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伊藤維建築設計事務所の会場構成による、大丸京都店での「余白のある暮らし博」。コロナ禍以後の“豊かさ”を提案する展示。“低いワンルーム空間”を活かし、様々な高さのテーブルを用いて物に向き合うスケールと全体を一望するスケールを共存。地域の資材等を転用し想像の広がりも喚起
伊藤維建築設計事務所の会場構成による、大丸京都店での「余白のある暮らし博」。コロナ禍以後の“豊かさ”を提案する展示。“低いワンルーム空間”を活かし、様々な高さのテーブルを用いて物に向き合うスケールと全体を一望するスケールを共存。地域の資材等を転用し想像の広がりも喚起 photo©奥田正治
伊藤維建築設計事務所の会場構成による、大丸京都店での「余白のある暮らし博」。コロナ禍以後の“豊かさ”を提案する展示。“低いワンルーム空間”を活かし、様々な高さのテーブルを用いて物に向き合うスケールと全体を一望するスケールを共存。地域の資材等を転用し想像の広がりも喚起 photo©奥田正治
伊藤維建築設計事務所の会場構成による、大丸京都店での「余白のある暮らし博」。コロナ禍以後の“豊かさ”を提案する展示。“低いワンルーム空間”を活かし、様々な高さのテーブルを用いて物に向き合うスケールと全体を一望するスケールを共存。地域の資材等を転用し想像の広がりも喚起 photo©奥田正治

伊藤維建築設計事務所の会場構成による、大丸京都店での「余白のある暮らし博」です。
コロナ禍以後の“豊かさ”を提案する展示です。建築家は、“低いワンルーム空間”を活かし、様々な高さのテーブルを用いて物に向き合うスケールと全体を一望するスケールを共存させました。また、地域の資材等を転用し想像の広がりを喚起する事も意図されました。(会期は終了しています)

大丸京都店の主催、mui Labのディレクションによる、コロナ禍を経たこれからの暮らしに「余白」をもつ豊かさを、様々なプロダクト・作品・イベントなどを通して提示する展覧会「余白のある暮らし博」のメイン会場構成を行った。

建築家によるテキストより

異なる物々を同居させ展示するにあたり、百貨店催事スペースの「低いワンルーム空間」の特徴を活かし、壁を立てて間仕切る代わりに、高さの異なる大きめのテーブルを配列することで、物ひとつひとつに向き合う小さなスケールと、大きな気積を感じつつ全体を一望できる大きなスケールとを共存させることを考えた。

建築家によるテキストより

また、北山杉で知られる中川地区の組合から購入・借用した丸太や一枚板などを転用してベンチやスツール、仕切りを設えたり、アパレル縫製企業から出た余剰材を再構成し、アクセントとなるファブリックを各所に配したりするなど、地域で古くから作られているもの、生産流通の傍らで余りとしてい廃棄されるものなどの再解釈・転用によって、展示物とともに、地域や時間的な広がり・想像が重なっていくことを企図している。

建築家によるテキストより
加藤直樹 / N.A.Oによる、神奈川・中郡の「HOUSE-U」。多くの物を持つ施主の為に計画。所有品を活かす“物”と“空間”が“渾然一体”となる状態を目指し、不整形平面や様々な素材で“ズレ”や“違和感”を生む設計を志向。“生活”の介入で活性化される空間を作る
加藤直樹 / N.A.Oによる、神奈川・中郡の「HOUSE-U」。多くの物を持つ施主の為に計画。所有品を活かす“物”と“空間”が“渾然一体”となる状態を目指し、不整形平面や様々な素材で“ズレ”や“違和感”を生む設計を志向。“生活”の介入で活性化される空間を作る photo©花岡慎一
加藤直樹 / N.A.Oによる、神奈川・中郡の「HOUSE-U」。多くの物を持つ施主の為に計画。所有品を活かす“物”と“空間”が“渾然一体”となる状態を目指し、不整形平面や様々な素材で“ズレ”や“違和感”を生む設計を志向。“生活”の介入で活性化される空間を作る photo©花岡慎一
加藤直樹 / N.A.Oによる、神奈川・中郡の「HOUSE-U」。多くの物を持つ施主の為に計画。所有品を活かす“物”と“空間”が“渾然一体”となる状態を目指し、不整形平面や様々な素材で“ズレ”や“違和感”を生む設計を志向。“生活”の介入で活性化される空間を作る photo©花岡慎一
加藤直樹 / N.A.Oによる、神奈川・中郡の「HOUSE-U」。多くの物を持つ施主の為に計画。所有品を活かす“物”と“空間”が“渾然一体”となる状態を目指し、不整形平面や様々な素材で“ズレ”や“違和感”を生む設計を志向。“生活”の介入で活性化される空間を作る photo©花岡慎一

加藤直樹 / N.A.Oが設計した、神奈川・中郡の「HOUSE-U」です。
多くの物を持つ施主の為に計画されました。建築家は、所有品を活かす“物”と“空間”が“渾然一体”となる状態を目指し、不整形平面や様々な素材で“ズレ”や“違和感”を生む設計を志向しました。そして、“生活”の介入で活性化される空間を作る事が意図されました。

計画地は、古い家屋があった広い敷地を二区画に分譲した一区画である。
北側と南側に二面接道した変形敷地であり、隣地や道路との高低差がある状態であった。特に南側道路向かいの隣地が地盤面から約2.5m程高いため、日射への影響が懸念された。加えて北側道路が敷地への主出入口になるのだが、地盤面から約1.2m程低い状態にあり、擁壁などのコスト面の懸念もあった。
施主からはその二点の懸念事項を払拭する計画とすることと間仕切りのない広い空間を設けることが主の要望とされていた。

