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2026.6.29Mon
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岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案
photo©表恒匡

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Graph StudioICADAスタジオノラ榊住建建材(外装・壁)建材(外装・屋根)建材(内装・床)建材(内装・壁)建材(内装・天井)建材(外構・床)住宅図面あり埼玉岩元真明千種成顕創造系不動産表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案外観、南側の接道部分より見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案1階、玄関側からダイニング越しにキッチンを見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、居間から子供室を見る。(可動棚を動かした状態) photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、居間から開口部越しに外部を見る。 photo©表恒匡

岩元真明+千種成顕 / ICADAが設計した、さいたま市の「だら挽きの家」です。
“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅です。建築家は、材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索しました。そして、杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案しました。

路地が屈曲する複雑な旗竿敷地に建つ木造住宅である。設計を開始した2022年はCovid-19とウクライナ戦争の影響による木材価格の高騰、いわゆるウッドショックの真っ只中で、材料調達からデザインをはじめる必要があると感じた。

そこで思い浮かんだのが、行き場を失った「大径木」の問題である。現在、太い丸太は細い丸太よりも単価が低い。長年かけて育てた木が安く売られ、細切れになって使われる状況をやるせなく思う林業関係者も多いという。

ならば大径木を調達してその大きさを活かし、安価かつ表情豊かな家を建てることはできないか?

建築家によるテキストより

まずは「だら挽き」と呼ばれる単純な製材方法によって直径50~60cmの杉丸太を短冊状にスライスする。
歩留まりを上げるため、耳も薄皮も残したままだ。こうして得られた厚さ105mmと70mmの挽板を柱と梁にする。幅広の挽板を並べれば、下地材も仕上げ材もいらない、コンクリート打ち放しならぬ「杉板挽き放し」の壁と天井の出来上がりだ。
挽板の端材は階段や家具の材料として徹底的に使い切った。

建築家によるテキストより

平面計画は、挽板構造のアイデアと敷地条件から半ば自動的に導かれた。旗竿敷地の整形な部分に2階建ての箱を置く。挽板梁の最大スパンから柱位置が定まる。1階の半分は玄関とダイニング、もう半分は編集業を営む建主の書庫兼仕事場とする。トイレは両者の結節点で、通過動線にもなる。
2階には居間と寝室を置く。子ども部屋は可動棚で仕切り、ライフステージの変化に対応できる計画とする。

さて、旗竿の路地部分をどうするか。
ここで「モノが多い」という施主の言葉が頭をよぎった。細長いヴォリュームを宙に浮かべ、浴室とウォークインクローゼットにしてみよう。突き当りにデスクをつくれば小さな書斎になる。家の最奥にありながら街に一番近く、南面からの陽光を楽しむ場所だ。

こうして「竿」に浴室と収納を集約することによって、「旗」の外周壁はモノから解放され、挽板の自然な表情が活きた。

建築家によるテキストより

以下の写真はクリックで拡大します

岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案外観、北側の道路より見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案外観、北西側より見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案外観、南側の道路より見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案外観、南側の道路より見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案外観、南側の接道部分より見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案アプローチ photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案1階、玄関側からダイニング越しにキッチンを見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案1階、ダイニングからキッチンを見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案1階、キッチン photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案1階、書斎 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案1階、書斎、棚の詳細 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案1階、玄関から2階への階段を見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案1階から2階への階段 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、ウォークインクローゼット photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、ウォークインクローゼット photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、ウォークインクローゼットから開口部越しに外部を見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、正面:居間、右:子供室 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、居間から子供室を見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、居間から子供室を見る。(可動棚を動かした状態) photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、子供室 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、居間から開口部越しに外部を見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、居間から階段側を見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、主寝室 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、洗面所から浴室側を見る。 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、居間、開口部と架構の詳細 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、居間、床の詳細 photo©表恒匡
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案1階、ダイニング、天井の詳細。 photo©表恒匡
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岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案1階、平面図 image©ICADA
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案2階、平面図 image©ICADA
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案断面図 image©ICADA
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案挽板構造ダイアグラム image©ICADA
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案構造解析図 image©ICADA
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案施工中の様子 photo©岩元真明
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案施工中の様子 photo©岩元真明
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案施工中の様子 photo©岩元真明
岩元真明+千種成顕 / ICADAによる、さいたま市の「だら挽きの家」。“ウッドショックの真っ只中”に計画された住宅。材料調達から設計を始める必要性を感じ、“行き場を失った‘大径木’”を主要材として造る方法を模索。杉丸太を“だら挽き”して構造体と仕上げにする建築を考案模型 photo©岩元真明

以下、建築家によるテキストです。


杉の大径木材をつかった旗竿地の住宅

路地が屈曲する複雑な旗竿敷地に建つ木造住宅である。設計を開始した2022年はCovid-19とウクライナ戦争の影響による木材価格の高騰、いわゆるウッドショックの真っ只中で、材料調達からデザインをはじめる必要があると感じた。

そこで思い浮かんだのが、行き場を失った「大径木」の問題である。現在、太い丸太は細い丸太よりも単価が低い。長年かけて育てた木が安く売られ、細切れになって使われる状況をやるせなく思う林業関係者も多いという。

ならば大径木を調達してその大きさを活かし、安価かつ表情豊かな家を建てることはできないか?

