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2026.9.28Mon
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KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図
photo©KEIEM

SHARE KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図

architecture|feature
frameworksKEIEM堤有希諸井工務店建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(外装・建具)建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・天井)住宅タンK.M.佐伯聡子図面あり神奈川KUU
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図外観、左ハウス、北側より見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図外観、左ハウス、北西側の庭から見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図左ハウス、渡り廊下から開口部越しに居室2を見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図左ハウス、居室2から開口部越しに渡り廊下を見る。 photo©KEIEM

佐伯聡子+タンK.M. / KUUが設計した、神奈川の「大磯ロングハウス」です。
庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅の計画です。建築家は、生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案しました。また、不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図しています。

都心から海沿いに大磯へと向かう。平塚駅を越えたあたりから山が迫り、平地がぐっと狭まる地形の変化を体感する。さらに大磯駅から富士山を望む旧東海道をしばらく進むと、街と田畑が曖昧に交わる境界に沿うようにその細長い敷地が現れる。ほぼ敷地の中央に位置する元からあった階段の左右で敷地が分けられ、「庭を作る」という共通の趣味を持つ2家族のための2棟の住宅、「左ハウス(L)」と「右ハウス(R)」になった。

建築家によるテキストより

敷地形状に同調するよう主軸となるspine(背骨)を低く長く通し、両側にいくつかの片流れの屋根を架け、その分設された隙間を庭とした。近隣住宅地側はそのスケールを維持し、道路側は一段下がった野畑に広がる眺望を得、現場で自生していた既存の木(エノキ)は2棟間の庭に丁度良く収まった。またSpine沿いに設けた配線用チャンネルから照明やコンセントの配線を自由に取り出し、天井フックと併用することで、通常は建築に固定されがちな建築設備に柔軟な任意性を付与した。

建築家によるテキストより

住宅を豊かにするのは「触れること」「使うこと」だと考えている。
手を入れること汚れることを嫌う完結したアートのようでなく、道具のように使い古して欲しい。不完全に見える素材配置や即興的な塗装表現は、将来の手入れへの敷居を下げ、固定化しない居場所作りへの手がかりとなっている。ベニヤ、ポリカーボネイト、セメントボード等の汎用素材の採用も居住者が気兼ねなく更新していける環境を担保するための選択である。

建築家によるテキストより

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KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図俯瞰、南東側より見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図外観、左ハウス、北側より見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図外観、東側より見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図外観、南東側の道路より見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図外観、右ハウス、南東側の道路よりポーチを見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図右ハウス、居室4から玄関を見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図右ハウス、居室5 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図右ハウス、居室5 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図右ハウス、居室5 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図右ハウス、居室6 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図右ハウス、居室5から脱衣室越しに浴室を見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図右ハウス、庭から渡り廊下を見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図外観、南東側の道路より自転車置場を見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図外観、左ハウス、南東側の道路より見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図左ハウス、渡り廊下 photo©KEIEM
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KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図左ハウス、居室2から開口部越しに渡り廊下を見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図左ハウス、居室2から開口部越しに庭を見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図左ハウス、居室2から開口部越しに東屋を見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図左ハウス、居室1 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図左ハウス、庭側から居室2の軒下を見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図外観、左ハウス、北西側の庭から見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図外観、左ハウス、北西側の庭から見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図外観、左ハウス、庭から納戸と東屋を見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図左ハウス、東屋 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図左ハウス、東屋から渡り廊下側を見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図左ハウス、屋外作業場 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図左ハウス、屋外作業場から庭を見る。 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図左ハウス、浴室 photo©KEIEM
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図配置図 image©KUU
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図平面図 image©KUU
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図右ハウス平面図 image©KUU
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図左ハウス平面図 image©KUU
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図断面図 image©KUU
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図構造図 image©KUU
KUUによる、神奈川の「大磯ロングハウス」。庭作りを趣味とする二家族の二棟の住宅。生活に呼応して変化できる在り方を求め、敷地に“背骨”を通して庭を設けながら片流れ屋根を架ける構成を考案。不完全や即興性は固定化しない居場所作りの手掛かりを意図ドローイング image©KUU

以下、建築家によるテキストです。


予定調和を尊び保守的な傾向を強める世の中において、規範や欲望の具現化としての装置へと硬直化しつつある住宅建築をのびやかに作り続けるにはどうしたら良いのであろう。

地方の街や村を歩くとき、空き家が風化し植物にのまれ始めている様子が散見され始めた。
自然への恐怖を呼び起こす一方で、タガが外れた人為を戒め浄化するような奇妙な安堵感を抱くことさえある。対してサステナビリティを標榜した建築の商業化、肥大化、固定化は真の持続可能性とは乖離しているのではないか。かつての日本建築がそうであったように、人の生活や環境の変化に対応し、衣服のように繕い直され、道具のように手を加えられて変化していくのはどうか。