建築家によるテキストより

間仕切りがない広い空間を設けたいという要望は「モノを自由にレイアウトしたい」という理由からだった。
施主夫婦は多くのモノを所有していた。その時に出会った良いモノを長く使う主義なのだと私は感じていたのだが、そのせいかモノ同士の統一感はあまりない。しかし、不思議とまとまりがあり、非常にセンスの良いモノで溢れていた。現在のセンスの良いモノも残り続けながら、新たに豊かな多くのモノが少しずつ増えていく未来が想像できた。

建築家によるテキストより

そのモノを活かすような空間を思案すべきだと考えた。かといってホワイトキューブのようなモノが主役になりすぎるプレーンな空間ではなく、モノと空間が渾然一体となっていくような構成を目指し、ベースとなる建築側に“ズレ”や“違和感”を敢えて設えた。平面形状が不整形であったり、シンメトリーのようでアシンメトリーであったり、マテリアルや色などの切り替えに統一感を持たせないことなどだ。

建築家によるテキストより
建築家のバルクリシュナ・ドーシ氏が亡くなりました。コルビュジエとカーンの下で働き、2018年にプリツカー賞を受賞

建築家のバルクリシュナ・ドーシ氏が亡くなりました。95歳でした。コルビュジエとカーンの下で働き、2018年にプリツカー賞を受賞した人物です。

【ap job更新】 東京と高知を拠点に、様々な環境で建築の可能性を追求する「株式会社 矢野建築設計事務所」が、設計スタッフ(2023年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 東京と高知を拠点に、様々な環境で建築の可能性を追求する「株式会社 矢野建築設計事務所」が、設計スタッフ(2023年新卒・既卒・経験者)を募集中
【ap job更新】 東京と高知を拠点に、様々な環境で建築の可能性を追求する「株式会社 矢野建築設計事務所」が、設計スタッフ(2023年新卒・既卒・経験者)を募集中相生町の家

東京と高知を拠点に、様々な環境で建築の可能性を追求する「株式会社 矢野建築設計事務所」の、設計スタッフ(2023年新卒・既卒・経験者)募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
新規の求人の投稿はこちらからお気軽にお問い合わせください

株式会社矢野建築設計事務所では設計スタッフ(正社員)を募集しています。

われわれは建築、インテリア、家具、ランドスケープと幅広く設計をする会社です。
東京と高知(四国)の2拠点で設計活動をしており、都市部と地方都市での仕事を同時に進めています。
経済状況や自然環境、施工体制の異なる条件で建築を考え、それぞれの場所で建築を作ることの可能性について皆で議論をしながら、プロジェクトを実現してきました。

現在、様々な内容の建築の設計・提案の機会が増えているため、スタッフを1~2名程度募集します。
スタッフは1年目から担当プロジェクトをもち、基本設計、実施設計、現場監理まで主体的に関わることができます。

【ap job更新】 中村拓志&NAP建築設計事務所が、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)と CGパースデザイナーを募集中
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【ap job更新】 中村拓志&NAP建築設計事務所が、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)と CGパースデザイナーを募集中

中村拓志&NAP建築設計事務所の、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)と CGパースデザイナー募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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中村拓志&NAP建築設計事務所が、新卒・実務経験者を募集(特にホテル等の宿泊施設の設計経験者を求めています)

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中村拓志&NAP建築設計事務所でスタッフを募集します。
港区白金にある事務所には現在 35名の設計スタッフ、4名の広報・事務スタッフが在籍し、国内外で 40以上のプロジェクトが進行中です。これまでNAP建築設計事務所は建築の設計監理のみならず、企画・商環境のコンサルティングから、デザイン監修、建築完成後のインテリア・家具デザインまで、トータルに空間デザインに関わり、革新的な建築を創り続けてきました。

【多様な業務が経験できる柔軟な環境】
NAP建築設計事務所は、多様なプロジェクトの設計を数多く手掛けており、1年目から担当プロジェクトをもち、企画段階から基本設計、実施設計、現場監理まで主体的に関わることができます。能力に応じて昇給・役職アップを随時行うため、新卒入社 2〜3年のスタッフでも能力が高ければ重要プロジェクトのメイン担当者として活躍できる、柔軟な人事配置制度となっています。

弊社の一級建築士の資格取得のための補助制度(30万円)を利用して勉強をしながら勤務することも可能です。また、ブランディングやコンサルティング、街づくり、プロダクトデザインなどを幅広く手掛けているので、より実践的で横断的なスキルを磨くことも可能です。

将来的には、パートナーとしてプロジェクトをもって独立することも可能です。独立志望の方も開業までのステップとして、実務を経験し成長の場となることができればと考えています。自身のクリエイティビティを発揮したい方、独立志望の方、会社と共に成長しながら長く勤めたい方など、意欲のある方を求めています。

【設計者=暮らしの達人になるために】
NAP建築設計事務所では、人間らしい豊かで幸福な暮らしを営む「暮らしの達人」であることが設計者の基盤であると考えています。結婚や子育てをしながら働き続けられるような手当制度やレクリエーションの企画を行っています。プロジェクトチームごとにプレゼンを行う社内勉強会や見学会、自社で設計したホテルへの宿泊など、スキルアップの機会も積極的に設けています。

【ap job更新】 エリア再生と既存ストック再生に特化した「再生建築研究所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)とアルバイトを募集中
【ap job更新】 エリア再生と既存ストック再生に特化した「再生建築研究所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)とアルバイトを募集中
【ap job更新】 エリア再生と既存ストック再生に特化した「再生建築研究所」が、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)とアルバイトを募集中神田錦町オフィスビル再生計画 ©楠瀬友将

エリア再生と既存ストック再生に特化した「再生建築研究所」の、設計スタッフ(経験者・既卒・2023年新卒)とアルバイト募集のお知らせです。詳しくは、ジョブボードの当該ページにてご確認ください。アーキテクチャーフォトジョブボードには、その他にも、色々な事務所の求人情報が掲載されています。
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再生建築研究所は、2012年に創業し、「建築の不可能を可能に」をモットーに、取り壊すしかないと言われた様々な建築を再生してきました。