挽板打ち放し構造

まずは「だら挽き」と呼ばれる単純な製材方法によって直径50~60cmの杉丸太を短冊状にスライスする。
歩留まりを上げるため、耳も薄皮も残したままだ。こうして得られた厚さ105mmと70mmの挽板を柱と梁にする。幅広の挽板を並べれば、下地材も仕上げ材もいらない、コンクリート打ち放しならぬ「杉板挽き放し」の壁と天井の出来上がりだ。
挽板の端材は階段や家具の材料として徹底的に使い切った。

旗竿敷地のポテンシャルを活かす

平面計画は、挽板構造のアイデアと敷地条件から半ば自動的に導かれた。旗竿敷地の整形な部分に2階建ての箱を置く。挽板梁の最大スパンから柱位置が定まる。1階の半分は玄関とダイニング、もう半分は編集業を営む建主の書庫兼仕事場とする。トイレは両者の結節点で、通過動線にもなる。
2階には居間と寝室を置く。子ども部屋は可動棚で仕切り、ライフステージの変化に対応できる計画とする。

さて、旗竿の路地部分をどうするか。
ここで「モノが多い」という施主の言葉が頭をよぎった。細長いヴォリュームを宙に浮かべ、浴室とウォークインクローゼットにしてみよう。突き当りにデスクをつくれば小さな書斎になる。家の最奥にありながら街に一番近く、南面からの陽光を楽しむ場所だ。

こうして「竿」に浴室と収納を集約することによって、「旗」の外周壁はモノから解放され、挽板の自然な表情が活きた。

■建築概要

題名:だら挽きの家
所在地:埼玉県さいたま市

⽤途:住宅

設計:ICADA 担当/岩元真明、千種成顕
構造:Graph Studio 担当/荒木美香、氏岡啓威
環境エンジニアリング:スタジオノラ 担当/谷口景一朗、藤村真喜
施工:榊住建
木材調達:穴井木材工場
不動産コンサルティング:創造系不動産 担当/山岸亮太
規模:地上2階

構造:木造

敷地面積:132.37m²
建築面積:68.62m²

延床面積:112.98m²

竣工:2024年3月
写真:表恒匡、岩元真明

建材情報
種別使用箇所商品名(メーカー名)
外装・屋根屋根
外装・壁外壁

窯業系サイディング横張り:EFM503P(ニチハ)
竿部:ガルバリウム鋼板小波板0.4t縦張り

内装・床主要箇所 床

杉フローリング15t

内装・床竿部 床

構造用合板24t

内装・床水回り 床

Pタイル:マチコV MV72(東リ)

内装・壁主要箇所 壁

構造材 [杉板70t, 105t] アラワシ

内装・壁WIC 壁

クロス張り:RE53026(サンゲツ)

