小野直輝+ティンカ・デクシャラが設計を進めている、アメリカ・ネバダ州の砂漠に建つギャラリー「Montello waypoint」です。
アメリカ, ネバダ州の砂漠に建つギャラリー。
敷地の近くにはロバート・スミッソンのSpiral Jettyやナンシー・ホルトのSun Tunnels などのランドアートが存在し、この土地を訪れる人のためのギャラリー兼休憩所をつくることがこのプロジェクトの目的です。
敷地に4つの穴を掘り、それを型枠にしてできたコンクリートの塊を起こすことで、土地の表情をもった壁を立ち上げていきます。ランドアートのように土地と一体となった、長い時間を見据えた建築となることを考えています。建設工程を簡単にするため、地面に流し込んだそれぞれのコンクリートの壁に基礎となる部分を付け足します。このできあがったL字部分が起こしたときに壁を支える基礎となります。この方法を使うことによって、地面を型にしてつくられた壁と穴の関係を残しながらシンプルに立ちあげることができます。
この敷地では周囲にランドアートが点在しているということが一番の特徴としてあります。特にマイケル・ハイザーの自然の土地を変化させる作品群には砂漠と一体となった力強さを感じました。
近年では建築の中でも敷地の土地を構法の中に取り入れたものがいくつかあります。特にアンサンブル・スタジオ: Structures of Landscape、アンネ・ホルトロープ: Batara Pavilionなどは土を型枠にしてできたコンクリートの塊を起こして空間をつくっている点で共通するものがありました。
私たちのプロジェクトにおいては敷地が砂漠の中にあること、かなり限られた予算の中で作らなければいけないことが条件としてありました。そのため、大型のクレーンで移動せずに小さな重機で起こすだけで成り立つように、単純な矩形に基礎となる部分を付け加えたかたちになっています。立ちあがる壁を想像しながら、穴の位置と大きさを少しずつ調整しながら全体を決定していきました。