SHARE ツバメアーキテクツによる「紋付建具 / Graphic Threshold」
ツバメアーキテクツが設計した「紋付建具 / Graphic Threshold」です。
ページ下部には重なりの様子が良くわかる動画も掲載しています。
幼児教室・相談室・オフィスなどのインテリアの設計。部屋を仕切ったりつなげたりして使うことが想定されたために、引き違いの建具をメインに設計することにした。
ここに通う子供が開け閉めをすることになるので、そこに気付きがあるようにできないかということから考え始めた。障子や襖を参照しているうちに、我々は「紋様」に着目しはじめた。
1.建具が動いていく時のモアレが効果的になること
2.開け切った時に図像に重なりが無くガラス面を埋めること
3.開き切った時の面が場所ごとに異なるイメージを想起させること
などを原則とし、形を決めていった。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
二次元から三次元を現象させる
幼児教室・相談室・オフィスなどのインテリアの設計。部屋を仕切ったりつなげたりして使うことが想定されたために、引き違いの建具をメインに設計することにした。
ここに通う子供が開け閉めをすることになるので、そこに気付きがあるようにできないかということから考え始めた。
障子や襖を参照しているうちに、我々は「紋様」に着目しはじめた。
1.建具が動いていく時のモアレが効果的になること
2.開け切った時に図像に重なりが無くガラス面を埋めること
3.開き切った時の面が場所ごとに異なるイメージを想起させること
などを原則とし、形を決めていった。
子供が多くいる場所は、幾何学をベースとし、コミカルなモアレが生まれるようにした。大人が多くいる場所は、日本的な紋様である七宝や花七宝をベースとし、重なりによって複雑な紋様を描くようにした。
こうした作業は二次元の紋様を扱っているだけのように見えるが、実際には三次元を扱うことになる。
実際には建具の厚みがあることによって重なった時に紋様が立体的にレイアウトされるということがわかる。(=三次元)
また遠くから建具の移動を眺めていても、紋様と紋様の重なりが別のパターンを時間の進行とともに次々と描き出すということ。(こちらも=三次元、なんていう言い方も出来るかもしれない。)
他のプロジェクトにおいても、デザインの対象となるエレメントをレイヤー状に分解して、また合成するというアプローチを取った。
物理的に人間が移動することや時間の変化などをなにかしらの効果として、空間に現象させる実験である。
■建築概要
用途:幼児教室・事務所など
施主:株式会社 Lead Discovery
施工:月造
写真・動画:長谷川健太
所在地:埼玉県さいたま市浦和区
竣工:2019年7月