日本の建築の平均寿命は30年。欧米の約100年と比べて、更新、開発による限られた土地の中での高密度な都市の構築が主流とされてきました。ポストコロナ時代を迎えたいま、都市のストックは飽和状態にあり、更新型の都市づくりは限界を迎えています。

再生建築研究所が目指すのは、全てを改修により保存、延命させようとすることではありません。新築、既存改修問わず、その場所の記憶や文化を読みとき、佇まいやまとう空気を引き継ぎながら、生まれ変わる状態を「サイセイ」と定義し、それが根付く社会のしくみづくりまで携わりたいと考えています。

現在では、建築の領域を超えて、ブランディング、コンサルティングといった、仕組みや運営に携わるプロジェクトも増え、ときに大学研究機関や金融機関と関わりながら、サイセイの可能性を探求し、「壊して更新する文化」から「残して再生する文化」を目指しています。

神谷勇机 / 1-1 Architectsによる、愛媛・伊予市の「House KJ 輪郭と線」。区画整理で生まれた“変形旗竿”地に計画。“拠り所のない”状況下で“新たな関係性の構築”を目指し、旗と竿を貫く“幅1間”の量塊を主とした建築を考案。環境を肯定し暮らしの一部となる建ち方を志向
神谷勇机 / 1-1 Architectsによる、愛媛・伊予市の「House KJ 輪郭と線」。区画整理で生まれた“変形旗竿”地に計画。“拠り所のない”状況下で“新たな関係性の構築”を目指し、旗と竿を貫く“幅1間”の量塊を主とした建築を考案。環境を肯定し暮らしの一部となる建ち方を志向 photo©1-1 Architects
神谷勇机 / 1-1 Architectsによる、愛媛・伊予市の「House KJ 輪郭と線」。区画整理で生まれた“変形旗竿”地に計画。“拠り所のない”状況下で“新たな関係性の構築”を目指し、旗と竿を貫く“幅1間”の量塊を主とした建築を考案。環境を肯定し暮らしの一部となる建ち方を志向 photo©1-1 Architects
神谷勇机 / 1-1 Architectsによる、愛媛・伊予市の「House KJ 輪郭と線」。区画整理で生まれた“変形旗竿”地に計画。“拠り所のない”状況下で“新たな関係性の構築”を目指し、旗と竿を貫く“幅1間”の量塊を主とした建築を考案。環境を肯定し暮らしの一部となる建ち方を志向 photo©1-1 Architects
神谷勇机 / 1-1 Architectsによる、愛媛・伊予市の「House KJ 輪郭と線」。区画整理で生まれた“変形旗竿”地に計画。“拠り所のない”状況下で“新たな関係性の構築”を目指し、旗と竿を貫く“幅1間”の量塊を主とした建築を考案。環境を肯定し暮らしの一部となる建ち方を志向 photo©1-1 Architects

神谷勇机 / 1-1 Architectsが設計した、愛媛・伊予市の「House KJ 輪郭と線」です。
区画整理で生まれた“変形旗竿”地に計画されました。建築家は、“拠り所のない”状況下で“新たな関係性の構築”を目指し、旗と竿を貫く“幅1間”の量塊を主とした建築を考案しました。そして、環境を肯定し暮らしの一部となる建ち方を志向しました。

愛媛県の郊外に位置する大きな田園を宅地開発した区画の1つに計画した住宅。

建築家によるテキストより

区画全体は、新しく造成された土地であるが、もともとの田園とそれを囲む細い既存道路が高低差を含む歪な形状であったことから、対象敷地は一連の区画整理の中で最後に生まれた変形旗竿形状であると考えられた。そのため、様々な角度を持った敷地境界線と建物に囲まれることになり、敷地のどこに立っても拠り所のない隣地との距離感と希薄な関係性を感じた。

本計画では、歪な輪郭を持った変形旗竿地における建物と敷地境界線との距離を設計することで、隣地を含んだ外部との新たな関係性の構築を試みたプロジェクトである。

建築家によるテキストより

具体的には、変形旗竿地の旗部分と竿部分を貫くように幅1間の細長いボリュームを挿入するように配置する。そうすることで、変形敷地の中で拠り所となる強固な軸を持った内部空間がつくられる。内部の各スペース全てが、東西両側に手を伸ばせば届きそうな距離の外壁面を持ち、そこに隣地との関係を調整しながら外部へとつながる開口と溜まりの場となる軸から少し膨らんだ場所を配置していく。

建築家によるテキストより
二俣公一 / ケース・リアルによる、兵庫・豊岡市の「玄武洞公園整備計画」。景勝地として親しまれる場の再整備計画。自然の彫刻と呼ばれる“柱状節理”の見せ方を主題として、様々な要素の形と色彩や素材を考慮。“再編集”の整備で自然の迫力を体感できる環境を作る
二俣公一 / ケース・リアルによる、兵庫・豊岡市の「玄武洞公園整備計画」。景勝地として親しまれる場の再整備計画。自然の彫刻と呼ばれる“柱状節理”の見せ方を主題として、様々な要素の形と色彩や素材を考慮。“再編集”の整備で自然の迫力を体感できる環境を作る photo©水崎浩志
二俣公一 / ケース・リアルによる、兵庫・豊岡市の「玄武洞公園整備計画」。景勝地として親しまれる場の再整備計画。自然の彫刻と呼ばれる“柱状節理”の見せ方を主題として、様々な要素の形と色彩や素材を考慮。“再編集”の整備で自然の迫力を体感できる環境を作る photo©水崎浩志
二俣公一 / ケース・リアルによる、兵庫・豊岡市の「玄武洞公園整備計画」。景勝地として親しまれる場の再整備計画。自然の彫刻と呼ばれる“柱状節理”の見せ方を主題として、様々な要素の形と色彩や素材を考慮。“再編集”の整備で自然の迫力を体感できる環境を作る photo©水崎浩志
二俣公一 / ケース・リアルによる、兵庫・豊岡市の「玄武洞公園整備計画」。景勝地として親しまれる場の再整備計画。自然の彫刻と呼ばれる“柱状節理”の見せ方を主題として、様々な要素の形と色彩や素材を考慮。“再編集”の整備で自然の迫力を体感できる環境を作る photo©水崎浩志

