SHARE 中西正佳建築設計事務所による、大阪・高槻市の住宅「オセロハウス」
中西正佳建築設計事務所が設計した、大阪・高槻市の住宅「オセロハウス」です。
大阪、京都のほぼ中央に位置し、ベッドタウンとして栄える大阪・高槻。各敷地の周囲をコンクリートブロック塀が囲む、都市部における典型的な住宅地です。このような閉鎖的な住宅地において、塀を設けず1階と2階の機能を組み換え、平面的かつデザイン的な配慮を行うことで、まちに背を向けるのではなく、まちと住まい手が、お互いに享受し合う住まいを目指しました。
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以下、建築家によるテキストです。
大阪、京都のほぼ中央に位置し、ベッドタウンとして栄える大阪・高槻。各敷地の周囲をコンクリートブロック塀が囲む、都市部における典型的な住宅地です。このような閉鎖的な住宅地において、塀を設けず1階と2階の機能を組み換え、平面的かつデザイン的な配慮を行うことで、まちに背を向けるのではなく、まちと住まい手が、お互いに享受し合う住まいを目指しました。
通常、1階は敷地の周囲に塀が張り巡らされ、リビング等は暗く風通しが悪くなります。また道路も塀により無機質で閉鎖的な空間になりがちです。そこで本計画では、1階には寝室のみを配置しました。ゆとりができた1階の外構は、まちの人も楽しめるお庭を作ったり、車のない時は子供たちの遊び場となる駐車場を作ったりと、閉鎖的な通りを開放的な場所にすることができます。
2階には寝室以外のすべての機能を配置しました。2階は十分な採光や通風を取り入れることができます。また周辺の住まい手と1、2階での生活時間が逆転するとこで、お互いのプライバシーも確保することができます。
次に、各階で周辺住宅と豊かな関係を築くための平面計画として、1階と2階の軸を45°ずらしています。1階はまちと連続的につながるため、まちと同じ軸、2階はプライベート性を高めるため、45°振った軸としています。
外装においても、1階はまちの延長と考え(塀の連続性を意識して)、土壁で守られたイメージ、2階はツリーハウスのように魅力的な空間が浮いているイメージを作りだしています。
さらに、今回の計画では、お隣にご両親が住まわれており、将来的に足腰が不自由になれば、両親のお家と組み替え、1階に親世帯、2階に子世帯とすることも可能です。多世代に渡り、まちに永く住まうことが可能となります。
■建築概要
建築名:オセロハウス
所在地:大阪府高槻市
用途:住宅
規模:地上2階
構造:木造
敷地面積:144.10㎡
建築面積:74.71㎡
延床面積:144.93㎡
設計:中西正佳建築設計事務所
構造:満田衛資構造計画研究所
左官:久住左官
造園:グリーンスペース
家具:キムラ、中西正佳建築設計事務所
施工:株式会社 ヴィーコ
竣工年:2018年12月
写真:西川公朗