHAとパートナーがマルペンサ病院を設計
イタリア・マルペンサ
マルペンサ病院(グランデ・オスペダーレ・デッラ・マルペンサ)の設計に関する国際コンペティションは、ザハ・ハディッド・アーキテクツ(ZHA)と、リナ(チームリーダー)、スタジオ・プリッキ、WSP、STIエンジニアリング、BCビルディング・コンサルティングのパートナーシップに授与されました。新たな医療キャンパスは、旧ガッララーテ病院とブスト・アルシーツィオ病院を統合し、ミラノとヴァレーゼの間に位置する地域に住む約100万人の住民に向けて、21世紀型の医療を提供する施設となります。
ロンバルディア州保健局の委託により設計されるマルペンサ病院は、オローナ渓谷の進化するニーズに対応しつつ、運用の有効性と効率性を損なうことなく、新たな技術を受け入れられる柔軟性を確保します。
新病院の設計は、三つの基本的な優先事項に取り組んでいます。すなわち、地域の高まる医療需要への対応、先進医療技術と人間中心のデザインの統合、そして地域社会が最高水準の医療サービスにアクセスできることの確保です。
本プロジェクトは、医療の革新、地域の遺産保全、そして生態系の再生を包括的に統合したものであり、今日の地域社会に貢献しつつ、将来のニーズにも適応できる包摂的で持続可能なキャンパスを創出します。
進化する健康課題や気候条件に対応するために設計されたこの病院は、モジュール構造を採用しており、将来的な拡張や緊急時の迅速な再構成を可能にします。このアプローチは、地域の高まる医療ニーズに応えると同時に、先進的な医療技術と個々の快適さに焦点を当てたデザインを融合させています。
地上5階・地下1階からなるコンパクトな構造を持つこの病院は、約90,000㎡の規模で、医療の重症度に応じて構成されており、救急医療、外科、集中治療を含む多機能手術ブロック内に放射線科、インターベンション室、診断室を備えています。
この病院には、広範な外来・入院施設、母子ケア病棟に加え、診断および治療ゾーンと治療室が設けられます。この設計には、一次・二次診療クリニック、母子医療のための追加の診療所、さらにリハビリ、検査室、物流などの専門エリアも含まれています。病院内のすべての施設は、変化するニーズに柔軟に対応できるよう、容易に再構成できるように設計されています。
病院の来訪者、患者、職員、物資のための専用の動線は、干渉を最小限に抑え、感染リスクを低減します。一般の利用者が通行するルートと、技術者や医療従事者が使用するルートは明確に分離されます。医療物資、物品、廃棄物のための専用エレベーターは、患者や来訪者との干渉を避けるよう戦略的に配置されています。病院全体に自動搬送システムを導入することで、患者と職員は最も効率的な物流サービスの恩恵を受けることができます。
この設計は、患者と職員の双方に同様に休息ゾーンを設けることで、不安を軽減し、プライバシーと快適性を重視しています。地上階には中央の「メインストリート」が公共の軸として機能し、エントランス広場とランドスケープエリアをつなぐことで、アクセシビリティと地域社会との一体性を高めます。屋内空間は自然光と音響の快適性を最適化するように設計されており、健康とウェルビーイングを支える環境が創出されています。














