SHARE 堀部安嗣の新しい書籍『住まいの基本を考える』
堀部安嗣の新しい書籍『住まいの基本を考える』がamazonで予約受付中です。発売は2019年4月25日を予定。
著者初の本格住宅論!
情緒と機能性――。
自然や伝統に調和するかたち。 省エネルギーを実現しながら冬暖かく、夏涼しい室内環境。
独りでいても寂しくなく、家族といても窮屈でない広さ。
心身のさまざまな状態に呼応する生活動線。気候風土や人々の記憶を読み解き、住宅の基本性能を丁寧に考えることで得られる豊かな情感。
病めるときも、健やかなるときも、私たちをあたたかく包み込み、前向きな生へと導いてくれる大らかさ。
住宅建築の名手が今あらためて、情緒と機能性をあわせもつ、普遍的な住まい〈ベーシック・ハウス〉とは何かを考えた。
その思考と実践の跡を近作8軒の写真や手描き図面とともにつづる。目次
1 進化した巣の姿
2 小さな家の魅力
3 〝パッシブ〟な家の魅力
4 本当の財産とは
5 住宅の寿命
6 懐かしい未来に向けて私の設計した家
里山に暮らす 里山住宅博 ヴァンガードハウス
古都に暮らす 鎌倉大町の家 *住まい手インタビュー
集まって暮らす 八雲の家 *住まい手インタビュー
郊外に暮らす 秦野の家
大地に暮らす 北杜の家
山に暮らす 池川の家
都市に暮らす 中野のマンション
町に暮らす 河内永和の家 *住まい手インタビュー住まいは食や衣と同じく、人の心身に大きく作用するとても重要なものです。また風土や環境 や地域の文化と密接につながっていなければならないものだと思います。
住まいの基本を見つめることは、身体や環境に負担がかからず、長年の風雪に耐えてなおも生き残ってきたものの価値を見出し、評価することにつながります。また住まいは住む人の人生に決定的な影響を与えるものなので、噓や誤魔化しがあってはいけないこともわかります。過去から未来につながる時間の中で、現実を丁寧に調整したり修復したりして、徐々に住まいのあり方を変えてゆく必要性も見えてきます。
この本に示した私の考えや作品は、あくまでも近年の私自身の試行錯誤の結果であり、一般解、標準解を目的にしたものではありません。一人一人が住まいという樹木の太い根幹を考え、それぞれの地域、環境、暮らしの中に豊かで多様な枝葉が茂ってゆく一つのきっかけになる本になればと願っています。
――はじめにより抜粋