二俣公一 / ケース・リアルが基本設計・全体監修した、兵庫・豊岡市の「玄武洞公園整備計画」です。実施設計はキタイ設計と松田一級建築士事務所が担当しています。
景勝地として親しまれる場の再整備計画です。建築家は、自然の彫刻と呼ばれる“柱状節理”の見せ方を主題として、様々な要素の形と色彩や素材を考慮しました。そして、“再編集”の整備で自然の迫力を体感できる環境を作る事が意図されました。施設の公式サイトはこちら

大きなうねり模様に、無数のスジが入ったようなゴツゴツした岩肌。六角形の岩の断面が、幾重にも連なる硬い岩壁。兵庫県の日本海側に位置する豊岡市の「玄武洞公園」は、約160万年前のマグマが冷え固まるときに出来た「柱状節理」と呼ばれる特徴的な地形が見られる自然公園である。

建築家によるテキストより

今回の計画は、長年に渡って景勝地として親しまれてきたこの公園の入園有料化に伴う再整備計画であった。
計画を進める上で最も議論されたのは、「自然の彫刻」とも呼ばれる柱状節理の迫力を、来園者にいかにして感じてもらうかであった。そして、既存の公園の要素をどの程度残しながら新たに手を加えていくか、そのバランスが議論された。

建築家によるテキストより

整備の軸となったのは、「玄武洞」「青龍洞」という公園内でも特にスケールのある柱状節理が見られる洞の前に、コンクリートで出来た大きな「基壇(ステージ)」を設けたことである。それぞれの基壇の前方にはベンチを設け、目の前の洞を見上げるように自然と対峙出来る居場所を作った。

さらに、基壇やベンチの表面はブラスト加工で荒らして表情をつけ、コンクリート製でありながらも自然と相性の良い仕上げを意識した。公園内をめぐる園路にも同じ素材や仕上げを使用し、曲線や直線を用いて造作することで、自然の有機的なラインとコントラストをつけた。

建築家によるテキストより
梅原悟 / UME architectsによる、東京・豊島区の住宅「駒込の角家」。“木密地域”の角地の狭小敷地。立地特性を活かした快適な空間を目指し、LDKを2階に配置して“視界が遠くに伸びる”開口部を設計。階段を取り込み壁と天井を押し出して限られた中で“広さ”を追求
梅原悟 / UME architectsによる、東京・豊島区の住宅「駒込の角家」。“木密地域”の角地の狭小敷地。立地特性を活かした快適な空間を目指し、LDKを2階に配置して“視界が遠くに伸びる”開口部を設計。階段を取り込み壁と天井を押し出して限られた中で“広さ”を追求外観 photo©梅原悟
梅原悟 / UME architectsによる、東京・豊島区の住宅「駒込の角家」。“木密地域”の角地の狭小敷地。立地特性を活かした快適な空間を目指し、LDKを2階に配置して“視界が遠くに伸びる”開口部を設計。階段を取り込み壁と天井を押し出して限られた中で“広さ”を追求2階、リビング・ダイニング photo©梅原悟
梅原悟 / UME architectsによる、東京・豊島区の住宅「駒込の角家」。“木密地域”の角地の狭小敷地。立地特性を活かした快適な空間を目指し、LDKを2階に配置して“視界が遠くに伸びる”開口部を設計。階段を取り込み壁と天井を押し出して限られた中で“広さ”を追求2階、リビング・ダイニング photo©梅原悟

梅原悟 / UME architectsが設計した、東京・豊島区の住宅「駒込の角家」です。
“木密地域”の角地の狭小敷地に計画されました。建築家は、立地特性を活かした快適な空間を目指し、LDKを2階に配置して“視界が遠くに伸びる”開口部を設計しました。また、階段を取り込み壁と天井を押し出して限られた中で“広さ”も追求されました。

敷地は狭あい道路の多く残る木密地域にありながら、T字路の北東角地にあり、南側向かいの建物がセットバックしているため、かなり先からも見通すことができる。

そのような狭小地に建つこの住宅は、白い直方体の上に折れ曲がった黒い屋根が浮いたように載り、2方向の道路にヴォリュームが突出するアイコニックな印象を外観に持つ。

建築家によるテキストより

内部の構成もシンプルで、接道する2方向道路からの視線が気にならないようメインとなるLDKを2階にすることで自然光が入りとても明るい。そして1階に閉じた寝室や水回り、3階にオープンなロフトとバルコニーを配している。

中心となるLDKは限られた床面積を少しでも広げるべく階段を取り込み、壁と天井を押し出している。また立地の特性を活かし、その開口から視界が遠くに伸び、狭いながらも快適に過ごせるようになっている。

建築家によるテキストより

仕上げ素材の種類や色をできるだけ少なくすることで内・外ともに統一感を与え、かつローコストに繋がっている。
特に内観の壁・天井と家具は白で明るい空間とし、カラフルなオブジェやアート作品などを飾ったりできる。間仕切の代わりに透けたカーテンを用いることで奥を感じ、また窓も同じカーテンにすることで向こうにある空間の領域意識も曖昧になり、感覚的な広がりを得られるように工夫している。