「大磯ロングハウス」では居住という最も原始的かつ本質的な機能を持つ住宅建築を通して、その主題を考える良い機会となった。

都心から海沿いに大磯へと向かう。平塚駅を越えたあたりから山が迫り、平地がぐっと狭まる地形の変化を体感する。さらに大磯駅から富士山を望む旧東海道をしばらく進むと、街と田畑が曖昧に交わる境界に沿うようにその細長い敷地が現れる。ほぼ敷地の中央に位置する元からあった階段の左右で敷地が分けられ、「庭を作る」という共通の趣味を持つ2家族のための2棟の住宅、「左ハウス(L)」と「右ハウス(R)」になった。

敷地形状に同調するよう主軸となるspine(背骨)を低く長く通し、両側にいくつかの片流れの屋根を架け、その分設された隙間を庭とした。近隣住宅地側はそのスケールを維持し、道路側は一段下がった野畑に広がる眺望を得、現場で自生していた既存の木(エノキ)は2棟間の庭に丁度良く収まった。またSpine沿いに設けた配線用チャンネルから照明やコンセントの配線を自由に取り出し、天井フックと併用することで、通常は建築に固定されがちな建築設備に柔軟な任意性を付与した。

住宅を豊かにするのは「触れること」「使うこと」だと考えている。
手を入れること汚れることを嫌う完結したアートのようでなく、道具のように使い古して欲しい。不完全に見える素材配置や即興的な塗装表現は、将来の手入れへの敷居を下げ、固定化しない居場所作りへの手がかりとなっている。ベニヤ、ポリカーボネイト、セメントボード等の汎用素材の採用も居住者が気兼ねなく更新していける環境を担保するための選択である。

この非定型的な考えは庭づくりにも共通する。周囲の野畑から様々な種子が舞い込み、放っておけば雑草が生い茂るような場所において、庭を固定的な景観として制御するのは不可能である。全体プランを厳密に規定せず、その時々の固有の条件に応じて遷移していく方が良い。「その時、どこに何を植えるか」は移ろう季節や入手性、個人の気まぐれな要求といった流動的な条件に委ねられる。その場に新たな要素が加わることで、隣り合うものとの間に関係性が生まれ、その蓄積が結果として「庭」として現れる。

建築と庭、そして周辺環境が時間をかけて相互に影響し合いながら変容し、最終的には「万物」と呼べるほどにそれぞれの輪郭が曖昧に調和していく様を予見している。完成形や最終形を持たない庭と共に建築も変化し続けることが、真に持続可能性を考える知恵を与えてくれると信じている。

■建築概要

作品タイトル:大磯ロングハウス
所在地:神奈川県中郡大磯町
主用途:戸建住宅
設計:KUU 担当/佐伯聡子、タンK.M.
構造設計:frameworks
施工:諸井工務店
カーテンデザイン+製作:堤有希(L)屋外道路側(R)室内屋外両方
構造:木造
階数:地上1階 
敷地面積:(L)298,58㎡(R)291,27㎡
建築面積:(L)68.15㎡(建蔽率22.82% 許容60%)
(R)107,32㎡(建蔽率36.85% 許容60%)
延床面積:(L)51.12㎡(容積率17.12% 許容160%)、1階51.12㎡
(R)104.01㎡((容積率35.71% 許容160%)、1階104.01㎡
設計期間:2024年1月~2025年8月
工事期間:(L)2024年12月~2025年5月(R)2025年9月~2026年3月
竣工:2026年3月
写真:KEIEM

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・屋根屋根

ガルバリウム鋼板小波

外装・壁外壁

L:チヨダセラフレキ(チヨダセラ)、ポリカナミ(住友ベークライト)、構造用合板+SOP
R:チヨダセラフレキ(チヨダセラ)、フラットFT(KMEW)

外装・建具開口部

L:木サッシ [製作]
R:アルミサッシ(LIXIL)

内装・床L居室1、納戸 床

ラワンベニヤ+オスモ塗装(オスモ&エーデル)

内装・床L居室2、浴室 床

コンクリート金こて仕上げ+アクアカラー(AFJ)

内装・床L浴室 床

ユーカリデッキ材、シャワー内FRP防水

内装・床 R居室3、4、5 床

インレイドミックス(TAJIMA)

内装・床R浴室 床

インレイドミックス(TAJIMA)、シャワー内FRP防水

内装・壁L居室1、納戸 壁

構造用合板+オスモ塗装(オスモ&エーデル)

内装・壁L居室2 壁

ポリカナミ(住友ベークライト)、構造用合板+オスモ塗装(オスモ&エーデル)