内装・天井主要箇所 天井

構造材 [杉板105t] アラワシ

外構・床外構

モルタル金ゴテ仕上30t

※企業様による建材情報についてのご意見や「PR」のご相談はこちらから
※この情報は弊サイトや設計者が建材の性能等を保証するものではありません

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    3. 【ap編集長の建築探索】vol.022 篠原一男「上原曲り道の住宅」
    4. KUMA & ELSAによる、福岡の「Nakano House」。集合住宅の二層に計画された親世帯と子世帯の住戸。生家の“日本家屋の縁側の再現”との要望に、中央に諸室を集めた“小屋”を据えて周囲に“中間領域”を作る構成を考案。床仕上げの切替は“境界の曖昧さ”も体現
    5. 今津康夫 / ninkipen!による、神奈川の店舗「ブルーボトルコーヒー 鎌倉カフェ」。古都にふさわしい在り方を求めた計画。近隣の坂倉建築のピロティ天井の“きらめき”から着想を得て、伝統様式の格天井の様にステンレスパネルを配する空間を考案。灯りや人の振舞を映して“心地よい揺らぎ”を生む
    6. 青木淳のファサードデザインで、東京・表参道に、ロロ・ピアーナの旗艦店がオープンへ。“本物の素材が生む高揚感”の表現を意図し、イタリアで焼成した1400枚以上のテラコッタを曲線状に連ねた“織物の縦糸のような”ファサードを考案
    7. MVRDVによる、オランダの集合住宅「Nieuw Bergen」。歴史的地区での5つの新築と2つの既存改修からなる計画。周辺環境に“溶け込む”為、低層棟からタワー棟にかけて素材や規模が“段階的に移行”する建築を考案。45°の傾斜屋根は住戸等への日照の最大化も意図
    8. 大阪市で「『現し』を考える。展@大阪本町」が、パナソニックEWの企画で開催。電材での意匠表現の可能性を探る展示。東京で開催された同名の展覧会のver.1.0からver.4.0をベースとして再構成
    9. 石上純也建築設計事務所による、山口の「House & Restaurant」。旧知の友人の為の住宅兼店舗。“時間と共にその重みを増していく”空間の要望に、地面に穴を掘りコンクリートを流して土の中の躯体を掘り起こしガラスを嵌める建築を考案。不確定要素を許容し使い方の発見更新を繰り返して作る
    10. 勝亦丸山建築計画による、東京・中央区の「シグマソフトサービス」。IT企業オフィスの“ヘルプデスク”の部屋の改修。落ち着いた環境と高い生産性の両立を求め、“穏やかな素材感”の中で作業できる場を志向。家具と造作の間のスケールの“紙管を用いた什器”で構成する空間を考案
    11. ファラによる、ポルトガルの住戸改修「apartment of skewed relations」。“特異な輪郭”の区画での計画。不定形な外形への対応を意図し、一連の壁が“外周との対話の中で異なる位置や角度をとる”構成を考案。いくつかの部屋に設けた2枚の扉は“住空間の風景の流動性”にも寄与
    12. ZHAによる、中国の、展示と舞台芸術の新施設。広東オペラ発祥の地での計画。伝統衣装“の水袖”の流れるような様子に着想を得て、徐々に拡大しつつ広がる複数の構造体からなる建築を考案。メイン劇場は音響にも有効に働く“10万本の細長い部材”を特徴とする
    13. 石上純也の「徳島文化芸術ホール」をテーマとした展覧会が、2026年6月1日に開幕。開催場所は、徳島市万代町の“第一倉庫”。約2,000枚の実施設計が完了している建築の模型やドローイングを展示
    14. ヴァーナー・パントンの、ヴィトラでの展覧会の会場写真。色彩豊かな作品で知られるデザイナーの生誕100周年を記念した回顧展。活動の全期間に渡る仕事に光を当て、代表作から未公開のプロジェクトまで紹介。1970年の“伝説的な”作品を再現した体験型展示も公開
    15. 吉村昭範・佐々木勝敏・諸江一紀・東畑建築事務所・名古屋大学による、愛知の「名古屋大学オークマ工作機械工学館」。校内外の二つの大通りの交差点に位置する場所での計画。全体の“広場”であり“パス”となる存在を求め、低層で“ルーフガーデン”を備えた隣接校舎への通り抜けも可能な建築を考案
    16. 村山徹と杉山幸一郎による連載エッセイ ”今、なに考えて建築つくってる?” 第6回「参照すること、その先にあるもの」
    17. ZHAによる、中国・重慶市の交通施設「T3B」。国際空港の新ターミナルの計画。都市の山岳と河川の景観から着想を得た“うねるような屋根”を備え、将来的な拡張と運用効率を最大化する“X”型の平面構成の建築を考案。旅客の為の屋外テラスと中庭も設ける
    18. nendoによる、長野・御代田町の「土管のゲストハウス」。宿泊機能を備えた芸術作品等を収蔵する保管庫。インフラに用いられる“ボックス・カルバート”の考え方を応用し、土管を井桁状に積み重ねた様な建築を考案。保管物の増加に伴い“土管”の追加も想定
    19. オンデザインパートナーズによる、神奈川・横浜市の「まちのような国際学生寮」。多様な学生が住む寮。共同生活で“交流を促進”する存在を目指し、最小限の“個室”と様々な特徴を持つ居場所“ポット”を散在させた生活機能を担う“共用部”で構成。小さな滞在空間の“連続体”として建築を作る
    20. ヨネダ設計舎 / 米田雅樹による、三重・亀山市の住宅「野原の家」

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    最も注目を集めたトピックス
    2026.06.29 Mon 06:56
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    2026.6.27Sat
    • 坂茂によるスピーチの動画。坂の「2026年 AIA ゴールドメダル」受賞を記念して、2026年6月のアメリカ建築家協会のカンファレンスで行われたもの

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