建築家によるテキストより
studio36による、愛知・岡崎市の美容室「ie」。商業ビルの1室に計画。“場所に潜む豊かさ”を引き出す空間を目指し、機能を集約した円形什器を用いた“気配や環境の変化”が感じられる構成を考案。“ワンアクションの介入”で改修の在り方も問う
studio36による、愛知・岡崎市の美容室「ie」。商業ビルの1室に計画。“場所に潜む豊かさ”を引き出す空間を目指し、機能を集約した円形什器を用いた“気配や環境の変化”が感じられる構成を考案。“ワンアクションの介入”で改修の在り方も問う photo©村山写真事務所
studio36による、愛知・岡崎市の美容室「ie」。商業ビルの1室に計画。“場所に潜む豊かさ”を引き出す空間を目指し、機能を集約した円形什器を用いた“気配や環境の変化”が感じられる構成を考案。“ワンアクションの介入”で改修の在り方も問う photo©村山写真事務所
studio36による、愛知・岡崎市の美容室「ie」。商業ビルの1室に計画。“場所に潜む豊かさ”を引き出す空間を目指し、機能を集約した円形什器を用いた“気配や環境の変化”が感じられる構成を考案。“ワンアクションの介入”で改修の在り方も問う photo©村山写真事務所

畑克敏+足立拓哉+深澤愛佳+深澤創一 / studio36が設計した、愛知・岡崎市の改修美容室「ie」です。
商業ビルの1室に計画されました。建築家は、“場所に潜む豊かさ”を引き出す空間を目指し、機能を集約した円形什器を用いた“気配や環境の変化”が感じられる構成を考案しました。また、“ワンアクションの介入”で改修の在り方も問う事が意図されました。店舗の公式サイトはこちら

ビルの1室に什器1点を置く“ワンアクションの介入”による完全予約制の小さな美容室の計画である。

建築家によるテキストより

機能を集約した円形什器を部屋の中央に配置し、入口からの視線を適度に遮りながら、部屋のどこにいても気配や環境(光/音/風)の変化が感じられる計画とした。

建築家によるテキストより

円形什器は、曲げ合板(915mm×1825mm)10枚を周囲に纏い、壁を穿つことにより、外周部は待合・カットスペース、内周部はシャンプースペースとそれぞれのスペースに必要な機能が配置されている。

建築家によるテキストより
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/1/16-1/22]
最も注目を集めたトピックス[期間:2023/1/16-1/22]

アーキテクチャーフォトで、先週(期間:2023/1/16-1/22)注目を集めたトピックスをまとめてご紹介します。リアルタイムでの一週間の集計は、トップページの「Weekly Top Topics」よりご覧いただけます。


  1. 彦根アンドレア / 彦根建築設計事務所による、神奈川の住宅「365°」。海と山を望む高台の敷地。周囲の景色を取り込みつつ強風に対策する為、中庭を囲む様に諸室を配置した“円形”の平面構成を考案。詳細な設備計画や自然エネルギーの活用等で“自立した生活”環境も構築
  2. PARTYと日建設計とSOLSOによる、東京・丸の内の「ユーザベース新本社」。経済メディア運営企業の社屋。コロナ禍以降の事務所の“存在意義”を追求し、様々なイベントの発生を意図した“体験のデザイン”を志向。“共創が起こる” “熱を生む” “象徴となる”を価値基準に据える
  3. マーク・ニューソンによる、東京・渋谷区の「裏参道公衆トイレ」。首都高速の高架下の敷地。潜在的に“心地よさ”を与える存在を目指し、日本伝統建築の“蓑甲屋根”を引用した外観を考案。“明るい内装”で内からも外からも“信頼”と“誠実”を感じられる意匠を志向
  4. 小野良輔建築設計事務所による、鹿児島の住宅「奄美大島の家型」。“新しい住宅”と“民家”が並ぶ集落に計画。現代の工業的建築に伝統的建築の“因子”を継承した新形式を求め、平面や屋根に新旧の“ハイブリッド”を志向。“懐古主義”に陥らない未来に繋がる建築を作る
  5. 伊庭野大輔と藤井亮介による、和歌山の「高野山 café 雫」。世界遺産の地に新設された拠点内の店舗。場所の風景と水を想起させる場を求め、地域産の木柱を“林立”させ全艶塗装のテーブルの“反射”が視覚的増幅を生む空間を考案。木立の中でくつろぐ様な体験を作り出す
  6. 中村堅志 / 中村建築による、鳥取市の「あたらしい家」。“中山間部”集落の住宅の建替。増築が重なる状況を整理し“光と風”を取り込む為、“中庭”や“隙間”の生成を意図した平面構成を志向。景観にも配慮して“明るく落ち着いた住空間”を作り出す
  7. トラフ建築設計事務所による、栃木の「ONIBUS COFFEE那須店」。“環境に配慮する”店舗が集まる施設内に計画。都外初の出店として“新たなプレゼン”の場を目指し、“珈琲の豆かす”を混ぜた左官床等を考案。お客と店員が円滑に交流でき気持ちよく働ける場を作る
  8. 内藤廣による、磯崎新への追悼文「時代を創った建築家 」
  9. 川上真誠+植村卓也 / クラウドアーキテクツによる、兵庫・神戸市の「京地H邸」。郊外住宅地に計画。自然と生活が連続的に繋がる在り方を目指し、“性格の異なる”ヴォリュームを“結合”させ周辺との関係に合わせ調整。デッキ等での住環境の“スケールダウン”も意図
  10. スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、京都市の「Row House in Nishinotoin」。三軒長屋の両端二軒を改修。環境に建築を馴染ませ“より一層空間の拡がり”を生む為に、“何物とも結びつかない”存在としての“シルバー”の“広間”を挿入。“接続”と“断絶”を内包し関係性を変容させる
  11. 石川素樹建築設計事務所による、東京・小金井市の「中町の家」。人や車の往来はあるが自然が近い敷地。開くか閉じるかの“二項対立ではない”在り方を求め、光や影の変化と平面構成での“奥行きのある佇まい”を志向。“可動式ルーバー折戸”は外部と中庭の繋がりを調整
  12. 慶應SBCチームによる、神奈川・藤沢市の「慶應SFC SBCプロジェクト 滞在棟3」。大学敷地内の滞在型教育施設。“使い方を限定しない学びの場”を求め、空間に“微小な方向性や性格の変化”を生み出す“湾曲するグリッド”を考案。自立する建築システムで利用者の“拠り所”を作る
  13. スノヘッタとWERKによる、デンマークの海洋センター「The Lantern」。海洋活動と観光客の為の施設。全ての人に開かれた存在を目指して、様々な活動を集約した“円形劇場”の様なパブリックテラスを考案。訪問者を招き入れると共に水害等についても考慮
  14. ザハ・ハディド事務所による、中国の「成都SF博物館」。国のSFの盛んな都市に計画。“星雲”に見立てた湖畔の自然景観と一体化した意匠で、展示室・劇場・会議場等の機能を内包。詳細な分析で効率を最大化する形状を追求して自然換気や太陽光発電も取り入れる
  15. 中村竜治による、多摩美術大学での「展示室を展示」。“展示室自体を展示”する構想の展覧会。“能動的かつ具体的な観察”の促進を意図し、“ロープ”を用いて“観察を促すきっかけ”を設計。“形・風景・大きさ”を主題として3つの異なる状況を提示
  16. OMA / 重松象平による、東京都現代美術館でのディオール展の会場構成。70年以上のブランドの歴史や日本との関りを紹介する展覧会。13のテーマに沿った多様で没入感ある空間を求めて、日本の伝統建築要素等を参照し現代化した空間装置を用いた構成を考案
  17. ヘルツォーグ&ド・ムーロンのウェブサイトがリニューアル
  18. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
  19. Atelier Tsuyoshi Tane Architectsによる、東京の住宅「Todoroki House in Valley」
  20. 大山純矢+大山真司 / studio kiviによる、愛知の住宅改修「とよたの家」。3世帯の家が集まる場の一軒を改修。環境配慮と現在の暮らしへの対応を目指し、生活導線や開口部に手を入れる“調節”と“変更”を意識した設計を志向。未来の生活に応える改築も予定して計画を立てる

