ODS / 鬼木孝一郎が設計した、京都市の、店舗「BIZOUX / BRILLIANCE+ 京都店」です。
伝統的な町家を改装したジュエリー店です。建築家は、宝石の制作過程の“空間的”表現を意図し、鉱物を発掘する“地層”を想起させる“17色の左官材”を用いた空間を考案しました。また、多様な展示方法で“お気に入り”を探す体験を提供する事も意図されました。店舗の公式ページはこちら。
京都祇園の町家造りの木造建築を改装したジュエリーショップのデザイン。
重要伝統的建造物群保存地区に位置するこの店舗は、1階が天然カラーストーンを扱う「BIZOUX(ビズー)」、2階がダイアモンドを販売する「BRILLIANCE+(ブリリアンス・プラス)」と2つのブランドが入居するものとなっている。伝統的な町屋の外観をそのまま生かしながら、内部にはゆっくりとお気に入りの宝石を探すことができる空間をデザインした。
空間を特徴付ける仕上げとして、壁にはオリジナルで調合をした17色の左官材を採用。床面の一番暗い色から、天井に向かって次第に明るい色になるように左官材を高さ15cmの帯状に塗り、その表面を乾燥前に拭き取ることで中の骨材を一部見せるデザインとした。左官の層を重ねたこの仕上げは、鉱物が発掘される「地層」をイメージして制作したものとなっている。
壁面全体に「地層」が連続する1階には、層の一部を掘り込んだ様々なディスプレイスペースを設けた。階段状の掘り込みに展示された宝石(ルース)や、バックライトで宝石の色を際立たせたディスプレイなど、自分だけのお気に入りの一つを楽しみながら発見することができる場所となっている。4組のお客さんが商談できる2階は、壁面の一部やディスプレイスペースの背面に「地層」の仕上げを施し、お互いに気にすることなくゆっくり落ち着いて過ごせる空間とした。
以下の写真はクリックで拡大します
以下、建築家によるテキストです。
京都祇園の町家造りの木造建築を改装したジュエリーショップのデザイン。
重要伝統的建造物群保存地区に位置するこの店舗は、1階が天然カラーストーンを扱う「BIZOUX(ビズー)」、2階がダイアモンドを販売する「BRILLIANCE+(ブリリアンス・プラス)」と2つのブランドが入居するものとなっている。伝統的な町屋の外観をそのまま生かしながら、内部にはゆっくりとお気に入りの宝石を探すことができる空間をデザインした。
空間を特徴付ける仕上げとして、壁にはオリジナルで調合をした17色の左官材を採用。床面の一番暗い色から、天井に向かって次第に明るい色になるように左官材を高さ15cmの帯状に塗り、その表面を乾燥前に拭き取ることで中の骨材を一部見せるデザインとした。左官の層を重ねたこの仕上げは、鉱物が発掘される「地層」をイメージして制作したものとなっている。
壁面全体に「地層」が連続する1階には、層の一部を掘り込んだ様々なディスプレイスペースを設けた。階段状の掘り込みに展示された宝石(ルース)や、バックライトで宝石の色を際立たせたディスプレイなど、自分だけのお気に入りの一つを楽しみながら発見することができる場所となっている。4組のお客さんが商談できる2階は、壁面の一部やディスプレイスペースの背面に「地層」の仕上げを施し、お互いに気にすることなくゆっくり落ち着いて過ごせる空間とした。
世界各地で採掘された鉱物を職人の技で丁寧に磨き上げて作られる宝石、できあがるまでのその長い過程を「地層」をイメージした仕上げによって空間的に表現することを目指した。
■建築概要
名称:BIZOUX / BRILLIANCE+ 京都店
所在地:京都府京都市東山区新橋通大和大路東入元吉町71番地7
用途:ジュエリーショップ
設計:ODS / 鬼木デザインスタジオ
担当:鬼木孝一郎 藤木景介 板崎櫻
計画面積:129.1㎡
竣工:2022年11月
写真:太田拓実