内装・壁R浴室 壁

防湿P.B+.SOP、シャワー内FRP防水

内装・天井居室、L納戸 天井

ラワンベニヤ

内装・天井浴室 天井

防湿P.B.+SOP

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    2. 【ap編集長の建築探索】vol.028 POTATO NINE / 田中昭成+清正崇「第一ダイヤモンド工事駐車場棟」
    3. MVRDVによる、アメリカ・マイアミの複合施設「WOMA」。衣類製造などの歴史で知られる地域での計画。小規模な建物からなる街並みも考慮し、複数のブロックを“積み上げる”構成の建築を考案。創造性を強調する色鮮やかな量塊には“織物から着想を得たパターン”を与える
    4. 渡辺恭兵 / 建築工房DADAによる、宮城・仙台市の「大屋根の実験住宅」。南向きの平坦な住宅地での計画。“自然を自分でつくる”を掲げ、平面の約4割を“壁で囲んだ中庭”としてランダムな開口から“植物が見え隠れする”建築を構築。ガラス面を多用し“面積以上の開放感”も生み出す
    5. 神谷勇机 / 1-1 Architectsによる、愛知・安城市の「House TN」。高密化も進む市街化調整区域での計画。周囲の変化に影響されない“明るい”空間を求め、基壇状に上階を後退させて“開口でぐるりと囲む”建築を考案。敷地内上空の“抜け”は“選択性のある自由な住環境”にも寄与
    6. SANAAによる、山形・村山市の「新・道の駅むらやま」の建築基本設計 (概要版) が公開。山並に囲まれた敷地に計画された、“まるい屋根”と”中庭”からなる建築
    7. DOGと吉川崇裕による、宮城・仙台市の「Y3ハウス」。交通量があり“仙台東照宮”に近い敷地。土地の文脈への応答を求め、神社の“内陣外陣を分かつ精神的に繋がる境界”を引き継ぐ建築を志向。高基礎に据えた木造軸組が二層を貫き“面としての境界”となる構成を考案
    8. 山代悟+ビルディングランドスケープによる、東京・江東区の「SITテクノプラザⅣ」。大学ロビーにあるファブラボ。“見通しの良さ”と“魅力的に見せる効果”を求め、“ガラスつづら折り構造”の耐震構造コアで軽快な軸組構造を支える空間を考案。即物的でありながら“異化された風景”を生み出す
    9. 黒川智之建築設計事務所による、東京の「市谷柳町の集合住宅」。大小の建物が混在する都市環境での計画。周辺の街並みと呼応する存在を目指し、単一の塊ではなく“小さな塔状ヴォリューム”に分節して集合させる建築を考案。複雑な外形は全てが異なる住戸プランの創出にも寄与
    10. NOIZによる、東京の「玉川髙島屋S.C.南館ファサード改修」。地域の大規模開発に伴い実施。新たなランドマークを求め、既存ルーバーを撤去して“LEDとフレーム状の’キューブ’”を浮かべる計画を考案。建築の表層を固定的な“境界面”から動的な“境界領域”へと拡張
    11. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
    12. ninkipen!とMuFFによる、大阪の住宅「瓦の伽藍」。屋敷が並ぶ敷地の端に住宅を追加する計画。“現代の伽藍”としての再構成を目指し、新宅の配置等で既存の裏庭を中庭に変えて“全体の暮らしの中心”に定義。母屋・座敷・茶室などの瓦屋根が重なる風景の継承も意図
    13. ヨネダ設計舎 / 米田雅樹による、三重・亀山市の住宅「野原の家」
    14. 五十嵐理人 / IGArchitectsによる、茨城の「空の家」。田園風景のなかの終の棲家。変化を受止める“空間の強さを支える核”を持つ建築を求め、中心に“空っぽの空間”を据える構成を考案。それは周囲の生活空間との間に距離と関係を作り出しながら全体を一つにまとめる
    15. nendoによる、長野・御代田町の「土管のゲストハウス」。宿泊機能を備えた芸術作品等を収蔵する保管庫。インフラに用いられる“ボックス・カルバート”の考え方を応用し、土管を井桁状に積み重ねた様な建築を考案。保管物の増加に伴い“土管”の追加も想定
    16. 前田圭介による建築展「ほころび」。大阪・日本橋の安藤忠雄設計の建築を会場に開催。代表的な17作品の“コンセプチュアルモデル”と“初期ドローイング”に加えて“旅のスケッチ”も展示
    17. 山田優+小阿瀬直+大嶋励 / SNARK Inc.による、東京のサウナ施設「渋谷SAUNAS」。都心部の新築三階建ての建築。専門家らと共に立案したコンセプトの具現化の為に、形と寸法や素材において“触覚の心地よさ”を意識した設計を志向。細かな什器までも一貫してデザインし非日常的な世界観を作る
    18. 小野寺匠吾建築設計事務所による、神奈川・横須賀市の「秋谷の住宅」。東京で働く施主の為に山を背に海を見渡す地に計画、“環境的な家”の要求に眺望と場への調和を考慮し様々な方角を向く箱を積層、ずれた重なりは内部に様々な対比と連続をつくり生活と環境を混交
    19. 葛島隆之建築設計事務所による、三重・員弁郡の住宅「Rural House」
    20. 小室舞​​​​​​​ / KOMPASによる、東京・千駄ヶ谷の、事務所併用住宅「アイビス千駄ヶ谷」。収益性と生活の両立を目指し、法規制内で建築可能な最大限の床面積を確保、その過程で生みだされる階段状の屋外空間が内部とも連続し、都心部における緑あふれる豊かな生活を実現

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