MADのマー・ヤンソンのキュレーションによる建築展「Blueprint Beijing」。世界各国から20名を招聘して開催。建築を“人間社会における最大かつ最も長く続く公共メディア”と捉えて、“未来”をテーマに展覧会を構成。日本からは伊東豊雄と石上純也が出展
MADのマー・ヤンソンのキュレーションによる建築展「Blueprint Beijing」。世界各国から20名を招聘して開催。建築を“人間社会における最大かつ最も長く続く公共メディア”と捉えて、“未来”をテーマに展覧会を構成。日本からは伊東豊雄と石上純也が出展Installation view, Blueprint Beijing photo©Zhu Yumeng
MADのマー・ヤンソンのキュレーションによる建築展「Blueprint Beijing」。世界各国から20名を招聘して開催。建築を“人間社会における最大かつ最も長く続く公共メディア”と捉えて、“未来”をテーマに展覧会を構成。日本からは伊東豊雄と石上純也が出展Installation view, Blueprint Beijing photo©Zhu Yumeng
MADのマー・ヤンソンのキュレーションによる建築展「Blueprint Beijing」。世界各国から20名を招聘して開催。建築を“人間社会における最大かつ最も長く続く公共メディア”と捉えて、“未来”をテーマに展覧会を構成。日本からは伊東豊雄と石上純也が出展Pao II A Dwelling for Tokyo Nomad Women, Toyo Ito photo©Zhu Yumeng
MADのマー・ヤンソンのキュレーションによる建築展「Blueprint Beijing」。世界各国から20名を招聘して開催。建築を“人間社会における最大かつ最も長く続く公共メディア”と捉えて、“未来”をテーマに展覧会を構成。日本からは伊東豊雄と石上純也が出展House & Restaurant, Junya Ishigami

MADアーキテクツのマー・ヤンソンのキュレーションによる建築展「Blueprint Beijing」です。
世界各国から20名を招聘して開催されました。キュレーターは、建築を“人間社会における最大かつ最も長く続く公共メディア”と捉えて、“未来”をテーマに展覧会を構成しました。また、日本からは伊東豊雄と石上純也が出展しています。

こちらはリリーステキストの翻訳

マー・ヤンソンのキュレーションによる「Blueprint Beijing」展で、世界各国の建築家20人が北京と未来を描く

第1回北京ビエンナーレ(2022年)の締めくくりとなる展覧会「Blueprint Beijing」(キュレーター:マー・ヤンソン、共催:MADアーキテクツ)が、2023年1月13日に正式に開幕しました。

北京ビエンナーレの建築部門として、世界各国から主な参加建築家/アーティスト20名を招聘し、建築模型、インスタレーション、写真、映像などを含む様々なメディアでそのアイデアを紹介します。また、歴史的なアーカイブを通じて、先見性のあるアイデアを提示した8人の建築家やコレクティブを紹介するとともに、歴史的な意義を持つ中国のSF映画4本を展示します。地域も世代も異なる建築家たちが、キュレーターの問いかけに応え、北京の未来と都市について、最終的にこのテーマに関する独自のヴィジョンを提示したのです。この展覧会は集団制作であり、作品の大部分はサイトスペシフィックなコミッションや 改造された複製品として制作されています。本展で展示される作品は、地理的・年齢的な制約を超えて、思想や感情を衝突させ、対話させ、共鳴させることで、鑑賞者の都市の未来に対する想像力を刺激するものです。

マー・ヤンソンは述べています。
「Blueprint Beijingのメインテーマは『未来』です。展覧会では、誰もが知っている過去の北京のパートと、誰もが想像する北京のパートがあります。私たちは、都市や建物について理想的なヴィジョンと創造的なイマジネーションを持つ建築家たちの作品を、過去100年にわたる世界中の歴史的なビジョンとともに、ひとつの空間の中に並べました。サイトの規模は大きくありませんが、コンテンツは非常に濃く、豊かで情報量が多いです。2023年にBlueprint Beijingがオープンすることも、今回の展示内容と非常にマッチしています。なぜなら、未来は想像力に満ち、エネルギーに溢れ、よりオープンで相互に絡み合う未来でなければならないからです」

建築家の道具である設計図(Blueprint)は、歴史のアーカイブであると同時に、未来のイマジネーションでもあるのです。優れた建築家は、先見性のある思考によって現実を変えていきます。建築物は、人間社会における最大かつ最も長く続く公共メディアであり、その先駆的な性質を絶えず押し進め、都市、地域、国家の倫理や文化にインスピレーションを与え、対比させることができることが極めて重要です。歴史は、過去を通して未来を想像することで形成されます。この展覧会を通して、北京と世界で展開された、未来を描く想像をかきたてるムーブメントの主要なセレクションを紹介します。都市と建築の進歩は、より良い生活への想像力から生まれます。建築家の創造的な仕事は、伝統と革新、ローカルとグローバル、個人と集団、保全と開発など、常に対立し、引っ張り合う中で新しい方向を見出すことであり、それは決して終わらない実験なのです。

マーク・ニューソンによる、東京・渋谷区の「裏参道公衆トイレ」。首都高速の高架下の敷地。潜在的に“心地よさ”を与える存在を目指し、日本伝統建築の“蓑甲屋根”を引用した外観を考案。“明るい内装”で内からも外からも“信頼”と“誠実”を感じられる意匠を志向
マーク・ニューソンによる、東京・渋谷区の「裏参道公衆トイレ」。首都高速の高架下の敷地。潜在的に“心地よさ”を与える存在を目指し、日本伝統建築の“蓑甲屋根”を引用した外観を考案。“明るい内装”で内からも外からも“信頼”と“誠実”を感じられる意匠を志向 photo©architecturephoto
マーク・ニューソンによる、東京・渋谷区の「裏参道公衆トイレ」。首都高速の高架下の敷地。潜在的に“心地よさ”を与える存在を目指し、日本伝統建築の“蓑甲屋根”を引用した外観を考案。“明るい内装”で内からも外からも“信頼”と“誠実”を感じられる意匠を志向 photo©architecturephoto
マーク・ニューソンによる、東京・渋谷区の「裏参道公衆トイレ」。首都高速の高架下の敷地。潜在的に“心地よさ”を与える存在を目指し、日本伝統建築の“蓑甲屋根”を引用した外観を考案。“明るい内装”で内からも外からも“信頼”と“誠実”を感じられる意匠を志向トイレ共用部 photo©architecturephoto
マーク・ニューソンによる、東京・渋谷区の「裏参道公衆トイレ」。首都高速の高架下の敷地。潜在的に“心地よさ”を与える存在を目指し、日本伝統建築の“蓑甲屋根”を引用した外観を考案。“明るい内装”で内からも外からも“信頼”と“誠実”を感じられる意匠を志向女性用トイレ通路 photo©architecturephoto

マーク・ニューソンがデザインした、東京・渋谷区の「裏参道公衆トイレ」です。
首都高速の高架下の敷地に計画されました。デザイナーは、潜在的に“心地よさ”を与える存在を目指し、日本伝統建築の“蓑甲屋根”を引用した外観を考案しました。また、“明るい内装”で内からも外からも“信頼”と“誠実”を感じられる意匠を志向しました。場所はこちら(Google Map)
本建築は、日本財団が行っている「THE TOKYO TOILET」プロジェクトの一環として建てられたものです。

私のデザインは、銅製の「蓑甲(みのこ)屋根」をはじめとする日本の伝統的な建築の引用が中心となっています。
トイレが賑やかで超近代的な場所にあっても、神社仏閣や茶室、農村部などによく見られるこの屋根の形が、潜在的に心地よさや安らぎを感じさせるものにしたいと思いました。
銅のピラミッド型屋根の緑青は、時とともにこの建築物を街に溶け込ませ、東京を織りなす構造の一部となることでしょう。

リリーステキストより

私にとって、このトイレは内からも外からも信頼でき、誠実さが感じられるデザインであることが重要です。
明るい内装は、私の好きな色であるグリーンの単色でシームレスかつ衛生的に仕上げられています。このトイレのデザインでは機能性、シンプルさ、そして心地よく永続的な空間であることに重点を置いています。
渋谷にたくさん存在する隠れた名所のように、このトイレが魅力的でとても便利な存在になることを願っています。
(マーク・ニューソン)

リリーステキストより
スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、京都市の「Row House in Nishinotoin」。三軒長屋の両端二軒を改修。環境に建築を馴染ませ“より一層空間の拡がり”を生む為に、“何物とも結びつかない”存在としての“シルバー”の“広間”を挿入。“接続”と“断絶”を内包し関係性を変容させる
スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、京都市の「Row House in Nishinotoin」。三軒長屋の両端二軒を改修。環境に建築を馴染ませ“より一層空間の拡がり”を生む為に、“何物とも結びつかない”存在としての“シルバー”の“広間”を挿入。“接続”と“断絶”を内包し関係性を変容させる東棟 photo©玉村広雅
スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、京都市の「Row House in Nishinotoin」。三軒長屋の両端二軒を改修。環境に建築を馴染ませ“より一層空間の拡がり”を生む為に、“何物とも結びつかない”存在としての“シルバー”の“広間”を挿入。“接続”と“断絶”を内包し関係性を変容させる東棟 photo©玉村広雅
スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、京都市の「Row House in Nishinotoin」。三軒長屋の両端二軒を改修。環境に建築を馴染ませ“より一層空間の拡がり”を生む為に、“何物とも結びつかない”存在としての“シルバー”の“広間”を挿入。“接続”と“断絶”を内包し関係性を変容させる西棟 photo©玉村広雅
スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriによる、京都市の「Row House in Nishinotoin」。三軒長屋の両端二軒を改修。環境に建築を馴染ませ“より一層空間の拡がり”を生む為に、“何物とも結びつかない”存在としての“シルバー”の“広間”を挿入。“接続”と“断絶”を内包し関係性を変容させる西棟 photo©玉村広雅

スティーブン・シェンク+服部大祐 / Schenk Hattoriが設計した、京都市の「Row House in Nishinotoin」です。
三軒長屋の両端二軒を改修する計画です。建築家は、環境に建築を馴染ませ“より一層空間の拡がり”を生む為に、“何物とも結びつかない”存在としての“シルバー”の“広間”を挿入しました。そして、“接続”と“断絶”を内包し関係性を変容させる事が意図されました。施設の公式サイトはこちら

京都旧市街、2本の通りを結ぶ路地に面した築80年ほどの3軒長屋。この計画は、そのうちの両端、空き家となっていた2軒の改修である。

建築家によるテキストより

新築・改修の別に関わらず、設計対象とそれを取り巻く周辺環境をいかに接続するか、ということを考えながらこれまでの設計活動を行ってきた。一方、この敷地のように物理的コンテクストの豊かな都市空間における改修計画の場合、既に設計対象と関係を取り結ぶべき要素が至るところに溢れている。
そういった与条件の中にあっては、丁寧に関係を繋いでいき、周辺環境に馴染んだ空間をつくるのみに留まらず、何か「その場の何物とも結びつかない空間」を挿入することで、より一層空間に拡がりをもたせることができるのではないかと考えた。

建築家によるテキストより

諸室においては土や漆喰で仕上げられた真壁造りの既存部をなぞるように、形状・質感・色味といった要素を整えていく。
同時に、それらの重心に、路地・長屋の文脈から切り離された、比較的大きな気積をもった室を挿入する。「広間」と名付けたこの室は、既存の物質たちからアルミアングルの見切材で縁を切られ、シルバーの大壁で覆われた抽象度の高い空間となっている。

唐突に埋め込まれ、周囲との関係を拒絶するこの空間によって、建物内外の空間同士の距離感に歪みが生じる。諸室と通り土間、よく見慣れたはずの窓越しの風景も、広間を介すことで、どこか遠くの風景を眺めているような感覚を覚える。

建築家によるテキストより
ザハ・ハディド事務所による、中国の「成都SF博物館」。国のSFの盛んな都市に計画。“星雲”に見立てた湖畔の自然景観と一体化した意匠で、展示室・劇場・会議場等の機能を内包。詳細な分析で効率を最大化する形状を追求して自然換気や太陽光発電も取り入れる
ザハ・ハディド事務所による、中国の「成都SF博物館」。国のSFの盛んな都市に計画。“星雲”に見立てた湖畔の自然景観と一体化した意匠で、展示室・劇場・会議場等の機能を内包。詳細な分析で効率を最大化する形状を追求して自然換気や太陽光発電も取り入れる image©Atchain
ザハ・ハディド事務所による、中国の「成都SF博物館」。国のSFの盛んな都市に計画。“星雲”に見立てた湖畔の自然景観と一体化した意匠で、展示室・劇場・会議場等の機能を内包。詳細な分析で効率を最大化する形状を追求して自然換気や太陽光発電も取り入れる image©Atchain
ザハ・ハディド事務所による、中国の「成都SF博物館」。国のSFの盛んな都市に計画。“星雲”に見立てた湖畔の自然景観と一体化した意匠で、展示室・劇場・会議場等の機能を内包。詳細な分析で効率を最大化する形状を追求して自然換気や太陽光発電も取り入れる image©ZHA

ザハ・ハディド・アーキテクツが設計している、中国の「成都SF博物館」です。
国のSFの盛んな都市に計画されました。建築家は、“星雲”に見立てた湖畔の自然景観と一体化した意匠で、展示室・劇場・会議場等の機能を内包する建築を設計しました。また、詳細な分析で効率を最大化する形状を追求して自然換気や太陽光発電も取り入れられています。

こちらはリリーステキストの翻訳

現在建設中の成都SF博物館は、今年末に開催される第81回世界SF大会(ワールドコン)とヒューゴー賞のメイン会場になる予定です。

成都は、中国におけるSF作家のインキュベーションの中心地です。1979年から市内で発行されている『SFワールド』誌は、このジャンルの定期刊行物として世界で最も人気があり、多くの著名な作家のキャリアを輩出しています。 

成都は山脈と森林に囲まれ、青銅器時代の三星堆文明の彫刻や仮面には神秘的なヴィジョンや地球外の形態が見られるなど、豊かな歴史の中で独自の地域文化を育んできました。中国南西部に位置する四川省の首都である成都は、人口2,000万人を超える都市に成長し、科学技術革新と研究の世界的な重要拠点となりました。

成都SF博物館は、成都のピードゥ区にある科学技術新都市内の景隆湖畔にあります。湖畔の自然景観と一体化した博物館のデザインは、街や隣接する地下鉄の駅から、周囲の公園を経て建物の中心部まで、歩行者専用道路でつながり活動の節点を定義しています。それは、美術館の展示室、教育施設、カフェ、その他の施設をつなぐ、屋内と屋外の複数のレベルのプラザを織り交ぜた発見の旅を創り出します。

美術館は、そのユニークな敷地条件に対応しながら、プログラムと機能の明快さを一体化させ、湖面に浮いているように見えます。屋根の流動的な形態は、中心点から放射状に広がっており、星を中心に広がる星雲を模しています。それは、美術館を「星雲」に見立て、様々なゾーンにエネルギーフィールドを分散させるのです。そして、私たちの生活体験と想像力を結びつけるポータルに、来館者を導きます。

59,000 ㎡の成都SF博物館には、展示室、劇場、会議場、補助的なスペースがあり、さまざまな展示や会議、イベントを開催できるよう、最大限の柔軟性を備えています。空から光が差し込む中央のアトリウムと、壮大な西霊山に面した大きな窓は、美術館の内部と周囲の環境を結びつけています。

内藤廣による、磯崎新への追悼文「時代を創った建築家 」

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